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『フランケンウィニー』 ティム・バートン監督 来日記者会見レポート

2012-12-13
『シザーハンズ』や『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』、『アリス・イン・ワンダーランド』など、ユニークな世界観とイマジネーション豊かなビジュアルで世界中の映画ファンを魅了するティム・バートン監督の最新作『フランケンウィニー』が、いよいよ12月15日に全国で公開される。監督自身の少年時代の思い出をもとにしたという今作は、科学の好きな主人公の少年ヴィクターが、大好きな愛犬を“禁断の実験”で生き返らせることにより小さな町に巻き起こる大騒動を描いた、ディズニー史上初の白黒3Dアニメーションだ。

ここでは、先日来日を果たしたティム・バートン監督とプロデューサーのアリソン・アバッテの来日記者会見の模様をレポート。作品の見どころやストップモーション・アニメーションの魅力など、一問一答をノーカットでお届けします。


会見には日本語版で声優を務めた箕輪はるか(ハリセンボン)と、オリエンタルラジオの2人が、スペシャルゲストとして登場。

—まずはご挨拶をお願いします。

ティム・バートン監督(以下、ティム): また日本に呼んでくれてありがとう。東京は大好きな街なんだ。再び来られて、とてもワクワクしているよ。映画を楽しんでもらえるとうれしいな。

アリソン・アバッテ プロデューサー(以下、アリソン): 今回が初来日なので、今作を携えて日本に来られてとても興奮しています。皆さんの作品への反応が早く聞きたいです。1週間滞在するので、いろいろ観てまわりたいです!

—今日のセットは、『フランケンウィニー』にちなんで“奇妙な学校”をイメージしています。

ティム: 僕にとって学校は居心地の悪い場所だったんだよね。だから、変な気分だよ。とても悪い生徒だったからさ(笑)



—『フランケンウィニー』はご自身の原点とも言える作品とお聞きしていますが、製作・監督をするきっかけを教えてください。

ティム: 子どもの頃に飼っていた愛犬との特別な関係がもとになっているんだ。ペットを飼っていると、純粋で無償の愛情を抱くもの。それは僕の人生における、初めての愛の経験だった。とても特別な経験だから、今でも心に残っているんだ。

—作品に関わったきっかけは?監督とはどのように仕事を進めていきましたか?

アリソン: 『コープス・ブライド』の製作をしていた時、その終盤に『フランケンウィニー』について初めて話を聞きました。エグゼクティブ・プロデューサーのドン・ハーンが、次のストップモーションアニメーションの企画について話していて、今作はティムが最も手掛けたいと思っていた作品だったんです。この物語を伝える上で、ちょうど良いタイミングだと感じたし、ストップモーションの技術も進歩していて、パペットたちから最大限の効果を引き出せると思ったので、ぜひ今作を作ろうということで始めました。

仕事の進め方に関しては、もちろんアニメーション独特の方法があるのですが、パペットや小道具、パペットたちが暮らす世界を生み出すことが大切でした。ティムの思い出に基づいてパペットをデザインすることができたことは、クルーにとって、とてもエキサイティングな過程だったんです。ティムに「町はどんな感じだった?」と確認しながら、彼の育った町に基づいてデザインしました。バーバンク(米カリフォルニア州のティムの故郷)をイングランドに移動して、とても小さなサイズで再現したんです。私たちみんなにとって、とても楽しい旅となりました!



—ストップモーションアニメーションをあえて選んだ理由は?

ティム: 1秒の映像のために、キャラクターを24回動かさなければならないんだ。だから、今作の本当のヒーローはアニメーターたちだよ。このような作品を作る上では忍耐が必要だからね。時には複数のキャラクターが登場するシーンもあるし、僕にとって、今作で最もすごいスタッフはアニメーターたちなんだ。

—一見ホラーと思えるような内容でしたが、死んだ犬を「生き返らせる」ということについて、監督はどのようにお考えですか?

ティム: これはファンタジー映画だからね。現実に死んだ愛犬を生き返らせるか、と聞かれたら、たぶん答えはノーだろう(笑)僕にとっては、文字通り「生き返らせる」というのではなく、もっと感情的な絆を意味しているんだ。自分にとって、本当に愛するもの、とても大切なものに対する感情やスピリットを「生き返らせる」ということの方が大切なんだ。


“禁断の実験”でよみがえる、“フラン犬”ことスパーキー。

—監督の映画には個性的な子どもがたくさん出てきますが、監督自身は子どもの頃、どんな少年でしたか?どんなことに夢中でしたか?

ティム: 子どもの頃は特にモンスター映画が大好きだった。今作は愛犬への愛とモンスター映画への愛が詰まっている、僕にとってとても大切な作品だよ。

—映画監督や映画に関する仕事に就きたいと思っている日本の子どもたちにメッセージをお願いします。

ティム: 僕はストップモーション・アニメーションを製作するのが大好きだけど、最近は技術がとても進歩しているから、誰にでも作ることができると思う。僕が始めた頃はスーパー8が主流だったけど、今はプログラムでもアニメーションを作ることができるからね。何かを作りたい人にとって、映画は美しい芸術形態だよ。そして、とても特別な芸術形態だ。忍耐は必須だけど、とてもやりがいがあるんだ。



—これまでも『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『ティム・バートンのコープスブライド』でバートン監督と一緒にお仕事をされていますが、アリソンさんから見たティム・バートン監督作品の魅力を教えてください。

アリソン: ティムは独特な方法でキャラクターのハートやソウルに触れることができる監督だと思うの。とてもユニークな表現方法だから、キャラクターが少し奇妙に見えることもあるかもしれないけれど、本質的には真に愛らしく、優しい、こわれやすい、誰もが共感できるキャラクターたちなんです。『ナイトメアー〜』や『コープスブライド』では、キャラクターは自分自身を見つめて、自分の存在意義を求めていました。今作は主人公が自己発見を始める段階にある子どもということもあり、そういった要素を全て含んだ作品です。みんなになじめなかったり、ひとりぼっちだったりする子どもたちが登場人物で、ティムはそれぞれのキャラクターの精神を見つけ出しました。



—ストップモーション・アニメーションは日本ではなかなか制作されず、携わっている人も多くないのですが、アリソンさんがストップモーション・アニメーションを作り続ける理由は?

アリソン: ストップモーション・アニメーションは、アーティストの特徴が見えやすい、素晴らしい芸術形態だと思います。特にティムのような映像作家の場合、彼の純粋なビジョンをフィルムに収めることができるんです。アーティスティックな映像作家はこのような形態を求めているので、今後は作品が増えると思っています。それがストップモーション・アニメーションの美しさで、全てのフレームにアーティストのビジョンが見えるところが強みだと思っています。

—長い時間を費やして作る映画の制作過程において、監督として最も楽しいこと、最も辛いことは何ですか?

ティム: 楽しいことは、コンピューターとは違って、現場に足を運ぶと、まるで実写映画のようにキャラクターたちが存在するのを見ることができること。アリソンも言ったように、本当に多くのアーティストたちが関わっている作品で、彼らが手掛けた仕事を実際に目にすると、とてもエキサイティングなんだ。一コマずつ撮影したものに命が吹き込まれると、まるで魔法のようだよ。全てのハードワークが報われる喜びの瞬間だ。今回は実際に撮影に使用したパペットやセットを日本に持ってきて、展覧会(「フランケンウィニー アート展」)を開いているから、もし機会があれば、ぜひ足を運んでほしい。とても美しい展示で、僕らの話をより良く理解してもらえると思うよ。


「フランケンウィニー アート展」初日には、徹夜で並んだファンを自らお出迎え。

—たくさんのキモかわいいキャラクターが登場しましたが、キャラクターにはモデルがいるのでしょうか?

ティム: 今作に登場する全てのキャラクターは、実在の人物をモデルにしているんだ。子どもの頃、学校には変な女の子が何人かいたんだよね(笑)友だちや先生など、自分の知っている人に基づいたキャラクター作りはとても楽しかった。それだけでなく、教室だとか、全てを自分の記憶に基づいて作ったんだよ。



—アリソンさんの好きなキャラクターは?

アリソン: 私のお気に入りはエドガー(写真右)。デザインと声がマッチした、完璧な例だと思います。10歳の声優の少年に、往年の俳優ピーター・ローレの真似をしてもらって作り上げたキャラクターなんです。とても楽しかったわ!


Text: Nao Machida



『フランケンウィニー』
小さな街に暮らす、科学が大好きな少年ヴィクター。大好きな愛犬スパーキーの死を受け入れられないヴィクターは、授業で習った「禁断の実験」を応用して、スパーキーを生き返らせることに。つぎはぎだらけの“フラン犬”としてよみがえったスパーキーは、自分が“死んでいること”に気づかぬまま家の外へと出てしまい、その“ありえない姿”をヴィクターのクラスメイトに目撃されてしまう。ヴィクターのアイデアを知った子供たちは次々にペットや動物をよみがえらせ、やがて街は大混乱に…。

監督:ティム・バートン
声の出演:キャサリン・オハラ、マーティン・ショート、マーティン・ランドー、チャーリー・ターハン、アッティカス・シェイファー、ウィノナ・ライダー、ほか
12月15日(土)3D/2D同時公開
©2012 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

オフィシャルサイト>>

「フランケンウィニー アート展」
開催期間: 2012年12月4日(火)- 23日(日)10:00 – 22:00 入場無料
会場: ビックロ ユニクロ 新宿東口店


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17:56

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