
Q. ずばり、「whole」ってどんな意味ですか?

A. ずばりな質問、ありがとうございます!
まずは、wholeはよく使う意味としては「全部」や「全て」、あとは日本語でよく言葉の頭に付ける「全~」に相当しますよ。
また、規模が大きいというニュアンスも持っています。レッスンビデオに出た「うさぎとかめ」原曲の日本語歌詞「世界のうちで」は、wholeなしでin the worldと英訳しても全然問題ないです。
しかし、「(かめさんの歩みののろさに関して)比べ物になるものは存在しない」というところを強調するために、 「全世界で」を表す in the whole worldにしたのです。これで wholeが加わっているので規模の大きさもよ~く伝わるわけです。
うさぎさんの発言はほんと、キツいですよね!
そして、他にも the wholeを使った、とっておきの表現が多々ありますので、下記ご参照!
Marc ate the whole cheese cake!
マークはチーズケーキを全部食べちゃった!
I studied the whole day.
僕は終日勉強しました。
↑ 可哀そう……。
She talked the whole movie!
彼女は映画上映中、ずっとしゃべってたよ!
↑ これも話し手が可哀そう!

Q. 「whole」と似た意味の言葉で「all」が思いつきます。響きも近いですけど、違いはあるんですか?

A. そうですね!wholeとallは意味と響きの両方が近いのですが、使い方に関して微妙な違いがありますよ。微力ながら、説明させていただきます。
具体例として、上の表現「in the whole world」のwholeをallに置き換えてみましょう!
in the whole world
全世界で
↓
in all the world
全世界で
ええ、日本語が全く同じ⁈
というか、違いに気が付きましたか?
おまけにヒントとして、例文をもう一つピックアップして、wholeをallに変換します:
Marc ate the whole cheesecake!
マークはチーズケーキを全部食べちゃった!
↓
Marc ate all the cheesecake!
マークはチーズケーキを全部食べちゃった!
正解は、
3
2
1…
the の位置が違います!
この違いは結局、別に深い意味がなくて、ただ英文法の奇妙な癖に過ぎないですよ。
ちょっとあっけない結末でごめんね!

Q. 動画では「whole」に「the」がついてますね。「the」をつけないとダメでしょうか?

お察しの通りです!
ほとんどの場合、wholeを使うときは theがつきものですよ。また、さっきお書きしたように、wholeを使うなら、theはその前に置くのです。
実は、theを使わないケースもありますが、その理由が一目瞭然なので、ご心配なく!
Marc ate the whole cheesecake.
マークはチーズケーキを全部食べちゃった!
↓
Marc ate my whole cheesecake.
マークは私のチーズケーキを全部食べちゃった!
今の違い、分かりましたか?
そう!お馴染みのtheの代わりに my(私の)を使っていました。myやher(彼女の)など、所有を表す言葉(いわゆる所有格の言葉)を用いるときに、theを省くわけです。

Q. 「whole」を使った面白い表現を教えてください!

承知いたしました!
ダイエットっぽい話になりますが、例えば…
Whole wheat pasta has fiber.
全粒粉パスタは食物繊維が入っています。
この「全粒粉パスタ」に相当する whole wheat pastaでは、変わらずwholeは「全部」を表現しますね。もっと正確にいうと、小麦の麩や胚芽を取り除かずに、全部入れた粉という風に使われているのです。
また、whole wheatとwhole wheat pastaは決まったフレーズで、theを使わなくても大丈夫です!
ちなみに最近、NYのイタリアン専門店では、健康志向のお客さんにアピールしようと、全粒粉パスタを幅広く用意するようになってきました。かなり弾力があって食べ応え満点なので、オススメです!
さて、wholeについては、
That's the whole story! (これで全部です!)
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!

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さて、今週もきました「ALEX YORKのワンポイント英会話」! この連載では、ニューヨーク出身の人気ミュージシャン、ALEX YORKさんに、歌を通じて実用的な英会話を教わっていきますよ。今回は、「うさぎとかめ」の1回目! ALEXさんのレッスンビデオを観てから、Q&Aをお楽しみください!