2016-11-21
「ハミルトン」キャスト、来場した次期副大統領にメッセージ送る


Photo: Theo Wargo/WireImage
11月18日、マイク・ペンス次期米副大統領は、金曜の夜をニューヨークで過ごす多くの観光客と同じことをした。タイムズスクエアに足を運び、劇場に入って、ミュージカルを鑑賞したのだ。

ペンス氏が選んだのは、ブロードウェイで話題の「ハミルトン」だった。貧しい移民だったアレクサンダー・ハミルトンを主軸にアメリカ建国史を描き、あらゆる人種のキャストがラップやダンスを交えて繰り広げるミュージカルで、今年のトニー賞では最多の11部門に輝いた話題作だ。

(写真=今年2月、第58回グラミー賞授賞式でパフォーマンスした主演のリン・マニュエル・ミランダとキャストたち)

しかし、この夜の会場ではペンス氏が来場しているという噂が流れ、オーディエンスからブーイングが起こっていた。その声はキャストにも伝わったようで、終演後のカーテンコールを迎えると、ステージ上からペンス氏に対するメッセージが読み上げられた。

米「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、キャスト全員を代表して俳優のブランドン・ヴィクター・ディクソンが読んだメッセージは、キャストとクルーの協力を得て、脚本/作詞/作曲/主演のリン・マニュエル・ミランダと演出家のトーマス・ケイル、リードプロデューサーのジェフリー・セラーが執筆した。

「今夜、客席にはゲストがいらっしゃいます。マイク・ペンス次期副大統領、あなたが出て行く姿が見えますが、僕らの声が届くことを願っています」とディクソンは切り出した(※同紙によると、ペンス氏は席を後にしたものの、廊下でスピーチを最後まで聞いていたという)。

「紳士淑女の皆さん、ここにブーイングする理由はありません。ブーイングする理由はないのです。僕らの誰もが、愛の物語を共有するためにここにいます。サー(ペンス氏)、あなたにちょっとしたメッセージがあるので、外で聞いてくれることを願います。皆さんには携帯を取り出して、ツイートしたり、投稿したりすることをお勧めします。なぜなら、このメッセージは幅広く拡散する必要があるからです」

「次期副大統領、僕らはあなたを歓迎します。そして、『ハミルトン』を観に来てくださって、誠にありがとうございます。本当に感謝しています。サー、僕らは多様なアメリカという国にいます。そして僕らは、あなたたちの新たな政権が自分たちや僕らの地球、子どもたち、親を守ってくれないのではないか、僕らを防御し、不可欠な権利を維持してはくれないのではないかと恐れており、心配しています」と彼は続けた。

「ですが、あなたがこのショーにインスパイアされ、ここにいる全員のために、僕らアメリカ人の価値や仕事を守ろうと思ってくれることを心から願っています。このショーを、肌の色も宗教も姿勢も異なる多様な男女によって伝えられる、この素晴らしいアメリカの物語を共有してくださったことを、改めて感謝します」

ドナルド・トランプ次期大統領はこれを受けて、「ハミルトン」のキャストたちがペンス氏に「嫌がらせ」をしたことは、「とても失礼」だとして謝罪を求めている。

一方のミランダは、「『ハミルトン』を誇りに思う。愛を持ってみんなをリードしてくれたブランドン・ヴィクター・ディクソンを誇りに思う。そして、劇場では全ての人々を歓迎するということを、誇りを持ってお伝えする」とツイートした。

当のペンス氏は11月20日(アメリカ時間)、米FOX NEWSに対し、娘やいとこたちと「ショーを楽しんだ」ことを明かし、謝罪の必要はないと語った。

MTV NEWS