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リバース・クオモとスコット・マーフィーの“邦楽”ユニット Scott & Rivers日本語インタビュー

2013-04-18


あのウィーザーのリバース・クオモと、邦楽のカバー・アルバムでも知られるALLiSTERのスコット・マーフィーが、最近「日本語で歌う外国人」として話題です。彼らの名はScott & Rivers。3月に全曲日本語のファースト・アルバム『スコットとリバース』をリリースし、先日は東京と大阪でライブを行いました。会場では「洋楽じゃないよ」と書かれたバッジも販売されるほど、とことん“邦楽”にこだわったユニットなのです。

1度聴くとクセになる日本語ロックが気になって、MTV Newsは東京公演を翌日に控えた彼らに取材を依頼。すると2人から、「日本語でインタビューしてほしい」という要望が返ってきました。驚くほど流暢に日本語を話すスコットさんと、そんな彼に時折質問の意味を確認しつつ、一生懸命答えてくれるリバースさんに感心させられっぱなしだった今回のインタビュー。2人のアメリカ人ミュージシャンは、なぜ日本語で音楽活動を始めようと思ったのか?その全てを聞いてきました。日本語で。



—今日は日本語でよろしくお願いします!

スコットとリバース: よろしくお願いします!

—リバースさんは最近、日本語専用のツイッター・アカウントもお持ちですね。ときどき「寂しい」って書いてあって気になります。大丈夫ですか?

リバース: 今は大丈夫です。いつも…真ん中?

スコット: あ、夜中?

リバース: うん、夜中に、たくさんプロモーションした後で…家族がいません。寂しいです。

—そうだったんですね!気になっていたんです。

リバース: ありがとう。



—初めてテレビでScott & Riversを観た時は本当に驚きました。それからアルバム『スコットとリバース』を聴かせていただいたのですが、まるで日本人が歌っている邦楽のように、自然に楽しませていただきました。そもそも2人はどのように出会って、なぜ日本語で音楽活動をしようと思われたのですか?

リバース: 2006年に結婚した後で、家内は毎日、日本の音楽番組を観ていました…家内は日本人です。(日本の番組は)ロスでも観れますし、熊本でも(註:奥さまは熊本県出身)。だから、私はちょっとうらやましかったです。それで(日本語の音楽活動を)やりたいと思いました。でも日本語まだ難しいから、パートナーを探して、スコットさんに連絡しました。

—日本の音楽はアメリカの音楽と比べて違うものですか?

リバース: うん。全然違います。日本の音楽はアメリカの音楽より、もっと…コンプレックス?

—複雑ですか?

リバース: うん、フクザツです。コード進行やメロディ、転調が複雑です。アメリカの音楽は、もっと繰り返す。だから、ちょっと興味がない。つまらないです。日本の音楽は私に自由をくれます。

—日本の音楽が自由を!そうなんですね。スコットさんは以前から邦楽をカバーされていましたが、最初はどのようなきっかけで日本語の音楽に興味を持ったのですか?

スコット: 10年くらい前にALLiSTERで日本に来た時に、スピッツのアルバムを聴いてすごく好きになって。その時はあまり日本語しゃべれなかった…全然しゃべれなかった(笑)でも、どんどん日本語を勉強して、好きな日本のアーティストが増えて、やっぱり自分でも日本語で歌ってみたいなと思いました。

—とても流暢にお話しされていますが、日本語のレッスンを受けたのですか?

スコット: 受けてないです。独学で。

—すごいですね!ペラペラですね。

スコット: いやいや、そんなことないです。



—リバースさんがスコットさんに連絡をして、最初に会ったのはいつですか?

スコット: うちらが出会ったのは、いつだっけ?3、4年前かな。

—海外で音楽活動をしてきたアーティストが、共に日本語で活動したいと思うって珍しいことですよね。最初に会って話をした時から、2人が目指していたものは同じだったんですか?

スコット: そうですね。ロスで会って、なんか日本の話で盛り上がって。ぜひユニット組んでみようって。で、わりとすぐやり始めました。

—2人で最初に作った日本語の曲は、アルバム『スコットとリバース』に収録されていますか?

スコット: 1番最初にレコーディングしたのは「HOMELY GIRL」です。で、4年間でちょっとずつレコーディングして、やっぱり2人ともその間に(日本語が)上達していたんです。最後の方にアルバムとして聴いたら、うちらの日本語があまりうまくない状態だったから、録り直しました。だから「HOMELY GIRL」は、最初でもあり最後でもある曲です。



—邦楽に挑戦した2人にとって、日本の楽曲のどのようなところが1番の魅力ですか?リバースさんは2009年のフジロックで「君が代」を歌っていましたよね。

リバース: うん。メロディが大好きです。すごくきれい、神秘的。感動する。日本っぽい。それに、毎日うちで子どもの歌を聴いています。♪サッちゃんはね~♪

—童謡を聴いているんですね。「サッちゃん」のメロディも日本っぽいと思いますか?

リバース: うん。日本っぽい!

—日本の童謡って、子ども向けなのにどこかちょっと切ない感じがありますよね。

スコット: そうだね。「たいやきくん」とか、すごい切ない曲じゃないですか(笑)

リバース: (英語で)メロディ?それともリリック?

スコット: どっちも。

—1番最初に夢中になった日本のアーティストは?

リバース: ユミ・アライ。

—ユーミンの初期の曲が好きなんですか?

リバース: うん、70年代。ユミ・アライです。

—それも奥さまの影響で?

リバース: お姉ちゃん。義理のお姉ちゃんです。阿蘇に運転しながら、ずっとユミ・アライのベストを聴きました。

—1番好きな曲はどれですか?

リバース: 「翳りゆく部屋」です。

—ちょっと切ない感じの曲がお好きなんですね。

リバース: うん。



—日本の音楽に詳しいスコットさんが、最初にはまった邦楽は?

スコット: 最初はスピッツとかサザンオールスターズを聴いて、それから椎名林檎さんのアルバムを聴いて、すごい感動しました。彼女の声とか、独特な日本っぽいメロディで、でもいろんな楽器を使っているところとか。アメリカにはない感じの音楽です。

—そして今回、Scott & Riversの邦楽アルバム『スコットとリバース』がリリースされたわけですが、最初からこのユニットでアルバムを作ろうというゴールはあったのですか?

リバース: 何?

スコット: アルバムを作ることは僕らのゴールだった?

リバース: あー!紅白をしたい。

—紅白歌合戦に出演することがゴールなんですか?

リバース: うん。毎年観ています。

—そうなんですね(笑)今回のアルバムでは、2人はどのようなプロセスで曲作りをしたのですか?

リバース: 最初は私が英語で歌を作って、音楽を作曲してスコットに送りました。

スコット: で、それを見て、イメージして日本語の歌詞を書きました。ほとんど全部の曲をその形で書きました。

—翻訳をしていると、ぴったりと来る言葉が見つからなくてモヤモヤすることもあると思いますが、日本語で作詞をする上で1番難しいのはどんなところですか?

スコット: 1番難しかったのは、日本の詞はあんまり韻を踏まないこと。やっぱり英語で歌詞を作る時に必ず韻を踏むので、どうしても韻を踏まないと気持ち悪いんです。それに僕の日本語は完璧じゃないから、本当に言いたいことがあんまり言えなくて。

—アルバムを聴く限り、日本人が作詞したみたいに完璧でしたよ!たとえ言葉が話せても、作詞はさらにレベルの高い難しいことだと思うので、とても感心しました。

スコット: ありがとうございます。



—たとえば、英語で「切ない」の意味を説明しようとして、言葉が見つからなくて困ったことがあるのですが、そういう言葉ってありますか?

スコット: 難しいよね!結局何にした?

—いろいろ説明したんですけど、お互いモヤモヤしたままだった気がします(笑)リバースさんは「切ない」って分かります?

リバース: 分かります!(急に英語で)僕はfoot(足)とleg(脚)が両方“あし”なのが、いつも納得いかないんだ。人体における全く異なる部位なのに!

—なるほど。先ほどリバースさんは、日本語の音楽に自由を与えられたとおっしゃっていましたが、日本語を覚えたことや、日本語での音楽活動を通じて、考え方が変わったことはありますか?

リバース: アメリカで芸術家は大切な人。テレビであまりからかわれない。でも「スッキリ」で、加藤(浩次)さんはちょっとからかいました。でも面白いし、多分いいことだと思います。日本では謙虚な気持ちになります。芸術家は普通の人だから。

スコット: 僕は(日本語の)学校に行っていないから、大体会話で勉強していて、「この言葉=この言葉」という風には考えていないんです。日本語をしゃべる時は日本語の考え方にしています。

—頭の中で切り替えるんですか?

スコット: そうそう、切り替える。だからリバースから「その言葉って英語で何て言うの?」って聞かれると、逆にすごい難しい。

—リリックでも「HOMELY GIRL」の“目が一重、二重”とか、とても日本的ですよね。「I NEED SOMEBODY」の仕事に追われる日々の描写や、「ほどけていたんだ」の“毎日電車に乗って”という部分など、2人が歌っているのに日本の風景が浮かんできました。そういった日本っぽい要素は、リバースさんが書いた英語詞に入っていたのですか?

リバース: 私はたぶんアメリカのイメージを使います。そして、スコットさんは日本っぽいイメージを書きます。



—音楽面では「おかしいやつ」をはじめ、ウィーザーのアルバムに収録されていてもおかしくないようなサウンドが満載で、でも日本語で歌われているので、とても不思議な体験でした。

リバース: いつも歌を作る時、目標がない。私の座右の銘は「神のみぞ知る」です。だから、たぶんこの歌はウィーザーのCDにも似てる。

—そうですね。似ている部分もあるんですけど、その一方で「朝が近い」とか「遠く離れても」の特にイントロ部分などは、とても邦楽っぽく感じました。日本語の曲だからあえて冒険してみた部分はありますか?

リバース: 「朝が近い」を作った時、目標がなかった。実は日本人の作曲家と作りました。でも、日本のアーティストにあげましょうとか、ウィーザーのCDに出ますとか、他のプロジェクトとか…目標が…I had no idea(何に使うか決めていなかった)。神のみぞ知る。実はいつも、いろいろなスタイルに興味があります。アメリカで、ときどきラップを作っています。

—リバースさんがラップするんですか?

リバース: うん。いま習っています。

スコット: ラップって習うものなの?(笑)

—(笑)じゃあ今度はぜひ日本語でもラップに挑戦してください。

リバース: 日本語で!? グッド・アイデア!

—ようやく2人で作ったアルバムが完成して、最初に聴いた時はどう思われましたか?

リバース: ほっとする。

スコット: やっぱり4年間がんばって作った作品なので、子どもみたいに思えて、みんなに聴いてもらえるようになって、すごいうれしい。

—リバースさんは奥さまの影響で邦楽に興味を持ったとのことですが、奥さまはアルバムを聴いて何とおっしゃっていましたか?

リバース: 家内は音楽はあまり興味がない。若い時、音楽が大好きでした。今は音楽の情報だけ読んでいます。毎日毎日インターネットで読んでいます。でも音楽は聴きません。

—でも『スコットとリバース』は聴かれたんですよね?

リバース: 聴きました。たぶん好きです。あまり(感想は)言いませんでしたけど、彼女は…(英語でスコットに)何ていう言葉だっけ?

スコット: 応援?

リバース: うーん…プロモーションをプッシュする?

—もっとプロモーションするべきだと?

リバース: うん。



—それから、アルバムでは木村カエラさんの「Butterfly」をカバーされていて、とてもユニークな選曲だと思いました。なぜあの曲を選んだのですか?

スコット: このアルバムは春のリリースだったから、春っぽい曲がいいなと思って。木村カエラさんの「Butterfly」か松任谷由実さんの「春よ、来い」にしようと。いろいろ考えたんだけど、結局あの曲がすごく良くて。

リバース: すごく複雑。たくさん転調。

—日本的な曲だと思いますか?

リバース: うん。

—子どもの頃、意味も分からずに聴いていた洋楽の内容を、大人になってから知って驚いたことがあるのですが、日本語の曲でそういうことってありますか?

リバース: まだ(日本語が)2歳の子どもみたいだから、分かりません(笑)

スコット: 僕は1番最初にカバー・アルバムを出した時、その時はあんまりしゃべれない頃だったから音で歌詞を覚えて、何の意味かよく分からなかった。けど今歌うと、「あ、そういう意味だったんだ!」って。そういう発見をすると、すごい面白いです。

—Scott & Riversのライブでは、アルバムの楽曲を日本語で披露されるわけですよね。外国語で歌うのは簡単なことではないと思いますが、ライブにはどのように挑みますか?

スコット: 完璧にカンペ(笑)覚えにくい言葉はメモって。覚えるのは大変ですね。

リバース: 本当はスコリバと演奏するのは簡単です、ウィーザーより。他の(自分以外の)フロントマンがいるから。(スコットは)よくしゃべっています。

スコット: それは悪い意味?(笑)

リバース: プレッシャーが下がります。楽になる。




4月4日に行われた東京・渋谷CLUB QUATTRO公演には、くまモンがサプライズ出演!

—リバースさんは、日本語の歌詞は大丈夫ですか?


リバース: (ため息)…はい、本当はすごく難しいです。

—アルバムも発表して、ライブも行って、たくさんのファンを魅了されていますが、将来的にScott & Riversとして、また新しいアルバムを作る予定はありますか?

リバース: はい。

—今後もご活躍を楽しみにしています!最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

スコット: このアルバムはすごいがんばって作った作品なので、みんなにぜひ聴いてもらいた
いと思います。これからどんどん面白いことやりたいと思うので、よろしくお願いします。

リバース: スコリバのライブに行ってください。すごく楽しみですね。



Interview + Text: Nao Machida
Photos: Tetsuro Sato
Make-up: Megu
Live Photos: Taku Fujii




Scott & Rivers
LAのオルタナティブ・ロックバンドweezerのG,Voのリバース・クオモとシカゴのポップなパンクバンドALLiSTERのB,Voのスコット・マーフィーが共通の友人であるエンジニアを介して意気投合!リバースの念願だった日本でオリジナル日本語楽曲デビューを果たす。そして2012年末の大型ロックフェスで初お披露目し、早くも話題に。



『スコットとリバース』
01.BREAK FREE
02.HOMELY GIRL
03.FREAKIN’ LOVE MY LIFE
04.おかしいやつ
05.朝は近い
06.終わりのないこの詩
07.遠く離れても
08.I NEED SOMEBODY
09.はじける
10.ほどけていたんだ
11.Butterfly
12.君と二人で

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