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『ドラゴン・タトゥーの女』主演 ルーニー・マーラ来日インタビュー

2012-02-08
「誰がリスベット・サランデルを演じるのか?」——全世界で6500万部を売り上げたベストセラー小説を鬼才デヴィッド・フィンチャーが映画化することが決定したとき、ファンの頭に最初に浮かんだ疑問はこれだろう。スカーレット・ヨハンソンやナタリー・ポートマン、クリステン・スチュワートなど、ハリウッドの人気女優がこぞって演じたがったという『ドラゴン・タトゥーの女』の主役の座を射止めたのは、どちらかというと無名で、アウトローな天才ハッカーのイメージとはかけ離れた若手女優だった。

彼女の名前はルーニー・マーラ。フィンチャー監督の前作『ソーシャル・ネットワーク』の冒頭シーンで、主人公をばっさりと振る元彼女を演じたお嬢さま風の女の子だ。そのキャスティングに世間が議論を戦わせる中、マーラは着々と役作りに取りかかり、それまでのイメージを一新して完全にリスベットに変身してみせた(※2/26に開催されるアカデミー賞では主演女優賞にノミネートされている)。ここで紹介するのは、映画『ドラゴン・タトゥーの女』を引っさげて初来日したマーラのWEB媒体合同インタビュー。素顔の彼女はとてもシャイで言葉数も多くはなかったが、周囲に流されない芯の強さを感じさせる凛とした女性だった。



—まずはアカデミー賞主演女優賞ノミネートおめでとうございます。その喜びを最初にどのようにどなたに伝えましたか?

ルーニー・マーラ(以下、RM): 誰にも連絡する必要はなかったの、みんなが電話をくれたから(笑)確か最初に話したのはパパだったと思う。とても喜んでくれたわ。誰もが誇りに思ってくれて、応援してくれたの。嬉しかった。

—今作であなたが演じたリスベット役を巡って、多くの女優がオーディションを受けたとうかがっていますが、具体的にどのようなスクリーン・テストを受けたのですか?

RM: ごく一般的なオーディションだったわ。最初はキャスティング・ディレクターとのオーディションで、脚本からのいくつかのシーンを彼女の前で演じたの。その後、最初のスクリーン・テストを受けて、それはハリウッドの他のどの作品のスクリーン・テストとも同じようなものだった。それからあと何回かスクリーン・テストを受けて、最終的にダニエル(・クレイグ)とスクリーン・テストをして、そしてデヴィッドに見てもらうためのヘアメイクのテストがあって…そんな感じ。大半はよくあるプロセスだったわ。

—オーディションのどんな部分がデヴィッド・フィンチャー監督の決め手になったのだと思われますか?

RM: わからないわ。それは監督に聞いた方が良い質問かもね。監督はオーディションの初期段階から私がこの役に合うと確信していて、あとは他のみんなを説得するだけだったんだと思う。だからオーディションがあんなに長引いたんじゃないかな。長引けば長引くほど、彼は確信していったみたい。その時間で私の中にリスベットのクオリティを見出すことができたから。リスベットと同じように決して諦めず、この役のために何でもやろうという私の姿勢が伝わったんだと思う。

—オーディションの期間はどれくらいでしたか?ご自分から受けたのですか?

RM: 2ヶ月ちょっとかかったわ。自分から受けたくて受けたの。

—フィンチャー監督とは『ソーシャル・ネットワーク』に続いて2度目のお仕事ですが、演出面で他の監督と違うところや、印象的なことがあれば教えてください。

RM: 彼はとても協力的な監督なの。何でも話し合って考えていくのよ。役者とのコラボレーションを受け入れてくれるけど、同時に自身の映画製作に関して揺るぎない信念を持っている人。細部までこだわる監督で、映画製作におけるあらゆる側面において知識が豊富なの。技術的な面から物語を語る上でのことまで、全てにおいて卓越しているわ。

—今こうしてお話しをなさっている様子を見ると、あなたの落ち着いた雰囲気とリスベットの激しさがなかなか結びつかないのですが、リスベットが持つ熱のようなものは普段のあなたにもあるのですか?

RM: リスベットのような情熱は誰にでもあるものだと思う。でも、私は必ずしも今の意見に同意しないわ。リスベットはとても静かな人だと思うし、映画ではほとんど話さないくらいよ。口数が少ないかわりに、話したときはその発言が常に重要なの。私は彼女のことをとても静かな人だと思ったわ。だからこそ彼女が怒りをあらわにすると、よりパワフルに感じるのかもしれないわね。

—とはいえ、あれだけの熱を発する役はなかなかないと思うのですが、演じている最中や演じた後に、リスベットの性格を引きずることはありましたか?

RM: いいえ、引きずることはなかったわ。


リズベットに扮したルーニーはまるで別人。

—監督と共同作業で進めていったとおっしゃっていましたが、完成した映画を観るとリスベットはとても魅力的で豊かなキャラクターに描かれている印象を持ちました。リスベットというキャラクターはクランクイン当時からクランクアップまでにどのような変化を遂げましたか?

RM: 全ては原作の中に書かれていたことよ。私たちはとにかく本に忠実に描いただけ。リスベットは原作でもそうであるように、映画を通じて物語の最初から少しずつ成長して変化していく。でもその全ては本に書かれていることなの。

—映画の中のリスベットは原作に忠実であると同時に、どこか少しはかなげでもう1度会いたいと思うような存在でした。役作りをするにあたって、監督を含む製作陣から要求されたことと、ご自身で準備したことを教えてください。

RM: もちろん、役に挑むにあたって自分の中でのイメージは持っていたわ。でも映画の中で私たちが描いたリスベットと同じくらい、原作のリスベットも壊れやすくて気になる存在だと思うの。だからこそ、読者はシリーズの2作目や3作目を読むんだと思うわ。本を読むとリスベットと恋に落ちてしまって、彼女の身に何が起こるのか気になるからね。ルックスについては、私とデヴィッドと衣装デザイナーのトリッシュ・サマーヴィル、その他たくさんの人たちとのコラボレーションで決めたの。彼女の容姿についてたくさん話し合ったのよ。私は自分がどうなるべきかよくわかっていた。原作を読んだから、リスベットになるために何をしなければならないかは知っていたわ。彼女をどういうルックスにすべきかたくさんの話し合いが行われて、その過程でいろんなことを試したけれど、どんなことでも楽しんでできたわ。リスベットという役に入る上で重要なプロセスだと感じていたし、全てのことを喜んでやりたいと思った。

—時に感情的で大胆な行動に走るリスベットですが、彼女の行動で一番共感したことは?

RM:
もちろん共感できなければ演じることはできなかったと思う。さまざまなシーンで彼女に共感したわ。でも一番共感した行動を選ぶことはできないの。私は彼女という存在に共感しているのよ。

—テイク数が多いことで知られるフィンチャー監督ですが、今作のリスベットのシーンで最もテイク数が多かったのは?

RM: わからないわ。彼は常にたくさんのテイクを撮る監督だから、私はあまり気にしていなかったの。それが彼の手法だから。

—もうこれ以上できないと思ったり、躊躇したりしたことは?

RM: ないわ。

—完璧主義なのですか?

RM: はい。

—フィンチャー監督も完璧主義なイメージですけど。

RM: そうね、私たちはとても似ていると思う。


初来日に緊張気味。翌日の会見では「来日できただけでワクワクしています」とコメント。

—ご自分のイメージを180度変えてしまうような役に26歳にして出会ったわけですが、今後はどのような役に挑戦したいですか?

RM: 今後も興味深くて複雑な女性を演じられることを願うわ。尊敬している監督たちと仕事をして、出演していても観ていても楽しい映画を作り続けたいと思う。

—尊敬している監督とは?

RM:
尊敬している才能豊かな監督はたくさんいるから、あえて誰かを選ぶことはできないわ。

—あなたが観ていて楽しいのはどんな作品ですか?これまでに最もたくさん観た映画は?

RM:
うーん…すごくたくさんあるから…。一番のお気に入りとかはないけど、デヴィッドの作品は全部好きだし、『ペーパー・ムーン』は大好き。去年はデヴィッドに勧められてたくさんの映画を観たのだけど…すぐには思い出せないな(笑)でも『ペーパー・ムーン』はここ1年で観た中で最も好きな映画よ。

—そもそも女優になろうと思ったきっかけは?
 
RM: 幼い頃から演じることが好きで、興味を持っていたの。常に役者になりたいと思っていたけれど、特にきっかけになった瞬間はないわ。幼い頃から映画を観たり舞台を観たりするのが好きだったのよ。

—そして今、アカデミー賞にノミネートされるまでに成長したわけですが、これまでのキャリアを振り返って満足していますか?

RM:
わからないわ…まだまだやりたいことはたくさんあるし、達成したいこともたくさん残っている。学ぶべきこともいっぱいあるの。

—『ソーシャル・ネットワーク』や『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』など素晴らしいドラマ作品を多数手掛けているフィンチャー監督ですが、今作は『ゾディアック』や『セブン』などと同様、久々に猟奇性の強い作品であることも話題になりそうですね。

RM: 特に作品を比較する必要はないと思う。どの作品もそれぞれ別の意味で並外れたものだと思うわ。全ての作品に彼の息がかかっていて、彼だからこそ実現したものばかりよ。だから、私は監督の作品を比較して考えたことはないの。全ての作品がそれぞれに特別なものだと思う。

—トレント・レズナーとアティカス・ロスが手掛けた音楽についてはどう思いましたか?撮影中に聴いていた音楽はありますか?

RM: スウェーデンでの撮影中はあまり音楽を聴いていなかったの(笑)彼らの手掛けた音楽は素晴らしいと思うわ。映画の世界観を見事にとらえていたし、スウェーデンの寒さをサウンドで表現していた。最高よ。

—早くも続編の製作が決定したという噂が出ていますが、本当ですか?

RM:
私が知っている限りでは、そのような話はないわ。

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『ドラゴン・タトゥーの女』

凍てつくようなスウェーデンの冬。ジャーナリスト、ミカエル・ブルムクヴィストのもとに、財閥一家の大富豪から奇妙な依頼が舞い込んでくる。40年前の少女失踪事件の真実を暴き、犯人を捜してほしいというのだ。ミカエルは背中に龍の入れ墨(ドラゴン・タトゥー)を入れたアウトローな天才ハッカー、リスベット・サランデルと共に猟奇事件の真相に迫る…。

監督: デヴィッド・フィンチャー
脚色: スティーヴン・ザイリアン
原作: スティーグ・ラーソン
キャスト: ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、ほか
2月10日(金)TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー!

オフィシャルサイト>>

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Photos (Rooney Mara): Kenta Terunuma
Interview + Text: Nao Machida

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『ドラゴン・タトゥーの女』デヴィッド・フィンチャー&ルーニー・マーラ来日会見

2012-02-01
『セブン』や『ファイトクラブ』、『ソーシャル・ネットワーク』など、数々の名作を生み出した鬼才、デヴィッド・フィンチャーの話題の新作『ドラゴン・タトゥーの女』。全世界で6500万部以上を売り上げたミステリー小説を原作にフィンチャーがメガフォンを執ることが報じられてから、キャスティングやポスター・予告編の発表など、世界中の読者や映画ファンが製作の進展を見守ってきた。映画は全米で昨年12月に公開され、大ヒットを記録。2月26日(アメリカ時間)に開催される第84回アカデミーでは、主演女優賞(ルーニー・マーラ)を含む5部門にノミネートされている。

そして今月、フィンチャー版『ドラゴン・タトゥーの女』がついに日本上陸を果たす。公開を前に来日したフィンチャーと主演のルーニー・マーラが1月31日に都内で開催された記者会見に出席。集まった多数の記者からの質問に答えた。



—まずは一言ご挨拶をお願いします。

デヴィッド・フィンチャー監督(以下、DF): 今日は来てくれてありがとう。(前夜のジャパン・プレミアでは)あんなに長いランウェイを歩く予定だったなんて知らなかったんだ。モデル業は何年もやっていなかったから(笑)歩き方を忘れていたよ。

ルーニー・マーラ(以下、RM): ハーイ!

—ルーニーさんは今回が初来日ですか?

RM: そうです。まだちゃんと見ていないのだけれど、今のところ東京がとても気に入っています。今日は午後に少し時間があるので街に出てみたいと思っています。楽しみにしています。

—楽しみな食べ物や場所はありますか?

RM: 特にはないです。とにかく来日できただけでワクワクしています。


1月30日に東京国際フォーラムにて開催されたジャパン・プレミアにて。

—原作が全世界でベストセラーになり、スウェーデンで既に映画化されている『ドラゴン・タトゥーの女』を、あえて再び映画化しようと思った理由を教えてください。スウェーデン版の映画とはどのような部分で差別化を図りましたか?

DF: 正直な話、スウェーデン版は1度しか観たことがない。そこまで入念に観ていないので、正確にどこが違うかを語ることはできないんだ。脚本が大きく違うと聞いているが、具体的にどこが違うかはわからない。今作では原作の小説に集中して、本を読んだときに自分がロケーションや登場人物に対して抱いた思いを忠実に映像化することを心がけた。だからスウェーデン版の映画と演技等の面でどうやって差別化するかということは、当初から考えていなかった。

—ルーニーさんが今回演じたリスベット・サランデル(アウトローな天才ハッカー)は、ご自身からはかけ離れた役だと思うのですが、なぜこの役を引き受けようと思ったのですか? 彼女のどのような部分に共感を持ったのですか?

RM: 原作の3部作を全て読んで、多くの読者と同様に私もこのキャラクターが大好きになったの。彼女のことをすごく理解できたような気がしたし、このキャラクターにどのように命を吹き込むべきかを考えたときに、自分にはそれが分かったと思えた。彼女にはさまざまな部分で共感するわ。ほとんどの人が人生のある時点で誤解されたり、のけ者にされたりといった経験をしたことがあると思う。私はそういった部分で彼女に共感したの。それに若い女優にとってこういった役は滅多に出会えるものではないから、大きなチャンスだと思って、ぜひ演じたいと思ったわ。


素顔のルーニーはシャイな印象。

—原作ファンも多くキャラクター設定が完成しているリスベットですが、今回の映画ではとても魅力的に映っているように思いました。監督はどのような独自性をリスベットに加えたのですか?

DF: そうは思わないな。独自性は加えていない。リスベットがどのような人物なのかという点では、3冊の原作に膨大な量の情報が詰まっている。僕は映画化する上で、原作の登場人物が何を考えているかについてよく考えるようにした。映画では登場人物の頭の中を表現するのがとても難しいんだ。特定の状況を作り出し、彼らがそこでどう振る舞うかを見せることで、どのような人物かをわかりやすく伝えることに努めた。そういった状況を考えてドラマ化するのが自分の仕事だと思う。だから今作ではどのような要素を加えるかの問題ではなく、どちらかというと引き算のプロセスだったよ。砂金をふるいにかけてリスベットの光り輝くものを見つけ出し、彼女の頭の中で何が起こっているかを表現する上での手がかりとなる行動を探していった。「クリエイト」するというよりも、「解釈」するという作業だったように思う。原作に登場する興味深い状況を映像に収めきれない場合は、そういった行動を別のシーンに盛り込んでリスベットという人物が理解されやすいように心がけた…次の質問にはもう少し短く答えるようにするよ。


劇中では見事にリスベットに大変身!

—リスベット役に挑むにあたって、外見的にはどのようなアプローチで臨んだのですか?

RM: リスベットの外見を作り上げる作業は、私とデヴィッドと衣装デザイナーのトリッシュ・サマーヴィル、それにヘアメイクさんやプロデューサーなど、多くの人によるコラボレーションだったわ。ルックスについて、髪型について、服装についてなど、全てをよく話し合って決めたの。彼女の見た目については原作にはっきりと書いてあるから、原作のどういう部分を取り入れて、新たにどんなことを加えるかなど、何度も話し合ったわ。

—スウェーデンでの撮影にこだわったのは、原作のどのような部分にひかれたからですか?

DF: 映画の舞台を他の土地に移そうとは考えたこともなかった。これはとてもスウェーデン的なストーリーだし、あの土地は登場人物や彼らの行動に色濃く影響していると思う。スウェーデンを舞台にした原作があれだけヒットしたわけだから、今作も同じようにスウェーデンを舞台にしたいと考えた。

—スウェーデンでの長期ロケで得られたことは?

DF:
雪は無料で使いたい放題だったよ(笑)ストックホルムはとても独特の景観がある街だし、他のどことも似ていない地下鉄でも撮影できた。電車の路線が街の中央で円を描いているのも撮れたし、それに最後のシーンに登場するミカエルのアパートの近くの石畳。あれは絵に描いたように美しくて、信じられないほど画面映えがしたよ。そしてあのありえない寒さ! 映画を観るとスウェーデンの凍てつくような寒さが感じられると思う。


撮影は極寒のスウェーデンで行われた。

—オープニングでレッド・ツェッペリンの「移民の歌(Immigrant Song)」のカヴァーを使った理由を教えてください。『ソーシャル・ネットワーク』ではエンディングにザ・ビートルズの楽曲(「Baby, You're A Rich Man」)を使用していましたが、世界中でよく知られたメロディ・ラインを使用する意図はあるのですか?

DF: 世界的に知られていない楽曲も使っているよ(笑) 「移民の歌」はバンに乗ってロケハン中にiPhoneで音楽を聴いていたらレッド・ツェッペリンのコレクションが流れてきて、この曲を女性ボーカルが歌ったらオープニングに良いんじゃないかなと思った。それくらい単純な理由だ。時にインスピレーションとは、こんなにバカげたところから得られるものさ。そのアイデアをそのまま実現したんだ。『ソーシャル・ネットワーク』の最後でザ・ビートルズを使ったのは、アーロンと話し合って、あの場面にはあの曲がピッタリだと思ったから。なぜ良く知られた曲を使うか? うーん。今作ではエンヤの楽曲も使ったけど、それは殺人のトーンを創り上げる上で良い曲だと思って。それにABBAは使いたくなかったからね(笑)

—『ソーシャル・ネットワーク』では100回くらいテイクを撮ったそうですが、今作ではそのような経験はありましたか? あるとしたら何回くらい?

RM: デヴィッドは全てのシーンでたくさんのテイクを撮る監督なの。そこには何の不思議もないと思うわ。テイク数を数えたことはなかったし…

DF: 54回はあったよ。

RM: 私は数えてなかったし、それが当たり前だと思って演じていたから、特にどのシーンでテイクが多かったかは覚えていないわ。それに『ソーシャル・ネットワーク』の冒頭のシーンは脚本にして6ページもあったし…

DF: 9ページだよ。

RM: 9ページを5分に収めないといけなかったの。1日半で9ページだから、実際には大したことはないわ。

DF: 9ページで9つのセットアップがあったので、それを10回ずつ撮ったとしても90回なわけだから。とにかく長いシーンだったというだけさ(笑) 今作では天候に左右されることが多くて、必然的にテイク数が増えることは多かった。たとえば夜橋に向かってリスベットがバイクを飛ばすスタント・シーンでは、午前4時に撮影して気温が低かったし、体感温度はさらに低かったからね。凍らないように橋には塩をまいたのだが、どうしても凍ってしまって、氷を溶かすために火を使ったりしながら撮影していた。そういった状況だとテイク数など数えていられないんだ。1週間も撮影しているような気分だったよ。



—ミカエル役のダニエル・クレイグが他の役者では考えられないほどにはまり役でしたが、どのようにキャスティングされたのですか? 共演した感想は?

DF:
ダニエルは最初に決定したキャストだった。ミカエルは絶対に彼に演じてほしかったんだ。多くの人にはジェームズ・ボンドとして知られているけれど、僕はそれ以前から彼のことを知っていて、幅広い役を演じることのできる才能豊かな役者だと思っていた。この役には特定の要素を求めていたんだ。まずは男らしさ。同時にたくさんの女性と友情関係を築ける人物だから良い聞き手である必要があった。そしてウィットに富んでいる人。そういった部分を全て網羅した彼は完璧だった。

RM: ダニエルとの共演はアメイジングだったわ。才能豊かな俳優で、忍耐強くて、私にいろんなことを教えてくれた。私は今作でこれまでにやったことのないようないろんなことに挑戦しなければならなかったから、彼のような人が近くにいてくれて心強かったの。ユーモアのセンスも抜群だし、一緒にいてとても楽しい人だった。

—ルーニーさんは女優としてのみならず、今ではファッション・アイコンとしても大きな注目を集めていらっしゃいますが、26歳の女性としてそのような注目を受けることについてのお気持ちを聞かせてください。

RM: あまり考えないようにしているわ。自分が世間からそういう風に見られているとは考えないようにしているし、そういった状況にあまり気を取られずマイペースな生き方を続けているの。



—オープニングのシーンで、人がコールタールに絡まってしまうような印象的な映像が出てきますが、どういう意図であのようなイメージを製作されたのですか?

DF: 前提としてあの素晴らしい曲(「移民の歌」)をオープニング・シークエンスで使おうと決めていて、友人のアニメーターにリスベットにとっての悪夢を映像化してほしいと注文した。観客にそれを観せることによって映画の世界観が表現できるようにね。抽象的で、ちょっと滑稽なものでもいいと思っていた。そしてピアノに使う漆のような黒い液体から人物が飛び出すというアイデアが浮かんだ。そこから、あのシークエンスでディレクターを務めたティム・ミラーが75案のパターンを提案してくれて、それを25案まで絞った。そして最終的なものを選んだ時点で、彼に「8週間で作って」と告げたんだ(笑)



—原作は三部作ですが、次回作もフィンチャー監督が製作するのですか?

DF:
残り2作品を製作するかどうか決める前に、たくさんの人に今作を見てもらわなければ。すごく大勢の人にね!(会場笑)

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『ドラゴン・タトゥーの女』

凍てつくようなスウェーデンの冬。ジャーナリスト、ミカエル・ブルムクヴィストのもとに、財閥一家の大富豪から奇妙な依頼が舞い込んでくる。40年前の少女失踪事件の真実を暴き、犯人を捜してほしいというのだ。ミカエルは背中に龍の入れ墨(ドラゴン・タトゥー)を入れたアウトローな天才ハッカー、リスベット・サランデルと共に猟奇事件の真相に迫る…。

監督: デヴィッド・フィンチャー
脚色: スティーヴン・ザイリアン
原作: スティーグ・ラーソン
キャスト: ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、ほか
2月10日(金)TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー!

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Text: Nao Machida

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セイント・ヴィンセントのライヴ写真です

2012-01-31
先日こちらのブログで紹介したUSインディ界の歌姫セイント・ヴィンセントから、東京・渋谷duo music exchangeにて1月10日に行われたライヴの模様を収めた写真が到着しました。普段のアニーさんとはまた違った表情がステキです。












Photos: 久保憲司

セイント・ヴィンセントのインタビューはこちら>>

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