ピュアな歌声と多彩なサウンドのレイヤーが無二の美しさを放つ JPクーパーにインタビュー!

14 6月 2018
イギリスはマンチェスターで育ち、地元のヒーロー、オアシスに憧れギターを持つようになった青年JPクーパーは、やがて1960年代や70年代のアメリカン・ソウルに魅せられ、ミュージシャンとして自ら表現したいことの核を見つけた。その浸透度の高いピュアな歌声を軸に、オーセンティックなソウルはもちろん、モダンなプロダクションにも強い関心を持ち、ヒップホップやエレクトロニックなど、さまざまなリファレンスを柔軟に取り入れたサウンドが折り重なって生まれる、美しいポップの世界。現在本国を中心に人気上昇中の彼は何を想い曲を作り、この先、どういった存在になっていきたいのだろうか。



―あなたの出身地、マンチェスターというと、映画『24アワー・パーティ・ピープル』で描かれた"マッドチェスター"の世界観や、ザ・スミス、ザ・ストーン・ローゼス、オアシスといったバンドのイメージが強いのですが、いかがですか?

そうだね。今もそんな感じだよ。僕自身、1983生まれで10代の頃をマンチェスターで過ごしたんだけど、そこに住んでいるだけで、そういう音楽がどんどん耳に入ってきた。気候もじっとりしているから、音楽というものが気分を晴らす、エンタテインメントのひとつになりやすいんだとも思う。初めて行ったコンサートはオアシスだったし、ハッピー・マンデイズやザ・ストーン・ローゼス、ザ・スミスにモリッシー、ジェイムスとか、ずっと大好きだよ。

―あなたが現在表現している音楽は、そういったマンチェスターのロックやダンス・ミュージックとはまた異なるグルーヴやソウル・フィーリングを持っていますが、そこに至った経緯を教えてください。

いちばん最初にギターを持って歌った曲はオアシスの「Wonderwall」だった。そこから少し遡ってグランジ、パール・ジャム、ニルヴァーナやサウンドガーデンといったバンドを聴くようになって、アメリカの音楽に惹かれてアル・グリーン、マーヴィン・ゲイ、アレサ・フランクリンといったソウルに出会ったことで、自分が表現したい音楽が固まったんだ。

―グランジから60年代や70年代のソウルとなると、少し飛躍してしまいますが、その間にはどんな出来事があったのでしょう?

グランジと同じ"90年代の音楽"として、ラジオから流れてきたフージーズの「Killing Me Softly With His Song」に衝撃を受けて、70年代、80年代のソウルを掘り下げるようになった。

―そういった、アメリカのソウルが持つエネルギーとポップの要素、そして現代的なプロダクションをどう融合させるかが、アルバム『Raised Under Grey Skies』の重要なポイントだと思うのですが、いかがですか?

まさにそうだね。まず、僕がオアシスに直感的に惹かれた理由は、クラシックな要素があったから。それは、より多くの人に届くものだと思う。そして、フージーズに出会ってソウルを掘り下げることで、音楽をどんどん好きになっていったように、ソウルフルな部分とポップな部分をうまくブレンドすることで、より普遍的な音楽になると思っている。そういう意味でもっとも理想的な曲は、ビル・ウィザースの「Lean on Me」だね。ソウルフルでありながら、より多くの人が繋がりを感じることができる、すごくシンプルなトラック。

―そこをいかにモダナイズドするか。

そう。トラディショナルに寄り過ぎないように、モダンなプロダクションについて考えることが大切で、時代感の境界線をなくしていくことで、自分らしい音楽が更新されていく。



―「Mommas Prayer's」ではストームジーをフィーチャーなさっています。同じイギリスのグライム・シーンのことはどう思っていますか?

グライムは、ストリートにいる若者の気持ちが表現されている。リアルで深みがあって、だから凄くリスペクトしてる。ストームジーの音楽には、ゴスペルの要素も入っていて、そこからソウルフルな味が出てる。すべてのアーバン・ミュージックには、ソウルの入る余地があると思っているから、そういう意味で、僕と彼とには繋がりがあるんだ。

―グライムへの共感もそうですし、アコースティックの弾き語りあり、ハウスやヒップホップからのリファレンスもあり、それによって生まれるテンポや曲調のヴァリエーションも、あなたの音楽の魅力だと思うのですが、そこはどう考えていますか?

僕は音楽的なトレーニングを受けたことがないんだ。だから、音楽は僕にとってはおもちゃのようなもの。今は幸いなことに、音楽が仕事になっているけど、だからこそ、その遊び心は常に持たせていたい。子供の頃って、おもちゃ箱に入ってるいろんなおもちゃで遊びたかったし、友達が遊びに来たら、それらをシェアして、もっと楽しくなった。そういう思い出って、多くの人が少なからず持っていると思う。

―わかります。

何が言いたいって、フリーダムということ。だから、ハウスやグライムのアーティスト、ポップのアーティストとも共演するんだ。常にオープンでありたい。もしかしたらJ-POPアーティストとも、この先、何かあるかもしれない。それをオーディエンスのみんなも楽しんでくれたら、最高だよね。

―そういったワイドな視野と同時に、マンチェスターの人間であるというアイデンティティを意識するはことありますか?

サウンドはマンチェスターではないんだけど、人間としては凄くあると思う。歌詞を読んでくれたらわかるんじゃないかな。

―今のお住まいはロンドンですよね?

そうだよ。家族はマンチェスターにいるんだけど、僕はスタジオもレーベルもロンドンにあるから、通えるところに住んでるよ。

―今、ロンドンが凄くおもしろいと思うんです。ストームジーもそうですし、Jハスに代表される、アフロとダンスホールが融合した、新たな音楽の流れも生まれてきています。そのなかで、あなたが目指す方向性とは?

そうだな、次の作品はよりアーバンなものになると思う。

―あなたの言う"アーバン"とは?

僕にとってのアーバンとは、ストリートから生まれる音楽。グライム、ヒップホップ、ヒップホップに影響を受けたR&Bなどのことだね。もともとヒップホップのファンだし、ポスト・マローンのような、トラップのプロダクションにも興味はある。Jハスはその次のレベルの音楽だし、彼のプロデューサーであるJ5とは同じビルを共有しているんだ。コラボみたいなこともしたことがあるし、Jハスと少し交わるような方向性になる可能性もあるね。

―そして、あなたには声という絶対的な柱があります。歌とはどう向き合っていきますか?

声というのは、聞こえてくる音だけでなく人間味のある言葉、それがメロディーに乗ったときにどうなるかが重要なんだ。人間の持つ感情を素直に歌っていきたい。自分の鼓動とともに出てきた言葉なら、どんなサウンドスタイルにチャレンジしても、それがある限り自分の音楽になるし、人とコミュニケーションも取れる。そんな自分のジャーニーに、オーディエンスがついてきてくれたら、言うことなしだね。




インタビュー&テキスト:TAISHI IWAMI
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