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グライムスが語るグライムス誕生秘話

2012-10-10
あっという間に夏も終わり、肌寒い季節になってきました。夏フェスの思い出にひたりつつ、部屋でぬくぬくと音楽を楽しんでいる人も多いのでは?ここでは「SUMMER SONIC 2012」で初来日果たした、カナダ出身のグライムスことクレア・バウチャーのインタビューをご紹介します。

英「NME」誌の「最もエキサイティングな新人バンド2012」に選出され、そのフォトジェニックなルックスで数々の表紙を飾るなど、すっかりインディー・シーンのアイコン的存在となった彼女ですが、数年前まで音楽経験は全くなく、完全独学で曲作りを始めたのだとか。まるでティーンの女の子のような早口で、グライムス誕生秘話をオープンに語ってくれました。



—グライムスはどのようにして始まったのですか?

グライムス: ミュージシャンの友だちが多いから、いつもバックコーラスを頼まれていたの。私の友だちグループでは、女の子のバックシンガーの需要がある時期があったわけ。それで私は友だちのためにバックコーラスをやっていたんだけど、その時にレコーディングの様子を観察して、やり方を把握したの。それで自分でもやり始めたって感じかな。

—子どもの頃から音楽をやっていたわけではなく?

グライムス: 全然!(音楽は)実は私にとってかなり新しいものなんだ。だからこそ、ものすごいスピードで超はまったんだと思う。音楽制作を始めたのは2009年か10年かな。もとはバンクーバー出身で、モントリオールに引っ越したんだよ。

—グライムスという名前の由来は?

グライムス: 特に意味はないの。曲を作ったんだけど、それを出す段階で友だちが「何かアーティスト名がないと」って。げ、どうしよう、って思った。でもMySpaceが流行っていた頃、友だちといっぱい曲を作って、存在もしないニセモノのバンド名でアップするっていう遊びをしていたのね。いろんなページをアップした中で、たまたま“グライムス”のアクセスが1番良かったわけ。それで、「じゃあグライムスにしようよ、既に1番人気だから」って(笑)だからグライムスは、元は私のでっちあげたニセモノのバンド名なんだ。

—すごい経緯ですね(笑)今はグライムスという名前は気に入っていますか?途中で変えようと思ったことは?

グライムス: こうなるんだったら、きっと違う名前にしていたかも。でも、何の意味もないっていうのもちょっとクールだよね。

—名前を聞いただけでは、どんな人か分からないのもいいですよね。

グライムス: 多くの人はグライムスと聞くとUKのラッパーなんじゃないかと想像するみたい(笑)最初にグライムスって適当につけた時は、ジャンル・リストに“グライム”があったから。それでページのジャンルの欄に“グライム、グライム、グライム”って書いて、(複数形で)“グライムス”にしたの。適当だよね(笑)

—あなたのサウンドはとてもユニークですが、子どもの頃はどんな音楽を聴いて育ったのですか?

グライムス: ゴスとかメタルにすごくはまっていたわ。インダストリアル・ロックとかね。

—ナイン・インチ・ネイルズとか?

グライムス: うん、ナイン・インチ・ネイルズは大好き!トゥールとか。1番好きなのはマリリン・マンソンだよ。スマッシング・パンプキンズとかコクトー・ツインズも好き。





—ご自身のサウンドはそういったサウンドとは全く違いますが、どのようにして見出したのですか?

グライムス: 成り行きでこうなったとしか言えないな。私はちゃんとした音楽教育を受けていないし、奇妙な音楽的影響が多い環境で育ったし…。たとえば、私が10歳の時にはナップスターが流行っていたの。私たちの世代はそういった音楽サービスが子どもの頃からあった最初の世代だと思うのね。それによって、人々の音楽の聴き方は完全に変わったわ。過去2年間に、あらゆる音楽を聴いて育った私たちの世代が自分たちで音楽を作る年齢になって、全ての境界線がなくなったように思う。

そういった環境に加えて、私は音楽教育を受けてこなかったから、「音楽はこう作るべきだ」という固定観念がないわけ。ミュージシャンの友人の大半は音楽への理解があるけれど、私はそれがないまま音楽制作を始めた。多くの失敗やおかしな手法が、最終的にはプラスになったんだと思う。たとえば、「ヒップホップのビートを作ろう」って始めたのに、エンヤ的な要素が満載だったりね(笑)とにかく、避けられないような余分な要素がたくさんあるのよ。

—音楽教育を受けてこなかったことによる産物なのですね。

グライムス: 確実にそうだと思う。私はダンスやイラストのトレーニングを受けて育ってきたのだけど、そういったことに対しては固定観念をなかなか破ることができないの。子どもの頃から、どのようにして描くべきかを深く学んできたから、自分の中でも癖がついているのよね。だから音楽に関しては、知識がなかったことが本当に良かったと思う。

—あなたの音楽について書いた記事をたくさん読みましたが、ライターたちは作品をどう説明すべきか悩んでいるようでした。あなた自身は自分のサウンドをどう表現しますか?

グライムス: グライムスとして作っている音楽に関しては、“エクスペリメンタル・ポップ”(実験的ポップ)だと思う。気分が良くなる音楽という意味で、ポップだと思うんだ。

—中毒性もありますしね。

グライムス: うん、ラモーンズだってブリトニー・スピアーズだってポップと言われるし、ポップは極端に幅広いジャンルだと思うの。そこに属す全ての音楽に共通する唯一のことは、満足感があるっていうこと。私にとって、自分で気分が良くなる音楽を作ることがとても大切で、だからこそポップだと思う。でも、音楽制作を通じて常にいろんなことにトライしているし、何でもやってみたいから、ポップには限定したくない。だから“エクスペリメンタル・ポップ”なの。



—最新アルバム『Visions』は日本でも6月にリリースされましたが、過去4年間に制作した4枚目のレコードだそうですね。すごく生産性が高いですよね。

グライムス: 私にとって音楽制作は、暇があればやるようなことなの。メンタルヘルスを保つためにも音楽制作は必要なのよ。だから、どんどん作ることができてしまうわけ。衝動的に音楽を制作しているの。

—常に曲作りを?

グライムス: うん。最近は常にツアーに出ていてヴォーカルをレコーディングできないから、ちょっと難しいんだけどね。レコードは全部自分でプロデュースしているの。とても恥ずかしいんだけど、曲はGarageBand(作曲ソフト)で作ったわ(笑)ほとんど全て自分でやったんだよ。作詞も含めて、グライムス名義でやっていることは全て自分でやっているの。「Nightmusic」のミュージックビデオは例外ね。「Oblivion」のミュージックビデオは他の人の協力を得て作ったわ。でも今後は全てのミュージックビデオも100パーセント自分で手掛けるつもり。

—全く音楽経験がなかったのに、こんなにも中毒性のある楽曲をたくさん作れるってすごいことですよね。

グライムス: いろんな音楽を聴くからね。音楽教育は受けていないけど、音楽に超超超取り憑かれているの。10代の頃、音楽がどのように作られているかは全く分からなかったけど、百科事典のような知識はあった。音楽に関する全てのことに取り憑かれていたのよ。ダンスを習っていたこともあって、音符は読めないけどリズム感はあったし。だから、音楽制作を始めた時はとてもロジカルに考えられたわ。

—楽曲を書くときは、どのようなことからインスピレーションを受けますか?

グライムス: 視覚的なインスピレーションが多いわね。常にミュージックビデオを念頭に置いているし。

—今作は4ADレーベルからの初のリリースですが、大きなレーベルと契約して注目を集めた気分は?

グライムス: 良い感じだよ。多くの人にとって、レーベルとの契約は目標だと思うの。でも私はすごくシャイだし、誰にも自分の音楽を聴かせたくなかった。ある意味、無理強いされて聴かせるようになったという感じ。ライヴもやるようになって、それは良いことなんだけど、常に自分の最大の恐怖に直面しているような気分だった。でも、レーベルとの契約はポジティヴなことだと思う。自分の殻を破る上で良い経験となったわ。1年前だったら、知らない人と話すなんて不可能だったもの。ものすごくシャイだったの。

—大勢の前でライヴをやることも嫌だった?

グライムス: サイアクよ。昔は泣いていたわ(笑)泣きながらステージを走り降りていたの。

—今はライヴに慣れましたか?

グライムス: 多かれ少なかれね。


手にはタトゥー風に“グライムス”の落書きが。

—英「NME」誌が「最もエキサイティングなニューカマー」に選ぶなど、4ADと契約後、さらに注目が集まっていますね。

グライムス: クールなことよ。そういう状況は昔だったら脅えていたわ。「怖すぎてできない」って泣き叫ぶような時期もあった。でも、実際はとても居心地の良い場所なんだと気づいた。意見もたくさん言えるしね。意見すら言えないアーティストは多いから、4ADは良いレーベルだと思う。自分の音楽も聴いてもらえるし…社会に対して納得の行かないことがたくさんあるのだけど、それを変える最善の方法は、社会において重要な人になることだと思うの。それに、アート活動で生活できるということも幸せに感じるわ。私の仕事はアートを作ること。そう言える人は数少ないもの。それは良いことだと思う。

—『Visions』をリリースした感想は?

グライムス: 現時点で既に完成から1年ほど経っているの。確か昨年の8月29日に完成したのよ。アルバムは3週間でレコーディングしたの(笑)

—3週間!だから生産性が高いんですね。

グライムス: うん。8月1日に始めたから…1ヶ月くらいかな。だから完成からは1年くらい経っているんだけど、今聴くとたくさんの失敗に気づくわ。こうすれば良かった、というような部分があるの。シャイに感じて、リバーブとかを被せた部分も多いし…分からないけど。満足しているし、誇りに思っているけどね。

—あなたの声はまるで楽器のようですね。過去にトレーニングを受けたことはないとのことですが、自分の歌声をどのように見出したのですか?

グライムス: 誰でも歌えるって気がするの。自信の問題だと思うな。コミュニケーションのしかたというか。それに、言語と歌には相互関係があると思う。だから英語じゃない言語の音楽でも聴くことができるし、理にかなうの。オペラとかR&Bとか特定のジャンルのシンガーになるために受けられるトレーニングはあるのかもしれないけど、本来歌うことにトレーニングは必要ないと思っているわ。私だって、人生で歌った経験はゼロなのにバックシンガーをやっていた。「歌ってみて」と言われて歌ったら、「それでいい」って言われただけ。必要だったのは、誰かから「歌が上手だね」って言われることだけで、それで自信がつくのよ。

—自分の歌声を初めて聴いたときの感想は?とても耳心地が良い歌声ですよね。話し声とも少し違って。

グライムス: 話し声とはかなり違うよね。私はいろんな声が出せるの。もちろん、歌いやすい音域はあるけれどね。あまり自分の声として聴いていないかも。自分の声だって考えすぎるとパニクってしまうわ。ある意味、自分から切り離して聴かないと。音楽を作るときは自分を注ぎ込むんだけど…だって、音楽を聴いている時に「この人、朝ご飯に何を食べているのかな?」とか考えないでしょ?だから、私も自分の音楽を聴く上で、自分については考えないようにしている。ここでは何が起きていて、どうやったら改善できるかってことを考えているわ。でもそれも考えすぎるとパニクってしまう(笑)

—アルバム・ジャケットも非常にユニークですが、ご自分で手掛けたのですか?日本語の文字も入っていましたね。

グライムス: うん、インチキな日本語よ(笑)最初は落書きレベルで絵を描いていたんだけど、ジャケット・デザインの締切りが迫っていたから、「これでいいや」って。でも音楽もアートも同じところから生まれるんだと思うの。いつもホラー映画を観ながら絵を描くんだけど、このジャケットはギャスパー・ノエの『エンター・ザ・ボイド』を観ながら描いたのよ。映画の中に日本語の文字がいっぱい出てきたから、それで文字を書き始めたわけ。生と死、愛と苦しみについての映画だったけど、私の音楽もそうだと思うの。



—ビデオも作って、絵も描いて、音楽も作って、すごいクリエイティヴですね。

グライムス: アートはアートだと思うの。クリエイティヴィティはクリエイティヴィティよ。もしクリエイティヴな人がいたら、何をやらせてもクリエイティヴなんだと思う。アートが得意な人は科学も得意だと思うな。考え方に制限がないというか。

—ところであなたはファッションもユニークですね。日本のファンも注目していると思います。

グライムス: 私は日本のファッションを真似しているのよ!まだ原宿には行っていないけど、絶対に気に入ると思う。子どもの頃から興味があったから、特にファッションに関して、来日をとても楽しみにしていたの。



—ツイッターで日本のことを「グライムスの精神的な故郷」と書いていましたね。

グライムス: 日本のカルチャーが本当に大好きなの。アニメでも、とても強い女性のキャラクターが登場するでしょう?あれは他の国では見られないと思う。すごくかわいいのに、とってもバイオレントだったり。『キル・ビル』で栗山千明が演じたキャラクターとか、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とか、ああいう作品にはとてもパワフルな若い女性のキャラクターが登場するわ。非常に日本的な興味深いカルチャーだと思う。昔から強い共感を感じていたの。人は常に世界を見つめて、自分と共感できるものを探すものでしょ?私は『もののけ姫』の方が、『X-MEN』なんかよりもずっと共感できたわ。だから、そういった作品を参考にしてきたの。

—来日前のメッセージビデオで「トトロを連れて行く」と言っていましたが、本当に連れてきたんですね。子どもの頃に買ったのですか?

グライムス: 違うの、LAで買ったのよ。子どもの頃に買ったトトロも持ってるんだ。トトロはいくつか持っているの。


このトトロ型リュックサックを背負って、さっそうと取材現場に登場。

—今後はグライムスとしてどのように成長していきたいですか?

グライムス: 前はインタビューなんて無理だったけど、今ではこうして答えられるようになったし、少しずつ成長していると思う。以前は自分の声を出すのが怖いからリバーブを使いまくっていたけど、今後はもっと印象的な作品を作りたいな。キュートさや子どもっぽさを抑えたいわ。いつもメディアに「愛らしい」って言われて、ちょっとムカつくの。だって「愛らしい」存在になんてなりたくないから。もっと力強い、アグレッシヴなアーティストになりたい。もちろん、それでもポップ・ミュージックであることに変わりはないけどね。

—既に次の作品は手掛けているのですか?

グライムス: クリスマス・イヴまで休みがないの。でも休みに入ったらすぐにレコーディングを始めるつもりよ!



グライムス
カナダのバンクーバーを拠点に活動中の女性ソロアーティスト。本名クレア・バウチャー。独学で作曲を学び、宅録で作品を作り始める。これまでに自主レーベルからスプリット作を含む計3枚のアルバムをリリース。4枚目となる本作より、英名門レーベル<4AD>に移籍した。NMEの"最もエキサイティングな新人バンド2012"の1位に選出され、今年最も飛躍が期待される女性アーティストとして既に高い注目を浴びている。「SUMMER SONIC 2012」で待望の初来日を果たした。

オフィシャルサイト>>

Photos: Tetsuro Sato
Interview + Text: Nao Machida

15:01

独占先行公開!『ハンガー・ゲーム』レニー・クラヴィッツ最新インタビュー

2012-09-19
全米で2350万部を突破し、世界中で大ブームを巻き起こしたベストセラー小説を原作にした映画『ハンガー・ゲーム』が、いよいよ9月28日に全国で公開される。今年3月に全米で公開され、『アバター』以来となる4週連続の全米1位に輝いた今作は、世界72ヶ国で初登場1位を獲得。各地で社会現象を巻き起こし、空前の大ヒットを記録した。

実は今作にはMTVでもおなじみのロッカー、レニー・クラヴィッツが俳優として出演している。主人公カットニス(ジェニファー・ローレンス)のスタイリストで、彼女の良き理解者で支持者となる“シナ”という役どころだ。ここではレニーが『ハンガー・ゲーム』について語った貴重なインタビューを独占先行公開。俳優レニー・クラヴィッツの作品への想いをご一読あれ。



—出演の前に『ハンガー・ゲーム』の原作について何か知っていましたか? このシリーズに関する世の中の盛り上がりに気がついていましたか?



レニー・クラヴィッツ(以下、レニー): 何も知らなかった。ゲイリー(・ロス監督)が電話で『ハンガー・ゲーム』のシナの役をオファーしてくれた。その時、「シナって誰? 『ハンガー・ゲーム』って何だ?」って言ったくらいだ。その後、原作をダウンロードして、その日の夜に読んだ。完全に夢中になったよ。



—映画の映像は原作のイメージに近いと思いますか?



レニー: よくできていると思う。現場には何もなかったからね。どうなるのか分からなかった。


—原作のファンは映画をどう思うと思いますか?



レニー: がっかりさせることはないと思う。僕たちはみんな原作を読んで、解釈して僕たちが思うように表現している。頭の中のイメージだからそれぞれ違うけどね。でも原作を正しく表現できていると思う。



—原作に関してファンの活発な動きが見られますが、ファンの掲示板やFacebookなどのSNSで、彼らが愛する登場人物があなたたちに演じられることへの反応を見ましたか?



レニー: 一度見たけど、それっきりだね!インターネットで世間の意見を全部見ていたら、頭がどうかしてしまうよ。誰もが自分の意見を書いてるだろ? 最終的には正しいものが残っていると思うけどね。





—役を演じる際に、原作の成功がプレッシャーになりませんでしたか?



レニー: 原作がなかったとすれば、ただの映画だ。 とにかくきちんと仕事をするだけ。自分にできる最高の仕事をね。世の中の期待は関係ない。



—キャピトルの登場人物の中で、シナがあなたの実生活に似ていると思いますが、シナを演じてみてどうでしたか?



レニー: 原作を読んだ時、スタイリストであるシナとその未来の世界をどのように描くべきかと悩んだ。ゲイリーと僕が達した結論は、彼をトム・フォードやイヴ・サン=ローランのように描くこと。一流のデザイナーのような感じで、彼のスタイリングに彼自身が表われているんだ。



—ジェニファー・ローレンスとの仕事はどうでしたか?



レニー: 彼女は素晴らしい。すごい才能がある。今後、名優としてみなされるようになるだろう。




—パネムとキャピトルの政治は、「ウォール街を占拠せよ」運動が起こっている現代と関連していると思いますか?



レニー: ああ。間違いなく今起こっていることに関係している。



—『ハンガー・ゲーム』のストーリーは、原作を読んでいる若い世代とつながっています。映画を観た人に、このメッセージが伝わると思いますか?



レニー: もう伝わっていると思う。本がどれだけ売れているかで分かる。こんな冒険が描かれたこの作品に夢中になっている若者と毎日出会っている。前売り券の販売記録を調べるといい。驚異的だよ。



—あなたが最後に出演した映画は『プレシャス』ですが、今回の作品とつながりを感じますか? 対象となる観客は同じでしょうか? どう思いますか?



レニー: 確かにかぶっている。『ハンガー・ゲーム』は、子供、十代、青年などが観てくれることはすぐに分かる。でも、他の年代の人にも、「ああ、前売り券を買ったよ。待ち切れない。」などと言われて驚いた。色んな職業や年代の人から言われる。本当に様々な層のファンがいる。『プレシャス』も暗い映画だったが、人の気持ちを動かす映画だし、幅広い層の人たちが観にきてくれた。どちらも立派な作品だし、間違いなく共通点がある。



—『ハンガー・ゲーム』に込められたメッセージを簡潔に言うと何でしょう?



レニー: 希望と信念。



—2作目『CATCHING FIRE』と3作目『MOCKINGJAY』への準備はできていますか?

レニー: もちろん。



『ハンガー・ゲーム』
舞台はアメリカ崩壊後の北米大陸を支配する独裁国家パネム。この国の権力者は、大都市キャピトルの外に広がる12の地区から若い男女ひとりずつを選出し、〈ハンガー・ゲーム〉というイベントを毎年実施していた。その競技は、24人のプレイヤーが最後のひとりになるまで戦い合わせる究極のサバイバル・ゲーム。幼い妹の身代わりとして第12地区の代表に自ら志願した美少女カットニス(ジェニファー・ローレンス)は、同郷の少年ピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)とともに人生のすべてを懸けた闘いに身を投じていく…。

予告編動画はこちら>>

監督:ゲイリー・ロス
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、レニー・クラヴィッツ、ほか
9月28日(金)TOHOシネマズ日劇他全国拡大ロードショー!
公式サイト>>

©2012 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED.

12:43

The xx 待望のニュー・アルバム『Coexist』を語る

2012-09-07
サウス・ロンドン出身の3人の幼なじみからなる男女混合バンド、The xx(ザ・エックス・エックス)。2009年リリースのデビュー・アルバム『XX』が各メディアで高い評価を受け、1作目にしてイギリス最高峰の音楽賞「マーキュリー・プライズ」を受賞するなど、音楽シーンに一躍その名を知らしめた彼らが、9月5日に世界待望のニュー・アルバム『Coexist』を発表した。デビュー作での大きな成功にもかかわらず、3人はいたってメロウで、マイペースに自分たちの好きな音楽を探究し続けている様子。7月に来日したバンドから、ロミーとジェイミーがMTV Newsに新作について語ってくれた。


左から=ロミー、オリヴァー、ジェイミー

—久しぶりの来日いかがですか?

ロミー(Vo./G): とてもうれしいわ。今回が3度目の来日なのだけど、毎回あまり探検する時間はないの。それでもやっぱり来日はうれしいな。

—東京は好きですか?

ロミー: うん、3人とも大好き。あまり自由時間がないとはいえ、3度も来日していると少しずついろいろ観ることができて、毎回戻ってくるたびに親しみがわくの。いろんな国に行くけれど、なかなか同じ場所には戻れないんだ。だから、こうして何度も来日できるのはうれしいことよ。

—オリヴァーがステージで、初来日ライヴがとても良い思い出だと言っていましたね。

ロミー: うん、良い体験だった。ずっと日本でライヴするのを楽しみにしていたの。私たちのライヴは日本のオーディエンスに合っていると思う。自分たちがプレイする音楽を、観客が静かに聴いてくれるのがうれしいの。私たちはオーディエンスに常に踊りまくったり、叫びまくったりしてほしいタイプのバンドではないから。だから、日本のオーディエンスがとても静かに聴いてくれるのがぴったりなの。最後の方ではみんな踊り始めるんだけどね。

—そうですね。昨夜の東京公演では女の子たちが黄色い歓声を上げていましたね。

ジェイミー(Keys./Programming): (笑)

ロミー: みんなジェイミーのために叫んでいたよね(笑)

—「私の方が好き!」とか、ジェイミーの取り合いになっていましたね。

ジェイミー: 楽しかったな。

ロミー: (笑)

—前回の来日後、ジェイミーはソロ・プロジェクトやリミックスなどで忙しそうでしたが。

ジェイミー: うん、いつもどおりちょっと忙しかった。でもバンドとしてはツアーと新作の制作の間に1年ほど休みを取ったから、古い友だちと再会できたりしてうれしかった。

—休暇中もメンバー同士で会うことはあったのですか?

ロミー: バンドで常に一緒にいると、少し距離を置きたいと思われがちだけど、私たちは一緒に遊んでいたわ。友だちとして長いし、共通の友だちもたくさんいるしね。

—良いですね。幼なじみなんですよね?

ロミー: そうなの。オリヴァーと私は3歳の時に保育園で出会ったんだ。

—まるできょうだいみたいですね。

ロミー: まさに。それで11歳の時にジェイミーと出会ったから、3人とも一緒に育ったようなものなの。家族同然よ。家も近いしね。

—ロミーは休暇中はどのように過ごしていたのですか?

ロミー: えーと…どうしていたんだろう?普通に生活していたわ。落ち着いた生活をしていた。3人共とても穏やかな性格だから、世界中をツアーしてまわるのは私たちらしいことではなくて、時に圧倒されてしまうの。だから、時にはただリラックスして、友だちと会って、普通に生活できることがうれしいのよ。ツアーも楽しいんだけどね。



—ジェイミーはレディオヘッドのリミックスも手掛けていましたね。

ジェイミー: うれしかったよ。レディオヘッドのような伝説的な人たちと仕事ができてうれしかった。昔から少しは聴いていたのだけど、自分たちの音楽の幅が広がって、レーベルの人と会ってからの方が聴くようになったバンドだよ。

—前回の来日後、デビュー・アルバムでイギリスにおける最高峰の音楽賞「マーキュリー・プライズ」を受賞されていましたね。キャリアのこんなに早い段階であのような賞を受賞すると思っていましたか?

ロミー: 全く思っていなかったわ。ファースト・アルバムにまつわる一連のキャンペーンにおける、最高のエンディングになったと思う。受賞するちょうど1年くらい前にアルバムをリリースしたの。最後のツアーに出てから休みに入ろうというタイミングであの賞を受賞できて、本当に素晴らしかったし、とても光栄だった。

ジェイミー: うん、エキサイティングだったよ。音楽で生活できるなんて想像する前から観ていた授賞式だからね。だからあの夜、自分たちが登壇して賞を受け取っているのが、まるで夢のようだった。

ロミー: そうね。

—若くしてデビューして、既に大きな成功を収めているわけですが、これまでのキャリアで最も驚いたことは?

ロミー: 全てにびっくり(笑)いつも言っているんだけど、本当に非現実的なの。デビュー・アルバムを作った時は何の期待もしていなくて、レーベルも何も期待していなかった。だから何でもちょっとしたことがエキサイティングで、アルバムをリリースできるだけでエキサイティングだったの。できあがったCDを手にした時もエキサイティングだったし、以前はいろんなバンドの前座を務めていたのに、自分たちのショーでツアーができたのもエキサイティングだった。全てのことに、とても感謝しているんだ。

—そしてこの度はセカンド・アルバムの完成おめでとうございます。ようやく完成した気分は?

ロミー: とても良い音楽ができたと思っているから、早くみんなに聴いてもらうのが楽しみだわ。

—一足早く聴かせていただきましたが、音楽的にも詩の世界もとても美しかったです。アルバムの多くの曲が愛、特に失われた愛について歌った曲ですが、全てここ1年の休暇の間に誕生したのですか?

ロミー: 基本的にはそうね。大半のアーティストのファースト・アルバムもきっとそうであるように、私たちの1作目もそれまでの全ての経験を反映した作品だったの。今作は休暇の間、去年の夏に集中して書いたわ。そうね、確かにたくさんの感情が詰まっていると思う。高揚したハッピーな楽曲よりも、沈んだダークな楽曲の方が多いわね。

—いくつかの曲は本当に悲しくて、「休暇中にロミーに何があったんだろう…」と考えてしまいました(笑)

ロミー: オリヴァーも「サイアクな1年を過ごしたと思われたくないんだけど」って話していたわ(笑)でも、決してそういうわけじゃないのよ。

—3人はどのように曲作りするのですか?

ロミー: 多くの場合、歌詞から始めるの。普段は私が何か書いて、オリヴァーが何か書いて、お互いにメールし合って、そこから紡いでいく。今作では初めて同じ部屋で一緒に書いて、コラボレートすることができて、とても良かったわ。ジェイミーもオリヴァーとかなり早い段階から一緒に曲を作り始めていたし。これは3人のコラボレーションよ。

—いくつかの楽曲はまるで男女間の会話のようですよね。聴いていると元恋人からの手紙を読んでいるような気分になりそうな。

ロミー: そうだよね(笑)オリヴァーと私がお互いに宛てて書いたわけではないのだけど、まるでお互いに宛てて書いたかのように聴こえるところが気に入っているの。私たちについての曲ではないのに、ある意味、私たちについての曲に聴こえるところが。



—昨夜のライヴでは冒頭から「Angels」を披露されていましたが、オーディエンスもすごく気に入っていたようですね。

ロミー: それは良かった。「Angels」は私が書いて、いつもどおりオリヴァーに送ってみたの。そしたらオリヴァーが、この曲は私だけが歌った方が良いんじゃないか、って。私は自分だけで歌うのは嫌だったの。それで長い時間をかけて、オリヴァーがどのように参加して、楽曲をどのように完成するかを話し合ったわ。とても美しい曲が完成したと思うし、ドラムとベースが加わることでステキな瞬間が生まれて、すごく満足しているの。私たちが曲作りにおいていかに話し合いを大切にしているかという、良い例だと思う。個人的には、恋に落ちることの幸せについての曲が書けたことを幸せに思うわ。アルバムには少しだけでも高揚感が必要でしょ?(笑)

—あの曲はあなた自身の感情に基づいているのですか?

ロミー: そうよ。

—楽曲に加わったドラムの生演奏も良かったです。

ジェイミー: 今回、僕らはライヴの経験を積んでいたから、自分たちの技量に以前よりも自信が持てたんだ。成長を感じられた。それで楽曲をよりダイナミックにすべく、ライヴのドラムを加えることにしたんだ。とてもシンプルで繊細な曲だから、曲の繊細さにドラムのオーガニックなサウンドが合うと感じた。

—ステージでもライヴのドラム・サウンドが素晴らしかったです。

ロミー: 良かった。ありがとう。

—アルバムのタイトル『Coexist』の由来は?

ロミー: アルバムのアートワークを決めている時に浮かんだ言葉なの。最初は「Together」という言葉を考えていたのよ。3人ともそれぞれ個性が違うし、ジェイミーがソロ作品を作ったように、それぞれが作品を作ったら全く違ったものができるはず。でも3人が揃って共存(Coexist)すると、それぞれの個性が溶け合わさって、ザ・エックス・エックスになるの。それが由来の1つ。それに私はあの言葉が好きなの。オープンな言葉だし、私たちにとっての意味は今言ったとおりだけど、さまざまな解釈ができると思うから。アルバム制作の中盤に決めたのよ。

—アートワークも自分たちで?

ロミー: うん。アートワークにはこだわりがあるの。自分たちで手掛けることができてラッキーだと思う。全てのバンドがそうできるわけじゃないし、私たちはある意味、コントロール・フリークかも(笑)自分たちで何でも決めないと気が済まないのよ。



—「X」の文字が今回も良い感じですね。そもそもなぜザ・エックス・エックスというバンド名なのですか?

ロミー: ただ「X」という文字が好きだから。私たち、やっていること全てに意味があるのだけど、バンド名だけは意味がないのよ(笑)芸術的にもとてもかっこいいと思って。

—アルバムの最後の曲「Our Song」は、一連の悲しい曲が続いた後で、少し希望の光が感じられる曲ですね。

ロミー: あの曲はオリヴァーと私が初めてお互いに宛てて書いた曲なの。友情についての曲で、今回アルバムに収録されてとてもうれしいんだ。

—アルバムで最も気に入っている曲を教えてください。

ジェイミー: 僕が気に入っているのは「Unfold」。とても自然にできた曲なんだ。すごくシンプルな曲だよ。もう1つのお気に入りは「Swept Away」で、あの曲は逆に何度も変更を重ねて完成したんだ。

ロミー: 私は「Angels」が大好き。それに「Chained」もすごく気に入っているわ。共同作業によって生まれた曲で、オリヴァーと1つの部屋で一緒にキーボードとベースを使って書いたの。それは新たな手法だったし、一緒に編集しながら作詞するのは良い経験だった。そしてジェイミーに見せたら、私には想像できないような楽曲に仕上げてくれた。この曲で私たちに新たな方向性が見出せたように思う。

—音楽的には、前作を意識したり、逆に新たに刺激を受けたことを意識的に取り入れてみたりしましたか?

ジェイミー: たくさんの刺激を受けたよ。前作からこれまでにいろんな音楽を聴くようになったからね。経験も増えたし。前作からのプレッシャーはうまく避けられたように思う。1年間休暇を取って、普通の生活に戻ることができたからじゃないかな。ようやく今になってプレッシャーを感じ始めているよ。

—3人ともとても若いのに落ち着いていますが、世界中からこんなにも注目されてどんな気分ですか?

ロミー: うれしいわ。とにかく自分たちの音楽を人々が楽しんでくれることが幸せ。こんなことになるとは全く想像していなかったけど、自信が持てるようになったと思う。前作の時の私たちは、もっと大人しかったから(笑)でもたくさんの人に会って、たくさんの褒め言葉をいただくと、前よりも自分の殻を破ることができるんだと思う。

—大勢の人の前でパフォーマンスするのは?

ロミー: 間違いなく、少しずつ楽しめるようになってきたわ。たくさんのフェスにも出演して、ものすごく大勢の観客の前でもパフォーマンスしたし…あれは何人だっけ?

ジェイミー: 4万人。

ロミー: そう、ベルギーで4万人の前でパフォーマンスしたの!怖かったわ。おびえちゃった。でも状況を受け入れてしまえば、とても楽しくなるの。昨夜もみんなの前でパフォーマンスできて楽しかったわ。今はライヴが大好きなの。

—幼なじみとのことですが、ケンカすることはあるのですか?

ジェイミー: 僕らはきょうだいみたいだけど、ケンカはしないよ。自分たちが作りたいものに対して描いているビジョンが似ているんだ。だから自然に物事が進んで、もめることはないんだよ。

ロミー: 3人とも音楽に夢中だし、友情があるからこそ、お互いに素直になれるんだと思うの。曲を作る時、何かしっくりこなければ何度でも話し合うのよ。3人で話し合うからこそ、3人の音楽だと感じられる。

—今作は自分たち専用のスタジオで作ったそうですね。

ジェイミー: どちらかというとアパートといった感じ。とてもシンプルだけど3人の家からも近いし、快適に過ごせたよ。

—新しいスタジオでのレコーディングはいかがでしたか?

ロミー: 今回もたくさん話し合ったわ。楽曲はライヴで演奏して、最初はiPhoneで録音してみるの。それを聴き返して、「ここを変えよう」とか何度も何度も繰り返すわけ。たくさんの会話によって生まれるのよ。

—まだニュー・アルバムを聴いていない人のために、どんな作品か説明してくれますか?

ロミー: そうね…今作はさまざまな感情の詰まった、ちょっとした旅だと思う。とても悲しい曲もあれば、幸せな曲もある。たくさんのフィーリングが詰まった、内省的な作品よ。でもサウンド的には、私に言わせれば以前より明るくて、より多くのムーヴメントが存在するわ。

ジェイミー: 確かな作品ができたと思う。アルバムとして聴いても良いし、曲ごとに聴いても良いし。それにファースト・アルバムを聴いた人が今作を聴けば、僕らに何があったかを理解してもらえるんじゃないかな。自信を得られたことに気づいてもらえると思うし…微かな違いだけどね。



—昨夜のオーディエンスはとても興奮していましたが、2人はライヴを楽しめましたか?

ロミー: とても楽しかったわ。良いライヴをやりたいと思っていたの。たくさんのライヴを経験してきたことで、自信もついたと思うし。前回の来日よりも、ライヴが良くなったと思いたいわ(笑)それに今回は照明の演出もあって、ワクワクしちゃった。

ジェイミー: 楽しかったよ。前回のツアーの終盤では、同じ曲を何度も何度も演奏することで、自信もついたし、心地良かった。それはそれで良い気分なんだけど、今回は何をすべきかちゃんと分かっている中で、新曲をみんなに披露することでアドレナリンがわいてきた。より大きなステージで、お客さんからの反応も感じられたしね。ライヴで演奏することに再び興奮できてうれしかった。

—最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

ロミー: いつもありがとう。みんなが新作を気に入ってくれるといいな。

ジェイミー: 僕も(笑)僕らは来日するのが大好きなんだ。地元とは全然違うし、エキサイティングだからね。また戻ってきたいよ。

Photos: Tetsuro Sato
Interview + Text: Nao Machida


ザ・エックス・エックス
2008年初めの英「NME」誌による「今年の注目新人」特集で、いきなり破格の大きな紹介をうけたサウス・ロンドン出身のドラムレスな男女混合3人組。学校で作ったデモをXL傘下のヤング・タークスが気に入り即契約。レーベル内のスタジオにこもり、自分たちでプロデュースをしたエレクトロニカ要素の高いロック・アルバム『XX』を2009年にリリースすると、アンニュイな雰囲気がたちまち大きな話題となり、同年の「NME」誌や「GUARDIAN」紙といった海外主要メディアの年間ベストアルバムに多数選出、さらに翌年には英国最高峰音楽賞マーキュリー・プライズを受賞するなど、最も注目されるバンドの一つとなる。2010年に行われた一夜限りの来日公演はソールドアウトし、フジロックフェスティバル’10では満員の観客を前に圧倒的なパフォーマンスを披露するなど、ここ日本でも高い人気を獲得する。7月に行われた新作お披露目の来日公演も早々とソールドアウトとなり、その人気の高さを見せつけた。9月5日に世界待望の2ndアルバム『Coexist』をリリース。


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