MTV UNPLUGGED - VAMPS

ABOUT MTV UNPLUGGED

「MTV Unplugged」は、“プラグを抜いた”の意の通り、アコースティックな手法とオーディエンスとの親密な距離にこだわり、独特の緊張感と一体感に包まれたライブ空間を実現する、MTVが誇る大人気企画。1989年にニューヨークで初めて実施されて以来、エリック・クラプトンやマライア・キャリー、オアシスといった音楽界のスーパースターから、アデル、ケイティ・ペリー、アダム・ランバートらポップシーンの実力派まで、100組を超えるアーティストが出演し、「出演できるのは一流の証」とさえ言われている。日本制作ではこれまで第1回の宇多田ヒカルをはじめ、計27組が出演しており、今回、VAMPSは通算28作目の「Unplugged」に挑む。

LIVE REPORT

恍惚と歓喜に包まれた至福の空間
~Chara、APOCALYPTICA とセッションするサプライズも~

2016-01-19
  • 写真HYDE(L'Arc~en~Ciel)、K.A.Z(Oblivion Dust)によるロックユニット、VAMPSが「MTV Unplugged」に出演。1月19日(火)東京・品川ステラボールで収録が行われた。2008年の結成以来、ヘビィロック、インダストリアル、エレクトロなどを融合させた音楽性と圧倒的なパフォーマンスによって世界規模の活動を繰り広げてきたVAMPS。彼らはこの夜、普段の熱狂的なライブとは一味違う、シックで重厚なステージを繰り広げた。ステージの上には、無数のキャンドルが飾られたオブジェが設置されている。幻想的な雰囲気のなか、まずはバンドメンバーとK.A.Zが登場。ダークなサウンドに導かれるようにHYDEが姿を見せ、最初のナンバー「SAMSARA」へ。妖しくも官能的な音像とともにライブがスタートした。
    「いつもみたいに走り回ったりできないけど、精神的には暴れ回りたいと思います。リラックスしてね」(HYDE)というMCを挟み、心地よい高揚感を伴った「SWEET VANILLA」、クラシカルなピアノにリードされたバラードナンバー「VAMPIRE’S LOVE」など、VAMPSのキャリアを象徴する名曲が次々と披露される。ふだんのライブではラウドかつヘビィに攻めまくるVAMPSだが、この日はアコースティックギター、ストリングスなどを取り入れたアコースティック・セット。生楽器の豊潤な響きを活かしたアレンジによって、楽曲のクオリティの高さがしっかりと際立っていた。ドラマティックなメロディのなかで、美しい憂いを帯びた感情を描き出すHYDE のボーカル、そして、繊細なフレーズと表情豊かなタッチによって楽曲の魅力を引き出すK.A.Zのギタープレイも本当に素晴らしい。

  • 写真ライブ後半にはふたつのサプライズが用意されていた。まずは「大好きなアーティストを呼びたいと思います」というHYDEのコールとともに、純白のドレスに身を包んだCharaがステージに現れる。披露されたのは1997年のアルバム「Junior Sweet」に収録された名曲「ミルク」。CharaとHYDEの声が絡み合い、甘美なハーモニーが生まれたシーンはまちがいなく、この夜の大きなハイライトだった。さらに軽やかなグルーヴが印象的だった「DEVIL SIDE」を挟み、2組目のゲストAPOCALYPTICAが登場。VAMPSのジョイント・ツアーでも共演した両者が奏でたのはもちろん、APOCALYPTICA×VAMPS名義で世界同時配信されたシングル「SIN IN JUSTICE」だ。3人のチェロとドラムからなるAPOCALYPTICAの演奏が加わり、重厚なアンサンブルが出現。フィンランド、日本を代表するロックアーティストたちのオーガニックなセッションは、すべての観客の胸に強く刻まれたはずだ。そしてラストはHYDEとK.A.Zのふたりだけで「GHOST」を披露。儚くも美しい歌声、官能的な響きをたたえたギターがゆったりと広がり、会場全体は心地よい感動に包まれた。ライブ中にHYDEは「人力でやると表情がすごく出る。演奏していると素敵な時間が流れるんですよね。いい経験をさせてもらいました」と語った。その言葉通り、彼らの奥深い音楽性と豊かなパフォーマンスがたっぷりと堪能できた意義深いステージだった。

Text:Tomoyuki Mori
Photo:Hideaki Imamoto
MTV JAPAN