2011-01-20
『SOMEWHERE』 ソフィア・コッポラが都内で会見


Photo: Jun Sato/WireImage
『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)でアカデミー賞を受賞した映画監督のソフィア・コッポラが、新作『SOMEWHERE』を引っさげて来日。19日、主演のスティーヴン・ドーフと共に都内で記者会見に応じた。

前作『マリー・アントワネット』から4年ぶりとなる『SOMEWHERE』は、昨年9月に開催された第67回ベネチア国際映画祭の金獅子賞受賞作品。ロサンゼルスのセレブ御用達ホテル、シャトー・マーモントで暮らす、人生を見失いかけた映画スター、ジョニー・マルコ(ドーフ)と、11歳の娘クレオ(エル・ファニング)の交流が、コッポラならではの繊細で豊かな感性により描かれている。

「『マリー・アントワネット』を撮り終えた後、パリに住んでいたの。自分が住んでいた頃のカリフォルニアを想い、シャトー・マーモントを思い出して、ジョニー・マルコという人物が頭に浮かんだわ」とコッポラは明かした。「それに、男性目線の作品を書いてみたかった。前作がすごくガーリーな作品だったから、何か新しいことに挑戦したかったのね」。

「最初にソフィアから脚本が送られてきて読んだとき、これまでに演じたことのない役に魅了された」とドーフは語った。

「ジョニー・マルコを演じきった今、ソフィアと作ったこの作品をとても誇りに思う。キャラクターに重きを置いた、近年のハリウッドではレアな作品だ。このような奥深いキャラクターを演じることができたことは、俺にとって素晴らしい贈り物となったよ」。

ジョニーの娘クレオ役を好演したのは、天才子役ダコタ・ファニングの実妹、エル・ファニング。時にあどけなく、ふと大人びた表情を見せながら、思春期直前の少女を自然体で演じた。劇中ではまるで本物の父娘のような2人の演技が印象的だ。

「撮影が終わってエルと別れるときは、ジョニー・マルコのように本当に悲しかったよ。役者として、スティーヴンとしてもすごく落ち込んでしまった」とドーフは笑った。

「撮影後も、つい電話しそうになったけど、“彼女には本当のパパがいるんだった”って我に返ったりしてね。だからベネチアで再会したときは本当に嬉しかった。そういう意味でも、今作は他の映画とは違った意味で、自分の心に触れる作品だった」。

世界的に有名な映画監督フランシス・フォード・コッポラを父親に持つソフィア。「私はハリウッド育ちではないし、両親も離婚していないから、今作は私の体験に基づいているわけではない」とした上で、「幼い少女にとって、有名な父親を持つことがどういう気持ちなのかは間違いなく理解できる。そういう部分は取り入れることができた」と明かした。

派手なアクションも大事件もなく、父娘が共に過ごした日々が静かに描かれた今作。「ドラマティックなイベントがない限り人生が変わらない、なんていうことはないと思う」と彼女は説明する。

「多くの映画では、大惨事が起こったり、人質に取られたりすることで登場人物の人生が変わっていくわよね。でも、私は人生における小さな出来事によって、人は変わることができる、ということを描きたい。些細なことでも人生観は変わるんだってね」。

映画『SOMEWHERE』は、4月2日に全国ロードショー。コッポラのパートナー、トーマス・マーズ率いるフェニックスが手掛けた音楽にも注目。

MTV News