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アイスランドが生んだ奇跡の歌声、アウスゲイル来日インタビュー

2014-03-20
アイスランドの人口わずか40人ほどの町から誕生したシンガーソングライター、アウスゲイル。その美声が話題を呼び、本国では全人口の10パーセントが所有するほど大ヒットしたデビュー・アルバムの英語盤『In the Silence』が、年明けにここ日本でもリリースされた。

MTV Newsでは、2月に初来日を果たしたアウスゲイルにインタビュー。素顔はシャイな弱冠22歳の若き才能に、そのバックグラウンドや音楽性を語ってもらった。7月には「FUJI ROCK FESTIVAL '14」で再び来日することが決定している。



—今回が初来日だそうですが、初めての日本はいかがですか?

日本の全てがとても気に入ったよ。食べ物はおいしいし、人は優しいし。昨日は渋谷を歩いて、あの有名な交差点に行ってきた。こんなにいろんなことが起こっている街なのに、ニューヨークのような他の大都市と比べると、とてもリラックスできるし静かに感じる。それにすごく清潔だね。

—アイスランドのとても小さな町出身だそうですね。

アイスランド北西部にある小さな町、ロイガルバッキの出身なんだ。僕は100人も住んでいない小さな島で生まれたんだけど、両親が教師だったから、仕事の都合で引越しが多かった。最終的に9歳か10歳でロイガルバッキに引越して、そこが僕の故郷となった。

—ロイガルバッキはどんな場所ですか?

4、50人しか住んでいなくて、住民の多くは引退した老人なんだ。川が流れていて、夏は釣りで人気なんだよ。僕は釣りには興味がなくて、そこにかかっている橋から友だちと飛び込んでは釣り人の邪魔をしていたけどね(笑)町の反対側には丘や山があって、フィヨルドを眺めることができる。美しい町だよ。

—今はどこを拠点に活動しているのですか?

今はレイキャビクを拠点にしているよ。家族は今もロイガルバッキに住んでいて、車で2時間ほどだから、ときどき帰るんだ。レイキャビクには16歳の時に進学のために引越したんだけど、最初の2年間は毎週末ロイガルバッキに帰っていた。レイキャビクはうるさいし、車や人が多すぎて耐えられなかったんだ。

—レイキャビクは大都市なんですね。

いや、そうでもないんだ。最近になって、レイキャビクが小さい町だったということに気づいたよ(笑)ものすごくリラックスした町だと思う。でも当時の僕は小さな町出身だったから、レイキャビクでもトゥーマッチだったんだ。ロンドンやニューヨークといった大都市を経験したら、今ではレイキャビクでもリラックスすることができるけどね。

—ご両親もミュージシャンだったそうですね。音楽に囲まれて育ったのですか?

母はミュージシャンとして仕事をしていて、オルガン奏者なんだ。それに教師でもあって、歌やピアノを教えている。父はアイスランド語の先生で、詩や文章を書いていたんだけど、アコーディオンやピアノを趣味で弾いている。それに姉が1人いて、僕らは音楽学校に通っていたんだ。僕は6歳でクラシックギターを始めて、19歳まで弾いていた。ピアノやドラムは独学で覚えた。

—初めて買ったレコードを覚えていますか?

ニルヴァーナの『Nevermind』だよ。6歳の時に母が買ってくれた。母は合唱団を引き連れていろんな場所に行っていて、僕はニルヴァーナについて知ったから、買ってきてほしいと頼んだんだ。それから出張に行く度にCDを買ってきてくれるようになった。

— 6歳児にとって、ニルヴァーナはどんな風に聴こえましたか?

6歳のくせに、僕はものすごくはまってしまったんだ(笑)10歳くらいまでとてもはまっていたよ。子どもの頃はロックが大好きだった。9歳で初めて参加したバンドはロックだったんだ。でも自分以外、他の誰も楽器を弾けなかったから、全ての曲を自分で書くしかなかった。あとは他のみんなが何を弾くべきか妄想しただけで、僕らはバンドになりきっていただけだけどね。

— 9歳で曲作りを始めたなんてすごいですね。当時の曲の音源は残っていますか?

残っていないことを願うよ!1曲は「俺に近づくな」っていうリリックだったことを覚えている。グランジの影響が強い、暗い曲さ(笑)ギターをかき鳴らして叫んでいるような。あの頃の僕は毎日曲を書いていたんだ。

—今のあなたの作品を聴く限り、グランジの影響はあまり残っていないようですね(笑)今回のアルバム『In the Silence』を制作する上で影響を受けたアーティストはいますか?

今回のアルバムを制作する前に、初めてエレクトロニック・ミュージックにはまったんだ。子どもの頃は、音楽は楽器で演奏するべきで、コンピューターで作るべきではないと思っていたから、大嫌いだったんだよ。でもジェイムス・ブレイクを聴いて、初めてエレクトロニック・ミュージックに魅了された。彼をきっかけに、マウント・キンビーとか他のアーティストの作品も聴くようになって、制作中は大きな影響を受けたよ。

あとは以前から親しみのあったフォーク・ミュージックだね。アルバムの大半の曲はアコースティック・ギターで、フィンガーピッキング・スタイルで書いたんだ。ケリー・ジョー・フェルプスとかザ・トーレスト・マン・オン・アースといったギタリストには、クリエイティブな面で影響を受けた。他にもボン・イヴェールとかフリート・フォクシーズとか、好きなアーティストはたくさんいるよ。

—今作は当初はアイスランド語でリリースした作品だったそうですね。

曲は全く同じで、歌詞がアイスランド語だったんだ。ボーカルだけ英語に変えてレコーディングしなおしたんだよ。英語にするのは最初は変な感じで、慣れるのにしばらく時間がかかった。満足いくまでに何度か試して、結果にはとても満足しているよ。

—歌詞の内容は全く同じなのですか?

ほぼ忠実に訳してあるよ。アメリカ人のミュージシャン、ジョン・グラントが翻訳を手伝ってくれたんだ。英語にした時にナチュラルに聴こえるように、言い回しや言葉を変えたりはしているけれどね。

—今作における最大のインスピレーションは何だったと思いますか?

2、3年にわたって書かれた作品だから、何か1つということではないんだ。その間、僕も変わったし、それぞれの曲が全く違うからね。あまりに幅広いから、最初にレコーディングを終えて聴いた時は、アルバムという感じがしなかったくらいだよ。でもみんなの反応を聞いたりしているうちに、ようやく1つの作品と感じられるようになった。

—アイスランドでリリースされたデビュー・アルバムは、国民の10人に1人が持っているくらい大ヒットしたそうですね。

信じられないよね。普段は仲良い友だちと慣れた場所にしか行かないから実感がないんだ。でもダウンタウンに行くといろんな人から写真を撮ってと言われたりして、びっくりしちゃうよ。

—ここ日本でもシングル「King and Cross」がFMチャートで1位になるなど大人気ですが、世界中で大注目を集めていることについてはどう思われますか?

かなりクレイジーだよ(笑)特に日本でも人気が出たことには驚いている。アイスランドの小さな田舎町から出て来た人間にとって、これは理解するのが難しい状況だ。でも僕はあまり考えないようにしているよ。こんなに成功して、みんなに音楽を聴いてもらえて、とにかくハッピーなんだ。だけど、いつも地に足をつけておかなきゃって思っているよ。


Interview + Text: Nao Machida


アウスゲイル:
アイスランドの人口40人余りの集落、ロイガルバッキ出身のシンガーソングライター。2012年9月にリリースした自身のデビュー・アルバム 『Dyrdídauðathogn(ディールズ・イ・ドィーザソッグン)』が数々の記録を更新し、アイスランド史上最速で売れた国内アーティストによるデビュー・アルバムとなる。2013年にはアイスランド音楽賞主要2部門(「最優秀アルバム賞」、「新人賞」)を含む全4部門受賞したほか、ノルディック・ ミュージック・プライズ(北欧版英マーキュリー・プライズ)にノミネートされるなど、一躍国内音楽界のスター・シンガーソングライターとなり、今では21歳という若さにしてアイスランドの全人口の10人に1人が彼のアルバムを所有している売り上げを誇る。 2014年1月、英語バージョンのアルバム『In the Silence』をリリース。2月にはHostess Club Weekenderで初来日を果たした。



『In the Silence』
1. Higher
2. In the Silence
3. Summer Guest
4. King and Cross
5. Was There Nothing?
6. Torrent
7. Going Home
8. Head in the Snow
9. In Harmony
10. On That Day
11. Lupin Intrigue*
12. Soothe This Pain*
13. Going Home (Acoustic Version)*
14. Summer Guest (Acoustic Version)*
15. On That Day (Acoustic Version)*
*日本盤ボーナス・トラック

日本公式サイト>>
FUJI ROCK FESTIVAL '14>>

14:55

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