ハリー・スタイルズの魅力が解放!2010年代最後、そして2020年代最初の全米1位アルバム『Fine Line』とは

28 1月 2020

昨年12月13日、ワン・ダイレクションのハリー・スタイルズが待望の2ndソロアルバム『Fine Line』をリリースした。本作は1stソロアルバム『Harry Styles』に続き、全米アルバム・チャート1位を獲得。発売週と発売翌週に2週連続でチャートを制覇したことで、"2010年代最後且つ2020年代最初の全米1位獲得アルバム"という偉業を達成した。また、アメリカの他にも計20ヵ国以上のチャートで首位を獲得し、世界中で爆発的なヒットを記録し続けている。
 
架空の島も創作!ユニークなPR作戦で話題に
事前にシングルとして発表されたのは3曲。10月11日ナショナル・カミングアウト・デーに突如リリースされた「Lights Up」は、半裸姿のハリーと大勢の男女が身体をくねらせているセクシーなミュージック・ビデオの効果もあり、発表された際にはTwitterのワールドワイドトレンドで「#HarryStyles」と「#LightsUp」が1 位と2位を独占する事態へと発展。
 

 
その2週後、「Kiwiが歩けるなら、Watermelon Sugarも走れるよね」と、前作に収録されている楽曲「Kiwi」を引き合いに謎のツイートを投稿したハリー。ファンたちの予想通り新曲だった「Watermelon Sugar」は11月16日にリリースされ、同日に米テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』にて世界初パフォーマンス。番組内ではホストも務め、コントに挑戦したことでも話題となった。
 


 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

SATURDAY NIGHT LIVE.

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3枚目のシングル「Adore You」の発表過程は特に風変わりだった。11月28日、ネット上で"エローダ島"なる観光地のプロモーションがスタート。島公式サイトにはアクティビティ・地図・宿泊施設などの情報が掲載され、あわせて動画や公式SNSも公開されていた。あたかも実在するかのようだったが、実はここは架空の地。広告のターゲティングがファンたちであり、Facebookページに「12月13日に島を訪れる予定」 「スイカとキウイも絶品」といった匂わせコメントが投稿されていたこと、またハリーが8月にエローダ島の風景にそっくりなスコットランドの漁村セント・アブスで撮影しているのが目撃されていたことなどから、一部のファンがエローダ島にまつわるアレコレは全て「Adore You」のMV企画のためではないかと見破り、その説が一気に拡散されたのだった。
 


それから数日後、「Adore You」の予告編が公開。鋭いファンの推測通り、エローダ島の存在は作品のプロモーションのためだったとネタバラシされていた。ユニークな謎解きでひとしきり盛りあげた後にお披露目されたMVは、もちろんエローダ島が舞台。お天気も人々も常に曇り顔のエローダ島で、笑うと口から光を放つ体質によって嫌われ者になったハリーが、自身と同じく仲間外れに遭っている魚と出会い絆を深めていく。しかしお別れの時がやってきて…、といった短編の物語となっている。2017年、クリストファー・ノーラン監督作『ダンケルク』にて主人公と行動をともにする若き兵士役を熱演し映画デビューを果たしたハリー。「Adore You」では名監督をも唸らせた演技力で、孤独な青年を感情豊かに表現している。
 

 
『Fine Line』は失恋を癒す、セラピー的な作品に
話題性に富んだ方法でシングルを発表し、満を持してリリースされた『Fine Line』だが、作品について紐解く前にここ数年のハリーの活動を軽く振り返ってみよう。2016年5月にソロデビュー後、彼は慌ただしい日々を過ごしてきた。2017年から2018年にかけて敢行したワールド・ツアーは20ヵ国90公演が軒並みソールドアウト。また、エンタメ業界が彼のカリスマ性を放っておくはずがなく、音楽以外の分野にも進出していくことに。2017年には前述した映画デビュー、2018年にはGUCCIの広告キャンペーン、2019年には同ブランドのフレグランスの顔として登場。ソロ活動をはじめてからファッションセンスに磨きがかかり、中性的な雰囲気のレトロスタイルを好むようになったハリーは、2018年5月にはファッションの祭典「メット・ガラ」の共同ホストにも抜擢。上品な色気が漂うジェンダーレスなファッションを着こなし絶賛されていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Harry Styles #appreciation Credit: Getty #metgala #metgala2019 #harrystyles

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このように順調にキャリアアップしていたハリーだが、反してプライベートではどん底に落ちてしまう。2018年8月、約1年間交際していたモデルの恋人カミーユ・ロウと破局してしまったのだ。理由はハリーの多忙だと言われている。テイラー・スウィフトやケンダル・ジェンナー、カーラ・デルヴィーニュなど数々の美女セレブたちと浮名を流してきた彼だが、カミーユには家族を紹介するほど入れこんでおり、故にダメージは大きかった。そんな彼を癒したのは、他でもなく音楽作り。ハリーはこう語っている。
 
「僕はずっと、曲作りにはセラピー的な効果があると思ってきた。ふだん、腰を据えて曲を作る時には頭では考えないで、出てくるのを待つ。だから作曲中はオープンでいられる。歌詞を書く作業はとても個人的で、その時は"うわ、これをみんなが聴くんだ"とかは考えない。自分の気持ちを3分ぐらいの歌に詰め込んで、送り出してしまう。その気持ちに踏ん切りをつけて、人生を先に進むことができる。僕が最もつながりを感じられるのは最も誠実な曲だから、自分の音楽でそれをやろうとしているんだ」
 
『Fine Line』はカミーユとの交際・破局で経験した気持ちを赤裸々に綴った、ほろ苦い作品になっている。はじまりこそ、果汁のように甘い夏の思い出を歌にした「Watermelon Sugar」、恋人への情熱を綴った「Adore You」などの恋愛ソングが続くが、中盤「Cherry」 「Falling」 「To Be So lonely」では破局後に感じた怒りや寂しさなどを表現。特にファンのなかで人気の高いバラードソング「Falling」では「僕はベッドの中にいるのに / 君はここにいない / それは誰のせいでもない / 酒とこの触りたがりの手のせいさ」 「僕の言ったことは忘れてくれ / 本心なんかじゃなかったんだ」 「今の僕は一体何なんだ? / もし僕が 自分でも一緒にいたくないようなやつだったら?」 「もし僕が 君が話題にしたくないようなやつだったら? / 僕はまた堕ちてゆく」というように自責の念や喪失感が歌詞に込められており、ヴォーカルに寄り添う美しい音色のピアノがその悲しさを際立たせている。だが後半、「Sunflower Vol.6」や「Fine Line」では幸せ絶頂期と失意の底にいた時期を俯瞰的な目線で見つめ、失恋の痛手から立ち直りつつあることを示唆している。
 
「この作品では、音を楽しむことを怖れなかった」
マルチな才能を発揮し表現者として成長し続け、その傍ら失恋の痛みを噛みしめ創作することで乗り越えていったハリー。ここまであけっぴろげな作品になったのは、アルバム制作におけるマインドにも変化があったからだろう。
 
「このアルバムを作ることによって心が軽くなった。僕は成功とは何かを長い時間をかけて考えた。アルバムを作るなかで成功というものを再定義した。友達との会話や作業を通してどんなレコードを作るかを考えたんだけど、(プロデューサーの)タイラー(・ジョンソン)との会話のなかで、僕は今作る必要があると感じているレコードのことや、5年後、10年後に作りたいレコードについて話した。そしたらタイラーは"今作りたいレコードのことだけを考えるんだ。できることはそれだけなんだ"と言った。その言葉は胸に突き刺さった。
 
別の友達とは成功するってどういうことかって話していて、彼はもし幸せだと感じていたら成功しているってことだと言った。それについて考えて、自分の作品に対して最高の気分を感じていたときを思い出してみたら、そのときが一番幸せだったって気づいた。だからそういう考え方をすることにした。いつも誰かを幸せにしようとするよりも、自分が幸せになれるものを作っていれば最高の気分になれるって気づいて、心が解放されたし、自由になれた気がした。しばらく悩まされていたいろんな制約が気にかからなくなったんだ。売り上げのこととか、ストリーム回数のこととかね。そういったものから解放されるのはとても気分がいいよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

FINE LINE . THE ALBUM . DEC 13 Photo: Tim Walker

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いろいろな縛りから解き放たれたハリーは、自身の好きなものを自由な発想で作品に取り入れている。彼がスローガンとして掲げている「Treat People with Kindness」(意訳:人に優しく)をそのまま音楽へと昇華させた同名曲は、ハリーが前向きな気持ちを歌いあげるなか、「もしかしたら僕たちは ごきげんになれる場所を見つけられるかもしれない / そうしたら 人に優しくなれるんだ / ごきげんになれる場所を見つけよう」と高らかに歌うコーラスに、弦楽器やパーカッションが加わっており、まるで新時代のゴスペルナンバーさながら。
 

 
ハリーは今回の作品作りのプロセスをこうも振り返っている。
 
「昔からハーモニーや、弦楽器や、生のホーンなんかが大好きだった。僕にとっての音楽は単に楽しむということなんだけど、1stアルバムでは音楽を深刻に考えていた。1stアルバムからこれまでを思い返してみると、間違ったことをしないように一生懸命だった。まだ音楽を深刻に捉えていて、本格的なミュージシャンに見えるように頑張ってた。ソロアルバムを作るとはどういうことか、とか考えてた。無意識にかどうかわからないけど、楽しい音楽を作るのを少し怖がっていたんだと思う。
 
このアルバムでは、楽しい曲を作っていい気分になることを恐れなかった。だから僕にとって重要なのは楽しむこと。ハーモニーが好きだったし、それを曲の大きな特徴にしたかった。生の弦楽器の音も好きだった。そういったものをいじって実験できることがとても楽しいんだ。上手くいかなくてボツにすることもあるけど、それでかまわない。でも時々、まったく場違いに思えるものが魔法のようにぴったりハマることがある。その時は"やったね"って感じだね」
 
デビュー・アルバムではポップスやソフト・ロック、グラム・ロックなどの要素を取り入れ、本格派ミュージシャン/ソングライターとしての才能を証明したハリーだが、肩の力を抜いて純粋に音を楽しんだ『Fine Line』は新境地を切り開いたと言えるだろう。ゴージャスなホーン隊、合唱団による美しいハーモニー、楽しげな手拍子や口笛があちこちに散りばめられ、60年代〜70年代フォーク・ロック、サイケデリック・ロックといった曲調もあり、幅広い層に響くような作品へと完成している。ボーイズ・バンドからキャリアをスタートさせたからと色眼鏡で見ている人たちにこそ、作り手であるハリーと同様、音楽を楽しむことを怖れずに、どうか作品を一聴してみてほしい。
 
text by Yuka Yamane


【リリース情報】

Harry Styles | ハリー・スタイルズ
セカンド・アルバム
『Fine Line | ファイン・ライン』
発売中(2019年12月13日)

国内盤CD
SICP-6246 / 2,200円+税
歌詞・対訳・解説付き
デジパック仕様/初回仕様限定ポスター封入

配信アルバム
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