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フランツ・フェルディナンド、原点回帰の新作『Right Thoughts, Right Words, Right Action』を語る

2013-08-28
その音を聴いたら誰もが踊らずにはいられない、スコットランド・グラスゴー出身の4ピース・バンド、フランツ・フェスディナンドが帰ってきた!2009年リリースのサード・アルバム『Tonight』のツアー後、1年間はほとんど話すこともなかったという4人が、ついに待望のニュー・アルバム『Right Thoughts, Right Words, Right Action』を発表。「本当に良い作品ができた場合だけ、アルバムを作ることにしようと決めた」というコメントも納得の内容に仕上がっている。MTV Newsは、先日プロモーション来日したベーシストのボブ・ハーディにインタビュー。踊らずにはいられない、どこかファースト・アルバムを思い出させるような原点回帰とも言える新作を引っさげて、11月には来日公演が決定している。



—今回の来日は楽しんでいますか?

楽しんでいるよ!日本は大好きなんだ。オフは合羽橋に買い物に行ったよ。ぶらぶら歩いて、ナイフのクリーナーを買った。僕は昔シェフだったんだ。本当は食品サンプルが目的だったんだけど、すごく高いんだね!アレックスは寿司をちょっとだけ買っていたよ。

—今回の新作『Right Thoughts, Right Words, Right Action』は、前作『Tonight』から4年ぶりとなりますね。

『Tonight』の後、2011年春まで2年ほどツアーして、それから12ヶ月間は休みを取ったんだ。その後、再び集まって、アルバムを作ることに決めたんだよ。

—12ヶ月間は完全にオフだったのですか?

バンドとして少しだけ活動したことはあったけど、基本的にはメンバーそれぞれが好きなことをしていた。アレックスはレコードを作って、ニックはサイド・プロジェクトのボックス・コダックスのレコードを作って…とか、いろいろね。

—あなたは何をして過ごしましたか?

僕は絵を描いていたよ。バンドを始めてからは遠ざかっていたんだけどね。ツアー中に1週間の休みがあっても、なかなか絵を描くのは難しいものなんだ。ヘトヘトになるから、かなり長い休みがないとできないんだよね。僕はもともとアートスクールで絵画を学んでいたんだよ。

—12ヶ月間の休みが明けたら、ニュー・アルバムを作ることは決まっていたのですか?

それがそうでもなかったんだ。僕らは12ヶ月間、ほとんど話していなかったんだよね。ツアーで疲れ切って、お互いに飽き飽きしていた(笑)それでアルバムを制作する予定がないまま、アレックスとスコットランド北部のオークニー諸島で会ったんだ。島で12時間くらい散歩しながら、今後のことについて話し合った。そして、本当に良い作品ができた場合だけ、アルバムを作ることにしようと決めたんだ。だから締切りとかはなかったんだよ。

—そうだったんですか。そして、その話し合いの後に曲作りを始めたわけですか?

うん、ニックとアレックスがロンドンで曲作りを始めた。僕とポールは今もグラスゴーに住んでいるんだ。バンドの作業はロンドンのスタジオで行うんだけどね。僕はアレックスとリリックのアイデアを出したりして、割とスローなプロセスだった。アイデアを書き留めて、それから曲を書いて、最初は楽器を弾き始めるまでに数ヶ月かかったんだ。2011年末にかけて、4人で実際に演奏し始めて、ノース・ロンドンでデモを作った。楽曲は良かったんだけど、その時の演奏はサイアクだったんだ(笑)初めて合わせて演奏したから、スローでつまらない感じでね。結局アルバムの大半は2012年に制作したんだ。

—フランツ・フェルディナンドの曲作りのプロセスは?

ニックとアレックスがメインのソングライターだね。アレックスと僕は、最初の段階で曲のアイデアを理論的に話し合うんだ。時には2人で一緒に作詞することもある。曲はニックとアレックスが作るんだよ。そして練習室で編曲する時は、ポールと僕も意見を出す。特にポールはドラマーだからね。

—『Right Thoughts, Right Words, Right Action』は、ファースト・アルバムを思い出させるような、踊らずにはいられないフランツならではの魅力が詰まっていますね。このアルバムを制作する上で、方向性やテーマなどは決めていましたか?

今回のアルバムの制作過程は、最初にバンドを始めた頃にちょっと近かったかもね。僕らは壮大で大きなテーマのある楽曲を作りたかったんだ。たとえば「Fresh Strawberries」は、死について歌ったかなり重い楽曲なんだけど、それを楽しい感じに仕上げている。または僕とアレックスがリリックを書いた「The Universe Expanded」は、宇宙規模の壮大な曲でありながら、同時に特定のことについて書いたパーソナルな曲でもあるんだ。人生の小さな出来事を宇宙規模のものと比較することで、壮大な曲にしているんだよ。

—サウンド面では?

サウンドに関しては最後に決まったんだ。今回はまず楽曲を書こうということに決めて、楽曲が誕生して、実際にギターやピアノで演奏できるようになって、骨組みを完璧に仕上げてから、それをスタジオに持ち込んだ。楽曲さえしっかりできていれば、良い曲を壊すことは難しいからね。だから、サウンドやフィーリングはその後に手掛けたんだよ。3週間単位で、最初の1週間にニックとアレックスが曲を書き、次の1週間は4人でリハーサルして、バンドとしてアレンジやフィーリングを決め、それから1週間をスタジオで過ごしたんだけど、1度に1、2曲しかやらないことにしたんだ。そうすることで、そこに生じるエネルギーを保っていた。何週間もスタジオに缶詰になるようなことがないようにね。

—以前にインタビューした時、フランツは「女の子を踊らせる音楽を作りたい」とおっしゃっていたのが印象的でしたが、今はどんな気持ちで楽曲を作っているのですか?

僕らは今でも常に、“ダンス・ミュージックを演奏するギター・バンド”でありたいと思っているよ。

—完全にうまくいっていますね。

そうだね(笑)今では4人で一緒に演奏すると、自然とそうなるんだ。暗黙の了解で、全てがダンサブルになる。その大部分はポールのおかげだと思うよ。彼はエレクトロニック・ミュージックやハウス・ミュージックにはまっているから…アレックスもだね。だから、僕らの楽曲はリズムが常にダンサブルなんだ。少なくとも僕にはそう思えるよ。

—フランツの楽曲は、聴くとすぐにフランツだと分かるのに、それと同時にいつも新鮮です。今作では何か変えようと思ったことはありますか?

あるとすれば、今作は前2作品(『You Could Have It So Much Better』と『Tonight』)とは違うということかな。スタジオ入りする前に楽曲を完成させてから作った、という意味で。2枚目と3枚目では、曲作りとレコーディングを同時に進めていたんだ。特に3枚目の時は終わりのないまま部屋に入り、アルバムが完成するまでは出て来ないという状態だった。あれはあまり良い環境ではなかったよ。でも今作では、各曲が別の入口からスタートしていって、スタジオに入る前に楽曲が完成していることを第一優先にしたんだ。

—最初に完成した楽曲は?

確か最初の頃にアレックスが一人でデモを作ったのは、「Stand On The Horizon」と「Goodbye Lovers & Friends」だったと思う。「Love Illumination」は終盤に作ったんだけど、そのリフは最初の方にレコーディングした楽曲から生まれたものだったんだ。リリックのアイデアもあったから、それを1つにしてあの曲にしたんだよ。終盤になると、その時点で1年くらい一緒に演奏していたから、簡単ではないけどスムーズに進むようになった。一緒に時間を過ごすことによって、お互いの考えも分かってくるしね。

—今作で新たにトライしたことはありますか?

うん、たとえば「The Universe Expanded」は、その大半をストックホルムでビヨーン・イットリングとレコーディングしたんだ。彼が手掛けたリッキ・リーの作品をかねてから気に入っていたし、長年にわたって、彼のバンド(ピーター・ビヨーン&ジョン)と一緒にライブをしていたからね。ビヨーンとレコーディングした楽曲の骨組みは、おとなしめで少し行儀が良過ぎる感じだった。だから、スコットランドに持ち帰って、その上に重ねるようにレコーディングし、そこから下にあるものを差し引いたんだ。キックドラム風の音は、実はアレックスがマイクで胸を叩いている音なんだよ。パーカッション風の音は、アレックスの無精ひげの音なんだ。あの曲ではこれまでにやったことのないような、普段とは違ったアプローチを取ってみた。楽曲の最後のコーラス部分では、ストックホルムでのセッションが入ってくる。スコットランドから始まり、ストックホルムで終わるって感じ(笑)

—レコーディングは主にどこで行ったのですか?

「Right Action」と「Goodbye Lovers & Friends」はロンドンで行った最初のセッションで、ホット・チップのジョーとアレキシスとレコーディングしたんだ。長年の知り合いで、UKでは同じレーベルに所属しているし、僕らは彼らの音楽の大ファンだからね。彼らはちょうどツアーに出る前で、2週間くらいしか時間がなかったんだ。それで僕らと2曲を一緒に作って、逃げて行った(笑)

—レコーディングはいかがでしたか?

良かったよ!僕らは彼らの音楽が大好きだから、一緒にスタジオ入りして、その仕事ぶりや、頭がどのように回転するのかを見ることができてうれしかった。彼らはメロディーも得意だし、非常に才能豊かなプロデューサーなんだ。プレーヤーとしても素晴らしいしね。ビヨーンとのストックホルムでのセッションでは、「Treason! Animals.」と「The Universe Expanded」をレコーディングした。それから再びロンドンで、ノルウェー出身のトッド・テリエともレコーディングしたんだ。彼の作品の大ファンだから、こちらから依頼したんだよ。彼は「Evil Eye」と「Stand On The Horizon」を手掛けた。レコーディングはロンドンで行い、その音源を彼がオスロへ持ち帰ってプロデュースしてくれたんだ。残りはスコットランドとロンドンで、全て自分たちでセルフ・プロデュースした。他のプロデューサーを迎えた時も、僕らが共同プロデュースしたんだよ。

—レコーディング風景を撮影した動画を観ましたが、いつも仲良くて楽しそうですね。

今回は特に楽しいレコーディングだったよ。最近はあまりケンカもしないしね。お互いからしばらく距離を置いたのも良かったよ。何年も一緒に居るとストレスフルなものだから(笑)でもしばらく離れてから再会すると、どうして最初に相手のことが好きだったのかを思い出すんだよね。

— 4人がそれぞれベッドの中で目覚める、アルバムのトレーラー動画も面白かったです。フランツはビジュアル面でもいつもユニークな作品を出していますが、自分たちでアイデアを出すんですか?

あのトレーラーはアンディ・ノウルズっていう友人が作ったんだ。スタジオで撮影されたビデオも全て彼が手掛けた。すごく才能ある面白い男なんだよ。実際のミュージックビデオに関しては、僕らがディレクターと密に作業を進める。コンセプトやイメージといったことから全てね。バンドとディレクターでやり取りを繰り返して進めるんだ。

—リード・トラック「Right Action」のミュージックビデオは?

あのビデオはジョナス・オデールが手掛けた。60年代のペンギン・ブックスの本のデザインを参考に、エチオピアン・アートの要素なども取り入れられている。かなりパンチの効いた曲だから、陽気でアニメっぽいビデオにしたかったんだ。

—アルバムのタイトル『Right Thoughts, Right Words, Right Action』も、この楽曲の歌詞から取っているわけですよね?

うん。最初は「The Universe Expanded」がアルバムのタイトルとしても良いんじゃないかと話していて、もう1つの候補は「Evil Eye」だった。でも、『Right Thoughts, Right Words, Right Action』はとてもポジティブなイメージだし、バンドとして、今作にはポジティブな印象を抱いていたからね。ポジティブなエネルギーの詰まった作品だと考えて、このタイトルを選んだ。

—特に気に入っている楽曲はありますか?

「Stand On The Horizon」かな。ベースラインがすごく気に入っているんだ。「Bullet」は演奏していてとても楽しいし、「Evil Eye」もね。

—今作はライブにもぴったりな楽曲ばかりですね。11月の来日公演が今からとても楽しみです。

エネルギッシュなライブになるといいね。僕も来日公演がとても楽しみなんだ。実は収録曲は全て、既にどこかしらで演奏したことがあるんだよ。でも、来日公演ではアルバムがリリースされた後に演奏するわけだから、オーディエンスの反応が楽しみだよ。

—これまでの新曲への反応はいかがでしたか?

すごく良かったよ!セットリストにもうまくフィットした。過去の作品とも合うし、良い感じだよ。

—フランツは日本でも大人気ですが、皆さんにとって日本のイメージは?

信じられないくらいファンが熱狂的だよね。日本のファンは本当に音楽に夢中になって、熱中してくれるようだ。バンド活動をしていると、それはとてもうれしいことなんだよ。ものすごく遠い国からやって来て、こんなに自分たちの音楽にはまってくれる人がいるって、うれしいことだ。

—心に残っている日本での思い出は?

初来日の時にカラオケして、とても楽しかった…そういえば、ずっとカラオケ行ってないな!次回は行かなきゃ。すごく酔っぱらって…何を歌ったんだっけな(笑)1度来日した時に、ちょうどリバティーンズも来日していたこともあった。それで一緒にカラオケに行って、彼らがフランツの曲を歌って、僕らがリバティーンズの曲を歌ったんだよ。

—MTVの特番で、芸者とお座敷遊びしたこともありますよね?

そうだった!あれはすごかった!芸者とゲームしたんだ(笑)あれは楽しかったよ。来日すると普段はしないようなことができて楽しいよね。それに僕はいつも代々木公園に行くんだ。渋谷から歩いて行かれるし、ピースフルですてきな場所だ。

—今回の来日では、ファンとツイッターのQ&Aセッションをしたそうですね。

最高だったよ。答えられる以上にたくさんの質問が届いたんだ。レーベルのスタッフが質問を訳してくれたから、英語が分からないファンとも交流することができて良かった。中には奇妙な質問もあったね(笑)

—アートスクールで出会って、今でも仲の良さそうなバンドですが、今作のアルバムの最後の曲「Goodbye Lovers & Friends」は、別にお別れという意味ではないですよね?

大丈夫だよ(笑)あれはただ楽曲として書いただけで、アルバムの最後に入れるのにぴったりだと思っただけだからさ。僕らはあまり先のことは計画しないんだ。アルバムを出したらツアーを行うけど、その後にアルバムを制作する予定は決まっていない。スケジュール帳を予定でいっぱいにしたいタイプの人間ではないんだ。どちらかというと、それは避けたいくらいで。だから、未来は何が起こってもおかしくないよ。

—バンド活動をしていて、最も幸せを感じるのはどんな時ですか?

良いライブをした後かな。アルバムが完成した時も達成感はあるけど、その後に今のような時期が来るでしょ?誰も聴いたことのない段階で、アルバムについて話さなきゃならない時期がね(笑)でも実際にアルバムが出て、ツアーが始まり、良いライブができてファンが新曲に反応を示してくれると、それが最高のバズだと思う。パーティーして祝いたくなるよ。

—休みの日にメンバーと一緒に過ごすことはあるんですか?

うん、アレックスと合羽橋に行ったし(笑)ポールと僕はグラスゴーに住んでいるから、よく会うよ。ポールが僕のバーベキューに来たり、僕が彼の住んでいるエリアに歩いて行って、ビールを飲んだりね。

—最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

日本のファンのみんな、こんにちは。いつもライブに来てくれてありがとう。ニュー・アルバムを気に入ってくれるといいな。11月に戻ってくるからライブで会おうね!


Photo: Andy Knowles
Interview + Text: Nao Machida


フランツ・フェルディナンド

イギリスはグラスゴーにて、アレックス・カプラノス(Vo, G)とボブ・ハーディ(B)を中心に2001年に結成された4人組バンド。地元でライブ活動を始めると徐々に注目を集め、2003年にUK人気レーベルDOMINOと契約を果たす。04年リリースのデビュー・アルバム『Franz Ferdinand』が全英3位を記録し、主要音楽賞を総なめにして、一躍世界的な注目を集めるように。05年にセカンド・アルバム『You Could Have It So Much Better』をリリース、全英チャート1位を獲得すると同時に、世界各地で大ヒットを記録、日本でもオリコン洋楽チャート1位を記録した。翌年には「FUJI ROCK FESTIVAL」で史上最速のヘッドライナーを務め、大きな話題に。09年にサード・アルバム『Tonight』をリリースし、フジロックで2作連続でのヘッドライナーを務めた。本作『Right Thoughts, Right Words, Right Action』は、4年ぶり通作4作目となる待望の新作スタジオ・アルバム。



『Right Thoughts, Right Words, Right Action』

1. Right Action
2. Evil Eye
3. Love Illumination
4. Stand On The Horizon
5. Fresh Strawberries
6. Bullet
7. Treason! Animals
8. The Universe Expanded
9. Brief Encounters
10. Goodbye Lovers and Friends
11~13. 無音トラック
14. Evil Eye (Todd Terje extended mix)(ボーナストラック)
15. Stand On The Horizon (Todd Terje extended mix)(ボーナストラック)

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MTV LIVE: フランツ・フェルディナンド
9/16 [月] 14:00 - 15:30
9/22 [日] 23:30 - 25:00

Franz Ferdinand Japan Tour 2013
2013年11月19日(火)20日(水) 東京:ZEPP TOKYO
2013年11月22日(金) 大阪:ZEPP Namba
Info:SMASH www.smash-jpn.com

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