
Q. 「at once」で「一度に」なんですね。どうしてそういう意味になるんでしょう?

A. ん〜、この質問をもらって英語の奥深さに改めて気が付きましたよ!
僭越ながら、ご説明させていただきます。
まず第一に、atは普段、場所を指定する日本語の「で」に相当しますが、この場合には「やり方」を表す「で」と思った方がいいかもしれません。
そしてご覧の通り、at onceのonceという英語は、「1つ」を意味するoneと似ていますね。そのため、語源がもともと同じという説がありますよ。
さあ、全部まとめてみると、at onceは「1つ(の行動)で」、つまり「一度に」になるわけですね!
お分かりになりましたでしょうか?

Q. 仕事を後回しにしようとしたら、上司に「You should do it AT ONCE!」って叱られたんですが、この場合の「at once」も「一度に」という意味です?

A. まさに、厳しい世の中ですね!(苦笑)
さて、ご指摘のat onceの使い方は、さっきのat onceとまた違って、「直ちに」や「すぐに」という意味です。「現在やっている他のことを全てやめて、これをしろ!」というニュアンスになるのです。
これは、やっぱり若干きつい言い方なので、我々ニューヨーカーは、円滑な人間関係を目指して、もうちょっと柔らかい表現を好みます……。
そこで「a.s.a.p.」をご紹介します!
この四文字の意味は、推測できますか?
早速ネタバレですが、「as soon as possible」(なるべく早く)の略語ですよ!
a.s.a.p.はメールで使うのはもちろん、そのまま口にすることもよくあります。そういう時は、まるで紙から文字を読み上げているように「エイ・エス・エイ・ピー」と言ってもいいです。あと、「エイサップ」と発音するのもあり!
上記のat onceと同じように、かなり命令口調なのですが、略語だけあって、ややカジュアルで、何となくもうちょっとフレンドリーな響きを持っていますよ。

Q. 「at one time」という表現も聞いたことがあるんですが、「at once」とはどう違うんですか?

この2つは一見、似ていて混同しやすいですよね。でも、ご心配なく、分かりやすくご説明させていただきますよ!
(深呼吸)
一番目のat one timeは厳密にいえば、動画内のat onceと同じように使えることは使えるのですが、実は全く別の使い方がメインです。
どうぞ、以下の英文をご一読ください。
At one time, New York was called New Amsterdam.
(かつてニューヨークは、ニューアムステルダムと呼ばれていました。)
↑本当の話!
このように、at one timeは遠い昔にあった状態・出来事を語る時に使う「かつて」を意味する、便利かつ表現力豊かな言い回しです。
なので、プロのツアーガイドの方も、我が町・ニューヨークの歴史を面白く物語りたいときに、よく使いますよ!

Q. 他にも「once」を使った便利な表現があったら教えてください !

かしこまりました!
上記に書いたonceの使い方に加えて、主にもう一つの、とっておきの使用方法があります:
Once you taste a New York bagel, you'll be hooked!
(一度NYのベーグルを味わったら、やみつきになりますよ!)
そう、「一度 〜たら」という風に、特定の条件が満たされたら、あることが起こるというときにも、onceが頼りになりますよ。
また、上のtasteのように、onceの後ろに付ける動詞は、活用もせずに、辞書で調べたまま使えちゃうので、楽々!
あとは上に挙げた例文についてですが、正直な話、NYへお越しになった際には、絶対に現地のベーグルを味わっていただきたいです。
特にベーグル専門店の作りたては、ふわふわ感とモチモチ感が素晴らしく調和していますし、ほんのりと酸味が利いていて、たまらない食感なのです。
そしてベーグルなら、
Once you toast it, fill it with smoked salmon and cream cheese.
(一度(ベーグルを)トーストしたら、スモークサーモンとクリームチーズをいっぱいに入れてください。)
スモークサーモン&クリームチーズというコンビは、ユダヤ系ニューヨーカーの食文化を反映した、絶妙なマッチングですよ。お好みで玉ねぎとトマトのスライスも加えて、ご賞味を。
結論として皆さんは、
You need to try a New York bagel at once!
(すぐにニューヨークのベーグルを食べてみなくちゃ!)
ベーグルに関して押しが強い僕を、ご容赦ください。
ではまた次回にね!

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さて、今週もきました「ALEX YORKのワンポイント英会話」! この連載では、ニューヨーク出身の人気ミュージシャン、ALEX YORKさんに、歌を通じて実用的な英会話を教わっていきますよ。今回は、「桃太郎」の4回目! ALEXさんのレッスンビデオを観てから、Q&Aをお楽しみください!