2017-11-22
オーストラリア出身のサイケデリック・バンド、ポンドの初単独来日公演をレポート!


Chiaki Karasawa
今年SUMMER SONICに出演したオーストラリアはパース出身のポンド。当時出演が発表されるやいなや、“サマソニで見たい/見ておくべきアーティスト”として名前をあげられることが多かったバンドであり、事実GARDEN STAGEのパフォーマンスの評判は高く、日本のリスナーの記憶に刻まれることとなった彼ら。キャリアはすでに8年以上、通算で7枚のスタジオ・アルバムをリリースしているが、なんと今回、初の単独来日公演が決定し、11月15日(水)代官山SPACE ODDにて開催された。

サマソニから月日を置くことなく来日が叶ったポンドだが、待望とも言うべき一夜にサポート・アクトを務めた幾何学模様のステージとの化学反応も相まって、メンバー登場時ですでにオーディエンスからも十分過ぎる程の仕上がりを感じられる。オープニングは「30000 Megatons」。最新作『The Weather』でも1トラック目に収録され、核の脅威を歌った歌詞で不穏な得体の知れない何かの始まりを予感させる曲であり、未知なるものとの遭遇という意味でこの夜に相応しい始まりの合図となった。

ポンドと言えば、中心人物であるニックのとびきり目を引く、それでいてチャーミングでアイコニックなメイクと衣装はこの日も健在で、耳だけでなく目も一瞬で奪われてしまう。序盤からニックはステージからダイヴし、オーディエンスに支えられながら群衆の上に立ち上がって歌う。この日何度か見られた光景だが、その度に会場の一体感は増していき気持ちがどんどん高ぶっていく一方であった。

目まぐるしくステージを動き回ったかと思えば、「Zen Automaton」ではフルートで美しい旋律を凛とした姿で演奏するニック。またステージ後方のスクリーンに投影される映像は、曲ごとにそれに沿ったコンセプトでありがならも“ザ・サイケデリック”の様相を見せ続けている。しかしながら、これだけ情報量の多いステージであるのに決して散漫にはならない。当然だがそれは、彼らの8年というキャリアに裏付けられる実力そのものでもあるのだろう。そのパフォーマンスに身を預けると永遠にも一瞬にも感じられるような不思議な感覚を身体が覚えるようであった。

最新作『The Weather』は明らかにこれまでのポンドとは一線を画し、確実に彼らを次のステップへと押し上げた作品であったが、「Waiting Around for Grace」や「Sitting Up on Our Crane」といった過去作からの楽曲も万遍なく織り交ぜられたこの日のセットリストにおいて、新曲も過去曲もまるで違和感なく、それぞれの楽曲がひとつの大きな流れを生み出していた。それはつまり、今作が裾野が広がった作品であり、過去も未来も受け止めていく圧倒的な包容力を持っているからこそだったからではないだろうか。

本編ラストは最新作のタイトル曲でもある「The Weather」。何重にも何層にも重なり広がっていくサウンドが、特別な夜となる予兆を感じさせた「30000 Megatons」と呼応し、この日の1時間という時間の密度・濃度をより濃くし、私たちオーディエンスをすっぽりと彼らの世界に包み込んでいくように締めくくった。一夜限りとは言え、サマソニ以上にしっかりと、その存在感を残り香のように染み込ませていったポンド。恐らく次の来日もそう遠くないと期待できそうだ。まだまだ大きく広がりを見せていくその姿が見えるような一夜となった。

【セットリスト】
 1. 30000 Megatons
 2. Sweep Me Off My Feet
 3. Elvis' Flaming Star
 4. Waiting Around for Grace
 5. Zen Automaton
 6. Fire in the Water
 7. Don't Look at the Sun or You'll Go Blind
 8. Sitting Up on Our Crane
 9. Paint Me Silver
10. All I Want for Xmas (Is a Tascam 388)
11. Edge of the World, Pt. 1
12. Edge of the World, Pt. 2
13. Giant Tortoise
14. The Weather

Encore:
15. Man It Feels Like Space Again

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