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話題のエレクトロ・ポップ・バンド、チャーチズがデビュー・アルバムを語る

2013-09-30
スコットランド・グラスゴー出身の新人エレクトロ・ポップ・バンド、チャーチズ。8月に開催された「SUMMER SONIC 2013」では、アルバム発表前にもかかわらず多くのファンが詰めかけたことが話題となった3人組が、ついにデビュー・アルバム『The Bones of What You Believe』をリリースした。MTV Newsでは、サマソニで来日したバンドからローレン・メイベリー(Vo)とイアン・クック(Key/B/Vo)にインタビュー。バンド誕生秘話や待望のデビュー・アルバムについて、じっくりと語ってもらった。



—日本へようこそ。今回が初来日だそうすね。

ローレン: ええ、3人とも初来日なの。ずっと来てみたかったから、すごくワクワクしているわ。音楽活動で来日することができるなんて、クールだよね。

イアン: うん。

—日本の第一印象はいかがですか?

イアン: アメイジングだよ。昨日到着したばかりで、まだ渋谷周辺しか行っていないけど、とてもきれいな街で感心している。道ばたにゴミも落ちていないし、とても清潔でモダンな素晴らしい街のようだね。

ローレン: 東京の街は映画や写真で観たことがあったの。実際に来てみると、個性たっぷりの街だと感じるわ。それは写真では伝わらなくて、実際に来てみて分かったことよ。

—少しは観光できましたか?

ローレン: 昨夜はラーメン屋に行って、それからゲームセンターに行って卓球をしたの。今日は取材が終わったらビデオゲーム屋に行きたいんでしょ?

イアン: うん。秋葉原で買い物するんだ。秋葉原はビデオゲーム・ジャンキーのメッカって聞いているよ(笑)

ローレン: 私は昨日猫カフェに行ったら閉まっていたから、今日もう1度行ってみようと思っているわ。サマソニでは大阪にも行くんだけど、卓球のボールみたいなスナックがあるって聞いたの。

—タコ焼きですか?

ローレン: それ!ぜひ食べてみたいわ。中に何が入っているの?

—タコです(笑)

イアン: 名前に“タコ”って入っているじゃないか(笑)僕は大阪のピザみたいなものも食べたいんだ。

—お好み焼きですか?

イアン: それかも。

ローレン: いろんな街に行って、ローカルな食べ物にトライするのは楽しいよね。

—初来日ということで、まずはバックグラウンドについてお伺いします。メンバーは3人ともグラスゴー出身ですか?

2人: うん。

—チャーチズはいつ頃に結成したのですか?

イアン: マーティンと僕は10年くらい前からの友だちなんだ。別のバンドで活動していたんだけど、それまでやっていたことに飽きて、何か違うことがしたくなった。そして2011年9月にスタジオ入りして、いろんなアイデアで遊び始めたんだ。ちょうど同じ頃、僕はローレンの所属していたブルー・スカイ・アーカイヴスっていうバンドのEPをプロデュースしていた。彼女の声がすごく気に入ったからマーティンに聴かせて、僕らは彼女にスタジオに来てもらって、それまでに作ったものを聴いてもらうことにしたんだ。試しに少し歌ってもらったところ、3人の間には特別な何かがあるっていうことに気づいた。それで一緒に曲作りを始め、最終的にバンドになった。最初は曲作りのプロジェクトとして始めたんだけど、だんだんやっていくうちに、バンドとしてどこまで行けるか試してみようっていうことになった。

ローレン: まあまあ順調に進んでいるよね(笑)まさか音楽を仕事にする日が来るなんて、思ってもいなかったわ。たとえ疲れていて、朝早い飛行機に乗るために3時起きでも、“でも、この状況って最高じゃん”って思うの。

イアン: (笑)

ローレン: 人は自分がどれだけラッキーか忘れがちだけど、大好きなことで東京に来られるなんて本当に最高だよね。

—チャーチズをスタートするまでは、どのような仕事をしていたのですか?

イアン: 僕は大学を卒業してから、ずっと音楽に携わってきた。バンド活動はお金にはならなかったけどね(笑)やらなければならないことではなく、自分がやりたいと思うことを仕事にしたかったから、映画やテレビ、CMの音楽を手掛けていたよ。それにプロデュースやミックスもしていた。常に音楽が仕事ではあったけど、バンド活動が職業になったのは今回が初めてだよ。すごく良い気分だ(笑)

—ローレンはジャーナリストだったそうですね?

ローレン: そうなの。大学で法律の学士号を取った後、大学院でジャーナリズムの勉強をしたわ。卒業後、数年間はフリーランスのジャーナリストとして活動していた。ほんの数ヶ月前までね。音楽活動をしながらするのにも良い仕事だったの。クリエイティブでありながら時間の自由がきくしね。

—どのようなジャンルの記事を書いていたのですか?

ローレン: アートやカルチャーよ。バンドやプロデューサーをインタビューしたりしていたわ。

—テーブルのこちら側に居たわけですね。

ローレン: そういうこと(笑)今こうしてこちら側に座っているのは妙な気分。とても奇妙だけど、興味深いわ。記者によって聞くことも考え方も違うし、正直に書く人もそうではない人もいるしね。

—今でも書いているんですか?

ローレン: ときどきウェブサイトに書いているわ。地元の友だちのサイトを手伝っているの。女性向けのサイトで、ラジオ番組やPodcastもやっているのよ。前回帰った時も2日しかいなかったんだけど、急いでミーティングしてPodcastを作ったわ。地元に帰ると、みんなが普通の人として接してくれるのがうれしいの。私はいつも10分遅刻する人なんだけど、今回のミーティングも10分遅れちゃって、友だちに「絶対に遅れると思った!」って言われたわ(笑)いつまでも昔のままのマヌケな自分として接してくれるっていいよね。

—サイトの名前は?

ローレン: TYCIだよ。アドレスはtyci.org.uk。私の大事なベビーなんだ。

—イアンはチャーチズを始めるまで、どのような音楽をプレイしていたのですか?

イアン: 3人に共通して言えることなんだけど、ギターベースのインディ・ロック・バンドに所属していたんだ。

—他のバンドの活動は今でも続けていますか?

ローレン: 今はライブ活動はしていないわ。私がチャーチズで忙しいから。でもブルー・スカイ・アーカイヴスはみんな仲良くて、チャーチズの活動も応援してくれているの。私ともう1人のシンガーのポールは、お互いにデモを送り合ったりしているわ。

—チャーチズをスタートした時に描いていたイメージや方向性は?

イアン: このプロジェクトは特に明確なビジョンを掲げずにスタートしたんだ。唯一の方向性は、方向性がないということだったと思う(笑)ジャンルによっては、楽曲はこのくらいの長さで、ギターソロはダメで…とか、暗黙のルールが定着しているよね。僕らはそういったルールを全部投げ捨てて、自然に書けたものを曲にすることを大切にした。良いソングライティングと強いメロディーが、このバンドにとって最も大切だったことだよ。最初に聴いた時に人々を夢中にさせられるのは、そういった要素だと思うからね。中には4、5回聴いて夢中にさせるバンドもいるけれど、僕らは最初から聴く人の心をつかみたかった。それと同時に、繰り返し聴いても興味深いように、いろんな要素が詰まった作品にしたんだよ。

—何度も聞かれていると思いますが、なぜチャーチズ(Chvrches)というバンド名にしたのですか?

ローレン: バンド名についてはずっと話し合っていて、ながーいリストがあったわ。でも最終的に言葉の持つヴァイブが気に入ったのと、視覚的なイメージがすぐに思いつくような力強さがあったから、チャーチズに決めたの。選んだ理由は宗教的でもアンチ宗教的でもなく、その名前の奥深さと、視覚的に形にした時の姿なのよ。アートワークは全て友人のエイミー・バロウズが手掛けているの。ロゴも全てのジャケットも彼女の作品よ。スペルに「V」が入っているのは彼女の責任なの。なぜ「Churches」ではなく「Chvrches」なのかっていつも聞かれるんだけど、彼女がロゴを作った時に使っていたフォントのせいなのよ。

—チャーチズのスペルは、ロゴのデザインができてから決まったのですか?

イアン: 実はそうなんだ。

ローレン: 「Churches」より「Chvrches」の方が検索に引っかかりやすいし、結果的にとても良かったわ。

—インターネットで「Lies」を発表してから大きな注目を集めたそうですが、アップしたのはいつ頃だったのですか?

イアン: 「Neon Gold」っていうブログにアップしたんだ。2012年に作った曲だよ。

ローレン: バンドは2011年9月にスタートしたから、まだ2年しか経っていないの。何年も時間を費やして計画しても何も起こらないこともあるし、分からないものよね。私たちはたまたま運良くみんなに注目してもらえただけ。とてもラッキーだったわ。

イアン: 運の力も大きいし、良い場所に良いタイミングで居ることが大事だって聞くよね。でも僕は、良い場所になるべく長い時間居ることが大事だと思う。僕らは長年に渡って音楽に携わり、それぞれがバンド活動をしてきたわけで、ようやくここへ来て良い感じに物事が進んだんだよ。

ローレン: レコード会社やマーケティング戦略はなく、自分たちでインターネットにアップしたのも良かったと思っているの。そこには世界征服を狙うための戦略的で邪悪なプランはなかったわ(笑)

イアン: 実際にそんなプランがあったらよかったけどね(笑)「Lies」をネットにアップした時は、様子を伺いたかっただけなんだ。誰か1人でも聴いてくれるかな、と思って。でもアップした日にメールがどんどん届いた。「うわ、すごいことになっているな」って感じだったよ。それで別の曲をアップしたら、さらなる反応が届いた。全く予測していなかったし、とてもありがたく思っているよ。

—今年3月に米テキサス州で行われた「SXSW」でのライブは、大きな話題となっていましたね

ローレン: あれはクレイジーだったわ。でも私たちにとって、良い足がかりになったんじゃないかな。今はひたすらライブをして、アルバムが出るのを待っているの。

—そういった全てのことが、デビュー・アルバムがリリースされる前に起こったなんて信じられませんね。

ローレン: クレイジーだけど、それがインターネットの持つパワーなんじゃないかな。今はレコード会社も決まって、とても理解ある人々で感謝しているわ。でも、みんながオンラインで私たちのことを話題にしてくれなかったら、レーベルが私たちに興味を持つことはなかったわ。ブログにアップしたら、それを聴いた人が友だちに広めてくれて、それ以上にパワフルなことってないと思う。昔の音楽業界とは違って、一般の人たちがいろんなものを聴いて、その中から何がクールかを決めているのよ。たとえば「Neon Gold」のようなブログは、たった2人でスタートしたんですって。彼らはひたすら書き続けて、今ではみんなが彼らの意見を尊重しているわ。それってすごくクールなことだと思う。

—あのデペッシュ・モードとツアーもまわったそうですね。

イアン: あれは信じられなかった。昔から好きだったバンドだし、『Violator』は僕にとってものすごく重要なアルバムなんだ。そんな彼らとツアーをまわるなんて、「オーマイガッド、これ現実?」って感じだったよ。デペッシュ・モードは今でも観客に全てを捧げようとする情熱的なバンドなんだ。スタジアムいっぱいの5、6万人の観客を前に、ちゃんとコミュニケーションをとっているんだよ。それをできる人はこの世に少ししかいないと思う。それに毎晩ライブで大好きな曲を聴けたのも良かった。

—チャーチズのエレクトロ・ポップはとても中毒性がありますが、2人はどのような音楽に影響を受けてきましたか?

ローレン: 3人とも音楽的に共通点が多いんだけど、それと同時に、ユニークなサウンドを生み出す上で十分な違いもあるの。みんなコクトー・ツインズやザ・キュアーとか、もっとポップなところではホイットニー・ヒューストンやシンディ・ローパーなんかが好きよね。マーティンはヒップホップやR&Bも大好きで、それは私たちの楽曲のビートに影響していると思うの。そういった全ての影響が作品に反映されているんじゃないかな。

イアン: それに、特定のミュージシャンの音に似過ぎないようにすることも大切だよね。影響を受けた音楽をうまくサウンドに反映して、新しい作品として認識されるのは、新人バンドにとって難しいことだと思う。

—9月にはようやくアルバム『The Bones of What You Believe』がリリースされるわけですが、タイトルに込められた意味は?

ローレン: 「Strong Hand」という楽曲のリリックの一部をタイトルにしたの。3人ともリリックとして気に入っていたのだけど、文脈なくタイトルとして使うと違った意味が生まれるというところも気に入ったわ。私にとっては、このアルバムにたくさんの労力や時間、情熱を費やしてきたわけで、このアルバムこそが自分が信じてることの骨子(bones)なんだって思うの。

—アルバムには「Lies」をはじめとした既におなじみの楽曲も収録されていますね。

イアン: 最終的にどの曲を収録すべきか、僕らはたくさんの時間を費やして考えたんだ。収録曲を決めたら、今度は曲順を考えた。陳腐に聴こえるかもしれないけど、最初から最後まで通して聴くことで、1つの体験を生み出したかったんだ。ある曲が好きだからリピートで聴くのではなく、1枚を通して体験してほしいんだよ。

—アルバムを完成するまでにどのくらいの時間がかかりましたか?

イアン: 曲作りは2011年10月にスタートしたんだ。それで今年の…いつ頃だっけ?

ローレン: 4月か5月くらいまで常に書いていたわ。最後に書いたのは「By the Throat」。

イアン: 君のお気に入りでしょ?

ローレン: 最終的にお気に入りになったわ。最後に書いた曲だし、今のこのバンドを最も正確に表現している曲だと思うから。私やバンドにとって大切な要素が全て詰まっているの。奇妙なプロダクションと力強いメロディー、必ずしもサウンドにマッチしていないリリックとかね。そういうぶつかり合いが好きなの。

イアン: 僕も。

—イアンのお気に入りは?

イアン: 難しいな…好きな曲を選ぶのは、お気に入りの子どもを選ぶようなものなんだ。「The Mother We Share」は、バンドらしいサウンドが生まれたという意味で、最初に気に入った曲。それに「Night Sky」も大好きな曲だ。その2曲はお気に入りだけど…みんな特別な曲だよ。

—ローレンはとても魅力的で独特な歌声の持ち主ですが、初めてチャーチズの曲を歌ったのを聴いた時、どのように感じましたか?

イアン: 当時僕らがやろうとしていたエレクトロなサウンドに、ローレンの声が純粋さを加えてくれたような気がした。それに彼女の声はとても自然で、アクセントが大袈裟ではなく良い感じにクリアで、まるで語っているかのように歌うんだ。中には話す時よりも強いアクセントで歌うアーティストもいるけど、僕からしたら、それってちょっと嘘っぽいんだよね。

ローレン: アメリカン・アクセントで歌うイギリスのバンドもいるよね。話し方は全然違うのに(笑)もしかしたら好きなバンドに影響されているのかもしれないけど、私にはそういうことは思いつかなかったの。

イアン: それこそが君のボーカルの美しさなんだ。何も考えずに自然にあんな風に歌うんだから。

ローレン: 私のことが好きなの?(笑)今日は日記に、「イアンには嫌われていないようだ」って書くわ。

イアン: マーティンは分からないけどね(笑)

ローレン: 「マーティンに関しては不明」(笑)

—プロデュースは自分たちで行ったそうですね。最も大変だったことは?

イアン: 「Lies」が世間に広まった後、騒々しいことからスタジオでの環境を守ることが1番大変だったかな。メールに返信したり、マネージャーと相談したりしながらだと、勢いが途切れて曲を書くのが難しいんだ。

ローレン: それに、多くの人があの曲を気に入ってくれてラッキーだったけど、同じような曲を繰り返し書くことはしたくなかった。それは多くのミュージシャンが陥る状況だと思うんだけど、私たちは同じようなサウンドの曲を12曲詰め込んだアルバムにはしたくなかった。セルフプロデュースすると、他のプロデューサーを迎えた時には得られない自由が与えられるけど、自分たちで終わりを決めなければならないの。それは難しかったわね。

—日本のファンに会うのは楽しみですか?

ローレン: うん!世界中いろんな場所で演奏して、異なる反応が得られるのが面白いわ。日本のオーディエンスはとてもエネルギッシュで、真剣に聴いてくれると聞いているし、楽しみね。

—日本では多くのファンがローレンのかわいさにも夢中になっています。

ローレン: ありがとう(笑)日本の女の子はとてもおしゃれよね。東京を歩いていると、自分がダサいんじゃないかって思っちゃう!みんなユニークなスタイルだし、同じものを着ていても、それぞれひねりを加えているから分からないくらいよ。それに、私は小柄だから日本の洋服が合うんじゃないかって思うの。イギリスではパンツを買ったら自分で裾上げしないとならないのよ。

—すごい速さで注目を集めているチャーチズですが、これまでに最も驚いたことは何ですか?

ローレン: 私たちにとっては、いまだに全てがサプライズよ!何にも驚かなくなって、それが日常となった時、長く続けてきたと思えるんじゃないかな。

イアン: この状況がどれだけユニークなのか、いつまでも把握していることが大切なんだ。決して慣れたり、当たり前だと思ったりせずにね。明日には全てが変わってしまうかもしれないから、僕らは今の状況を幸せに思っている。全てに対して驚けることが幸せだよ。

—アルバムが完成した今、チャーチズの今後の予定は?

ローレン: 年末までは忙しいの。オーストラリアに行って、日本へ来て、今後はヨーロッパでフェスに出演するわ。それからアルバムを引っさげて全米ツアーとヨーロッパ・ツアーをまわるの。クリスマスには数週間休みをもらって、リラックスする予定よ。

—ジャパン・ツアーの予定はありますか?

イアン: ジャパン・ツアー!

ローレン: 実現できたらいいわね。

イアン: いつかは分からないけど、ぜひ再来日したいな。

—チャーチズとしての活動は今後もずっと続けていくんですか?

ローレン: 楽しいと思える限りはね。義務感を感じるようになったら、もう曲は書けないと思う。たまには朝3時に起きなくちゃならないけど、今のところは自分たちの活動を心から楽しんでいるわ。とにかくよく話し合って、自分たちのやりたい形でバンド活動をすることが大切よ。そうすれば、将来的に振り返った時に楽しかったなって思えると思う。自分の信じていることをするのが大切なの。

—最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

ローレン: 日本のファンのみんな、こんにちは!初来日してみんなに会えて、とてもワクワクしているわ。アルバムを気に入ってくれるとうれしいな。

イアン: 日本のファンに会えてとてもうれしいよ。ライブが待ち切れないね。


Interview + Text: Nao Machida




チャーチズ:
グラスゴー出身のローレン・メイベリー(Vo)、イアン・クック(Key/B/Vo)、マーティン・ドハーティ(Key/Vo)で結成した3人組バンド。注目新人を選ぶ「BBCサウンド・オブ・2013」で5位を獲得。レーベル契約前からネットを中心に人気が爆発。2013年3月、 配信と12インチシングルで『Recover EP』を発表。同月に出演した米テキサス州オースティンで行なわれた世界最大の音楽コンベンション「SXSW」では、会場に詰めかけたオーディエンスと音楽関係者で超満員となった。海外ではデペッシュ・モード、トゥー・ドア・シネマ・クラブの サポートを務め話題沸騰中。同年7月、日本独自企画盤『EP』で日本デビュー。8月にはサマソニで初来日を果たし話題をさらった。9月、待望のデビュー・アルバム『The Bones of What You Believe』をリリース。



『The Bones of What You Believe』

1. The Mother We Share
2. We Sink
3. Gun
4. Tether
5. Lies
6. Under The Tide
7. Recover
8. Night Sky
9. Science/Visions
10. Lungs
11. By The Throat
12. You Caught The Light
13. Strong Hand *
14. Broken Bones *
15. Gun - KDA Remix *
16. The Mother We Share - We Were Promised Jetpacks Remix *
17. The Mother We Share (Blood Diamonds Remix) *
18. The Mother We Share (Kowton's Feeling Fragile Remix) *
*日本盤ボーナストラック

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アルバム全曲試聴実施中!

14:55

アイスランドを代表するポップ・バンド、ムームが4年ぶりの新作を語る

2013-09-13
ビョークやシガー・ロスと並ぶアイスランドの代表的バンド、ムームが、今週約4年ぶりとなるニュー・アルバム『Smilewound』をリリースした。グンネルとオルヴァルを中心にセルフ・プロデュースで制作された今作では、2002年に脱退したオリジナル・メンバーのギーザが復活。どこか初期の作品を思い出させる、キャリア最高傑作と呼べる作品が完成している。MTV Newsでは、6月に開催されたライブ・イベント「Hostess Club Weekender」で来日したムームから、グンネルとオルヴァルをインタビュー。待望のアルバムについて語ってもらった。



—久々の来日、ファンも楽しみにしていたと思います。今回はニュー・アルバムを引っさげての来日ですね。

オルヴァル: うん。前作からこれまで、いろんなプロジェクトをやっていたんだ。昔の楽曲を集めたコンピレーションも作ったし、あれはとても楽しかったな。それに僕はFMベルファーストっていう別バンドでも活動していたんだよ。

グンニ(グンネル): 僕はいくつかのアルバムをプロデュースした。5、6作かな。

オルヴァル: それに僕は大学にも通ったんだ。4年間ね。

—何の勉強をしていたんですか?

オルヴァル: 映画の勉強だよ。とても楽しかったよ。趣味として勉強したんだ。映画を制作する方ではなく、映画について考える方ね。

グンニ: (笑)

—新作にはいつ頃から取りかかっていたんですか?

グンニ: ずっと音楽制作を行ってはいたんだよね。

オルヴァル: 収録曲には、前作のレコーディングで生まれたものもあるんだよ。「Sweet Impressions」がそれだ。前作に収録しようと思って作ったんだけど、うまくフィットしなくて、今回はしっくりきた。

グンニ: 真剣にアルバムを完成させようと考え始めたのは、昨年の10月か11月くらい。でも僕らはいつでも音楽を手掛けているんだ。それより前に、フィンランドにドラムのレコーディングに行っていたしね。

オルヴァル: うん、ドラムは楽曲ができるよりも前から、かなり早い段階でレコーディングしていたんだ。

—ムームは常に編成が変化していますが、今作には何人のメンバーが参加したのですか?

オルヴァル: アルバムに参加したのは全部で15人くらいかな。ほとんどは僕ら2人で手掛けたけど、いろんな人が出入りしていた。

グンニ: 大体はこの2人と、もちろんドラマーのサムリ。あとヒルダもね。でも、赤ちゃんがいるから今回のツアーには参加できないんだ。今夜のステージは5人で行うよ。その5人全員がアルバムにも参加している。

—また、今作ではギーザがバンドに戻ってきたことも話題です。彼女と再び活動してみていかがですか?

オルヴァル: すごく楽しいよ!

グンニ: うん、彼女は楽しい人なんだ。

—ギーザがバンドを去った後も、ずっと連絡は取りあっていたのですか?

グンニ: うん。彼女はしばらくロシアに住んで、それからスイスに行って、イタリアに行って…僕らは常に連絡を取っているわけではなかったけど、古い友だちだから、久しぶりに会っても時間を感じないんだよね。

オルヴァル: 去った後も、アルバムでチェロを演奏しに来てくれたしね。

—今回は本格的にバンドに復帰したわけですが、ギーザが今までと変わったところはありましたか?

オルヴァル: うん、彼女は確か2002年に辞めたんだけど、その時点では、音楽をどう楽しんでいいのか分からなかったようなんだ。でも今はとてもオープンで、どのように楽しむべきかを理解している。それに彼女は本当にアメイジングなパフォーマーでもあるんだ。今はものすごくオープンで、以前の彼女は自分にそうすることを許していなかった。

グンニ: そうだね。彼女はクラシック音楽を勉強していたから、もしかしたら音楽を真面目に考え過ぎていたのかもしれない。今の彼女は前よりもオープンで、ずっと楽しいんだよ。

—再びギーザの声を聴くことができてうれしかったです。

オルヴァル: そうだね!

グンニ: 最高だよね。

—たくさんのメンバーが参加するムームの作品ですが、曲作りはどのように行うのですか?

グンニ: それぞれが持っているアイデアを共有するんだ。

オルヴァル: 時には何ヶ月も会わないこともあるんだけど、集まったらお互いのアイデアを聴いてみる。そしてお互いのアイデアを少しずつ取り入れたりする。それが1つの方法かな。

グンニ: うん、実際にどうやっているかはよく分からないんだ。

—その場のノリで?

オルヴァル: うん、計画はなしでね。

グンニ: 特定のメソッドはないんだ。そこに決まりがあるとすれば、自由にやるということだね。お互いのアイデアを少しずつ良くするということも。

オルヴァル: ボーカルに関しては、泳ぎに行くといい。泳ぐ前に最後に聴いた曲を、泳いでいる間に仕上げるんだ。それも1つの方法だね。オススメだよ。

—以前、アイスランドの灯台でレコーディングしたという話を聞きました。

グンニ: 友人が所有する灯台なんだ。今回はボーカルを2曲だけレコーディングしたよ。

オルヴァル: グンニは今でも毎年訪れているよね。去年の夏も行ったんだろ?

グンニ: うん。何もない場所で、とにかく美しい景色なんだ。街からもすごく遠くて、ボートに乗らないと辿り着けないんだよ。

オルヴァル: 山を歩いて越えるしかないんだ。

グンニ: 電気も電話も何もない。病気になったらボートに乗って戻らないとならない。

オルヴァル: 骨折しても、山を歩いて越えなければならないんだ(笑)

—隔離された場所なんですね。ものづくりには最適かもしれないですね。

オルヴァル: そうなんだよ。

グンニ: それに、活力が沸くような場所なんだよね。たとえ一晩だけでもデトックスできる。夏は太陽が沈むことがないし、時間についての概念が変わって良いもんだよ。全てが遠くて、食料の買い出しもボートに乗らなければならない。すごく苦労して買い物するくらいだから、そこで時を過ごした後は、怖いものなしになるんだ。

オルヴァル: 初めての時はヘリコプターを用意したんだ(笑)ネットをくくり付けて、その中に楽器を入れた。ネットに入った楽器をぶらさげたヘリコプターが飛んでいたんだよ。あれはもうやりたくないな(笑)

—それ以外はどこでレコーディングしたのですか?

オルヴァル: レイキャビクにリハーサル・スペースを持っているから、全てはそこでレコーディングしたんだ。あとはドラムをフィンランドで、「Sweet Impressions」はエストニアでレコーディングした。

—ギーザが復帰したこともあるのかもしれないですが、今作は初期の作品を思い出させるアルバムでした。昔からのファンもきっと気に入ると思います。2人は完成したアルバムを聴いて、どのような感想を持たれましたか?

オルヴァル: そうだね。昔の作品に近いかもしれない。でもそれと同時に、今作は完全に新しいサウンドの詰まった、完全に新しい作品でもあると思う。

—ムームの作品は、聴くまで予測不可能なところも魅力ですよね。中には特定のサウンドがあって、どのような楽曲か予想がつくバンドもいますが、ムームの作品に関しては何を予測すべきかも分からなくて、それがとてもエキサイティングです。

オルヴァル: そうだね(笑)僕らもそう感じるよ。予想外のことをやって、自分たち自身を驚かせるのが好きなんだ。退屈しちゃうからさ。

グンニ: ああ、僕らはすぐに退屈しちゃうんだ(笑)

—アルバムのタイトル『Smilewound』の意味は?

オルヴァル: うーん…良い質問だね!

—そういえば、ツイッターでタイトルを募集していましたよね?

オルヴァル: ああ…あれは良くなかった(笑)届いたのはジョークばかりでさ。まあ、冗談でやったんだけど。何十ものおかしなタイトルが届いたよ。今となっては1つも思い出せないけど!

オルヴァル: 最終的には、仲の良い友人たちにいくつかの候補をメールして決めたんだ。あれは良いアイデアだったよ。いつもはもっと初期の段階でタイトルが決まるんだけどね。

グンニ: うん、大体の楽曲ができたら、フィーリングが決まるからね。

オルヴァル: 今作は制作段階では「Time to Scream and Shout」っていうタイトルだったんだ。

—アルバムの最後の曲のタイトルですね。

オルヴァル: うん。でもアルバムが完成してみたら、なぜかしっくりこなかった。それに、ブリトニー・スピアーズの曲のタイトルと一緒だと気づいて。

グンニ: (笑)

—「Scream & Shout」ですね(笑)

オルヴァル: そうそう、それ(笑)

—オーガニックな音とエレクトロニックな要素のミックスによって、今作ではカラフルなサウンドが生まれています。私は特に「Candlestick」が好きなのですが、2人はそれぞれどの楽曲が気に入っていますか?

オルヴァル: いいね!「Candlestick」には特別なサウンドがあると思うんだ。

グンニ: 今夜ライブで初披露するよ!さっきサウンドチェックで試していたところだ。







—あれだけたくさんのサウンドが含まれていると、ライブでどのように演奏されるのか興味深いですね。

グンニ: 僕らはいつもアルバムを作ってから、さて、どうやって演奏しようかと考えるんだ(笑)でもそれが楽しいんだよ。ライブで披露する上で、自由に変化を加えるようにしている。個人的には、ライブとレコードが全く同じというのは好きではないんだ。それではちょっとつまらないからね。

オルヴァル: 僕らはどちらにしても無理だよね(笑)不可能だよ。

グンニ: お気に入りの楽曲は…分からないな…ベビーたちの中から1つ選ぶのは難しいよ!

オルヴァル: 僕も全部すごく気に入っているよ。昔の楽曲を思い出させるし、「Time to Scream and Shout」は特別な1曲かな。以前に演劇のための音楽を作ったことがあって、原作の「青い惑星のはなし」っていう本は日本語にも訳されていると思うんだけど。この曲はなぜかあの演劇のために作った音楽を思い出させるんだ。実は同じ演劇が今度ポーランドで上演されるから、今はそのためのサウンドトラックを手掛けているんだよ。

グンニ: 僕は…難しいな(笑)1番気に入っている曲というわけではないかもしれないけど、「Underwater Snow」はたくさんの時間を費やした曲なんだ。最初はなぜかしっくりこないサウンドがあって、それでものすごい時間をかけて完成したんだ。

オルヴァル: それは「Slow Down」だろ。

グンニ: 「Slow Down」か。いつも制作中は違うタイトルで呼んでいるから、最終的に決めたタイトルにまだ慣れてないんだよね(笑)

オルヴァル: あの曲ではシンセをレコーディングするのに丸2日もかかったよね。

グンニ: でも間違いなく時間をかけた価値はあった。あと、「The Colorful Stabwound」のドラムもすごく気に入っているよ。

—アルバムのアートワークについて解説していただけますか?

グンニ: サラ・リール(Sara Riel)という友人が手掛けた作品なんだ。アイスランド出身のアーティストだよ。僕らは過去3作のアルバムで、それぞれ異なるビジュアルアーティストとコラボレートしてきた。それで今作では彼女の番かなって思って(笑)

オルヴァル: 歯が描かれているよ(笑)10パターンほどの絵を描いてくれたんだけど、僕らは複雑なものが好きなんだ。でも最終的に、彼女が最初に描いたこの作品を採用することにした。シンプルなスケッチだったんだけど、それを使うことにしたんだよ。アルバムのジャケットは、時にシンプルな方がいいと思うんだよね。

グンニ: 他の絵もブックレットの中にプリントしようと思っているよ。

—日本のファンもニュー・アルバムをとても楽しみにしていると思います。

オルヴァル: 今作はぜひアナログ盤でも楽しんでほしいな。

グンニ: 僕らは全てのアルバムで必ずアナログ盤も作るんだ。特にここ5年はアナログ盤が人気だよね。ダウンロードが主流だからCDのセールスは減少しているかもしれないけれど、アナログ盤には違った魅力がある。

—来日で特に楽しみにしていることはありますか?

オルヴァル: 来るたびに美味しいご飯を食べるのを楽しみにしているよ。日本食は大好きなんだ。

グンニ: できるだけたくさんの美味しいものを食べたいと思っている。アイスランドの料理はつまらないからね。

オルヴァル: 魚は美味しいんだけど、調理法がつまらないんだ。というか、アイスランドのフードカルチャーは移民のおかげで成り立っている。アイスランドの伝統的な料理は魚やポテトをゆでただけで、ちょっとだけバターが付いている程度だ。

グンニ: 何でもゆでるんだ。ジョークではなく、本当にバカげているんだよ。どんなに美味しい食材もゆでるだけ。今は変わってきているけど、僕らが子どもの頃は何でもゆでるだけだった。幸運なことに、アイスランドに移住した人たちが、僕らに食べ方を教えてくれたわけだ。

オルヴァル: ミュージシャンとして最高なことの1つは、世界中を旅して美味しい料理を食べられること。

グンニ: 特にアジア・ツアーは最高だね。台湾もご飯が美味しいし、シンガポールもいいね。

オルヴァル: 香港は行ったことがないんだけど、ご飯情報をググってあるよ。

—最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

オルヴァル: 呼んでくれてありがとう、また来週も来ていい?(笑)

グンニ: 少なくとも1年に2回は来日したいね。美味しいものがあれば、バースデーパーティーや結婚式の仕事でも引き受けるよ(笑)


Interview + Text: Nao Machida
Live Photo: Kokei Kazumichi




ムーム

アイスランドの首都レイキャビークで結成された、オルヴァル・スマラソンとグンネル・ティーネスを中心とする不定形ドリーミー・ポップ・バンド。2000年に『Yesterday Was Dramatic – Today Is OK』でデビュー。エレクトロニクスとアコースティック楽器によるオーガニックなサウンドを融合させた音楽性が高い評価を受け、イギリスだけで40以上の媒体から年間トップ10に選出される。以来、現在までに5枚のスタジオ・アルバムをリリース。日本でも根強い人気を誇り、単独公演はもちろん「SUMMER SONIC」や「FUJI ROCK FESTIVAL」、「Taico Club」といったフェスティバルにも数々出演。6月に開催された「HostessClub Weekender」では、1日目のヘッドライナーを務めた。



『Smilewound』
1. Toothwheels
2. Underwater Snow
3. When Girls Collide
4. Slow Down
5. Candlestick
6. One Smile
7. Eternity Is The Wait Between Breaths
8. The Colorful Stabwound
9. Sweet Impressions
10. Time To Scream And Shout
11. Whistle (with kylie) *(★カイリー・ミノーグ参加)
12. Cranes Like Ship*
*ボーナストラック

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期間限定で『Smilewound』全曲視聴実施中!



17:00

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