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『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』アン・リー監督 来日インタビュー

2013-01-25


『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー監督賞に輝いたアン・リー監督の最新作『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』が、本日(1月25日)より全国で公開中だ。原作はブッカー賞を受賞した世界的ベストセラー小説「パイの物語」(ヤン・マーテル著)で、海で嵐に見舞われ、ただ一人生き残った少年パイが、一頭のトラと共に小さな救命ボートで大海原を漂流した227日を描いている。

映像化不可能と思われた奇想天外な物語を3Dを駆使して見事にフィルムに収めたリー監督が、「パイは全ての人を表している」と語るとおり、今作の圧倒的な映像美の奥には、多くの心を揺さぶるであろう哲学的なメッセージが織り込まれている。公開を前に来日した監督がMTV Newsの取材に応じ、作品の見どころや撮影秘話を明かした。映画は2月に発表される第85回アカデミー賞で、作品賞、監督賞を含む計11部門にノミネートされている。



—今回は『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』を携えて来日してくださって、どうもありがとうございます。

アン・リー監督(以下、監督): 喜んで!日本に来るのは大好きだよ。

—今作は視覚的にも精神的にも得るものの多い作品でしたし、まるでパイとトラのリチャード・パーカーと共に、自分もボートに乗って漂流しているような気持ちになりました。

監督: どうもありがとう、それはうれしいね。

—原作を読んだ時に映画化は不可能だと思ったのですが、見事に映像化されていて感動しました。よく「子どもと動物とは仕事をするな」と言われますが、今作には子どもや動物に加えて、大量の水や宗教問題、さらには3D技術と、難しい要素が詰まっています。監督はなぜ今作に挑もうと思ったのですか?

監督: この物語のとりこになってしまったんだ。僕自身、原作を読んだ時は、映画化は到底無理だと思った。それなのに映画化の依頼を受けてから、気になって仕方なかったんだ。取りつかれてしまったんだよ。できれば忘れたかったし、「僕の邪魔をしないでくれ!」という気分だった(笑)でも、なぜか考えるのを止められなかった。今作には難題がぎっしり詰まっているけれど、僕はある日、もし別の次元を使ったら可能性が広がるのではないかと考えた。3Dなら可能かもしれない、とね。僕はときどき、そんな風にひらめくんだ(笑)

—そのような難題の詰まった作品において、最も大変だったことは何ですか?

監督: 最も難しかったことは、どのように物語をまとめるかだったように思う。特に最後のシーンで、観客が映画の世界から冷めることなく、彼にどのように物語を語らせるか、という部分がとても難しかった。原作の本質は、人間が持つ想像力の素晴らしさにあると思う。しかしフィルムメーカーとしての僕らは、感情的な要素や映像に頼ってしまいがちだ。だから今作はある意味、非常に映画向きではない作品なんだと思う。僕は最後のシーンで長いこと行き詰まってしまった。何度か撮り直しをしたぐらいだよ。書き直しではダメなんだ。それよりも、俳優を使っていろんなことを試す必要があった。

全ては彼らの演技のおかげだよ。役者が台詞にいかに没頭しているか、どのように台詞を話すか…それはとても難しいことなんだ。パイは全ての人を表しているから、役者は万人のために哲学的な台詞を代弁しなければならないわけだからね。彼は指導者のような話し方はしないし、とても一般的に話をするんだ。でも、映画であるからには感情を表現し、人格化しなければならない。僕はもう少しで今作を完成できないところだったよ(笑)だが、あるテイクを観た時に「これだ」と思ったんだ。台詞の言い方も完璧だったし、全てが完全だった。スラージ・シャルマが素晴らしい役者であるということだけでなく、たくさんのオプションを試すことが必要だったんだ。トライ&エラーの繰り返しだよ。3Dに関しては誰からもアドバイスをもらうことができなかったし、とにかく試し続けるしかなかった。


3000人以上の中から選ばれたスラージ・シャルマは演技初体験。当時は高校生で、撮影セットで18歳の誕生日を迎えた。

—3Dや視覚効果といった最新技術はもちろん素晴らしかったですが、おっしゃるとおり、今作では役者の演技力が本当に素晴らしかったです。特に今作が演技初体験だという16歳のパイを演じたスラージ・シャルマさんが印象的でしたが、何か撮影中に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

監督: 僕は彼に会った瞬間、パイだと感じたんだ。それが彼を抜擢した最大の理由だよ。当初、僕の中にはパイの具体的なキャラクター設定がなかったのだが、スラージに会って、どのように映画を作っていくべきか分かった。彼は深い瞳の持ち主で、ソウルフルなルックスをしている。プロの監督として、カメラ映りも良いだろうと思った。そこでテストをしてみたところ、役者としても天才肌だと分かった。ある状況を与えられると、そこから抜け出せなくなるような貴重な才能の持ち主なんだ。彼の思い込みの能力はとてつもないものだよ。パイが独白するシーンの台本を読ませると、最後には泣き出し、震え出した。僕は金山を掘り当てたのだと確信したよ(笑)

特に印象的だったのは最後の3ヶ月。僕にとって、それは非常に特別な体験になった。スタントは使わず、全てのシーンに映っているのは他の誰でもない彼だ。彼は弱音も吐かず、ケガもせず、病気にもならなかった。もしケガでもしていたら撮影できなかったわけだが、彼はとても頼りになる役者だった。最後の3ヶ月は順撮りしたから、パイの旅と並行して、彼はどんどん痩せていった。現場では誰にも彼と話をさせず、わざと孤独にした。彼は少しずつスピリチュアルになっていき、頬はこけ、目は落ちくぼんで、内なる狂気と闘っていたよ。それは17歳の少年にとって、とても大きな試練だった。クルー全員、撮影全体が彼を頼っていたからね。

僕が彼に伝えたのは、「言うとおりにやればいい、でも、いつでも応じられる準備はしておいてほしい」ということ。毎日現場入りしたら、パイを演じる準備をしておいてほしい、とね。見事にやり遂げた彼を見て、本当に感動したよ。彼は素晴らしい若者だ。撮影前の3ヶ月間の訓練で、僕は彼に演技の個人指導をした。それにデリーで育ち、1度も海を見たことのなかった彼は泳げなかったから、水泳のレッスンも必要だった(笑)決して最も自制心の強いタイプというわけではないが、映画人としての素質が感じられる。現場に入るとアドレナリン・ラッシュを感じて、ハイになるんだ。天才肌だよ。

彼を演出していると、まるで小さなブッダのようで、僕は彼が前世で経験したたくさんのことを思い出させているような感覚になった。彼との撮影は素晴らしい、有意義な体験となったよ。彼を通じて、そもそもなぜ自分たちが映画を作りたかったのか、初心に立ち戻ることができた。彼の母親は僕を先生と呼んでいたのだが(笑)、彼に教えることで、僕も多くを学ぶことができた。

—彼は今後も俳優業を続けるのでしょうか?

監督: ああ、映画製作に関わる仕事がしたいと言っているよ。俳優でも監督でもいいから、とにかく映画製作の現場にいたいそうだ。


海上のシーンは、波を作る機能を備えた水量640万リットルの巨大なタンクで撮影された。

—MTVを観ている多くの人は、劇中のパイと同世代だと思います。日本では長引く不況もあり、若者が夢や希望を抱くのが容易ではない時代が続いているのですが、日本の若者には今作からどのようなことを感じ取ってほしいですか?

監督: 希望と想像力を失わないでほしい。それに、生身の人間と交流すること。パソコン上の交流は、どちらかというと見せかけだと思うよ(笑)僕はたとえどんな状況でも、証明できないことに対して希望や信頼を抱くことは大切だと思っている。それはとても重要なことだ。それに、クリエイティブであること。そうすることによって、辛い状況からも自分を見出せるはずだ。



—哲学的なメッセージがたくさん含まれた作品だと思いますが、監督自身が今作から得た最も大きなメッセージは何ですか?

監督: これはさまざまな方向に解釈できる作品だと思っている。僕は観客があらゆる角度から観ることになるだろうと念頭に置いて、今作を作っていた。それと同時に、とてもシンプルな冒険物語でもあるわけで、この映画は本当に難しい作品だった。

僕自身の考えに絞るとすると、今作の最も大きなメッセージは、物語を伝える力の素晴らしさだろう。人生は筋の通ったものではなく、我々は自然を理解するには小さ過ぎる存在だ。しかし、人は想像力や物語を伝えることによって、正気を保つことができる。長い物語を語っている時、人はあまり孤独を感じないものだ。たとえそれが空想だったとしても、物語を伝える力は、とても必要なものなんだと思う。

だから僕は証明できないことを大切にしたいと思っている。自分にとって、それは盲信なんだ。もちろん、僕はスピリチュアルに考えがちだ(笑)神が外的な存在なのか、内なる存在なのか、それを証明するものはない。それでも僕は、神とコミュニケーションを図ることは大切だと考えているよ。



『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
1960年代初めのインド・ポンディシェリで生まれたパイは、父親が経営する動物園でさまざまな生き物と触れ合い、勉強や初恋に一喜一憂する少年だった。ところが1976年、16歳になったパイの人生は根底からひっくり返ってしまう。カナダへの移住を決めた両親、動物園の動物たち、そしてパイが乗り込んだ日本の貨物船が、洋上で嵐に見舞われて沈没したのだ。生き残ったのは、必死の思いで救命ボートに避難したパイと、足を折ったシマウマ、ハイエナ、オランウータン、そしてベンガルトラのリチャード・パーカーだけだった。まもなくシマウマらが相次いで命を落とし、パイは体重200キロを超すトラとともに、果てしなく広大な太平洋をさまようことになる。わずかな非常食で当面の飢えをしのぎ、家族を亡くした悲しみと孤独にも耐えるパイは、どのようにして腹を空かせた獰猛なトラの襲撃をかわし、この絶望的な極限状況を生き抜いていくのか。今では大人になったパイがカナダ人のライターに語って聞かせたその先の物語は、まさに事実は小説より奇なり、227日間にも及ぶ想像を絶する漂流生活が待ちうけていた…。

監督:アン・リー(ブロークバック・マウンテン/グリーン・デスティニー)
出演:スラージ・ジャルマ、イルファン・カーン、ジェラール・ドパルデュー、ほか
原作:ヤン・マーテル「パイの物語」
配給:20世紀フォックス映画
2013年1月25日(金)、TOHOシネマズ日劇ほか全国公開 <3D/2D同時上映>
© 2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM

オフィシャルサイト>>

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Interview + Text: Nao Machida

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ローカル・ネイティヴス、待望のセカンド・アルバム『Hummingbird』を語る

2013-01-23
2010年にデビュー・アルバム『Gorilla Manor』で注目を集め、ここ日本でも日本盤発売前という異例のタイミングで「FUJI ROCK FESTIVAL '10」に出演し、多くの音楽ファンを魅了した、ロサンゼルス出身のローカル・ネイティヴス。4ピースとして新たに出発した彼らが、プロデューサーにザ・ナショナルのアーロン・デスナーを迎えて完成したセカンド・アルバム『Hummingbird』が、本日(1月23日)リリースされた(日本オフィシャルサイトにて全曲試聴実施中)。

ベーシストの脱退やケルシーの母親の死など、さまざまな経験を通じて深みを増したローカル・ネイティヴスの新たなサウンドについて、昨年11月に開催されたライブイベント「Hostess Club Weekender」で来日したバンドのメンバー、ケルシー・エアー(Vo, Key)とマット・フレージャー(Dr)が、MTV Newsに語ってくれた。



—今回は待望のセカンド・アルバム『Hummingbird』のリリースを控えての来日ですね。大ブレイクしたデビュー・アルバム『Gorilla Manor』に続く作品で、ファンの期待も大きいかと思います。

マット(写真左から2番目):  どんなバンドでも、セカンド・アルバムには大きなプレッシャーがつきものなんじゃないかな。

ケルシー(写真左): 僕らの場合、どちらかというと自ら課したプレッシャーだったかも。自分たちも気に入ることができて、誇りに思えるような良い作品を作りたいと強く思っていたから。結果がどうなるかは神のみぞ知るってところだよね(笑)僕らは全力を尽くしたから、それがどのように受け止められようが構わないんだ。成功するために曲作りをしているわけではないから、どれだけヒットするかは心配していないよ。

—デビュー・アルバムでの成功はどのように受け止めましたか?

マット: もちろん自分たちの音楽を信じてはいたけど、まさか複数の大陸をツアーするようになるとは想像していなかったよね。

ケルシー: うん。

マット: クレイジーなことだよ!

ケルシー: かといって圧倒されたかといえば、そうでもない。僕らはいつも自分たちの世界にいるようなものなんだ。前作も今作も変わらず、1つの部屋で一緒にアルバム制作をしたし、いつもみんなでいろんなことを考えて決めている。成功したところで気持ちの変化はないんだけど、人から「日本へ行ったの!?」とか言われるとハッとするんだ(笑)

マット: え?って思うよね。

ケルシー: でも街を歩けないほど有名になったわけじゃないし、超リッチになったわけでもない。今までどおり活動しているだけさ。ただ、こうやって日本に来られたりすることはとてもうれしいから、そういった意味では成功に感謝しているよ。

—新作『Hummingbird』は、前作と変わらぬ美しいハーモニーが健在でありながら、より深みのある、少し影のあるサウンドも感じられました。

ケルシー: メンバー全員、ここ数年で大きく成長したと思う。それがサウンドや曲作りに表れたんじゃないかな。自分たちが経験してきたことも、間違いなく曲に反映されているしね。とても自然な方向性だった。

マット: 僕らにとって、ごく自然な次なるステップだったよね。何かフレッシュなことにトライして、ミュージシャンとしての自分たちを駆り立てたかったんだ。

—ベースのアンディが脱退して、4ピース・バンドとしてのアルバム制作はいかがでしたか?

マット: 4人になったこともサウンドの変化に影響していると思う。全てをライブ収録することができなくなり、もっと実験的なことも試さざるをえなかった。でも、その状況が確実にポジティブな結果を生んだと思うよ。

ケルシー: 最初はとても難しかったんだ。僕らは何でもライブ演奏で収録することに慣れていたのに、もうそれができなかったから。4ピース・バンドなのに、5ピース向けの曲を書いていた。だから、まずはパーツを録音してみて、それをスピーカーを通して聴いてみてから、バンドとして演奏することにした。大きな調整が必要だったけど、慣れてきたら逆に良い作品を作る上で有効だった。



—アンディが脱退した理由を聞いてもいいですか?

ケルシー: 実は僕らの方がアンディと別れたんだ。ただ、方向性が違ってきたように感じてね。僕ら4人は同じページにいるのに、彼は別のページにいるという感じだった。だからお互いのために、別々の道に進むべきだと感じた。

マット: とても辛かったよ。

ケルシー: すごく残念だった。でも全員にとって、こうするべきだったんだと思う。

—4人になったローカル・ネイティヴスの曲作りのスタイルは?

ケルシー: いつもテイラー(Vo, G)と僕が作曲するんだ。それで4人がそれぞれアイデアを持ち寄って、2人とか3人とかに別れて書いてみて、マットと一緒にジャム・セッションを始める。1人から始まって、4人で育てるという感じかな。

マット: ときどき、みんなの同意を得るのが大変なんだよね。

ケルシー: 好きだからやれる作業さ。

マット: うん、だからこそ良い曲が生まれる。

—そしてローカル・ネイティヴスといえば、ハーモニーが本当に素晴らしいですが。

ケルシー: ありがとう!今作ではただハーモニーを入れるのではなく、本当に意味がある場合に入れることにしたんだ。いつも通り、いろいろ曲をいじっていく上でアレンジを変えていった。メインのメロディーを主軸に追加していく作業なんだよ。



—アルバムのタイトル『Hummingbird』の意味は?

ケルシー: タイトルはアルバム制作の最後に決めたんだ。収録曲「Colombia」のリリックから取った。アルバム全体を表現する上で適していると思ってね。あの曲の中での“ハミングバード(ハチドリ)”は、もっと特定のものを意味しているんだけどね。

—特定のものとは?

ケルシー: 2011年に亡くなった僕の母へのオマージュなんだ。でもアルバムのタイトルとしての“ハミングバード”は、落ち込んでいた僕らがその状態から反対側に抜け出し、その状況をより良い、強いものにしようとしていた時の気持ちに由来しているんだ。

—プロデューサーにザ・ナショナルのアーロン・デスナーを迎えた経緯は?ローカル・ネイティヴスはザ・ナショナルとツアーしていたんですよね?

マット: ザ・ナショナルのメンバーはみんな良い人たちなんだけど、僕らはツアー中、特にアーロンと一緒に過ごした。彼はこれまでにもプロデューサー業をしているし、協調的なマインドの持ち主だから、一緒に仕事をしたらどうだろう、と話していた。他にも何人かのプロデューサーと話したんだけど、アーロンも僕らもお互いに興味があったし、うまくいくと思ったんだ。

ケルシー: デビュー作にもプロデューサーはいたんだけど、全て自分たちで書いてアレンジした。だから、第3者が僕らのプロジェクトに加入して、クリエイティブな面でアイデアを追加するという経験は今回が初めてだったんだ。僕らにとって、クリエイティブ面でのコントロールを手放すのは難しかったけど、アーロンのおかげで楽にできた。マットも言ったようにとても協調的な人だし、過去にも他のアーティストと仕事した経験があるからね。かなりの速さで、とてもうまくいったんだ。

—レコーディングはブルックリンにあるアーロンのスタジオで行ったそうですね。ロサンゼルスからニューヨークへ行って、いかがでしたか?

マット: おかしいんだけど、僕らは「気が散らないようにLAを出よう!」と言ってニューヨークへ向かったんだ。でもニューヨークに着いたら、気が散るような楽しいことだらけだった。

ケルシー: (笑)

マット: でも良かったよ。ほとんどの時間はアーロンの家に住まわせてもらった。アーロンはビクトリア様式の古い家に住んでいて、僕らは最上階に滞在したんだ。

—じゃあ、前作に続いて共同生活をしながらアルバムを作ったんですね。

ケルシー: LAでレコーディングしていたら、共同生活は実現しなかっただろうね。

マット: 今作ではこれまでの安全地帯から少し抜け出すことを念頭に置いていたから、全く違う街に2、3ヶ月住んで、自分たちの慣れ親しんだ環境から離れるのは良い経験だった。

—何かニューヨークでの面白いエピソードはありますか?

ケルシー: ニューヨークの僕らは制作に没頭していて、ある時点ではみんな行き詰まって、自分の髪の毛を引っこ抜いているような状況だった。全員思い描いているゴールは同じなのに、そこまでどう辿り着くかという点で、なかなか同意できなかったんだ。間違いなく大変な作業だったけど、面白いエピソードと言われると、追って連絡させてもらうよ(笑)とにかくアルバムを完成させようと必死で、常にパニクっていたんだ!



—アーロンをプロデューサーに迎えたこと以外に、今作で何か新しいことにトライしましたか?

ケルシー: 今作は5ピースから4ピースへの過渡期だったから、全てをライブ収録するというアイデアは窓から投げ捨てて、とにかくいろいろ試して、曲に加えていくことにした。それはアーロンが提案してくれた大きなことだったと思う。「心配しないで、とにかくトライしてみよう」ってね。それにより、決してやり過ぎることはなく、シンセやフェイクドラムを取り入れてみた。それに、1作目では僕もマットと一緒にリズムを演奏していたんだけど、今作ではメロディーやキーボードに集中して、マットにリズムを任せたんだ。

—リード・シングル「Breakers」についてお聞かせください。

ケルシー: あの曲には、僕らがこのアルバムでやろうとした全ての要素が少しずつ詰まっていると思う。僕らの新たなサウンドへの良いイントロになると思って、リード・シングルに選んだ。

マット: 新たなサウンドへの緩やかな足がかり的な曲だよね。アルバムにはこれまでのサウンドともっと大きく違った曲もあるけど、この曲は僕らの成長が反映されていながら、かつての僕ら的な要素も含まれているように思う。

—アルバムの中で、ご自身にとって特に大切な曲はありますか?

ケルシー: 僕にとっては「Bowery」かな。アルバム制作の初期に書いた曲で、いろんなレベルでうまくいかなくて、すごく苦労したんだ。でも、みんなで一緒に完成できるだろうという希望が常にあった。だから、完成した楽曲にとても満足しているんだ。

マット: 僕にとっては「Black Spot」も今作のハイライトだな。苦労する曲もあれば、自然にできる曲もあるんだけど、「Black Spot」は後者だったんだ。僕らはジョシュア・ツリー(カリフォルニア州の国立公園)に行って、奇妙なドームハウスを借り、5日間ぶっ通しで曲作りをした。ケルシーがキーボードで書いたメロディーがあって、それを元にすごい早さで完成したんだよ。僕らにとっては珍しいことなんだ。すごく良い気分だったよ。

—日本のファンにアルバムの聴きどころを教えてください。

マット: 今作について「ダーク」とか「ヘヴィー」っていう言葉がよく出てくるけど、勘違いはしてほしくない。ただ、これまでにはなかったような重みがある作品なんだ。デビュー作は明るくてスウィートで、夏っぽいハッピーな作品だと言われていた。今作の音楽にもオプティミズムは健在で、聴けば気分が上がることには変わりないと思うんだ。ただ、今作には…

ケルシー: 今作の方が、確実によりパーソナルな作品だよ。パーソナルな作品であるだけに、そうでない作品よりもヘヴィーな部分があるんだと思う。

マット: 確かにリリックが楽曲の感情を左右するかもしれないけど、シンセによって新たなサウンドが生まれたし、ハーモニーも健在だ。とにかく今作はユニークな作品だよ。



—「Hostess Club Weekender」(2012年11月3日に東京・Zepp DiverCity Tokyoにて開催)でのステージは、今作を引っさげての初ライブだったんですよね?

ケルシー: ちょっと緊張したけど、新曲を演奏するのはエキサイティングだし、リフレッシングだよ。今回が新作を引っさげての初めての本格的なライブだけど、ニューヨークとLAでも小さなライブをやったんだ。新曲を披露して、前作の曲と続けて演奏した時、自分たちの成長や進化が感じられて興味深かったよ。本当にたくさんのことを注ぎ込んで作った作品だからね。

マット: 興奮したよ。リハーサルしていても、新曲と古い曲をやると、良い意味ですごく違いを感じられるんだ。自分たちがこのような進化を遂げたことを実感できて、ワクワクしたよ。今後も進化し続けたいし、次に何が僕らを待ち受けているのか楽しみだよ。

—最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

ケルシー: ぜひまた来日したいよ!

マット: フジロックは楽しかったな。いつも応援してくれてどうもありがとう。もっと頻繁に来日したいよ!

ケルシー: できるだけたくさん来日するよ!

マット: 新作も気に入ってくれるといいな!僕らはとても気に入っているんだ。



Photos: Tetsuro Sato
Interview + Text: Nao Machida




『Hummingbird』
1. You & I
2. Heavy Feet
3. Ceilings
4. Black Spot
5. Breakers
6. Three Months
7. Black Balloons
8. Wooly Mammoth
9. Mt. Washington
10. Colombia
11. Bowery
12. Palms ※
13. 11 : 11 ※
14. Ingrid ※
15. Breakers (J£ZUS MILLION Remix) ※
※は日本盤ボーナストラック



ローカル・ネイティヴス
ロサンゼルスのシルヴァー・レイクを拠点に活動する現在は4人組のインディ・バンド。2010年初めにアルバム『Gorilla Manor』でデビュー。SXSWでのパフォーマンスが音楽業界で注目を集め、アルバム発売直後から「NME」や「ピッチフォーク」など各方面のメディアで"2010年大注目のバンド"として取り上げられ話題となった。日本ではアルバム国内盤発売前という異例のタイミングで「FUJI ROCK FESTIVAL '10」に出演。森に囲まれた昼下がりのホワイト・ステージでの彼らのパフォーマンスは、幻想的な世界を作り出し多くの観客を魅了した。さらに2011年、東京/大阪のジャパン・ツアーを開催。2012年11月にはニュー・アルバム『Hummingbird』のリリースを控え、「Hostess Club Weekender」でパフォーマンスを行った。

日本オフィシャルサイト>>
『Hummingbird』全曲試聴配信中!

13:30

ワン・ダイレクション初来日レポート

2013-01-22
全世界で大旋風を巻き起こしているUK発のボーイズ・グループ、ワン・ダイレクションが、1月にファン待望の初来日を果たした。実質2日間のプロモーション来日という弾丸スケジュールだったにもかかわらず、成田空港到着時から帰国の瞬間まで、日本中のファンが大熱狂。大きなインパクトを残し、11月の初来日公演を約束して、5人組は日本を後にした。ここでは18日に都内で開かれた来日記者会見と、19日に行われたファン・イベント「Team 1D Japan Party: 1Derland」での一問一答をどうぞ。


写真左から=リアム、ルイ、ゼイン、ナイル、ハリー

<ワン・ダイレクション来日記者会見>

全員: ハロー!コンニチハ!

リアム: ハーイ、僕の名前はリアム。

ルイ: 僕はルイ。

ゼイン: ゼインです。

ナイル: 僕はナイル。

ハリー: 僕はハリー。僕らを日本に呼んでくれてありがとう。アリガトウ。昨日到着したばかりだけど、もう日本のことが大好きになったよ。本当にどうもありがとう。

〜スペシャルゲストの堀北真希による花束贈呈〜

—堀北さんはワン・ダイレクションがお好きなんですか?

堀北: 私はワン・ダイレクションの大ファンで、いつも曲を聴かせていただいています。

—仕事の合間やプライベートに聴いているのですか?

堀北: そうですね。家では『Up All Night』のライブツアーのDVDを観たり、今回のアルバム『Take Me Home』は、限定版のYearbookを愛読しています!来日中は日本のファンの方たちとの交流もあると思いますが、日本女性のどんなところが魅力だと思いますか?

ハリー: 日本そのものが美しい国だし、女の子もきれいだよね。

リアム: ファッションも良いよね!

ハリー: うん、すごくおしゃれだと思う。

—堀北さんの振り袖姿について、どう思いますか?

リアム: すごくクールだね。今度は僕も着物を着てみたいな。

堀北: 本当に来日してくださいまして、ありがとうございます。日本からもたくさんのファンが応援していますので、これからもがんばってください。短い滞在だと思いますが、日本を楽しんでください!

リアム: どうもありがとう。すてきな花束もありがとう。



〜質疑応答〜

—日本から持って帰りたいもの、買って帰りたいものは?

ナイル: 日本の技術は最先端だし、僕らはみんなロボットが大好きなんだ。ゼインは昨日、ロボットを買ったんだよ。

ハリー: ゼインはホテルの部屋に3時間もこもって、ロボットを組み立てていたんだ。

—初来日の感想は?昨日は何をして過ごしましたか?

リアム: ホテルの部屋が高層フロアで、景色が本当に素晴らしいんだ。東京がこんなに広いとは気づかなかったので驚いたよ。

ルイ: 昨日はリアムとショッピングに行ったんだけど…

リアム: お前、声でかいよ!

ルイ: でかい?分かったよ。(マイクを外して)昨日はリアムとショッピングに行って、僕はポラロイド・カメラを買ったよ。それくらいかな。

リアム: 何を買ったかじゃなくて、何をしたいかを聞かれているんだよ。

ルイ: そうなの?

リアム: (笑)ディズニーランドやロボットとサッカーできる場所に行きたいって話したじゃないか。

ルイ: そうだったね。

ナイル: 僕らはロボットとサッカーできる場所に行ったんだ。素晴らしかったよ。それに昨夜はカラオケにも行ったんだ。

全員: すごく楽しかった!

—どんな曲を歌ったのですか?

リアム: たくさん歌ったよ。ジェイ・Zとか50セントとか…「Ireland in the Stream」とかね。「Baha Man」とか…

ルイ: あの名曲は何だっけ?

ハリー: 「I Want It That Way」とか、「As Long As You Love Me」もね。

リアム: とにかくいい歌をいっぱい歌ったよ。

ハリー: 「I Don't Want To Miss A Thing」とかね。


成田空港ではお揃いのハッピ姿で登場。

—ワン・ダイレクションの歌詞で英語を勉強しているファンのために、お気に入りの曲のフレーズを教えてください。

リアム: 好きな曲のフレーズ?難しい質問だな。

ルイ: ハリー、お前なら面白いリリックが思いつくだろう?

ハリー: 僕が好きなのは「Little Things」のリリックで、「You still have to squeeze into your jeans」(君は今もジーンズを履くのに苦労している)っていうフレーズ。

リアム: ファンが僕らの曲から英語を勉強してくれるなんて、すごくスイートだね。僕は日本語が勉強したいよ。前にも言ったかもしれないけど、僕らはぜひ日本語を学びたいんだ。

ハリー: 日本語を教えてもらっても、1時間くらいで忘れちゃうんだ。

ルイ: 僕も!

リアム: スタイルズ、今日のお気に入りの言葉は?

ルイ: 考えて!

ハリー: すぐ忘れちゃうんだ。

リアム: がっかりだよ。

—ようやく初来日されたところで気の早い話ですが、次に来日する予定は?

ナイル: 実はちょうど発表するところだったんだ。

全員: イェーイ!

ナイル: 11月2日と3日に幕張メッセでライブを行うために、日本に戻ってくる予定だよ。

ハリー: 2公演!

ナイル: 11月の2日と3日だよ!

リアム: サンキュー!

ハリー: (日本語発音で)ツーナイト!

—さらなるスケールで11月に戻って来てくださるんですね。

ナイル:
待ち切れないよ。

ハリー:
アリガトウゴザイマス!

リアム: ちゃんと日本語覚えてるじゃん!

ハリー: 今回は歓迎してくれてどうもありがとう。日本が大好きになったし、既にまた来日するのが待ち切れないよ。どうもありがとう!

リアム: 本当にずっと前から日本に来たいと思っていたから、ようやく来日できてすごくうれしいんだ。昨日は空港でたくさんのファンに歓迎してもらって、本当にうれしかった。ただ一言、ありがとうと伝えたいよ。

ハリー: ファンがツイッターやFacebookで来日を懇願してくれなかったら、きっと来日することはできなかったよ。本当にありがとう。昨日は空港でたくさんのファンに会うことができたし、日本のファンはすごく礼儀正しくてびっくりしたよ。どうもありがとう!11月に戻ってくるのが待ち切れないよ。楽しみだな!




Team 1D Japan Party: 1Derland - Q&A>

—日本語は何か覚えましたか?お気に入りの日本語は?

ハリー: 僕のお気に入りは…ガンバリマース!

リアム: ゲンキ?

—メンバーを動物にたとえるなら何?

ルイ: 良い質問だね。ゼイン、君から始めてよ。

ゼイン: 僕はサルかな。

ナイル: 僕は馬だね。

ルイ: (リアムに)もう少し考える時間欲しい?

リアム: うん。ちょっと一瞬考えさせて。

ルイ: ゼイン、僕は君と同じくサルにするよ。すごく楽しそうだから。

ハリー: 僕はネコ。ニャンニャン!

リアム: 僕はキリンにするよ。背が高いからね。

—ワン・ダイレクション以外で、今1番お気に入りの曲は?

ナイル: ブルーノ・マーズの「Locked Out of Heaven」!

リアム: 僕も今言おうとしてたんだ!

ルイ: リアーナの新曲は最高だよね。「Stay」っていうんだ。

リアム: すごく良いよね!

ルイ: 素晴らしい曲だよ。他には?

ゼイン: 分からないな。

ハリー: エイサップ・ロッキーの曲とかどうかな?すぐには思いつかないな。

ルイ: あと、5人ともSexy Zoneの新曲が好きなんだ。

ハリー: 「メリークリスマス」っていうフレーズが入っている曲。

—11月2日・3日の幕張メッセでの初来日公演は、どんなコンサートになりますか?

リアム: とにかくビッグなショーになるよ。

ハリー: 僕らはずっと前から来日するのを楽しみにしていたんだ。ファンのみんながいなければ、こうして来日できなかったし、また戻ってきて、みんなのためにパフォーマンスするのが待ち切れないよ。楽しくなりそうだね!

—2013年に達成したい目標は?

ナイル: 今は映画を撮影しているから、ファンのみんなに気に入ってもらえる作品にしたい。それに大規模なツアーも予定しているから、成功させたいね。

リアム: それにもっと日本で過ごしたい。

ハリー: 僕は日本語を習いたいな。

ゼイン: ガンバリマース!

ハリー: ゲンキ?ゲンキー! 

〜ライブ終了後〜

ナイル: 日本では本当に素晴らしい時間を過ごすことができたよ。11月にみんなに再び会うのが待ち切れないよ!みんなのことが大好きだよ!どうもありがとう!



Photo (Press Conference & Airport): Yoko Yamashita
Photo (Team 1D Japan Party: 1Derland): Yoshika Horita
Text: Nao Machida

<オンエア情報>
MTVでは下記の番組でワン・ダイレクションの初来日の模様をご紹介します。

MTV洋楽EXPRESS
2/4(月)23:00~23:30(初回放送)
2/9(土)22:00~22:30

MTV MUSIC PLATE
2/9(土)18:00~18:30(初回放送)
2/12(火)19:00~19:30

※放送内容は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。



ワン・ダイレクション
世界中に一躍その名を轟かせた「UK出身グループとして史上初となるデビュー・アルバムでの全米チャート初登場1位」という歴史的快挙を筆頭に、そのデビュー・アルバム『Up All Night』が世界17カ国で、ライブDVDが27カ国で1位を獲得して一気に世界中で大ブレイクした平均年齢19歳、ハリー、ゼイン、リアム、ナイル、ルイによる5人組。2012年8月にデビューを果たした日本でもシングル・アルバム共にヒット。ロンドン五輪閉会式でパフォーマンスを披露し、「MTV Video Music Awards 2012」では最多3部門で最優秀を獲得。11月に発売したセカンド・アルバム『Take Me Home』が全米・全英・日本を始め世界32カ国で初登場位1位を獲得し、全世界トータル・セールスは1500万を突破。動画総再生回数は8億回、Twitter:4000万/Facebook:1000万ものフォロワーを獲得し、2013年に行う数十万規模のワールド・ツアーが次々とソールドアウトとなるなど、世界中で空前の大旋風を拡大し続けている今後もチャリティへの参加、2月から11月まで続く大規模なワールド・ツアー、3Dコンサート/ドキュメンタリー映画の公開、そして11月には来日公演が決定している。

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