Listen or Die! MTV洋楽虎の穴 第03回 「その兄弟は英国ロックの伝統を継ぐ! オアシスに聴く正統派ロックスターの流儀」

26 4月 2019

MTVのお届けする洋楽座談会。第03回は伝説の正統派UKロックスター・オアシスについて、MTVの誇る洋楽スタッフたちが熱く語り合う!

座談会メンバー

WHO

ジャンル問わず音楽関連の仕事をしてきた結果、何でもやる人になっています。

YM

広告営業担当。レコ-ドとダンスミュージックが好きな人。

権瓦鬼造

マーケティング担当。デザインからプロモまで全てを見通すモッズ青年。実は日本から出たことがない。

J1くん

編成担当。番組編成から会議進行までなんでもこなすUKロック大好き青年。

AS

マーケティング担当。MVクリエイターのスキルも併せ持つ、期待の新人。

ひろっぴ

Webプロデュース担当。漫画オタクで完全無欠の洋楽素人。でも昔のテクノやハウスなら少しわかるかも?

オアシスにも負けない!? 最高にロックなMTV洋楽の虎たち!

ひろっぴ

音楽好きの猛者どもが集う、洋楽の虎の穴・MTV。そのオフィスでは、夜な夜なディープな座談会が催されているという……。ということで、またまたこの時間がやってきたぜ。MTVが誇る洋楽の虎たちよ、お前たちのロック魂を揺さぶり続ける、オアシスへの愛を語るがいい!

J1くん

がおー! 編成のJ1くんです! 僕はUKロックが好きで、ビートルズから一通り聞いているつもりです……が、実はオアシスよりも、そのライバルで軟派な(?)ブラー派です(笑) 

ひろっぴ

出だしからそれかよ!?

J1くん

でも、オアシスはすごい硬派なバンドで、ビートルズへのリスペクトであふれていて。すごいかっこいいバンドだと思っているので、その観点からいろいろ話したいです!

AS

がおー!(恥) 今月からマーケティングに入ったばかりのASです。オアシスというか、彼らを含むブリットポップがドンピシャで私の青春時代そのものでした。黒歴史も色々あったりして……(笑) 80年代のキラキラした明るいポップと比べると、ちょっと切ないところもあり、そこがすごく好きでした。

ひろっぴ

むしろその黒歴史が知りたいぞ!? 次!

WHO

がおー! アーティスト担当のWHOです。実は自分もどっちかというとブラー派なんですけれども(笑)

ひろっぴ

またか!?

YM

その時代の人はどっちも聴いとるんですよね(笑)

WHO

ブラーはメンバー全員のキャラが立っていたところが好きでした。でもオアシスには、ロックンロールのマナーがあるんですよね。ローリング・ストーンズなどのロックの偉人たちの流儀を踏襲してやっているのは他のバンドにはないところで、時代に一番マッチしていた。そこが凄いところだと思います。

権瓦鬼造

がおー(もぐもぐ) マーケティング担当の権瓦鬼造です。自分は10代の頃モッズカルチャーが好きでして、一応オアシスもその系譜の中にはいるんです。が、正直自分は最近のミュージックはそんなに掘ってなくて、サム・クックやチャック・ベリーとかのブラックミュージック、スカなどを追ってました。なので、今日はピザ食べながら勉強させていただきます!

YM

がおー? 広告営業のYMです。僕は音楽すごい好きなんですけど、自分が高校くらいの頃は、洋楽っていうとグランジの方が盛り上がっていたんですよ。でもちょっと高校生には分かりにくいじゃないですか(笑) そんななかにオアシスとかブラーとか出てきて、かっこいいやって! 好きになった記憶があります。

ひろっぴ

ガオーっ!! んでは最後にこのオレ、ウェブ担当のひろっぴだ! いつもは洋楽音痴を自認しているが……今回は一味違うぜ! なんとオアシスは、オレがリアルタイムにアルバムを買っていた、数少ない洋楽アーティストの一つなのさ。ヤツらはこのオレにさえ認められるレベルのレアなスーパー・ロックスターと言ってもいいだろうな。

権瓦鬼造

口の大きさと悪さはノエル・ギャラガー級ですね!

AS

ある意味オアシスの偉大さが分かりますね……。

ひろっぴ

ま、そんなオレでも今回の座談会でネタ集めするまでは、ギャラガー兄弟が誰かは知らなかったけどな。宇宙蛾を打ち落とすゲームかと思ったわ。まじで。

権瓦鬼造

あえてタイトルは言いませんけど、ナ〇〇のシューティングゲームですよね、それ!

ひろっぴ

的確な突っ込みありがとうよ。ンなわけで、今回はこの五匹の虎でオアシスについて語っていくぜ!

一同

がおー!? (噂には聞いていたけど、不安感しかない……)

番組紹介

ひろっぴ

はい、ロックスターモードは全然省エネじゃないんで、こっからはフツーにいきますよ! 賢明な読者のみなさま方はお気づきのように、5月のMTVはオアシスに関係する番組が目白押しなんですよね。編成のJ1くんさんどぞ!

J1くん

ロックを完全に誤解してますね……。元オアシスの中核メンバーであるギャラガー兄弟の兄貴分=ノエル・ギャラガーが、ソロ・プロジェクト=ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズとして5月に来日、単独公演を行います。MTVではそれに合わせて、オアシスとギャラガー兄弟の番組を多数編成します!

ノエル・ギャラガー VideoSelects

オアシスのメイン・ソングライター/シンガー/ギタリストであるノエル・ギャラガー。2009年にオアシスを脱退後、2011年にソロ・プロジェクト"ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ"を始動。以後精力的に活動を続けており、ここ日本でもフェスへの出演など、数々の公演を行っており、2019年は5月15日の幕張メッセイベントホールを皮切りに、名古屋、大阪での公演を控えている。MTVではこれを記念してノエル・ギャラガーのビデオを特集。

オアシス MUSIC VIDEO HISTORY

オアシスのミュージックビデオを特集。UKの国民的バンドとしてブリットポップ・シーンを牽引した彼らの、ロック史に残る名作ビデオの数々を一挙お届け!

オアシス VideoSelects 英語字幕Ver

ここ日本でも絶大な人気を誇ったオアシスだけに、彼らの楽曲・歌詞は多くのファンの心に残っている。番組ではオアシスのミュージックビデオを歌詞つきでオンエア! 名曲の数々を一緒に歌って楽しもう。

リアム・ギャラガー VideoSelects

新作の発表が期待されているリアム・ギャラガーのビデオをお届け。2017年にソロ・デビュー・アルバム『アズ・ユー・ワー』をリリース、昨年12月には、自身のSNSでロサンゼルスで「ソングライター軍団」といることを明かしているほか、「人生を変えるような曲を20曲」作っていると伝えられている。実兄ノエル・ギャラガーとともに時代を席巻したロックシンガー、リアム・ギャラガーの特集は必見。

MTV Unplugged: オアシス

90年代にブリット・ポップ・ムーブメントの中核を担ったオアシス。全世界で約2500万枚以上の売上枚数を記録した『モーニング・グローリー』の発表後、アメリカでもチャートを上昇し始めていた96年8月23日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで収録されたMTV伝統のアコースティックライブ『MTV Unplugged』の模様を放送する。収録当日にリアム・ギャラガーが喉の不調を訴え出演をキャンセルしたという衝撃的な放送回となり、ノエル・ギャラガーが彼の歌唱パートを代わりに披露したこともファンの間で語り継がれている伝説のパフォーマンスは見逃せない。

J1くん

1994年のシングルデビューから数年で瞬く間に世界を制覇して2009年には電撃解散したオアシスと、その中心だったギャラガー兄弟のその後の活躍を追う番組ラインナップとなっています。さらにはMTV伝統のアコースティックライヴ『MTV Unplugged』、衝撃のオアシス放送回もご覧いただけます!

ひろっぴ

にゃるほど。自分の漠然としたイメージでは、オアシスって「正統派ロックスター」って感じなんですよね。

J1くん

そんなタイトルの曲(「Rock 'n' Roll Star」)もありますよね。その心は?

ひろっぴ

「ロックスター」って他の音楽スターに比べても、独特のイメージがあるじゃないですか。無頼であり、時に無法でありながら、また憧れの対象でもあるという。なにがそう思わせるのか分からないけど、オアシスにはその匂いを感じるんですよね。今日の座談会を通じて、その正体を探っていきたいと思います!

Live forever

ひろっぴ

さて、本日の一曲めは、ファーストアルバム『Definitely Maybe』からの先行シングル、「Live Forever」! 1991年にオアシスが結成して、1993年にクリエイション・レコーズと契約したのち、1994年にリリースした三枚目のシングルですよ。

Oasis - Live Forever (Official Video - US Version)

ひろっぴ

オアシスの他のほとんどの曲と同じく、作詞・作曲は兄ギャラガーのノエル、歌は弟ギャラガーのリアムですね。オアシスとして全英チャートではじめてトップ10入りしたシングルです。タイトルの「Live Forever」は直訳すると「永遠に生きるぜ」って感じですかね?

J1くん

オアシスはブリットポップっていう90年代イギリスの音楽ムーブメントの中心的なバンドなんですが、その前にはグランジっていうジャンルが流行ってたんです。で、それがネガティブというか、「生きていたくない」みたいな悲観的なところがありまして(笑)

ひろっぴ

悲観にもほどがあるでしょ!

J1くん

中心的なバンドの一つだったニルヴァーナのヴォーカリスト=カート・コバーンが自殺してしまったこともあり、ジャンル全体に悲観的なイメージがつきまとってたんですよね。それに対してオアシスは、「永遠に生きたい」と歌うことで、自分たちの音楽の新しい立ち位置を示したなんて言われてます。

WHO

カート・コバーンが亡くなったのが1994年の4月5日で、オアシスがデビューしたのがその直後の4月11日ですからね。ちょうどニルヴァーナの時代が終わると同時に、オアシスが出てきたという。

ひろっぴ

時代の切り替わりを告げた感じですか。なんか象徴的ですね。

WHO

このMV(ミュージックビデオ)にもカート・コバーンが出てきますよね。その他の故人と一緒に。

J1くん

ジミ・ヘンドリックスとかシド・ヴィシャスとか、ジョン・レノンとか。

WHO

これはUSバージョンで、オリジナルのUKバージョンはまた別にあるんですよね。

Oasis - Live Forever

WHO

MTVで流すのはオリジナル版のこちらです。このMV、最後は当時のドラム担当のトニー・マッキャロルが埋められるって言うね(笑)

ひろっぴ

なに、その謎ビデオ!(笑)

WHO

しかもそのあとすぐにドラムをクビになってますからね!

ひろっぴ

なに、それひどい!(泣)

WHO

ノエルが追い出しちゃったというか。ま、技術的に問題があったらしいんですけど。

YM

元々は、オアシスはリアムとその友達4人で始めたバンドなんですよ。でもその時点では大したことなくて。曲の作れるノエルが参加して初めて、オアシスとして成り立ったんです。

WHO

ノエルはその頃インスパイラル・カーペッツローディという、まあスタッフみたいな仕事をしていて、セミプロみたいな状態だったんですよ。最初はそのコネを狙って、リアムが声をかけたみたいな話で。

ひろっぴ

そしたら、リーダーとして君臨されちゃったと(笑) オアシスの結成って話でいうと、この「Live Forever」はそこに一役買っているって話をひろったんですよね。

J1くん

そうなんです?

ひろっぴ

最初リアムたちはオアシスのマネージャーとしてノエルを誘ったらしいんですが、ノエルが「ばか言え、オレが曲を作ってバンドを仕切るぜ」と言って「Live Forever」を演奏したら、ほかのメンバーも納得したみたいな。

J1くん

へー。

ひろっぴ

ま、リアムの方は「ノエルが頭下げて頼みに来たんだ」って言ってるんで、どっちがホントか分かんないんですけどね、あの兄弟の話は(笑)

一同

あるある(笑)

J1くん

あ、このMVに映っているの、ストロベリー・フィールドらしいですね。

ひろっぴ

ストロベリー・フィールド? イチゴ畑??

J1くん

昔の戦争孤児院らしいです。ビートルズに「Strawberry Fields Forever」という曲があって、ビートルズファンにとっての聖地みたいになっているんですね。このMVはそこで収録していると。

ひろっぴ

なるほど、ビートルズへのオマージュになってると。でも「永遠に生きたい」とか歌いながら、聖地で弟の友達埋めちゃアカンでしょ(笑)

一同

(笑)

J1くん

この曲は先ほど紹介したMTV Unplugged: オアシスでも披露されています。オリジナルではリアムがヴォーカルなんですが、実はこのUnpluggedでは収録直前にリアムが喉の不調でドタキャンしまして(笑) リアム抜きのオアシスで収録・放送されたという、衝撃の内容になっています。なので、そこで披露されている「Live Forever」はリアムじゃなくて、ノエルが歌っているんですね。

ひろっぴ

その点ではノエルはいい兄貴ですね! やんちゃな弟のケツを拭いてくれるという(笑) でもそれってある意味レアものでは?

J1くん

貴重な音源ということになります。しかも独自のアレンジでストリングスが入っていたりする、Unpluggedでしか見られないバージョンの「Live Forever」なので、注目してほしいですね!

Whatever

ひろっぴ

その後、同年にファーストアルバム『Definitely Maybe』をリリースして、全英1位をゲット! オアシスは時のバンドとなるわけですよね。そしてその年末のクリスマス商戦に向けてリリースされた曲がこちら、「Whatever」!

Oasis - Whatever (Official Video)

ひろっぴ

この曲は全英3位で、シングルとしてはそれまでの最高位をゲットしています。でもアルバムには未収録なんですね?

WHO

この曲は他の国に比べて、日本で特に人気があるんです。CMで使われていたりしたので。

YM

いやー、僕、大好きで、この曲!

ひろっぴ

そのココロは?

YM

この曲は最後に拍手で終わるんですよ。僕は大学の頃インディーズ・ロックバンドのDJをやってたんですけれども、パーティの最後にこの曲をかけると、みんなで大団円で拍手で終わる感じで、最高でしたねぇ。

ひろっぴ

ほほう。そんな楽しい青春を送っていたとは……許せませんね

YM

なんで突然のネガティブ・オーラ!?Σ

ひろっぴ

こちとら柔道とオタク活動に明け暮れてたってのに。気分はもうグランジですよ。覚え立ての言葉を適当に使うと!

J1くん

グランジを誤解させてしまった気が(汗) でもオアシスってそういう、大団円でかける曲が多いですよね。この次の「Don't Look Back in Anger」もそうですが。ちなみに、このMVではリアムはジャージ着てるんですよね

ひろっぴ

ジャージなのこれ!? スターとして適当すぎない?(笑)

J1くん

撮影の前日飲みに行って泥酔して、そのまま直でスタジオ入りして撮影した説がありますが(笑) でもジャージはブリットポップのユニフォームみたいなものでして。そのファッション性も含めて流行りましたよね。

WHO

ギャラガー兄弟はマンチェスター・シティのファンなんで、そのジャージを着てたりね。

YM

ライバルのブラーはユナイテッドでね。

J1くん

オアシスはイギリスのマンチェスター出身のバンドなんですが、街にユナイテッドとシティという二つのサッカーチームがあるんですよ。オアシスはシティのファンで、ブラーはユナイテッドのファン。バンドとしてだけではなく、サッカーでもライバルという(笑)

ひろっぴ

因縁ですな(笑) 曲に戻ると、「Whatever」にはバンドだけじゃなくて交響楽団みたいなのも参加してますよね?

WHO

そうなんですよ。だからこの曲はオリジナルのアレンジのライヴってほとんどやってないと思います。リアムが好きじゃないらしくて、あまり歌わないし。

J1くん

アンコールでノエルが弾き語りする感じですよね。だから、Unpluggedでやっているのは、貴重なんですよ、これ。

Don't Look Back in Anger

ひろっぴ

で、翌1995年にいよいよセカンドアルバム『(What's the Story) Morning Glory?』がリリースされるわけですね。

J1くん

名盤ですね!

ひろっぴ

イギリスで1位、アメリカでも4位の大ヒット。そこからのシングルカットとして翌1996年にリリースされたのが、お次の「Don't Look Back in Anger」です!

Oasis - Don't Look Back In Anger (Official Video)

ひろっぴ

この曲はシングルとしても全英1位ゲットと。でもこれって、歌っているのはノエルなんですよね。なんか唐突感ないです? 今までメインヴォーカルはずっとリアムだったのに。 

YM

ノリじゃないでしょうかね。「この歌いい曲だから、オレが歌うわ!」みたいな。

ひろっぴ

ちょ、兄貴!(笑)

WHO

オアシスは基本、ノエルが作った曲をリアムが歌うことで、すごくいい曲になるんですよね。でもそもそもノエルが歌っても良い曲は、自分で歌うという(笑)

ひろっぴ

弟よ、お前にはやらんぜ、みたいな?(笑) 確かにノエルがこの曲を自分で歌うと決めた時に、兄弟で大喧嘩になったみたいですよね。リアムは楽器をやらないので、「兄貴が歌ってる間オレはなにすればいいんだ」みたいになって。一時ノエルが脱退する騒ぎになったそうで。

J1くん

しょっちゅうそんな騒ぎになっています(笑)

ひろっぴ

でもすぐ何事もなかったかのようにまたバンドはじめて。お前らホントに仲悪くて仲いいな、という感じですね(笑) でも実際いい歌だし、リアムも歌いたかったんじゃないかなと。MV見ると、リアムはやることなさそうにボーっとしてるし(笑)

一同

(笑)

J1くん

タイトルの「Don't Look Back in Anger」ですが、これはデヴィッド・ボウイの曲から引用しているんですよ。「Look Back In Anger」という曲があって、そこに「Don't」をつけているんです。

David Bowie - Look Back In Anger (Official Video)

ひろっぴ

へー! 元ネタがあるんだ!

J1くん

オアシスはロックのマナーに則ったオマージュがすごくうまいんですよ。「Don't Look Back in Anger」はデヴィッド・ボウイの「All the Young Dudes」という曲とビートルズのあいのこだ、みたいなことをノエル本人が言っているんですが、確かにその通りで。デヴィッド・ボウイの曲をジョン・レノンが歌ったらこんな感じかなってくらいに、UKロックのすごい良いとこ取りな曲なんです。

David Bowie - All the Young Dudes (Live at the Isle of Wight)

ひろっぴ

型外れなことをやる一方で、音楽としては英国ロックの伝統を受け継いでいるって感じなんですかね。

WHO

サビに出てくる「サリー」についても、ザ・ストーン・ローゼズの「Sally Cinnamon」という曲から引いてるんじゃないかと言われてますよね。ノエル本人は否定してますけど。ザ・ストーン・ローゼズはマンチェスター出身のバンドで、オアシスの先輩です。

J1くん

あ、そうだ! 引用ということで言えば! 『(What's the Story) Morning Glory?』のジャケットって、縦になった道路を歩いている写真じゃないですか。ビートルズの『Abbey Road』というアルバムがあって、そのジャケットは同じように横になった道路を歩いているんですよね。これはオアシスがビートルズにクロスオーバーしていくみたいな意味があるのかなって。オマージュしてるんだけど、新しいことをしているぞと。

WHO

そうです。

YM

そうですね。

J1くん

あれぇ! みんな気づいてたんですか!? 発見したと思ったんですけど(笑)

一同

(笑)

WHO

この時たぶんオアシスは一番ビートルズの影響を受けていたんじゃないかなと。それこそ同じアルバムの「Champagne Supernova」のMVなんかは、完全にジョン・レノンを意識しているんですよね。ノエルはもう、髪型も眼鏡もジョン・レノンのコスプレみたいな感じで。

Oasis - Champagne Supernova

YM

この頃は出す曲出す曲がもう全部キラーチューンで。絶頂期ですよね。バンドとしても、たぶん兄弟二人の関係性としても。

WHO

この後ネブワースのライヴがあるんですけど、そこがピークですよね。

ひろっぴ

ネブワースというと、オアシスが1996年8月に行った巨大な野外ライヴですね。2日間で25万人を動員、チケットを申し込んだのはなんとその10倍の260万人と! ノエルがステージで「ここにいるオレたちが歴史なんだ!」と叫んだそうですが、デビューからここまでわずか2年ですからね。オアシス現象のすごさが分かります。

All Around The World

ひろっぴ

その翌年1997年にサードアルバム『ビィ・ヒア・ナウ』がリリースされます。その中から「All Around The World」を拾ってみます!

Oasis - All Around The World

ひろっぴ

花から宇宙船!? なんだ、この出だしから謎のMV

J1くん

いいビデオじゃないですか!(笑)

AS

ビートルズの「Yellow Submarine」へのオマージュなのかなと。あちらは全編手書きアニメーションなんですけど、名前の通り黄色い潜水艦のサイケデリックなストーリー仕立てになっていますよね。

The Beatles - Yellow Submarine

ひろっぴ

なるほど、たしかにイエロー・サブマリンならぬスペースシップ。映像の方でもオマージュしてるんだ。この兄弟、ビートルズ超好きですね。

J1くん

このMVはグラミーの最優秀短編ミュージックビデオ賞にノミネートされてるんですよね。モンティ・パイソンぽくて、すごいイギリスらしいユーモアがあって、大好きです。

ひろっぴ

楽曲としては、どんな感じなんです? アルバムも含めて。

YM

……小手先で作っているんですかね、たぶん。

一同

おお!?

ひろっぴ

攻めてきたで! てか、営業として大丈夫か!?

YM

いや僕ね、オアシスはシングルも全部買ってたんですけど、B面も含めて全部いいんですよ。ホントもう全部良くって。

J1くん

B面集も出てましたもんね。『The Masterplan』でしたっけ。

YM

だからこの『Be Here Now』でいい曲が少ないのは、ノエルはいい曲をB面で出しすぎたんだと思うんですよね。ストックを取っておかなかった

ひろっぴ

ある意味、出し惜しみしなさすぎたと!(笑) ファンとしての熱を感じますね。

WHO

このアルバムはすごく忙しい中で作っているはずなんですよね。だから『(What's the Story) Morning Glory?』で力を使い果たした部分はあるかもしれませんね。

ひろっぴ

確かに『Be Here Now』は期待が高かった分、評価は厳しめだったみたいですね。ノエル自身もこれを失敗とみなして、解散まで考えたっぽいですよ? でもUK1位・US2位・日本で3位ですからね。セールス的には十分すぎじゃないかなと。

J1くん

それに「All Around The World」のビデオはいいですよね。大好きです僕は!

ひろっぴ

このアルバムの後、ブリットポップのムーブメントが終わる方向にいきつつ、バンドの設立メンバーだったボーンヘッドとギグジーが脱退、クリエイション・レコーズも経営破綻と、オアシスは転機を迎えていくんですね。

Lyla

ひろっぴ

その後、2000年には4thアルバム、2002年には5thアルバムをリリース。停滞期と言われることもあるそうですが、どれもフツーに全英1位をとっているのがオアシスの底力。そして2005年には6thアルバムの『Don't Believe the Truth』をリリース。これはイギリスだけでなく、日本でも1位をゲットしています。その先行シングルとなったのがこの『Lyla』!

Oasis - Lyla - Official Video

WHO

この頃からドラマーとしてザック・スターキーが参加してるんですよね。

J1くん

リンゴ・スターの息子ですよね。ビートルズの。

ひろっぴ

え! そうなの?

WHO

正式メンバーじゃないけど、ずっとサポートとしてやってた。

J1くん

だからこのMVにも映ってますけど、めっちゃ似てます顔が。鼻がでかい(笑)

WHO

でもドラムはザ・フーキース・ムーンに教わってたんですよね。だから、顔はリンゴ・スターだけど、ドラムのたたき方はキース・ムーンなんですよ。

ひろっぴ

ややこしいな! 面白いけど(笑) でも、この曲はすごいキャッチーですよね。歌詞的にはライラライラと言ってることくらいしか分かんないんですけど。

J1くん

あんまり歌詞を重要視しなくても、かっこいいのがロックンロールかと(笑)

WHO

やっぱりリアムの立ち姿がかっこいいよね。

J1くん

背中に手を組んで歌う姿勢も有名ですよね、これ。

YM

僕はオアシスって、ほんとリアムの声と存在感だと思うんですよね。曲も良いんですけど、やっぱり歌い方が天才的なんじゃないかなと。いろいろと真似するバンドもでましたけど、この声じゃないと無理ですよね。

ひろっぴ

で、ここからオアシスの新章がはじまるのかと思いきや、この後2009年にフランスのフェスのバックステージでリアムとノエルが大喧嘩。リアムがノエルのギターを破壊して、同日ノエルがサイト上で脱退宣言。そのまま解散してしまうわけです。

One Love ManchesterとWe Are Manchester

ひろっぴ

ついに袂を分かったノエルとリアムですが、そう簡単には切れないのが兄弟の腐れ縁というもので。その一端が示されたのかなーと思うのが、2017年5月にオアシス結成の地・マンチェスターで発生した自爆テロ事件です。

英マンチェスター爆発、死者22人に 自爆攻撃と警察

https://www.bbc.com/japanese/40008306

ひろっぴ

アリアナ・グランデのコンサートが自爆テロの標的となった事件でした。その追悼集会で歌われたことをきっかけに、オアシスの「Don't Look Back in Anger」がマンチェスター・テロ事件のアンセムになるんですよね。

Manchester crowd joins in with woman singing Oasis after minute's silence - video

J1くん

はい、もともとこの曲はイギリス国民のアンセムみたいになっていて、サッカーの国際試合なんかでも歌われたりするんです。同じ年の6月にはテロ被害者のためのチャリティ・コンサートOne Love Manchesterが催されて、コールドプレイクリス・マーティンとアリアナ・グランデが歌って話題になりました。

Chris Martin and Ariana Grande - Don't Look Back In Anger (One Love Manchester)

ひろっぴ

このイベントにはリアムも飛び入りで参加して、兄貴の作曲したもう一つの名曲「Live Forever」を歌ったんですよね。

Liam Gallagher and Coldplay - Live Forever (One Love Manchester)

J1くん

素晴らしいですね。リアムも自分主催でチャリティ・コンサートを開催してましたし。

ひろっぴ

と、いい話で終わるかと思いきや、そうは問屋が卸さない! このイベントに不在だったノエルを、リアムはTwitterで痛烈にディスったり。一方でノエルはオアシスの歌を勝手に歌うなとリアムに対して訴訟をちらつかせたりと、縁が切れるには程遠く、兄弟ゲンカはリアルタイムで絶賛進行中のようですよ? というのがこの話のオチでした(笑)

一同

ちょ!(笑)

J1くん

トムとジェリーみたいですね。仲良く喧嘩してるみたいな(笑)

ひろっぴ

なんだかんだ、お互いに無関心ではいられないっていうね。この2人は一生こうやって喧嘩してそう。

J1くん

そこも含めてのエンターテインメントです。

ひろっぴ

とまあ、そんな感じでまとめに入りますか!「One Love Manchester」の3か月後に開催されたチャリティ・コンサート「We Are Manchester」で披露されたノエルの「Don't Look Back in Anger」を聴きながら、一言ずつよろしく!

YM

久々に聴いて楽しかったです。ノエルのライヴに行きたいなと思いました!

権瓦鬼造

(もぐもぐ) え! 多分オレなんも言ってないんですけど、今回のでちょっと詳しくなったんで意識して聴いてみます!

WHO

今回の来日公演は良いライヴになると思いますよ。この「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」がなんだかんだ一番盛り上がる曲なんですけど、オアシスの頃はこれをアンコールの1曲めにやって盛り上がって、2曲目はリアムが別の曲を歌って終わる、というのが定番だったんですよ。でもノエルのライヴだと、一曲めの「Don't Look Back in Anger」で盛り上がった後、ほんと大団円で終われる(笑)

一同

(笑)

WHO

それは今までオアシスファンがやりたくてもやれなかったことなんで。来日公演楽しみです(笑)

AS

こういうストレートに響く音楽をするバンドがいるってのは、いい時代だったと思います。なかなかここまでのバンドは今はいなくて。私の中では大きい存在でした。

J1くん

曲も、パフォーマンスも、音楽以外の兄弟げんかとかゴシップも含めて、ロックバンドとしてすごくかっこいいし面白いし。すごいバンドだなぁと改めて思いました。

ひろっぴ

では最後に。僕は漫画脳なんですが(笑)、その観点で見ると、このふたりは兄弟もの漫画のキャラクターにぴったりなんですよねぇ。兄ちゃんのノエルは非社交的だけどプロ意識の高いアーティスト気質で、弟のリアムは外交的で短気だけど素直なエンターティナーで。似てる部分もありつつ対照的な個性を持っている。ロックスターって、そんな風に存在するだけで物語性がある人達が選ばれるのかなと思いました!

J1くん

では最後にもう一度僕から。今月のMTVでは、こんなギャラガー兄弟の魅力たっぷりのオアシス特番を多数放送しますので、お楽しみに!

ひろっぴ

見てくれよな!

ノエル・ギャラガー VideoSelects

オアシスのメイン・ソングライター/シンガー/ギタリストであるノエル・ギャラガー。2009年にオアシスを脱退後、2011年にソロ・プロジェクト"ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ"を始動。以後精力的に活動を続けており、ここ日本でもフェスへの出演など、数々の公演を行っており、2019年は5月15日の幕張メッセイベントホールを皮切りに、名古屋、大阪での公演を控えている。MTVではこれを記念してノエル・ギャラガーのビデオを特集。

オアシス MUSIC VIDEO HISTORY

オアシスのミュージックビデオを特集。UKの国民的バンドとしてブリットポップ・シーンを牽引した彼らの、ロック史に残る名作ビデオの数々を一挙お届け!

オアシス VideoSelects 英語字幕Ver

ここ日本でも絶大な人気を誇ったオアシスだけに、彼らの楽曲・歌詞は多くのファンの心に残っている。番組ではオアシスのミュージックビデオを歌詞つきでオンエア! 名曲の数々を一緒に歌って楽しもう。

リアム・ギャラガー VideoSelects

新作の発表が期待されているリアム・ギャラガーのビデオをお届け。2017年にソロ・デビュー・アルバム『アズ・ユー・ワー』をリリース、昨年12月には、自身のSNSでロサンゼルスで「ソングライター軍団」といることを明かしているほか、「人生を変えるような曲を20曲」作っていると伝えられている。実兄ノエル・ギャラガーとともに時代を席巻したロックシンガー、リアム・ギャラガーの特集は必見。

MTV Unplugged: オアシス

90年代にブリット・ポップ・ムーブメントの中核を担ったオアシス。全世界で約2500万枚以上の売上枚数を記録した『モーニング・グローリー』の発表後、アメリカでもチャートを上昇し始めていた96年8月23日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで収録されたMTV伝統のアコースティックライブ『MTV Unplugged』の模様を放送する。収録当日にリアム・ギャラガーが喉の不調を訴え出演をキャンセルしたという衝撃的な放送回となり、ノエル・ギャラガーが彼の歌唱パートを代わりに披露したこともファンの間で語り継がれている伝説のパフォーマンスは見逃せない。

(おわり)

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ひろっぴ
Webプロデュース担当。漫画オタクで完全無欠の洋楽素人。でも昔のテクノやハウスなら少しわかるかも?

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