MTV UNPLUGGED - YU TAKAHASHI

ABOUT MTV UNPLUGGED

「MTV Unplugged」は、“プラグを抜いた”の意の通り、アコースティックな手法とオーディエンスとの親密な距離にこだわり、独特の緊張感と一体感に包まれたライブ空間を実現する、MTVが誇る大人気企画。1989年にニューヨークで初めて実施されて以来、エリック・クラプトンやマライア・キャリー、オアシスといった音楽界のスーパースターから、アデル、ケイティ・ペリー、アダム・ランバートらポップシーンの実力派まで、100組を超えるアーティストが出演し、「出演できるのは一流の証」とさえ言われている。日本制作ではこれまで第1回の宇多田ヒカルをはじめ、計28組が出演しており、今回、高橋優は通算29作目の「Unplugged」に挑む。

LIVE REPORT

デビュー6年目の最終日にMTV伝統のステージで万感のライブ

2016-07-20
  • 写真ゆっくりと歩いてステージ中央に置かれている椅子に座り、愛用のアコースティックギターを手にした高橋優。ギター、ベース、ドラム、キーボード、ヴァイオリン……という、普段のライヴとは一味違う編成のバンドメンバーたちも登場して準備完了。スタートした1曲目は「陽はまた昇る」だった。柔らかな光に包まれているステージから、哀愁を帯びたメロディが高鳴っていく。どこか幻想的にも見える空間から心地よいサウンドが一気に溢れ出し、観客は息を呑むように耳を傾けていた。続いて、ギターを激しく掻き鳴らし始めた高橋。骨太にコードを響かせながら2曲目「こどものうた」へと突入した。その気迫に刺激されて、観客も手拍子を始める。やがてバンドメンバーたちのパワフルな演奏も合流し、高橋の声は熱を増していく。彼の歌に宿っている圧倒的な熱量をまざまざと体感した。
    「お越し頂きありがとうございます!」と元気よく挨拶をして、数々のアーティストの名演が繰り広げられ続けてきた『MTV Unplugged』に出演する喜びを語った高橋。路上ライヴからシンガーソングライターとしての活動をスタートした過去にも触れて、「原点を思い出しながら皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしたいと思います」と観客に呼びかけると、「クラクション」の演奏を始めた。時折、ブルースハープも吹きながら歌う高橋の声が温かい。清々しいムードのまま雪崩れ込んだ「BE RIGHT」は、実に楽しそうに打ち鳴らされていた観客の手拍子がステージまで届いたのだろう。高橋は勿論、バンドメンバーたちも笑顔を浮かべていたのが印象的だった。「同じ空の下」も披露された後に、再び迎えたインターバル。高橋はバンドメンバーたちを紹介すると、このステージに立って歌うことができる喜びを改めて語った。そして、「こういう機会なので、アコースティック編成で初めての曲をやらせて頂きます」と言い、次に演奏する曲について説明した。くっついたり離れたりの繰り返しである人間関係。当事者には様々な感情があるわけだが、それも俯瞰で見れば美しいものなのではないか?そんな視点で作ったのだというその曲は、8月31日にリリースされる15thシングルの表題曲「光の破片」。続いて、叙情的なメロディがじっくりと迫ってきた「さくらのうた」。優しさに満ちた歌声で観客を包み込んでいた「産まれた理由」……ステージを見つめる誰も彼もがうっとりとした表情を浮かべて噛み締めていた。

  • 写真「折角なので、あまりやってこなかったことを。カバーを1曲歌わせて頂きます。大好きな楽曲を」と言い、届けられたフラワーカンパニーズの「深夜高速」。自身の曲ではないわけだが、歌詞の言葉の1つ1つに人生を乗せるかのように歌っていた姿は、鬼気迫るものがあった。続いて、「ここからはちょっと熱くなりませんか!」と呼びかけて「太陽と花」。観客の手拍子が熱を帯びて打ち鳴らされ、会場は完全に1つとなる。そして、「現実という名の怪物と戦う者たち」と「素晴らしき日常」も披露された後、「こうやって歌わせて頂くと、もっともっといいことがあるんじゃないかなと思うことができます。ますます楽しいこと、いいことが起こりますように!」という言葉を添えて「明日はきっといい日になる」。この曲での観客の手拍子は、バンド演奏の一部と言っても良いくらいの力強さ。高橋が《明日はきっと》と歌うと、客席から《いい日になる》と返ってくる。とても温かいムードが広がった本編の締め括りだった。観客の拍手に応えて行われたアンコール。まず「WEEKEND JOURNEY」が披露された。骨太な演奏とパンチの利いた高橋の歌声が痛快極まりない。そして、「また楽しい時間を過ごせるように。今日はほんとにありがとうございました!」と客席に向かって呼びかけた高橋。柔らかなピアノの伴奏に合わせて歌い始めたラストの曲は「福笑い」だった。途中から他の楽器パートと高橋のギターも合流し、穏やかな昂揚感が客席に溢れ返っていった。全曲の演奏を終えると、立ち上がって深くお辞儀をした高橋。共にこの素敵なステージを作り上げたメンバーたちと交わし合う笑顔が、とても爽やかだった。両手を挙げて手を振り、去っていった彼らを見送った拍手の響きは、観客の胸いっぱいに広がっている深い感動を鮮やかに物語っていた。こうして終演を迎えた『MTV Unplugged: Yu Takahashi』。放送が早くも楽しみで仕方がない最高のステージであった。