今年はメタリカにとって記念すべき年である。へヴィーメタル/ハードロック史に燦然と輝く不朽の名作『Master of Puppets』が世に生み落とされて今年で20年。業界が、ファンが、そして誰よりメタリカのメンバー本人たちがこのアニバーサリーを徹底的に祝している。それはライブステージの上で顕著になっている。
この夏世界各地のロック・フェスにヘッドライナーとして出演を重ねるメタリカは、なんと、『Master of Puppets』をアルバム丸ごと曲順通りにプレイするという仰天サプライズでオーディエンスを昇天させている。
参考までに、6月に開催されたMTVドイツによる大型イベント「Rock am Ring」のセットリストを紹介しよう。
Creeping Death
Fuel
Wherever I May Roam
For Whom The Bell Tolls
Kirk Solo #1
Fade to Black
Battery
Master Of Puppets
The Thing That Should Not Be
Kirk Solo #2
Welcome Home (Sanitarium)
Disposable Heroes
Leper Messiah
Orion
Damage Inc.
Sad But True
Nothing Else Matters
One
Enter Sandman
Last Caress
Seek and Destroy
『Master of Puppets』が中核をなし、これでもかっ!と代表曲オンパレードのベスト・オブ・メタリカな2時間あまり。特に「The Thing That Should Not Be」「Disposable Heroes」「Leper Messiah」「Orion」はこれまで滅多にプレイされなかったレア曲につき、古くからのファンには嬉しいところ。
何を隠そう現在34歳の私がメタリカに出会ったのは1987年、中学2年のとき。当然ながら『Master of Puppets』から聴き始め、数え切れないほどアナログをひっくり返し、メタリカへの愛を深めていった。「へヴィーメタル(HEAVY METAL)の象徴だから”METALLICA”なのか」と真剣に納得していた。
『Master of Puppets』のインナースリーブの写真を見ながら、メタリカのライブへの思いを膨らませていたものだった。5万人はいようかという超満員のビッグ・スタジアムのオーディエンスを前に、激しさ伝わる4人のメンバーショット。このアルバム発表以降、何度も日本の地を踏んでいるメタリカだが、まだ本当のメタリカを体験していない気がしていた。東京ドームで演った実績はあるが、違う。そう、『Master of Puppets』にあるように、野外スタジアムでのメタリカが観たい。遂にこの積年の思いが、この夏、満たされようとしている。
これまで日本のフェス出演の噂が何度もあがりは消えてきた。そしてようやく、メタリカが選んだイベントは「SUMMER SONIC」。堂々とオープン・スタジアムでヘッドライナーを飾る。夢に見た真のメタリカを待つこと20年。『Master of Puppets』が誕生して20年。オールド・ファンにとって“20年目の初体験”。このたまらない瞬間を、もれなく、今どきの熱き若者たちにも全身で体感してもらいたい。
もしメタリカを知らぬなら、とりあえず『Master of Puppets』を買って聴け。そしてブックレットの写真を見て、想像せよ。