CREATIVE TREASURE BOX”人々の潜在する発想を刺激し、自身の発想の鍵を開けてほしい”というコンセプトのもと、MTVとソニー・エリクソンが行うクリエイティブイベント。
CREATIVE TALK SESSION:イベントレポート
表参道を賑わした「CREATIVE TREASURE BOX」。多目的スペース「O:」では、海外のMTVで活躍するクリエイターや音楽ビジュアル表現に関わる幅広いゲストを迎え、4つのプログラムからなる「CREATIVE TALK SESSION」が開催された。
プログラム1

まずプログラム1はVMAJ2006の受賞監督である久保茂昭氏、芳賀薫氏、山口保幸氏の3名をパネルゲストに迎えて開幕。倖田來未、平井 堅、ケツメイシなど、いまをときめくミュージックビデオの数々。そういった日本のメインストリームともいえる映像作品を生み出し続けている監督のクリエイティビティに触れようと、多くのひとが会場に集まった。

プログラム2

プログラム2ではモデレーター(司会)を担当したクリスチャン・ホフレによって、「PLAYING GLOCAL」という言葉が紹介された。「GLOCAL」というのは、「グローバルでありながら、ローカライズに長けている」ことを示す造語で、MTVのあり方を端的に表している。続いてその実証として、日本を含む6ヶ国のMTVで活躍するクリエイティブ・デザイナーたちが、それぞれの国の視聴者に向けて制作した映像作品を順に紹介した。ちなみに観客たちにもっともウケたのが、ラテンアメリカの作品。洗練されている反面、難解なところもある欧米の作品にくらべて、犬の交尾が大写しになるなど、かなりベタで思い切った作風なのだが……。その後、日本の作品が紹介されて合点がいった。日本も「排泄物で陶芸?」などかなりワイルドな作品もあり、こちらもウケていた。意外にも地球の反対側と気が合ってしまったのかもしれない。ステージ裏でも、双方のディレクター同志で早くも共同プロジェクトの話が出たという。

プログラム3

プログラム3では、ミュージックビデオ監督のオリビエ・ゴンドリーが登場。兄のミシェルに比べれば知名度は低いが、だからこそ今後が楽しみな監督のひとり。共同名義で制作されたケミカルブラザーズの「Star Guitar」では、兄がアイディア、自分が映像技術的な部分を担当していたことを披露するなど、プログラマー出身で見た目も話し方も「エンジニア」なオリビエ。「自分はスターじゃないから」と受け答えも謙虚なのだが、だからこそ話に説得力があった。膨大な手間が掛かっているのではと思える作品でも、撮影がいかにも楽しかったかを語り、あくまで職人的な視点からテクニックを語ってくれた。彼が監督したTigaのビデオが流れると、観客がその映像に釘付けになった。オリビエの自作プログラムによるその洗練された映像は、彼がタダモノではないことを一瞬にして会場中に知らしめたようだ。

プログラム4

セッションの最後となるプログラム4のメンバーは、木之村美穂(STUDIO D.O.G.)、水崎淳平(神風動画)、石浦 克(T.G.B. DESIGN)。それぞれ、ファッション、アニメーション、グラフィックデザインと異なるバッググラウンドを持つ3人だったが、共通の話題としてもりあがったのが「徹夜」について。ハリウッドのシステマティックな作業体制などを評価しつつも、最終的に作品の質をあげるために精神力が不可欠だというのは共通した見解だったようだ。

日本を代表するクリエイターたちが「音楽」と「デザイン」の関係について語り合った一日。モデレーターの寺井弘典氏とVJ鉄平が総括していたように、これからのミュージックビデオ、映像表現のさらなる可能性を示しつつ幕を閉じることができた。

text: Rica Kuwahara

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