写真家・藤代冥砂さんインタビューの後半です。今回は愛犬ビビのことだけでなく、「音楽をじっくり聴く」ことの大事さについても語られています。
―ブルドッグが暑さに弱いのは有名ですけど、寒さは割と大丈夫なんですか?
寒さにも弱い、まんべんなく弱い(笑)。免疫もいまいちらしくて病気もかかりやすいし。人間が無理して作った犬なのでその辺のしわ寄せが来てますね。
―運動のほうは?
好きですね。でも、すぐ息あがっちゃうし、がんばりすぎちゃうと足くじいちゃったりしますね。
―体重、結構ありますからね。
この間はかったら29キロでしたね。毛で膨らんでる部分が無くて、見た目そのままの大きさなんで。けっこうあるんですよ。
―男性でも、散歩するとき引っ張られたら結構なパワーでしょうね。
そうですね。あと、女の子が犬とじゃれあって、倒されるじゃないですか? で、30キロが乗っかっちゃうと、もう立ち上がれないみたいですね。見かけによらず結構パワーありますよ。子供が引っ張られると散歩にならないんじゃないかな? なにしろ30キロが低重心で動きますからね。大人でも結構踏ん張らないと。
―30キロで低重心、もう1匹いるからダブルで60キロ。散歩が大変ですよね。
僕がいない時は、ウチの奥さんが子供おぶって、犬2匹連れて、猫も一緒について散歩するんですよ。
―え、猫も一緒に散歩するんですか?
猫は外と中、自由に行き来させてるんですけど、どこからともなくやってきて一緒に散歩するんですよ。その光景は近所の名物になってて。「あ、藤代さんちの行進が始まった!」みたいな(笑)。相当に奇妙な行列になってますね。フレンチブルは多いですけど、ブリテッィシュのブルドックってそんなに飼っている人が多くないので、「ブルドック飼ってるあの人でしょ?」みたいな感じで、近所に認知されてるみたいです。
―家で過ごされるときは、どんな音楽を聴いてらっしゃるんですか?
最近クラシックをよく聴きますね。交響曲とかはあんまり聴かずに、ピアノとかバイオリンとかの、割とソロのものを多く聴いてますね。それもホント雑食的に聴いてて。クラシックの面白いところって、ある程度スタンダード曲があって、それをすごい解釈で再現してるところにあるじゃないですか。モーツァルトにしてもベートーベンにしても、ずっと昔の人が作曲したものを今の人が再現して、それを現在進行形の音楽として楽しんでいるっていうところとか。コンテンポラリーな音楽とは違った厚みを感じますね。
―再現する人によって細かな違いがありますよね。
クラシック聴いていて「いいなぁ」と思うのは、BGMとして聴けないところ。たとえば、HIPHOPとかだったらこうして会話をしながら聴いていてもイイんだけれども、クラシックは、その人の息使いや指使い、そういう襞(ひだ)をくまなく聴くことによって、すごく楽しめる。集中して聴ける、面と向かって聴ける音楽として、自分の中で貴重なジャンルになってますね。下手すると映画でさえ、途中トイレに行っても一時停止しないで観ちゃったりするけど、クラシックだけは……。何度かね、本を読みながら聴こうとしたこともあるんですけど、結局そういうことが出来る音楽は自分の中ではそんなにピンとこない音楽だったということで。
―音楽を聴くことに手間をかけるわけですね。
そうですね。交響曲とか全部聴くと長いじゃないですか? 一楽章から全部聴いていくと結構普通に一時間とか経っちゃう。だからこそ「聴くことに一時間集中する」っていうのは、生活の中ですごく大切なことだと思ってます。ともすると、自分たちは視覚、目に偏重しちゃってるじゃないですか。いろんなメディアでも全部視覚優先っていうかね。見ることばっかりやっていると、本来持っている五感のバランスが崩れてきちゃうような気がするんですよ。だから、耳でじーっと聴く時間っていうのは、自分にとっても写真とっても良いフィードバックがあるだろうと。そういうのは面白い。 |
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―実際、携帯とかでもそうですけど、今の時代、意識しなくても「ながら」になりがちですよね。今の時代の環境で、それ以外のものをシャットアウトして、1時間なり2時間単位で何かにガッチリ向き合う、っていうのはものすごく意識しないと出来ないと思うんです。
ポイントは目を使わないで集中するってことじゃないですかね。読書に集中するときも、インプットは目から入ってきますよね? だから目以外のインプットを意識してやってみる。そうすると、想像力とか感受性とかそういうものが、すごく広がると思うんですよね。だから音楽はうってつけなんです。クラシックに限らず、ロックでも何でもしっかり聴いてみるといいんじゃないかと思いますけどね。
< < < 藤代冥砂さんインタビュー前編
藤代 冥砂(ふじしろ めいさ)
1967年千葉県生まれ。写真家。
明治大学商学部卒業。2003年、新潮社「月刊」シリーズで第34回講談社出版文化賞写真賞を受賞。主な作品に『ライド ライド ライド』(スイッチ・パブリッシング)、『もう、家に帰ろう』(ロッキングオン)、初の小説『クレーターと巨乳』(スイッチ・パブリッシング)など。最新作は8月6日発売の『ドライブ』(宝島社)。
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| 『もう、家に帰ろう』(ロッキングオン) |
| 妻であり、世界的ファッション・モデルである田辺あゆみを3年間に渡って撮り続けたプライベート写真集。 |
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『クレーターと巨乳』 (スイッチ・パブリッシング) |
| 「恋をして、生きていくんだ」 力強く鮮やかな11の恋の物語。 |
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新刊〈8/6発売〉 『ドライブ』(宝島社) |
| 雑誌「InRed」に連載の「車と写真と短編小説」が単行本化。8月6日発売。 | |
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| チョン・キョン=ファ 『ツィゴイネルワイゼン(ヴァイオリン名曲集)』 |
| 世界的なヴァイオリニスト、チョン・キョン=ファが奏でる「ツィゴイネルワイゼン」「G線上のアリア」などの名曲の数々。演奏者の細やかな感情を聴き取るのに最適な一枚です。 |

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