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混沌とした時代が生み出したカウンターカルチャー

70年代半ば、RAMONESのレコードデビューによって米国で産声を上げた"パンク・ロック"という音楽のジャンル。
正確に言えば、それ以前にもMC5やイギー・ポップ率いるSTOOGES、NEW YORK DOLLSらロックンロールを
より過激にした楽曲やパフォーマンスで若者を虜にしたバンドはあったが、
"パンク"をより加速させたのは、RAMONESのベーシストであるディーディー・ラモーンの「1234!」という掛け声で始まる
1分半の狂える、キャッチーな、そしてシンプルすぎる楽曲であると思う。
無論、ひざに穴が開いたタイトなジーンズにライダース・ジャケット、デッキシューズというアウトローなファッションも衝撃を与えた。
そして"パンク"は、マルコム・マクラーレンという1人の男によって、英国に飛び火する事になる。
NEW YORK DOLLSのマネージャーだったマルコムは英国で、自身のブティック「SEX」にたむろする若者にバンドを組ませた。
SEX PISTOLSの誕生である。
彼らの挑発的なライブ・パフォーマンスはたちまち英国の若者を魅了し、また、「自分達にもできる!」と勇気を与えた。
101'ersというパブロック・バンドで活動をしていたジョー・ストラマーも、PISTOLSのギグを見て、すぐにCLASHを結成したほどだ。
やがて、DAMNED、STRANGLERS、CHELSEA、GENERATION X、マンチェスターのBUZZCOCKSら、
雨後のタケノコのように次々とバンドが結成され、 英国のシーンは"パンク"の生みの親、アメリカよりも活性化して行った。
それは、加速する失業率や政府の対応、長いギターソロがもてはやされた退屈な音楽業界への反発など、
若者のフラストレーションが爆発した、混沌とした時代背景も大いに関係した。

ファッションではなくアティチュード! 根底に根付くDIY精神

パンクの基本精神はいわずと知れたDO IT YOUR SELF(DIY=自分でやれ)である。
観客に伝えたいメッセージをシャツに書き込んだり、BUZZCOCKSがレコードデビュー前のPISXTOLSを地元に呼んだり、
自身で小さなレーベルを立ち上げたり、情報を伝えるファンジンを作ったり・・・。
当然、革ジャンに鋲を打ち込んだりといった作業も、「着たい服がないから自分で作る」というシンプルながら重要な主張だ
(ちなみにLAUGHIN'NOSEも、スタジオにバケツを持ち込んでジーンズをブリーチしていた)。
その精神は、80年代に入ってさらにパンクの太い屋台骨となって、後世のパンク&ハードコア・バンドに受け継がれていく。
米国シーンではイアン・マッケイ率いるMINOR THRETやヘンリー・ロリンズを輩出したBLACK FLAGらが筆頭となり、
また英国シーンでは自給自足の生活で自主独立し、政治的なアプローチで活動していたCRASSがDIYの代名詞となっていった。

PUNKS NOT DEAD!!!!! そしてパンクは現在も決して死んでいない!

ADICTSやTOY DOLLS、DAMNEDにSTRANGLERSなどのオールドスクールなパンク・バンドはもちろん、
90年代のBAD RELIGION、NOFXらに代表されるメロコア勢、モヒカンに鋲ジャンといった80'sUKの過激なパンク・ファッションで身を固め、
ハードコアを奏でたRANCIDら、現在も第一線で活躍するパンク・バンドは数多く存在する。
そして、パンクをより世間的に定着させたのがGREEN DAYとOFFSPRINGだろう。
ビリー・ジョー・アームストングがフロントマンを務めるGREEN DAYはアルバム「DOOKIE」でグラミー賞受賞、
またOFFSPRINGは、ジャンルを問わず"インディ"という括りでは世界で一番売れたアルバム「SMASH」で一躍ブレイク、
後のシングル「PRETTY FLY」は日本でもFM局で頻繁に流れ、ライブには制服の女子高生やハイヒールを履いた女性の姿も見られた。
しかしそんな彼らも、アンダーグラウンドでのきちんとした下積み(?)時代を経験している。
だからこそ、彼らは売れても決して"偽者"ではなく、SUM41やGOOD CHARLOTTEといった若手にもリスペクトされ、
次々とフォロワーを生み続けているのだろう。
このあたりのことは映画「PUNK'S NOT DEAD」でも詳しく触れられている。興味があれば、ぜひとも観ていただきたい。

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関連リンク>>punk fashion magazine:ADiCTS制作日記

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