2017-07-12
YOMI(NIGHTMARE)ソロプロジェクトバンド、TAKE NO BREAK。メンバー全員による最速ロング・インタビュー後編を公開。YOW-ROW(GARI)から寄せられたコメントも掲載

昨夜7月11日、仙台MACANAで行われた始動ライヴ[Demonstration~零~]を終えたYOMI(NIGHTMARE)ソロプロジェクトバンド、TAKE NO BREAK。インタビュー前編では、バンド始動にあたっての心境、メンバーの人物像、「FiVE」に込められた淳の思いに焦点を当ててきた。後編ではTAKE NO BREAKのサウンドをさらに深く掘り下げるべく、楽曲制作にまつわるエピソードを存分に語ってもらった。また、メンバーから絶大なリスペクトを受け、『BREAK THE LIMIT』のマニピュレーターとマスタリングを手がけているGARIのYOW-ROW氏から寄せられたコメントも必見。
※インタビュー前編はこちら

「BREAK THE LIMIT」が完成したことによって、淳が求めているTAKE NO BREAK、バンドの主軸になるものがやっと形になった

-シングル『BREAK THE LIMIT』に収録されている3曲の歌詞のテーマは、「BREAK THE LIMIT 」が現在、「Brave New World」が未来、「FiVE」が過去、とのことですが、これらのテーマは曲作りの前段階からあったのでしょうか?

淳:「過去」「現在」「未来」というテーマは、最初にレコーディングをした「FiVE」と「Brave New World」の詞を制作している時に考えてました。今回しっかりと自分達の「今」をパッケージできたと思うので、凄く嬉しいです。

-コンセプトが明確ですし、初リリースにふさわしい決意表明ですね。それでは楽曲制作について詳しくお訊きしていきます。「BREAK THE LIMIT」のBPMは199くらいとかなり速いですが、元々ここまで速いテンポ感で曲を作っていったのでしょうか??

U.K.:はい、そうですね。

-曲を聴いているとAA=が好きだとおっしゃっていた感じもわかります。

U.K.:お!それはよかった(笑)。

-「BREAK THE LIMIT」を作曲するにあたって、どういう部分を意識しましたか?

U.K.:まずはサビのメロディが”ズバっ!”としてないといけないということで、テンポも特に速さを意識してたわけじゃないんですけど、最初に作ったメロディに合わせていったらこうなった感じです。他の2曲とは違って、楽器のアプローチもちょっと重いですし、”勢い”とかそっちの方向性を出したかったので、コード感を広げるというよりは、シンプルなアプローチでまとめて、同期モノで広げようかな、という作り方でした。いちばん最初に出来たときは、同期モノも少ないバージョンしか乗ってなかったから、もっとすごく”バンド”っぽかったんですよ。同期がたくさん入ってくることによって、淳が求めているTAKE NO BREAK、持っていきたい方向性がパッケージできて、バンドの主軸になるもの、やりたいことがやっと形になって、名刺代わりの一発目にふさわしい曲になったなと思います。

朋:この曲が仕上がった時は「きた!」って思いました。この曲でバンドの目指す方向性が明確になった感じ、めっちゃカッコいいと思う。

「BREAK THE  LIMIT」はGARIのYOW-ROWさんがマニピュレーターを手がけたそうですが、実際に同期やアレンジが加えられたヴァージョンを聴いてどう思いましたか?

U.K.:自分であらかじめ作っていた打ち込みを活かしてもらって、こちらの意識を汲みつつも広げていただけたなと。

淳:原曲の段階から凄くカッコイイ曲だったんですけど、この曲が持ってるパンチがより強くなったなぁと思いました。

デスヲ:熱さとクールさ、王道とギミック、ストレートとフック、そういった対照的な要素が絶妙な、聴きごたえのある代表曲に進化したなと。カッコいい!!

朋:こんなにもか、と。そのサウンドに痺れました。俺たちの目指す音だけでなく、思いも汲んでくれたYOW-ROWさんは男前すぎますよ。すげーワクワクしました。ここにこれ?みたいな。自分にはない発想なので、そのワザ、盗みたい(笑)。

-疾走感のあるラウドなサウンドで同期もかっこいいですし、ライヴでもめちゃくちゃ盛り上がりそうな曲ですね。

どうしても俺、暗いんですよ()。暗いっつーか、闇の部分に惹かれちゃうんですよ。そうじゃなくて、プラスの部分に切り換えていきたい

-続いて朋さんにお訊きします。「Brave New World」の作曲にあたって、淳さんの”四つ打ちで”というリクエストと、キー感という前提がある中で、どのように曲を作っていったのでしょうか?

朋:当たり前の話ですが、淳と一緒にバンドをやるってなる前は、リスナー目線でしか聴いてなかった淳の声や歌い方をもっと詳しく知る為に、よく2人でスタジオに入ったり、俺ん家で色々歌ってもらったりしてるんですね。この辺のキーが出るまで早く回復するといーねー、なんて話したりしながら。狭まってる音域の中でメロディーを生んでいくのは難しいところもあるんですけど、淳のやりたいところと、現状の歌声が一番生きるとこはどこやろなー?って考える中で、この曲についてはメロディアスというより、歌に力強いカッコよさを持たせたいと思いました。最近も俺ん家で歌ってもらったりしてるんですけど、声の調子が良くなってきてる感じがしますね。

-伸びやかな歌声がとても気持ちいいですよね。そして、四つ打ちでエレクトリックな曲であると同時に、個人的には、例えばLUNA SEAの「LUV U」を髣髴するような雰囲気も感じました。いい意味でのヴィジュアル系感というか。コード感や裏拍で入っているギターも含めて。

朋:U.K.のギターのアプローチだったりするのかな。いわゆる流行りモノみたいな感じのロックとの混ざり方じゃなくしたいとは思ってたんですが、U.K.が入れてきたギターがローチューニングでゴンッ!って感じじゃなくて、何ならあんま歪んでもなくて、おっ、かっけーじゃんって。仕事で色んなジャンルの曲を作ったりしていますが、こういった曲を得意分野としてそこまでたくさん作ってきた人間ではないので、そこの「俺なりの」感も出ちゃってるのかもしれませんね。

-シンセや同期に関してはいかがでしょうか?

朋:感覚的に作っているので作り方が普通とはちょっと違ったりするところもあるかもしれないですね。ギターのエフェクトをかけてみたりとか。さっき話したように「俺なりに」って感じです。

-なるほど。淳さんは四つ打ちのリズムで歌うにあたって、意識したことはありますか?

淳:昔から走りグセがあったので、そこには気をつけました。…走ったらU.K.が超怒るんで(笑)。

U.K.&朋&デスヲ:爆笑

-”悲しみの理由とさようなら”という歌詞には、どんな思いが込められているのでしょうか?

淳:うーん、なんていうんだろうなぁ。どうしても俺、暗いんですよ(笑)。暗いっつーか、闇の部分に惹かれちゃうんですよ。だから、そうじゃなくて、プラスの部分に切り換えて、そっちの方に行きたいなっていう感じですね。

-「FiVE」については前回のインタビューで歌詞のテーマをお訊きしましたが、曲そのものはどのように作っていったのですか?

朋:浮かんできたヴォーカルメロディーから作っていきました。まだ、どういうものをやりたいって話し合う前の頃に、淳の歌声で降りてきたメロディーですね。「BREAK THE LIMIT」のような、このバンドが目指すところのど真ん中の曲ではないですけど、似合うなと。メロディーを生かすアレンジを心がけました。

テクニカルなことって、やろうと思ったらほんとにキリがないんです。もしそれをやるんだったら、デスメタルに戻ろうかなと()

-デスヲさんにお訊きします。この3曲は同期が多いじゃないですか。ドラムはエレドラで録ったんですか?

デスヲ:はい、そうですね。

-「BREAK THE LIMIT」に関しては、どういう部分を意識して叩いたのでしょうか?

デスヲ:いや、特に何も意識しなかったです(笑)

淳:ギャハハハ!!! 

U.K.:淡々と(爆笑)

朋:(爆笑)

デスヲ:思いつくがままに叩いて、Bメロのリズムにちょっと変化があるじゃないですか。あそこは普通のリズムで叩いてたんですけど、U.K.にこだわりがあったみたいなので直しました。あとはそんなに意識して、とかはないかな。

-意識せずともいいフレーズが叩けるということですね。「Brave New World」のブレイクの部分とか、感動しましたよ。ダンスロック系の音楽は流行っていますが、リズムに立体感や変化があまりないように感じるものもあるので、同じ四つ打ちでもここまで差が出るんだなと思いました。

デスヲ:ああ、このバンドで思うのは、ラウドロック系の、”詰め込む!!”みたいなものは極力避けようと。逆に、すぐにみんながコピーできるぐらいのシンプルなドラムで、かっこいいもの、ノリノリでライヴができるようなものを目指そうかなと思ってるんですよ。テクニカルなことって、やろうと思ったらほんとにキリがないんです。もしそれをやるんだったら、デスメタルに戻ろうかなと(笑)。

淳&U.K.&朋:爆笑

デスヲ:もう、ブラストビートバリバリの(笑)。そうじゃないんだったら、そんなに詰め込まないでおこうかなと。でも、ロックのバストラのちょっとしたツーバスフレーズとかは少し残しておいた方が、ライヴに来るお客さんもグっとくるのかな?とか、そんなことを考えながら叩いてるっていうのはありますね。難しいことをやろうというよりは、シンプルに、シンプルにという。

-シンプルではあっても、わかりやすいところでフックになるかっこいいフレーズがたくさんあるんですよね。

デスヲ:それは良かったかなと思います。

生の部分まで機械的にキッチリカッチリはちょっと。感情、熱さとかが音に出るのってそういうところかなと

-ギターとベースについて、特にここを聴いてほしい!という部分はありますか?

朋:ビート感かな。俺もテクニカルなフレーズは選ばなかったですね。打ち込みのリズムトラックやシンセが乗っかてる中でも、生バンドパートの肝はビート感です。

-全体のグルーヴ感ということでしょうか。

朋:そうですね。生の部分まで機械的にキッチリカッチリはちょっと。感情、熱さとかが音に出るのってそういうところかなと。あとは最初から最後までの流れにかけてのドラマチックさ、そういうところを大事にしたっていうのはありますね。

U.K.:俺はプレイ面に関しては特にないかな。基本的にTAKE NO BREAKはヴォーカリストのソロプロジェクトで歌ありきだと思うので、ギタリストとしてっていうよりは作曲の方に頭がいってて。やっぱりメロディをいちばん大事にしたいなと。あとは、エレクトリックというか、曖昧な(笑)エレクトロさが融合されればいいかなという。ギターに関しては、今まで自分がやってきたスタイルがそのまま出ている感じですね。

-今回のチューンニングは?

U.K.:半音下げですね。今の流行りのダウンチューニングって、ものすごく歪んでるじゃないですか。ああいうのは個人的には弾きたくなくて、ヴィンテージ風なサウンドが好きなんですよ。そこがまた、他のバンドとの違いだったのかな。

-ああ!いわれてみれば、確かにそうですね。

朋:全員、自分のスタイルが出来上がってるメンバーなので。デスヲさんのこういうドラムが好きだとか、U.K.が考えるこういうアルペジオが好きだとか。淳の歌はもちろん、曲作りの段階からメンバーのプレイを思い浮かべながら曲を作っていったんですよね。

俺、あんまり自分の声が好きじゃないんですよ。

-淳さんのヴォーカルは全体的に、歌い回しひとつにしても、NIGHTMAREとは少し違う感じですね。

淳:いい意味で、できるだけ自分のクセが出ないようにはしました。っていうのと、NIGHTMAREでは歌を重ねるっていうこととかはしていなかったので、今回は重ねてみたり、エフェクトかけてみたり、今までやってなかったことを色々とやってみた感じですかね。

-淳さんのアー写のようなラフな感じが歌とマッチしてるというか。こういう歌い方もできるんだなとか、ああやっぱりいい声だなとか、新鮮な発見がたくさんありました。

淳:なんだろう、他のジャンルが好きな人にも、かっこいいね!って言われるのってどこなのかな?って、探りながら歌ってる部分もあるかもしれないです。自分の声って、そんなに甘い、いい声でもないし、なんなんだっていう(笑)。俺、あんまり自分の声が好きじゃないんですよ。

デスヲ:好きじゃない!?

淳:はい。NIGHTMAREの時もそうだったんですけど、コンビニとかラジオで流れるときに、”これってNIGHTMAREだよね”っていう、(歌声の)個性を意識してた部分はあったんですけど。 

-誰が聴いても、すぐにYOMIさんの歌だとわかるような?

淳:そうそう。そこはまあ、いい部分なのかもしれないですけど。

朋:確かに、淳の歌声って、誰かっぽいとかないもんなぁ。

淳:そうそう、敢えて言うなら、まぁ若干…イガグリ千葉さんぽいよねとは……

U.K.&朋&デスヲ:大爆笑

淳:それ言われるとイラっとするっていう(笑)。

-(笑)。シングル『BREAK THE LIMIT』の3曲は、ダンサブルなサウンドで尚且つ、TAKE NO BREAKならではの音の質感のオリジナリティが確立されていますね。

U.K.:いい意味で、自然にそっちに流れてくれたっていうのはあるかもしれないですね。元々自分たちが打ち込み系をメインでやってきた人間ではないので、ずっとバンドでやってきた人間が頑張って(笑)。こういうサウンドに手を出してみたら、わりと他のバンドと違う質感になったので。いいところに落ち着いたというか、まとまったというか。やりたいこともちゃんと出来てるけど、無理もしてないし、独自のものとして、ちゃんと色が出てきたかなと。

朋:TAKE NO BREAKでは歌をもっと前に出したいかな。

-今も気持ちよく出ているのではないでしょうか?

淳:NIGHTMAREがあんまり歌を大きく前に出してるバンドじゃなかったですからね。

-本作は、会場での販売と、通信販売でのリリースになるとのことですね。

U.K.:はい。通販はTAKE NO BREAKのサイトから買えるようになります。

レコーディングにみんなが集まって、大きなスタジオやブースで録ってるっていうことは、ミュージシャンのひとつのステータスだと思うんですよ。やっぱり夢は壊したくないなぁというか。

-スーパードラマーと絶賛されているデスヲさんですが、今回はエレドラでドラムを録ったとおっしゃっていましたよね。最近はラウド/メタル/ハードコア系の作品って、DTMやレコーディング・テクノロジーの進化に伴って、バンドのドラマーが叩いたものではなく、すべて打ち込みにしているというバンドも多いじゃないですか。基本的にドラムのレコーディングというのは、生ドラムにマイクを立てて叩く、エレドラで叩いてから後で音色を決める、サンプリング音源で打ち込む、この三つのパターンが主流なのでしょうか?

デスヲ:生ドラムで叩くっていうこと自体は、結構みんなやってはいるんですけど、最近は結局、(叩いた音を)サンプルの音に差し替えることが多いみたいです。ラウドとかメタル系って、キックもスネアもみんなダブステップみたいな音になってるじゃないですか。あれって絶対に生では出ない音像で、海外のエンジニアが作りに作り込んだサンプルなんです。それを叩いた音に上からすべて貼るので、クリアに2バスも聴こえますし、タムも消えずに、きれいに全部聴こえるんです。あそこまで全部クリアにっていうのは、生ドラムだけではほぼ不可能なんですよね。そうすると結局は、元の音が生ドラムであろうがエレドラであろうが、関係なくなっちゃうんです。

-なるほど。それではドラマーがドラムを叩いてない、サンプル音源の打ち込みの場合であってもほぼ同じになるということでしょうか?(叩いた音が信号になるという意味では)

デスヲ:そうです。打ち込みであったとしても、結局は上に貼ってしまうので。その次は貼っていく音をどんな音色にするか?っていうことだけなんですよ。例えば、TAKE  NO BREAKはデジロック系のサウンドだったので、僕としては、固めでバリバリに音圧の太い音が欲しかったんですね。だったら最初からサンプルを貼ったり加工することを前提としたドラムっていう考えでやったらどう?って提案したんです。それで、とりあえずエレドラで録って送ったんですけど、メンバーからも”これで大丈夫だと思います”と言われたので、今回の曲はすべてそんな感じで作っています。でも、ものすごいバラードの曲が出来たりとかしたら、絶対に”生で!”ってなる可能性もありますけど(笑)。

-バンドに取材をするときは必ずドラムのレコーディング方法を訊いているのですが、その理由は、ここ10年くらいでレコーディング・テクノロジーがものすごい発達を遂げていることに対して、一般のリスナーが想像するロック・バンド像、レコーディング風景のイメージというものが乖離し過ぎているような気がしてたからなんです。

デスヲ:今日は訊かれたから答えましたけど、基本的には自分からはエレドラを使用して…とかは言わないですよ。

-それは、夢を壊してしまう可能性があるからですか?

デスヲ:そうですね。レコーディングにみんなが集まって、大きなスタジオやブースで録ってるっていうことは、ミュージシャンのひとつのステータスだと思うんですよ。あれって、一般的には絶対に経験できないことですから。そこに関してのイメージは、そんなに僕は崩したくない。ドラムを宅録していますっていうことは、あまり言わないようにしていて。含みを入れてはいますけど、やっぱり夢は壊したくないなぁというか。

-夢を見るのが難しいご時勢になってきているなぁとは思うんですよ。DTMを経由しているバンドなら自然な考えなんでしょうしジャンルにもよるんですけど。打ち込みがズルいとか、サンプリングが悪いとか、そんな単純なことではないですし、そこには新たなクリエイティヴが必要になってくるわけで。夢を壊そうとか暴こうみたいなつもりもないんです。ただ、ここまでイメージが乖離している状態では、リスナー側に”どういう工程でこの音が構築されているのか”ということをなるべく細かく伝えていかないと、どこかで無理が出てくると思うんですね。実際に音源のドラムのクオリティをライヴで再現できない、超えられないバンドもいて、”音源最高!ライヴがっかり!”みたいなことを何度も味わってしまうと、リスナーも疑心暗鬼になります。ですが、デスヲさんはメンバーさんがおっしゃる通りの凄腕ドラマーですし、みなさんプロフェッショナルですから、こういうことを書いても問題ないのかな?と思うのですが。

デスヲ:一応僕の場合は(エレドラでドラムを)叩いてますからねその上で出来ることしか出来ないようにしてるんです。例えば、遅いテンポで叩いたものを極端に速くするみたいなことは一切やっていないので。そういう意味では、「打ち込んだ」ドラムとは、全然違うものであることは間違いないと思います。

-ちなみに、音色を付けているのはデスヲさんですか?

デスヲ:キックの音色の重ねとかはYOW-ROWさんにやっていただきました。「BREAK THE LIMIT」に関しては、僕は(まだ同期モノが入ってない)生の状態で音をもらって叩いてるので、生のバンドっぽいサウンドに仕上げました。

-答えていただいてありがとうございました。個人的にメディアにまつわるアンケートを取っていて、まだサンプル数は20くらいなんですけど、インタビューでいちばん知りたい事の項目は”音作りの工程”が一番多かったんですよ。

朋:ああ、どうやったらこの音が出るんだ?っていうのを知りたいっていうのはあるのかもしれないですね。掲載される媒体のカラーや読者層によっては”今のマイブームはなんですか?”みたいな質問ばっかりなこともあるけど、そこはニーズに合わせてだと思いますし。でも音楽的なことを訊いてもらえるのは嬉しいですね 

歌録りのときって、作曲者とエンジニアさんと俺っていう、最小限でやりたいんですよ。弱い自分と戦ってるっていう部分がすごくあって。 

-それではレコーディングにまつわるエピソードをお訊きしていきますね。レコーディングはどこで行ったのでしょうか?

朋:歌は大阪で、他は都内ですね。

U.K.:僕の友人が大阪でレコーディングスタジオでやってまして、破格でやらせてもらったんですよ。何曲かまとめていって、2日以上使うんであれば、都内よりも安くできるっていうのと、元々そのスタジオのエンジニアとすごく仲がいいので、淳がリラックスした雰囲気でやれるっていうのもあって。

淳:そうそう。歌録りのときって、作曲者とエンジニアさんと俺っていう、最小限でやりたいんですよ。今までって、いろんなスタッフさんがいる中でやってたから、そういうのがちょっとイヤで。なんというか、リラックスして歌えなかった部分があったんです。だから、今回は大阪でやったので、気持ちよくできたんですよね。

-なるほど。やっぱり、立ち会う人が多いのはイヤなんですね(笑)。

淳:イヤっすね!完成形を聴かれるのはいいんですけど、やっぱりレコーディングで歌ってる時って、弱い自分と戦ってるっていう部分がすごくあって。失敗しちゃうときもあるじゃないですか。そういうところをあんまり、出来るだけ見せたくないんです。

-そういう時に、音に関わる以外のスタッフの人にも、ヴォーカルについて何か言われたりすることもあるんですか?

淳:いや、そういうのは特にないんですよ。それもないから、逆にイヤっていう(笑)。

-なるほど(笑)。

朋:俺は人がいるのは気にならないですけど、寝てる関係者が視界に入るとちょっと(笑)。じゃあ来んなよ、帰って寝ろよ!って(笑)。

淳:ああー!!

デスヲ:僕も一回あったわ。ヴォーカルがすげぇ繊細な奴でさ、ギターの奴が寝てて、「ちょっとオマエさ!見えるとこで寝んなよ!」とか、ブースの中からブツブツ文句言っててさ(笑)。

淳&U.K.&朋:爆笑

朋:せめて死角でって(笑)。

デスヲ:そうそう(笑)。相当イラっとしてたんやろうけど。

淳:ただでさえレコーディングってピリピリしてるもんね。

デスヲ:だから、思いもよらないことが気に障るんだろうね。

朋:音に関わらない関係者が、仕事してるフリでわざわざ寝顔見せに来んでええねんっていう(笑)。

-NIGHTMAREのレコーディングで、この曲のときはきつかったな~というようなエピソードはありますか? 

淳:「Deus ex machina」っていう曲の時ですね。めちゃくちゃキーが高くて、たぶんBくらいまで出るんですよ。今気持ちよく歌えてるキーがGとかAなので(*BはAよりも長2度高い音)結局ライヴがきつくなってくるじゃないですか。ギリギリで歌えるんですけど、それって自分の喉の調子がいいときに合わせちゃってるってことだから、大変だったなーっていうのは思いました。

昔は合宿レコーディングとかあったじゃん。ある程度プリプロでまとめておいて、あとは録りにいくだけみたいな感じで行くのも楽しそうだよね

-今回は無理のないキーになっているそうですし、レコーディング自体も楽しめたようで何よりです。

淳:そうですね。今回は大阪に行ってレコーディングも楽しかったんですけど、終わった後にエンジニアの人と打ち上げをしたり、そういうところも含めて楽しかったです。 

U.K.:都内でレコーディングをやるとなると、仕事としてエンジニアさんと関わるから、今日のレコーディングが終わったら、”じゃあまた明日!”っていう感じになるんですけど、今回はエンジニアと仲がいいから、”今日はここまでにしよう”って終わらせて、その後に一緒にご飯を食べたりしながら、“今日はあの部分がよかったね”とか、“明日はここを変えてみよう”とか、そういう話も出来るので、それはいいのかもね。まぁ都内でやっているエンジニアさんもすごく仲がよくて、10年くらいの付き合いの人だから、フラっと友達の家で歌うみたいな感じで出来てはいるんですけどね。

朋:楽しかったですね。このメンバーで仕事の場というか、音楽の場にいるっていうのが新鮮で(笑)。まだ慣れないもん、居酒屋以外で集まってるのが不思議な感覚…。まぁ結局、終わったら居酒屋に行くんだけどさ(笑)。

淳:なんかさぁ、昔は合宿レコーディングとかあったじゃん。ある程度プリプロでまとめておいて、あとは録りにいくだけみたいな感じで行くのも楽しそうだよね。

-みなさんとても仲がいいので、合宿レコーディングをやったら楽しいでしょうね。

淳:そうっすね。美味しいお酒が飲みたい(笑)!!

U.K.&朋:デスヲ:楽しいお酒が飲みたい(笑)!!

-昔は山中湖で合宿レコーディングをしたとか、そういうエピソードをよく聞きましたけど、今はあまり聞かないような。

U.K.:ああ、よく行ってましたね。使う人が減っちゃったみたいですよ。今はほとんど家でレコーディングができるじゃないですか。

朋:制作にお金かけない傾向があるよねー。

U.K.:そうだねー。制作費もでかい。

-みなさんのお話を伺ってきて感じたのですが、全員が熟練されたプロのミュージシャンなのに、雰囲気的には、中学生の友達同士がバンドに憧れて、家に集まって遊びながら楽器を持って…という感覚に近いような。

淳:ああ~!

U.K.:近いかもしれないですね。初めて中学生の時にバンドを始めたし。

朋:中身はクソガキですからね、しかもお酒を飲む(笑)。大人の遊びなところがありますね。繰り返しになっちゃうけどバンドをやろうとして集まったメンバーじゃないってところがやっぱ大きいと思う。

U.K.:今の時点では仕事になり過ぎてないし、みんなで音楽で遊んでるっていう感覚が近いのかな。楽しくなくならないように続けていければいいなっていう。

淳:それが、いっちばん大事だよね!でも、飲み友達で結成したからこそ、なめられてる部分ていうのもあるんですよ。だから、今回の3曲と、7月のライヴにしても、本気でやってるんだよ!っていうところを見せたいなーって。真剣に遊んでるんだよっていう。

フェスに出たい。あとは、武道館。埋まらないのにやってるバンドもいるけど、絶対に満員にしたい

-TAKE NO BREAKの今後の展望とは?

淳:最終的には、ノージャンルな人たちとも一緒にやって戦えるようなところを目指していきたいです。

-ノージャンルというと、どんなイメージでしょうか?

淳:大雑把な答えにはなるんですけど、フェスとかで”おっ!”って思われるような。かっけーじゃん!みたいな(笑)。なんだろうな…ヴィジュアル系のバンドって、”放つ”というよりは、”引き込む”みたいな感じな気がするんですよ。

-ああ、閉じられた雰囲気というのは、少なからず感じますね。

淳:そうじゃなくて”放つ”っていう方に行きたいなって思います。

-具体的に出てみたいフェスはありますか?

朋:フジロック?

淳:出れるならどこでも!

デスヲ:僕の中でフェスに出るっていうのは一番の大きな目標ですね。

淳:あとは、武道館だよね。埋まらないのにやってるバンドもいるけど、絶対に満員にしたい。

-海外進出についてはいかがでしょうか。これまでに、海外のどこでライヴをやりましたか?

淳:ヒューストン、上海、パリの三ヶ所ですね。

朋:アメリカ、ドイツ、フランスですね。

デスヲ:僕はLM.Cのサポートをしていたときに何ヶ所か。

U.K.:俺だけなんもないじゃん(笑)。

朋:そもそもライヴ自体してないじゃん(笑)。

淳:南米がアツいっていうのは、よく聞きますよね。

-ヴィジュアル系のマーケットが確立しているようですね。TAKE NO BREAKとして行ってみたい場所はあるのでしょうか?

デスヲ:そういえば、このバンドで海外の話って出ないよね!?よし行こう!どっか!!

淳:まぁ行きたいなと思ったところでいいんじゃないですか?観光がてらに、これが食いたいからここ!みたいな、そういう感じでやりたいっす(笑)。

-なんにせよ楽しく飲めるところでという(笑)。

淳:そうそうそう!!

U.K.:行きたいからって行けるものなんですかね?プロモーターとの契約もあるだろうし。

淳:タイアップ曲を増やしたりしたら呼ばれるかもですね。そうそう、今回TAKE NO BREAK名義ではなくて、朋さん作曲の淳の名義で、『イケメンヴァンパイア』というアプリとタイアップが決定してるんですよ。

U.K.:名義的な問題で、”TAKE NO BREAKはキツい”って(笑)。女の子向けの恋愛シミュレーションゲームで、それは……っていう(笑)。

-確かに(笑)。

朋:初っ端からバンド名でダメって言われるバンドどうですか?面白いでしょ(笑)。

淳:まぁでも、提供した曲もTAKE NO BREAKのイメージじゃないし、逆によかったのかもね。

U.K.:先方のイメージが明確にあって、それに応えるという形で作ったしね。まぁ日本て、アニメとかゲームとかのコンテンツが強いじゃないですか。クールジャパンじゃないけど。そういうタイアップをやらせてもらうことによって、海外からのオファーに繋がったり、海外のファンの人にTAKE NO BREAKの音楽を届けられたらいいなと思います。

Comment from YOW-ROW(GARI)

-「BREAK THE LIMIT」のマニピュレーションやアレンジについて

マニピュレーターとしては、バンド演奏以外のシンセアレンジやプログラミングの部分はどうぞお任せしますみたいな。なんで、勝手に無茶苦茶やりました!唄まで勝手に入れて(笑)。でも彼らはフトコロが広いんでね!よくいるんですよ。「YOW-ROWさんの世界観で好きにやっちゃって下さい!」みたいに言っておきながらも最後は自分好みに引き算をしてしまうヒトが(笑)。結局ヒトが介入するってことは、自分では全く想像し得なかった事を付け加えるから化学変化が起きるものじゃないですか?その雑多感を均していくと、やっぱり自分で想像し得る世界からハミ出さないんじゃないかとボクは考えます。なので他のアーティストの時もそうなんですけど、ボクはアーティストの要望は聞いた上で、なるべく彼らが1ミリも予定しなかった方向ばかりを考えています。

-マスタリングを含む作品の全体像について

マスタリングは制作が始まる前に淳君と話している中で、音源の理想と過去に作った作品に対するギャップ?みたいな事を言っていて、まさしく自分も昔はそんな事を思ったな~と。結局ボクの場合は「それなら自分でやろう!」みたいになって、ミックスやマスタリングをするようになっていくんだけど、何と言うか、作り手目線からのカッコいい音みたいな…。果たして良い音って何なんだろう?って考えた時に、最後は自分好みか?って事なんだと思うんです。もちろん一般的な正解はあるんでしょうけどね。だからソコは汲み取って上げたかった。あとはクサイ話になってしまうんですが、「BREAK THE LIMIT」の歌詞を見た時に、彼らなりの決意表明を感じたんですね。アレだけのキャリアがありながらソレを切り離して新しい場所を作る事は容易ではないです。ハッキリ言って馬鹿かもしれない(笑)。だからこそ、間は取らず振り切って行こうぜ!みたいな。だから今までを垣間みない、させないように、とにかくデカく!ドーン!って場面転換、登場感をサウンドに仕掛けたかった。

-7月14日に下北沢GARDENで開催されるTAKE NO BREAK主催の[Demonstration~壱~]で、初めてGARIを観る人たちへ

TAKE NO BREAKのファンの方は、”GARI?誰?”みたいな感じだと思うんで、『とっても優しくて素敵なオニィさん』だと思って貰えるよう頑張ります!

Text&Interview:Kaoru Sugiura

『BREAK THE LIMIT』

「BREAK THE LIMIT」作詞 淳 作曲.U.K.
「Brave New World」 作詞 淳 作曲 朋
「FiVE」作詞 淳 作曲 朋

TAKE NO BREAK HP

TAKE NO BREAK LIVE SCHEDULE
■[Demonstration~壱~]淳BIRTHDAY LIVE
7月14日 下北沢GARDEN
Guest:GARI
OPEN/START 18:00/19:00
<チケット>¥4,300(Tax in) Nightmare FC 伊達 漢
先行予約 2017/04/07 12:00〜04/16 23:00
一般発売 イープラス 2017/04/30〜

■ヲこがましFes!!2017
9月10日 大塚Hearts+
OPEN/START 15:00/15:30
<チケット>¥4,000-前売り)¥4,500-(当日券)

■CD RELEASE
会場限定 音源リリース:7/11・7/14
通販限定 音源リリース:7月発売予定