2010-03-11

死後13年、ノトーリアス・B.I.G.の暗殺事件は解決するのか?


Photo: Chi Modu/diverseimages/Getty Images
13年前の今週、ヒップホップ・コミュニティーは、当時最も愛されていた才能溢れるカリスマMCを失った。

1997年3月9日、ニューヨーク・ブルックリン出身のビギーことノトーリアス・B.I.G.は、ロサンゼルスにて開催された音楽授賞式「ソウル・トレイン・ミュージック・アワード」のアフターパーティーの帰りに射殺された。犯人はいまだに捕まっていない。

ビギーの暗殺事件に関する捜査は現在も進行中だ。母親のヴォレッタ・ウォレスさんが、ロサンゼルス市などを相手取って起こした不法死亡訴訟も係争中だという。依然として犯人が見つからないというこの現状に、関係者は苛立っている。

ウォレスさんはMTV Newsに対し、訴訟の現状についてコメントすることは拒否したが、「(息子の)ファンに触れる機会をくださって、ありがとうございます。私と家族に対する御社の変わらぬ支援にも感謝しています。13年が経ちますが、私は息子を恋しく思います。彼の子供たちも父親を恋しく思っています。殺人犯はいまだに逃走中なのです」と、文書を通じて語った。

ビギーとディディが取り巻きたちとパーティーをしていた「ピーターセン自動車博物館」のすぐ側で起こったこの事件については、様々な憶測が囁かれている。ランドール・サリヴァンは著書「Labyrinth」の中で、ビギーの暗殺を企てたのは、ディディが主宰する「バッド・ボーイ・レコード」と敵対していた「デス・ロウ・レコード」のCEO、シュグ・ナイトだと主張。広大なリサーチと、当時ロサンゼルス市警で事件を担当していたラッセル・プール刑事のインタビューに基づいて書かれたこの本には、シュグ・ナイトとロサンゼルス市警の刑事が共謀してビギーを暗殺したと書かれている。

「一部の刑事がギャングスターになったと言われているが、本来ギャングスターだった奴らが刑事になったのだ」とプール氏はMTV Newsに伝えた。

プール氏いわく、ラファエル・ペレスとデヴィッド・マックを始めとする多くの刑事がデス・ロウ・レコードに雇われていたとのこと。デス・ロウに関与したことで、彼らの警察に対する義務感や忠誠心は汚れてしまったのだという。2人は最終的に刑務所に入ったが、いずれもビギーの暗殺事件とは無関係の罪による懲罰だった。

この2人には、より深く捜査すべき手がかりがあるという姿勢を保っているプール氏は、「(ペレスとマックよりも)少ない証拠でも、終身刑になった奴らもいる」と語った。

ロサンゼルス市警をスキャンダルから守るため、当時の署長を含む警察関係者は複雑に絡む嘘の網を張り、シュグ・ナイトとデス・ロウに関与していた警察官を捜査することを阻んだのだとプール氏は述べた。捜査が妨害されたことによる不満を募らせたプール氏は、最終的に抗議の意味を込めて辞職した。

MTV Newsがビギーの暗殺事件に関する捜査状況を問い合わせると、ロサンゼルス市警はコメントを拒否した。ある時点ではFBIが捜査を引き受けたが、その後、中止したことを発表している。FBIの関係者もMTV Newsの問い合わせには応じなかった。

ウォレスさんによる不法死亡訴訟も未解決のままだ。一時は裁判にかけられたが、その数日後に事件の主任捜査官を務めていた刑事が証拠を隠滅したことが発覚し、評決不能裁判と断じられた。2005年7月7日のことだ。その後、再び裁判にかけるべく進められていることはないという。

ロサンゼルス市警は当初、事件への警察の関与が明るみになることを恐れ、捜査のペースを故意に落としていたとプール氏は主張する。そして現在は、財政難に苦しむ市が民事訴訟による支払いで破産する可能性を恐れて、新しい議会と市の権力者は真実を葬ろうと必死なのだという。いずれにしても、プール氏はウォレスさんの訴訟で証人を務める準備ができており、呼ばれればいつでも証言台に立つつもりだ。

現時点でプール氏に出来ることは何もない。たくさんのピースを集めながらも完成させることのできない、複雑なパズルのようなこの事件に呪われたまま、ただ待つのみだ。

「死ぬまでにはこの事件を解決したい」と彼は述べた。「全ての刑事は、毎日考えずにはいられない事件を抱えているものだ。この事件はまさにそれなんだよ。これは俺が毎晩眠る前に考える事件だ。忘れられなくてね。死ぬまで呪われるだろう。解決する日が来れば、リラックスできるようになるのだが」。■
MTV News

人気ランキング