Listen or Die! MTV洋楽虎の穴 第02回 「エド・シーランを聴いて知る! 世界と友達になる方法」

12 4月 2019

MTVのお届けする洋楽座談会。第02回は日本でも大人気の天才シンガーソングライター、エド・シーランについて、MTVの誇る洋楽スタッフたちが熱く語り合う!

座談会メンバー

タケダ

営業担当。にとどまらぬ、業界全方位に通じたMTVの情報局長。

いさお

編成担当。海外アーティストのインタビューもこなすバイリンガール。5iveがアイドル。

YK

選曲担当。バンド大好き。スーパースターはボン・ジョヴィ

チェルシー

MTV NEWS担当。イギリス帰りのメタルっ娘。リンキン・パークが好き。

ひろっぴ

Webプロデュース担当。漫画オタクで完全無欠の洋楽素人。でも昔のテクノやハウスなら少しわかるかも?

天才シンガーソングライター、エド・シーランに群がる、MTV洋楽の虎たち!

ひろっぴ

音楽好きの猛者どもが集う、洋楽の虎の穴・MTV。そのオフィスでは、夜な夜なディープな座談会が催されているという……。ということで、またまたこの時間がやってまいりました。MTVが誇る洋楽の虎たちよ、自己紹介とともに若き天才シンガーソングライター、エド・シーランについて語るのだ!

チェルシー

がおー!? またまた登場、MTV NEWS担当のチェルシーです! 私が初めてエドを聴いたのは、2014年のSTUDIO COASTでの来日公演。ロンドンに住んでいた時は恥ずかしながら全然知らなくて、日本に帰ってきてからイギリス帰りのエド好きの友達に連れられて新木場に行ったんですね。予習とかもせず、ほんとにそこで初めて聴いたという感じでしたが、一気に虜になったのを覚えてます。観客皆がほんとに楽しそうに合唱したりダンスしたりしてて、純粋にとてもいい時間を過ごすことが出来ました。

いさお

がおー、編成のいさおです! エドと言えばVMAやEMAに出たりとMTVではおなじみですが、虎ならぬ猫好きでも有名ですよね。「Drunk」ってう猫が出るミュージック・ビデオがありまして、これがすっごく可愛い! 音楽はもちろん、猫クラスタにも人気が高い。そこが私の推しポイントです(笑)

Ed Sheeran - Drunk [Official Video]

タケダ

が・がおー? 初参加の営業のタケダです! エド・シーラン、実は最初は自分の中でどう処理していいのか分かんなかったですよ。曲の前に、まず全身タトゥーのビジュアルのインパクトが強かった。あの風貌だったら、フライングVのメタルのギターとか持っていそうじゃないですか。でも実際はアコースティックギター持ちの、フォーク感もあるシンガーソングライターで。目の前に、突如タトゥーを入れたさだまさしが現れた!みたいな。その後、曲を聞くうちに、この人すげーんだ、ってなってきましたけど。

YK

がおー! 選曲のYKです。エドとの出会いは、MTVでインターンシップしてた大学生の頃ですね。アゲアゲなラップ調の「Sing」がめちゃめちゃ流れていて、いい感じだなーって思ってたら、次の「Thinking Out Loud」はどバラードで、そのギャップに驚いて。今は大好きなアーティストの一人です。東京ドームも行きます!

ひろっぴ

きゃいん! 最後はわたくし、猛虎の穴に迷い込んだか弱い小虎、Web担当のひろっぴですよん。洋楽ど素人の自分にとってのエドの印象は……なぜか歌のうまい赤毛のラニスター家兵士かな!

いさお

なにそれ!?

チェルシー

人気海外ドラマの『ゲーム・オブ・スローンズ』ですね。ヒロインの敵方兵士の一人として、エドがカメオ出演しているんですよ。

ひろっぴ

殺伐としたあの世界には珍しい、穏やかな良いヤツですよ、エドは。

YK

また変化球な知りっぷりですね!

ひろっぴ

ふふふ。そんな私めが司会を務めて、今回も洋楽についてのよもやま話を語って参りますよ。覚悟はいいな、洋楽の虎どもよ!!

一同

がおー!? (例によって不安しかない……)

一生1位!? ファンにもアーティストにもモテモテのエド・シーラン

ひろっぴ

さて、賢明な皆さまはお気づきのように、今回のお題はエド・シーラン。4月のMTVは、「エド・シーラン月間」みたいな感じなんでしたっけ?

いさお

「ARTIST OF THE MONTH」です! では例によって編成の私から番組紹介をば。

ARTIST OF THE MONTH: エド・シーラン

4月のARTIST OF THE MONTHは、4月に自身初の東阪ドーム公演を開催するエド・シーラン。昨年4月に、日本武道館と大阪城ホールにて開催された単独公演では、圧倒的なパフォーマンスで観客を釘付けにした。最終公演のMCで「また来年も日本に戻ってくる」と宣言したとおり、1年ぶりドーム規模での来日公演となった。“世界で最も多くのセールスを記録した男性ソロ・アーティスト”の称号を獲得し、今やグローバル・スーパースターとして、超満員の観衆をたった一人で熱狂させているシンガーソングライター、エド・シーランの軌跡を、歴代MV特集や、独占インタビューを含むMTV制作の特別番組で完全網羅する!

いさお

4月9日に待望の東京ドーム公演があります。昨年4月の武道館公演から1年ぶりですね。ちなみに昨年の武道館公演は、いさおの"BEST LIVE OF THE LIFE"にランクインしました。

ひろっぴ

わからんけどすごいランキングだ!? エド・シーランってそんなに人気なんです?

いさお

一生1位です

YK

一生1位ですね

ひろっぴ

なにそれ!?

YK

人気が衰えないんですよ。そもそも今回のドーム公演は2017年に発売された『÷』、つまり2年前のアルバムのツアーをいまだにやっているんです。有名な話、このアルバムが発売された時に、UK TOP 20の中の16曲がエド・シーランで埋め尽くされたことがあるんですが、いまだにそれらがランクインしているという。

ひろっぴ

もはやそれ、ツイッタの固定ツイートみたいですね。落ちてこないと。

タケダ

『÷』が2017年の3月に発売されて、その直後からツアーを始めて、10月に来日する予定だったんですよ。ところが自転車に乗っていて骨折しちゃいまして、翌年の4月に延期になったんですよね。そしたら奇しくもそのタイミングでブルーノ・マーズも来日してて。エド・シーランの翌日にブルーノ・マーズ見るみたいな奇跡的なスケジュールがあった訳ですが(笑)

ひろっぴ

そりゃ満腹だ(笑)

タケダ

そのままワールドツアーを続けて、今年の4月9日に東京、23日に大阪ドームと2度目の日本ツアー。その後も8月までツアーが続くんで、同じアルバム・同じセットリストでもう3年もツアーってどういうこと!?みたいな。

一同

(笑)

いさお

ちなみに、今回の日本ツアーでは、かねてから共演したいと話していたONE OK ROCKがオープニングアクトをするので、これもまた注目です。

ひろっぴ

そんな感じにファンにもアーティストにもゴージャスに人気者なエド・シーランくん。今回は彼のミュージックビデオを見ながら、その人気の秘密を探っていきましょうか!

「Shape of You」はエロティック? それとも少年時代の甘酸っぱさ? 

ひろっぴ

まず1曲目は、サードアルバムにして今回のツアーアルバム『÷』からのリードシングル、「Shape of You」! 2017年のリリースです。

Ed Sheeran - Shape of You [Official Video] - YouTube

ひろっぴ

手元のあんちょこによると、イギリス・アメリカ含む35カ国でチャート1位、YouTubeでの再生回数は実に41億回だとか! 世界人口にせまる勢いですな。

タケダ

MTVでの放映回数もすごいことになってて、2017年の1位だったと思います。

ひろっぴ

しかし、これ謎MVですね。エドがボクシングの練習をひたすら続ける映像で。

YK

修行して強くなってやるぞ、みたいな。

ひろっぴ

エド、ストイックだな!

いさお

歌詞は、ただひたすら「君の体が好きだ」って内容ですけどね。

ひろっぴ

ちっともストイックじゃなかった!?

いさお

去年のグラミーで「最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞」を受賞してるんですが、怒ってる女性の方たちはいましたね。世界的にそれっぽい曲がノミネートされてるなかで、「君の体に惚れましたみたいな曲が受賞するとはなにごとか」みたいな(笑)

ひろっぴ

タイトル自体大胆に直訳すると「君の体のカ・タ・チ」って感じですしね。でも映像見てる限り、相手方の女性にそういう雰囲気はないかなぁ?

いさお

「Shape of You」ならもっとバーンみたいな!(笑)

YK

ボンッ・キュッ・ボンッ!感はないですね(笑)

ひろっぴ

どっちかというと、スレンダーで、格闘家タイプのかっこいい感じで(笑) 楽曲としての特徴はどんなんです?

YK

2017年はトロピカル・ハウスというジャンルが人気で、この曲にもその要素が入っているんですよ。ほら、この「コン・コン・コン」という鍵盤の音

タケダ

なんとかハワイアンセンターみたいなところで使われてそうな、マリンバっていう木琴のような楽器があるですよ。いや、行ったことないんですけどね(笑) その音色ですね。

いさお

ライヴでも、ここだけその楽器で演奏していましたね。

ひろっぴ

なるほど、そう思って聴くと、ハワイアンなトロピカル感を醸し出している気がします。自分も行ったことないけど(笑)

タケダ

ちょっとずれますが、この「Shape of You」はエドがしばし休養に入った後、カムバックとしてリリースされた2曲のリードシングルのうちのひとつなんです。もう一曲は「Castle On The Hill」なんですけど、僕はこの曲がすごい好きなんですよね。

Ed Sheeran - Castle On The Hill [Official Video] - YouTube

チェルシー

わたしも!

タケダ

どちらの曲も少年時代、思春期の感情を歌っているんですよ。「Castle On The Hill」は、少年時代の友情やちょっと悪いことした思い出なんかを。「Shape of You」も、オトナが「お前の体好きだぜぇ!」って言ってるんじゃなくて(笑)、割とピュアな少年の恋愛感情の芽生えを歌ってて。この2曲はちょっと似てる。そこにちょっとジーンと来るですよ。

ひろっぴ

エロティックかと思いきや、甘酸っぱい曲なんですね。

タケダ

そう。そして奇しくもというか、「Castle On The Hill」は、MTV MIXチャンネルが開局して最初の曲だったんですよね。

一同

あー、そうだった!

いさお

これは記念すべき曲です! 会議室でみんなで一緒に見ましたね。

タケダ

2017年6月にMTVのOTTチャンネルとしてMTV MIXを立ち上げたんですが、その開局1曲目をどうするかで、社内で物議を醸したわけですよ。ブルーノ・マーズの「24K Magic」で決まりだとか、いいややっぱり80’sがいいだとか。散々議論を重ねた結果、エド・シーランの「Castle On The Hill」になった。そして僕は、この2017年6月の時代を切り取った曲としてこれを選んだのは、間違っていなかったと思うんです。2年近く経っていまだに思います。

ひろっぴ

そこで爆売れした「Shape of You」ではなく「Castle On The Hill」だったココロは?

タケダ

「Castle On The Hill」は青春の思い出の曲でもあるんですが、同時に希望のある前向きな曲なんですよ。開局1曲めにはやっぱり未来のある感じが相応しいなと。エドの復帰第1作と、僕らの新チャンネル立ち上げということで。

ひろっぴ

重なるところがあった、と。それはグッときますねぇ。……と、いい話を聞いてたら、来ましたよ、それを台無しにする謎シーンが!(笑)

一同

相撲レスラー!(笑)

ひろっぴ

地下ボクシングかと思いきや、相手は相撲レスラーとの異種格闘技戦というオチと(笑) 今までの特訓はなんだったの!? 

YK

勘違い相撲レスラー感がいい味だしてますね!(笑)

ひろっぴ

いい味出してる(笑) ちょいと調べてみたら、相撲レスラー役の人自体は、本物の日本人力士さんみたいですね。元幕内力士の山本山龍太さん。引退後渡米して、相撲タレントとして活躍中だとか。

一同

ほほー!

ひろっぴ

体型的にもボンッ・ボンッ・ボンッ!って感じで、最後にちょっとだけ「Shape of You」感が出て良かったんじゃないでしょうかね!(適当)

一同

それはない!

「The A Team」は、ホームレス時代の体験記!?

ひろっぴ

さて、3枚目のアルバム『÷』とそのリードシングル「Shape of You」で世界中を虜にしたエドくんですが、そのルーツはなんだったんだろうということで、時間を巻き戻して最初のシングルを聴いてみましょうか。「The A Team」、2011年のリリースです。

Ed Sheeran - The A Team [Official Video]

タケダ

8年前。エド・シーラン、20才の時ですよ。

ひろっぴ

若っ! 

いさお

この曲には邦題があるんですよね。「Aチーム~飛べない天使たち~」。最初からワーナーに推されてたってことなのかな。

ひろっぴ

そして賢明な読者の方ならタイトルからお察しだと思いますが、なんとこの曲はあの海外傑作アクションドラマ、俺たち命しらずの『特攻野郎Aチーム』の主題歌として!

チェルシー

もちろん使われていません!

ひろっぴ

ですよね! 一応言ってみました。となると、ここでいうAチームっていうのは?

いさお

麻薬のカテゴリーみたいですよ。

ひろっぴ

麻薬!?

いさお

麻薬にもランクがあって、コカインやヘロインみたいな強力な麻薬は「クラスA」っていうカテゴリーに属しているんですって。だから、「She's in the Class A Team」っていうと、マリファナみたいなライトユーザーではなく、ガチガチのドラッグユーザーだということかと。この歌の主人公は、重度の薬物依存症なんですよね。

ひろっぴ

別の意味で命知らずだった……。

YK

クラックコカインにはまって、やめたくてもやめられない。だから娼婦をして、そのお金を稼いでいるみたいな。

ひろっぴ

そうなんだ。最初はAってエンジェルの頭文字と関係あるのかなーって思ったんですけど。

チェルシー

かけてる可能性はありますよね。あと、実際にエド本人も薬物乱用に苦しいんでいた過去があったと暴露していますしね。

YK

薬を意味するかもしれないし。そこは諸説ありますということで!

ひろっぴ

また〇コちゃんか! って、曲調自体は悲しい感じでもなく、むしろ優しくて、綺麗な感じですよね。ジャンルとしては、なんです?

いさお

カントリーに近いですね。

YK

さっきの「Shape of You」に比べると、まだ弾き語りのシンガー・ソングライターという感じがしますよね。エド・シーランはボブ・ディランの影響をめっちゃ受けてますけれども、そこまでフォーク感もないですし。

タケダ

イギリスではこれでいきなり売れたんだよね。デビューシングルで全英3位。日本ではまだそんなでしたけど。

YK

きれいなメロディーで、重いストーリーを歌ったのが海外で刺さったのかな、と思います。

ひろっぴ

確かに、20歳の若者が歌うには、重い題材ですよねぇ。

YK

エドはイギリス出身なんですけど、若い頃にロンドンに移住したんですよね。それで家賃が高すぎて払えなくて、しばしホームレス生活をしていたって話で。

ひろっぴ

ホームレス・エド・シーラン!? 

YK

それでギターを持って路上ライヴしつつ、夜は地下鉄で寝たりライヴのお客さんの家を泊まり歩いたりしてたんだとか。ちょっとの間だけだったそうですけど。

タケダ

その時期ホームレス・シェルターでギグした時に耳にしたドラッグユーザーの女性の話が、元になってるということで。

YK

体験談を歌詞にすることが多いんですよね、エド・シーラン。

ひろっぴ

なるほど、自分で聞いたり見たりしたことを、路上ライヴで歌っていく、シンガー・ソングライターとしての姿が、ルーツにあると。若くしてホームレス上等で路上に飛び出すなんて、度胸があるというか。エドこそがほんとの特攻野郎ってとこですかね。

チェルシー

そのネタひっぱりますね!

「You Need Me, I Don't Need You」で感じる、エドの原点!

ひろっぴ

さて、お次はセカンドシングルの「You Need Me, I Don't Need You」。「The A Team」とほぼ同時期の2011年リリースです!

Ed Sheeran - You Need Me, I Don't Need You [Official Video]

いさお

このMVって、うちではあまり流していないですよね。

ひろっぴ

YouTubeの再生回数でも5300万回と、他のエドの曲に比べると小ぶりな感じ?

YK

「 Shape Of You 」と比べたら爆発的に売れたというわけではないですけど、それでも英チャートでは4位を取っています。

ひろっぴ

これはまたさっきの「The A Team」とはガラっと違いますね!

YK

聞いてみた通りのラップですね。早口です!

いさお

ラップと語り風の歌い方の区別ってどうなんです? たとえば、長渕剛さんが早口で歌うのはラップなのかとか?

YK

「You Need Me, I Don't Need You」がラップだと言えるひとつの特徴としては、めちゃめちゃ韻を踏んでるんですよね。

いさお

なるほど!

YK

「making a new sound」の次に「in front of a new crowd」を持ってきたり、「I won't hush」に対して「make you blush」をかぶせたり。耳にする言葉がリズミカルで気持ちいいじゃないですか。それが韻を踏んでいるの影響なのかなって。武道館でも確か最後ずっとこれでしたよね。ずっと「You Need Me, I Don't Need You」って。

タケダ

この頃からすでにカッティング気味なギターの感じにエド・シーランみがありますよね。ギターの音でもあり、打楽器でもあるような表現をするというか。実際にギターをたたいてリズムを取ったりするですよ。それをループペダルで録音して、リズムパターンを作ったりするんです。

ひろっぴ

はい、先生! ループペダルってなんですか?

タケダ

基本的に、1小節・4小節みたいに一定の小節分のギターの音なり声なりのパターンを録音して、それを一定の間隔で流し続ける。ループさせるんです。

いさお

そうそう、足で踏んでね。

タケダ

そのパターンをめっちゃくちゃ織り交ぜて、組み合わせて曲を作るんです。

チェルシー

要はひとりでバンドをやっているのと同じ感覚です。ドラムとベースとギターとボーカルを全部自分で音を作って、ループペダルで掛け合わせることによって、ギター一本だけじゃない厚みのある音を作っていくっていう演奏スタイルですね。

ひろっぴ

ワンマンバンド! それってほかの人はあんまりやってないスタイルなんです?

YK

ループを使う人はいますけど、でも一人でここまでやる人は他にはいないかなぁと。

チェルシー

息をフッと吹き入れて録音するのを見て、なにをしてるんだと思うじゃないですか。でも気が付くと、そういう細かい音がどんどん重なっていって、いつのまにかすごい曲になっている。

タケダ

あー、この曲になるんだ! みたいなね。

チェルシー

エドのライヴはそれが面白いんですよね。知っているあの曲が、目の前で作られていくという感じが。

ひろっぴ

なるほど! 自分は絵描きなんで時々ライヴペインティングとか見るんですけれども、その感覚に近いのかも? 

タケダ

だから、仮に「MTV Unplugged: エド・シーラン」というのをやっても、普段のライヴと同じなんじゃないかという気がしますね。全部ひとりでやっちゃう

チェルシー

ルーツを忘れたくないのかも。バスカー(ストリートミュージシャン)として、ひとりでライヴしていた時の自分をそのままプロのミュージシャンにしたかったという。

YK

これ、実際にやってみようと思うと、めちゃめちゃ難しいんですよ。僕は趣味でギターやってるんですけど、自分でリズムを録音してループさせようと思っても、ちょっとでもずれていると、もう全部気持ち悪くなっちゃうんです。エドはそれを全部一発で決めていますから、すごい演奏力の高さだと思います。

ひろっぴ

ずっと路上で、ライヴハウスで一人でライヴをしてきて。それだけの場数を踏んできているし、その自負もあるってことなのかな。それで言うと、MVの最後に気になるところがあるんですよね。

タケダ

最後?

ひろっぴ

エドはこの曲の中では全然出てこないんですけど、最後のところで現れて、こちらを睨みつけるような顔してるじゃないですか。彼の写真とかを見ると大概穏やかっぽい顔してるんだけど、このMVでは強い意志を感じるんですよね。攻撃的なほどの。歌詞とか読んでもそうじゃないですか。

YK

タイトルも攻撃的ですよね。

ひろっぴ

だから、この曲にはエド・シーランの生の感情みたいな、他では見られないものが出ている気がして、ちょっと気になって取り上げてみたんですよ。

チェルシー

でも、怒るときはすごい怒りますよね、エドは。

いさお

そう、ベースは熱いし、本質は怒りだと思う。言いたいことがあって歌っている人で、そんなに寛容な人ではない。

チェルシー

ないですね。『ゲーム・オブ・スローンズ』に出て微妙な役だったと叩かれた時、突然ツイッターやめますと言って、アカウント消してしまったり。自分の正義を否定するような声に対しては、怒って行動に移す人だと思います。優しいとか寛容なところもある一方で、頑固な面もある。

YK

プライドがありますね。

タケダ

「You Need Me, I Don't Need You」はセカンドシングルとしては絶対売れないと言われて、マネージャーとかからも変えろと言われたにも関わらず、それを押し切って出したんですよね。その上でちゃんと売れたみたいな(笑)

YK

確かにそうですよね。「The A Team」みたいな弾き語りの次にこれを出すとか。

タケダ

売れねーって言いたくなるのも分かりますよね。サザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」の後「いとしのエリー」を出したのの逆版みたいな(笑) いい話から急に攻撃的な曲になったみたいな。

YK

自己紹介の時に話しましたけど、盛り上がるラップ調の「Sing」の後にすごいバラードの「Thinking Out Loud」を出してみたり。いろんな曲でリスナーを飽きさせないから、続けてヒットを飛ばせるのかもしれないですね。

Ed Sheeran - Sing [Official Video] - YouTube

Ed Sheeran - Thinking Out Loud [Official Video] - YouTube

ひろっぴ

ラップとシンガーソングライター。振り幅ありますな!

YK

ボブ・ディランみたいなフォーク・ミュージックはお父さんの影響ではないかと。一方で彼が若い時は、もうラップが主流だったと思うんですよ。彼自身もエミネムが大好きだったそうですし。そこでギターとラップを組み合わせた、自分だけの音楽を作っていったのではないかと。のちにエミネムとコラボもしていますよね。

ひろっぴ

エミネムってラッパーさんでしたっけ? 今回の予習でいろいろとグーグル先生にお世話になったんですが(笑)、実はひとつエミネムがらみで、気になるエピソードを読んだんですよ。

YK

はい。

ひろっぴ

エドって、子供の頃は吃音があって、周囲に上手く馴染めなかったって話をしてるんですよ。

YK

上手くしゃべれなかったんですよね。どもっちゃって。

ひろっぴ

その頃はそれで辛い思いをしたんだけど、エミネムのラップを聴いてその言葉の速さに感動して。一言一言真似するようにしてラップを覚えていったらしいんですよ。それによって、いつの間にか、吃音も治っていったということで。いわば、ラップde吃音克服法

YK

いい話ですよね!(笑)

ひろっぴ

で、エドは全米吃音協会でスピーチもしているんですが、そこで吃音にしても変な癖にしても、全然恥じる必要はなくそれを受け入れていいんだよと語りかけていたりね。僕自身も少し吃音の気があって、時々話しにくいことがあるので、そこは共感ポイントの一つでしたねぇ。

YK

じゃあ、これを機にひろっぴさんもラップを覚えれば……!

タケダ

エミネム完コピしましょうか!

ひろっぴ

難易度高くね!?(笑)

チェルシー

むっちゃ攻撃的なひろっぴさんになってくるみたいな!(笑)

タケダ

会議がフリースタイルになるみたいな!(笑) 

ひろっぴ

大丈夫、自分は日本人ラッパーとして、平和に「部長に感謝!」とかするだけでなんで(笑)

タケダ

やだやだやだ(笑)

「Photograph」 頂点に立ってなお親しまれる、その秘密とは?

ひろっぴ

さて、お時間ギリギリもう限界、座談会そろそろ終わらそうかーい

タケダ

やる気まんまんじゃねーか!

ひろっぴ

ちゅーことで、最後はセカンドアルバム『×』からのシングルカット「Photograph」を聴きながらまとめに入りますかね。リリースは2015年です。

Ed Sheeran - Photograph (Official Music Video) - YouTube

いさお

あらかわいい!

ひろっぴ

このMV、エドの少年時代のビデオ映像が、現在の映像と織り交ぜながら流れるんですよね。彼のルーツとして面白いんじゃないかなと。

いさお

結構早い段階から、楽器やってるなーってビデオですよね。

YK

芸術一家なんですよね。お兄さんも作曲家で。

ひろっぴ

父ちゃんが美術講師で母ちゃんがジュエリーデザイナーだとか。文化資本ってのは重要ですな!(笑)

タケダ

パンピーからだとこの才能は生まれてこないのかもですね(笑)

YK

立ち始めた! めちゃめちゃ可愛いですね(笑)

チェルシー

ほんわかしちゃいますね(笑)

ひろっぴ

本題を忘れないように!(笑) さて、いままで見てきたように、エド・シーランは周囲に馴染めない少年時代の後、音楽で驚くほどの大成功を収めて、いまや世界中が友達なわけですよ。その一番の秘訣ってなんだと思います?

チェルシー

努力家。

いさお

実力派。

YK

タトゥーとかは置いておいて、見た目は割と身近な感じがするじゃないですか。でも実力はすごい伴っていて、世界中に認められている。これがゴリゴリにド派手な人だともっと苦手な人もいたのかなと思いますけど。そこが共感を持たれるところの一つなんじゃないかな。

チェルシー

うぬぼれない。実力も才能もあるんだけど、そこにうぬぼれずにちゃんと努力もしていて、それがあのループペダルを使った演奏の技術にもつながっていると思います。そしていろんな視点からみた人生を歌にしているので、すごいラブソングを書くこともあれば、攻撃的な曲を書くこともあり、また人に寄り添った曲を書くこともある。その多様性が、いろんな人に愛される理由なのかなと。

いさお

あまり商業的な感じがしないですよね。いろいろと葛藤はあるんでしょうけど、そこがすごいなって思います。

タケダ

武道館でのライヴを見た時にも、飾らないというか素のままで。本当に音楽が好きなんだろうし、ライヴを楽しんでるのを感じたんですよ。だからすっとみんなの耳に入ってくる曲だしパフォーマンスだし表情だし。少年のままというか、ピュアな方だなーって、いい意味で思います。

ひろっぴ

若いけどいろんなものを見てきたせいなのか、人に対するまなざしが優しい気がしますね。共感力がある真摯なアーティストだなーって印象です。それが彼を頂点に押し上げて、なお親しまれる理由なのかなと。……この「Photograph」のMVの最後で、お父さんが山登りしてる子供のエドに向かって、「You are on the top of the mountain!」っていうんですよね。で、次の瞬間、大観衆に向かって手を振る大人のエドの姿に切り替わるという。

タケダ

最後がきれいですよね。

ひろっぴ

とまあ、いい話で終わるかと思いきや、せっかくなんで一つ小ネタをぶち込みますかね! エドってポケモンファンらしいんですよ。休養期間中にお忍びで日本に来ていた時は、ポケモンセンターに行っていたとかなんとか。ポケモンについて熱く語っているビデオなんかもありまして。ちなみに一番好きなのは、ヒトカゲらしいっす。寝室にぬいぐるみもあるとか。

タケダ

ベタだな! 猫じゃねぇんだ、そこは(笑)

チェルシー

ニャースとかね!(笑)

ひろっぴ

そんなわけで、自分的には勝手にエドに親近感を持って終わりとなりますが……最後に編成のいさおさんどうぞ! 

いさお

MTVでは4月1ヶ月に渡りエドシーランを猛PUSH!エドの楽曲がヘビープレイされます! 4月22日には90分のMV特集MUSIC VIDEO HISTORYも放送されます。 オンエアみてくださいね!!!!!!

ARTIST OF THE MONTH: エド・シーラン

4月のARTIST OF THE MONTHは、4月に自身初の東阪ドーム公演を開催するエド・シーラン。昨年4月に、日本武道館と大阪城ホールにて開催された単独公演では、圧倒的なパフォーマンスで観客を釘付けにした。最終公演のMCで「また来年も日本に戻ってくる」と宣言したとおり、1年ぶりドーム規模での来日公演となった。“世界で最も多くのセールスを記録した男性ソロ・アーティスト”の称号を獲得し、今やグローバル・スーパースターとして、超満員の観衆をたった一人で熱狂させているシンガーソングライター、エド・シーランの軌跡を、歴代MV特集や、独占インタビューを含むMTV制作の特別番組で完全網羅する!

ひろっぴ

んではまた再来週!

(おわり)

この記事を書いた人

ひろっぴ
Webプロデュース担当。漫画オタクで完全無欠の洋楽素人。でも昔のテクノやハウスなら少しわかるかも?

Latest News

チャンス・ザ・ラッパー、デビューアルバムの詳細を発表!

音楽

ポール・マッカートニー、『素晴らしき哉、人生!』をミュージカル化?!

音楽

アリアナ・グランデ、GIVENCHYの新コレクションを公開!

セレブ

ラナ・デル・レイ、エルヴィス・プレスリーの妻役に立候補?

映画

ヘイリー・ビーバー、ランウェイからの引退をほのめかす

セレブ

マーゴット・ロビー、『タイタニック』の結末に不満の色示す?

映画

ジャネット・ジャクソン、往年の名作がレコード盤で再生産に

音楽

ハビエル・バルデム、実写版『リトル・マーメイド』でトリトン王役に?!

映画