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『ホビット 思いがけない冒険』 ピーター・ジャクソン監督&キャスト来日記者会見レポート

2012-12-14
『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』で、アカデミー賞史上最多となる11部門を獲得したピーター・ジャクソン監督が、「ロード・オブ・ザ・リング」で描かれた中つ国の60年前を舞台にした「ホビットの冒険」の映像化に挑んだ、世界中の映画ファンが待ち望む新作『ホビット 思いがけない冒険』。12月14日の公開を前に、監督とキャストのマーティン・フリーマン、アンディ・サーキス、リチャード・アーミティッジ、イライジャ・ウッドが来日した。ここでは、都内で行われた来日記者会見の模様をレポート。帰ってきた空前の世界観を舞台に繰り広げられる新たな冒険を映画館で目撃する前に、じっくりとお楽しみください。



—ご挨拶をお願いします。

ピーター・ジャクソン監督(以下、監督): 皆さん、こんにちは。ご来場どうもありがとう。(会見前の試写会では)1秒48フレームのHFR(ハイフレームレート)3D版でご覧いただけてうれしいです。皆さんからの素晴らしい歓迎に感謝します。今日はどんな質問でも答えるつもりだよ。

マーティン・フリーマン(ビルボ・バギンズ役、以下、マーティン): こんにちは。日本や東京は大好きなので、また来日できてうれしいです。皆さんが作品を気に入ってくれることを願っています。たくさんの愛情を注いだ今作を皆さんと共有できることをうれしく思っています。

アンディ・サーキス(ゴラム役/第2版監督、以下、アンディ): オハヨウゴザイマス!ゴラムだったら、こう言うだろうな…(ゴラムの声で)オハヨウゴザイマス!僕らは日本が大好きなので、また来日できてうれしいよ。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作や『キングコング』の時も、日本ではとても楽しい時間を過ごしたんだ。この素晴らしい作品を皆さんと共有できて最高です。お招きいただいて、どうもありがとう。



リチャード・アーミティッジ(トーリン・オーケンシールド役、以下、リチャード): コンニチハ!僕は2000年に東京に来たことがあるのですが、2012年にこうやって素晴らしい人々と今作を携えて再来日できたことを、とても誇りに思います。今作は非常に忠誠心にあふれた作品で、自分にとっても大きな作品でしたが、日本の人にも大変気に入っていただけるのではないかと思います。アリガトウ。

イライジャ・ウッド(フロド役、以下、イライジャ): コンニチハ(笑)日本には『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで来日した時の良い思い出があります。日本に来ることは、僕らにとって非常に特別なことなのです。日本や東京は大好きですし、今回は冒険の序章を日本の皆さんに観ていただけることに、とても興奮しています。

—J.R.R.トールキンの書いた原作を見事に映像化されていましたが、トールキンが作り上げた物語への想いをお聞かせください。

監督: 『ホビット』は『ロード・オブ・ザ・リング』の物語の60年前を舞台としているので、中には観客がすでに結果を知っている出来事も登場するんだ。最初に『ロード・オブ・ザ・リング』を撮影してから12年経って、『ホビット』でいろいろなことが説明されているということが興味深いと思う。

—監督がこの作品で1番目指していたことは?

監督: それがどんな作品であれ、僕は逃避のために映画を作るんだ。映画にはミステリーやロマンスを求めている。子どもの頃から映画が大好きで、さまざまな種類の作品があるけれど、僕が好きな映画、作りたい映画は、全く違う世界に連れて行ってくれるような作品や、キャラクターに感情移入できる作品なんだ。皆さんにも逃避できるような体験をしてほしくて、だからこそ、ファンタジー作品が最もふさわしいと思っている。トールキンの物語は最もふさわしい作品なんだ。僕らが知っているようでいて、実はとてもエキゾチックな世界観が広がっている作品だと思う。トロールのようなクリーチャーがたくさん出てきて、まさにおとぎ話のような世界観がとても好きなんだ。

—8年ぶりの壮大なプロジェクトに出演できる喜びをお聞かせください。

アンディ: 再びニュージーランドに戻って『ホビット』を撮影するのは、素晴らしい体験だった。当時の友人たちやクルーには子どもが増えていたよ(笑)それに新たなキャストはみんな驚異的に努力家で楽しい人たちで、本当に参加できて良かった。今作では再びゴラム役を演じる機会に恵まれただけでなく、ピーターが僕が興味を持っていた演出にも参加させてくれて、第2班の監督を任せてくれたんだ。1年半、新しいファミリー、新しい冒険を楽しんだと同時に、非常にチャレンジングで学びの多いときを過ごすことができた。みんなが150パーセント出し切って、本当に楽しい映画を作ることができたと思う。

イライジャ: アンディが今言ったように、本当に素晴らしい体験だったよ。今作での彼らの冒険は、『ロード・オブ・ザ・リング』で旅の仲間が経験したことの写し鏡のようなものなんだ。再び撮影現場に戻ると、愛情を持ったスタッフが集結して作っていて、その様子を再び見ることができただけでも、とても美しい体験だった。『ホビット』はさらにスケールが大きくなっているけれど、現場の雰囲気はいっそう親密なものだったんだ。関わっている人々の心がつながっているということが感じられたし、再びフロドとして作品に参加できたことは、僕にとって贈り物のような経験だったよ。もちろん、イアン・マッケラン演じるガンダルフや、イアン・ホルムに再会できたり、他の旧友や家族に再会できたこともうれしかった。さらに新しいキャストに会えたこと、彼らを通じてホビットの冒険を体験できるということを、とてもうれしく思っているんだ。

リチャード: 『ロード・オブ・ザ・リング』の大ファンだし、ピーター・ジャクソン監督の作るような作品は今後リメイクされる可能性はないだろうから、僕が演じたトーリンは唯一のトーリンになると思う。そういったことを考えて、責任の重さ、少し怖い気持ち、多くの期待を持って、ニュージーランドに行ったということは、僕の人生の中で最も思い出深い経験になるだろう。とても貴重な18ヶ月をみんなと一緒に過ごすことができたんだ。

マーティン: まさにみんなが言ったとおりだよ。とても親密な、ファミリーのような現場だったんだ。世界で1番大掛かりな映画の現場であるにもかかわらず、まるで学生が映画制作をしているかのような、和気あいあいとした雰囲気だった。もちろん、18ヶ月を費やした作品が皆さんに気に入ってもらえることを願っているけれど、演じるということの根本にあるのは、自分たちが演じることを愛していて、楽しんでいるからなんだ。自分自身、出演して良かったと感じられる作品ができたと思っているよ。



—マーティンとリチャードをキャスティングした理由は?

監督: キャスティングで大切なのは真実味と正直さ。マーティンはフリをするのではなく、真実味を感じさせるのがとても上手い。これは特にファンタジーにおいて大切なことなんだ。人間ではないホビットやドワーフを演じているので、観客が共感できなければ話にならない。マーティンはドラマティック・アクターで、本当に真剣な演技をする人なのだけれど、ビルボ役に不可欠なハートとユーモアも持ち合わせているんだ。ビルボはヒーローになりたくないのにこんな状況に置かれ、ドワーフとつきあいたくないのに一緒に過ごさなければならないからね。マーティンはそういった状況から生まれるコメディを出すのがとても上手いし、ドラマティック・アクターでユーモアも出せるというのは、とても稀に見る才能なんだ。監督としてすごくありがたいのは、6、7回のテイクを撮ると、彼は毎回違うことをしてくれて、毎回新鮮で、その全てが素晴らしい。どれをとっても良いので、編集室では悩まされたよ。

今作でビルボがハートの部分を担っているとすれば、トーリンはソウルの部分を担っている。トーリン役のオーディションでは多くの役者に会ったが、リチャードは王としての高貴な姿や、大変な戦いに自分は挑めるのだろうかという葛藤が表せる人だと思った。そして、とても静かな姿勢で観る者を引きつける才能に長けている。画面に出ていると、なぜか彼を見たくなる、そういう要素を持った人だと思う。

—『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を作り終えた後で、『ホビット』を作ろうと決めたきっかけを教えてください。

監督: 正直言って、他の人に作ってほしくなかったことが理由だよ。『ロード・オブ・ザ・リング』を撮り終えて、再び中つ国に行くチャンス、ニュージーランドを舞台にするチャンスは、やはり『ホビット』だと思った。ただ、2つのスタジオが権利を持っていたので、なかなか制作できないという状況があった。でも彼らが作る気になったら、我々はそれに関わりたいと思っていたし、今作は本当に楽しい経験だったんだ。今までの映画作りの中で1番楽しかったと思う。



—ビルボとトーリンの友情が少しずつ深まっていく様子が見どころだと思ったのですが、マーティンさんとリチャードさんは共演してみていかがでしたか?

マーティン: リチャードは一緒に仕事をしていて、とてもやりやすい人。すごく静かな人でありながら、とても強い決断力を持っている。自分を含め、他の人の仕事の進め方にも敬意を表してくれて、芯の強い人でありながら、とても謙虚なんだ。毎日シーンを撮影していると、彼の方から何かをもたらしてくれるような人だよ。数人でジムに行った時、トレーナーにしごかれて僕は失神寸前だったのに、彼は冷静だった。恐らく大変だったとは思うのだけれど、それをあまり見せずに静かにトレーニングに耐えていた。どちらかというとストイックな人だと思う。毎日大変なこともあれば、ホームシックになることもあったけれど、その積み重ねがこの18ヶ月だったんだ。リチャードはほとんど最初からそういった姿勢だったし、それはトーリン役ととても合っていたと思う。人間としても素晴らしくて、一緒に居て楽しい人だったよ。

リチャード: 自分は酒を飲むと翌日の撮影に影響が出ると分かっていたので、撮影中はあまり人付き合いの良い人間ではなくて、申し訳ない気持ちもあったよ。マーティンは素晴らしい役者。そしてすごく面白い人なんだ。僕の撮影の初日に、マーティンは既に2週間ほど撮影していたんだけど、まるでジャズのミュージシャンのように、自分の役を通じてさまざまなことを試している姿を見た。それは本当に見事で、僕はそんな彼を称賛する気持ちを抱いて撮影に入ったんだ。

—1秒48コマのHFRで撮影した理由は?

監督: 1927年、それまでの無声映画にサウンドがついた。無声映画時代は手回しだったので、フレームのスピードは回す人によって異なっていたんだ。サウンドが入ることによって、一定のスピードにしないと音が安定しないという状況が生まれた。ただ、35ミリフィルムは非常に高価だったので、音を安定させるために45フレームに決まって、それがスタンダードになってしまったんだ。何千台ものプロジェクターやカメラが作られてしまったからね。近年デジタルシネマということになって、映写機やカメラも変わり、フレームレートを変えることができた。変えることで、映像にリアリティが増して、本物の世界により近づくことができるんだ。3Dとハイフレームは非常に良いコンビネーションで、魔法の世界観をそのまま見せられる。

もう1つの理由は、最近はなかなか映画館に足を運んでもらえないということ。iPhoneやiPadでも映画は観られるからね。だから、『ホビット』のような大作に新しいテクノロジーを取り入れることで、人々を映画館に呼び戻せれば、という気持ちもあって作ったんだ。



『ホビット 思いがけない冒険』
ホビット族のビルボ・バギンズは魔法使いのガンダルフに誘われ、13人のドワーフたちと共に、恐るべきドラゴン“スマウグ”に奪われたドワーフの王国を取り戻すという危険な冒険に加わる。彼らは凶暴はアクマイヌ、そして謎の魔術師たちがうごめく危険な荒野や、ゴブリンが潜むトンネルを抜けて行かなければならない。ビルボはそこで、彼の人生を変えてしまう生き物ゴラムと出会い、彼には知る由もない中つ国の運命を握る<指輪>を手に入れる…。

監督:ピーター・ジャクソン
出演:イアン・マッケラン、マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ、ケイト・ブランシェット、イライジャ・ウッド、アンディ・サーキス、ほか
12月14日(金)3D/2D同時公開
© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.

オフィシャルサイト>>

Text: Nao Machida

15:34

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