MTV BLOG

22-20s 来日独占インタビュー

2012-06-20
2003年にセルフタイトルアルバムでデビューし、そのブルース・ロックで音楽シーンを騒がせた22-20s。たった1枚のアルバムを残して2006年に解散を発表するものの、2008年に復活した彼らが、ニュー・アルバム『Got It If You Want It』を引っさげて5月に単独来日公演を行った。アルバム完成まで共に活動していたセカンド・ギタリストのダン・ヘアが脱退し、再び3ピースになったメンバーのマーティン・トリンブル(G/Vo)、グレン・バータップ(B)、ジェームズ・アーヴィング(Dr)が、MTV Newsに新作の魅力や今後の展望を語ってくれた。



—アルバム『Got It If You Want It』の完成おめでとうございます。今作はストレートなギターロックで、どちらかというとファースト・アルバムのサウンドに戻ったような印象を受けました。

マーティン: たくさんのツアーやライヴを行ってきて、自分たちが本当に心地良いことをするのが良いと感じたからね。

グレン: 今作の制作をスタートする時点で、自分たちのやりたいことが以前よりも明確だったんだ。マーティンも言ったように、たくさんのライヴを通じてね。ああいうレコードを制作できて良かったよ。

マーティン: ああ、ライヴ感があるよな。

—ようやく完成したアルバムをリリースして、ツアーをまわる気分は?

マーティン: いつもアルバムが完成してから6、7ヶ月後にリリースするから、変な感じなんだよね。必然的に、その間に気持ちは次のレコードへと移ってしまう。次の作品は今作よりもさらにファースト・レコードのサウンドに戻っている感じだよ。それに今はまた3人でライヴをやっているから、演奏もレコードとは違ってくる(註: アルバム制作時は4人で活動していた)。既に新作に取りかかっていると、アルバムがリリースされたことさえ忘れちゃったりするんだよ。

—もう1度思い出して、ステージで演奏しているっていう感じですか?

マーティン: ある意味、そうなんだよ(笑)

グレン: 今作の制作を始めたのは18ヶ月も前だから、マーティンが言ったように、ツアーは回顧的な体験なんだ。

—ということは、このアルバムの制作は前回の来日の直後に始めたわけですか?

マーティン: あの年の冬にね。俺たちはミネアポリスに引っ越したんだ。

ジェームズ: 前回の来日は『Shake/Shiver/Moan』ツアーの最後の方だった。

マーティン: そうだね、デモ作りは12月に始めたよね。



—なぜミネアポリスに?

グレン: もともとアメリカで過ごす時間が多かったし、マーティンがミネアポリスに住んでいたから。

マーティン: 妻がミネアポリス出身でね。だから俺が最初に引っ越して、それにジェームズも…

グレン: もうすぐ奥さんになる人がミネアポリス出身なんだよな。俺はただ、2人を追っかけて行っただけ(笑)

ジェームズ: グレンの奥さんも探すよ(笑)

マーティン: 3人とも同じ通りに住んでいるんだ。ジェームズの地下をスタジオにして、毎日そこで演奏している。全員がロンドンに住んでいたとき以来、そういうことはできなかったから、すごく良い感じだよ。

ジェームズ: ロンドンに住んでいた頃は歩いて10分くらいのところに住んでいたのに、その10分がめんどくさかった。今はベッドルームから階段を降りればスタジオだから、最高だよ。

—そもそも3人はいつ知り合ったんですか?

グレン: 俺とマーティンは11歳の頃、学校で出会ったから、もう18年近いつきあいになる。

マーティン: 学校が始まる2ヶ月前に、制服屋で会ったんだよな。

グレン: 制服の試着している時にね。

—かわいいですね!

マーティン: かわいいって言わないでよ(笑)こいつがQPRのシャツを着ていたんだ。イングランドのしょぼいサッカーチームなんだけどさ。QPRのファンなんて会ったことなかったから興味をそそられて、自分の手下にしたよ。ジェームズには18歳の頃に出会った。

ジェームズ: 10年前だね。

マーティン: ジェームズは15マイルほど離れた町の出身でね。それから3人で演奏するようになったんだ。

—そして今はミネアポリスに住んでいるんですね。ロンドンからミネアポリスに行くなんて珍しいですよね。

マーティン: 冬は極寒だからね。

ジェームズ: でもとても良い街なんだよ。活気ある音楽シーンもあるしね。何しろ寒くて外に出られないし、冬はやることがないんだ。だから音楽を演奏するってわけ。良いバンドがいっぱいいるし、バンドとして最高に住みやすい街だ。

ジェームズ: 外出できる季節は美しい湖もあって、釣りもできるし、本当に良いところだ。

マーティン: ミシシッピ川で釣りができるんだ。

ジェームズ: ノース・ロンドンで4年過ごしてから来ると、まるで天国だよ。



—アメリカ文化はいかがですか?

マーティン: アメリカはおかしな国だよ。まるで2つの違う国があるみたいだ。ヨーロッパに似ている部分もたくさんありながら、銃社会だったりもするし。でもミネアポリスはかなりリベラルな街だから、ヨーロッパの都市で生活するのと似ているよ。

ジェームズ: 最初は違うと思っても、よく知ると感性が非常に似ている。

マーティン: でもおいしいパンとチーズがない。あとろくな新聞がない。アメリカのパンは本当にひどいよ。1年ももつってどういうことだよ(笑)

—そんな冬のミネアポリスで書いた今作ですが、収録曲には絶望感や失恋を歌ったものが多いですよね。ご自身の経験に基づいているんですか?

マーティン: 失恋しまくりだ。

全員: (笑)

マーティン: 収録曲の多くは、リスナーに直接話しかけるようにしたかったから1人称で書いた。だけど全てが俺の個人的な経験というわけでなく、俺たち全員のグループとしての経験だよ。

—そこまで長いつきあいだと、お互いについて何でも知っているのではないですか?知られたくないことも。

グレン: だから、今でも3人で活動しているんだ(笑)

マーティン: 全員が10年以上のつきあいだし、お互いの経験を共有している。バンドのメンバーじゃない友人の経験もあるしね。必ずしもアルバムを作っていた時期の出来事とは限らず、長いつきあいの中で起こったいろいろなことがインスピレーションとなっているんだよ。でも制作前の2年間の恋愛がインスピレーションとなった曲は多いかも。「White Line」とか「Bring It Home」とかね。だから、とても正直なレコードではあるけれど、必ずしも自伝的な作品ではないんだ。

—このアルバムが寒い冬に書かれたと聴いて納得です。

ジェームズ: 確かに夏っぽいアルバムじゃないよね(笑)

グレン: アップビートじゃないね。

マーティン: ああ、「夏らしい」とは言えないな。でも完全に冬ってわけでもないだろう。「秋らしい」が適切かな。



—アルバムのタイトル『Got It If You Want It』の意味は?事前にテーマを決めていたのですか?

マーティン: 実はその反対で、できあがった作品を反映したタイトルにしたんだ。その頃の俺たちはスリム・ハーポをよく聴いていて、彼の楽曲「Got Love If You Want It」からちょっと盗んだのさ(笑)アルバムにはいろんなテーマが詰まっているよ。10人しか居ないような会場でライヴをやったりもしたから、そこでわいた感情だとかね。

—アルバム制作にかかった期間は?

マーティン: 前回のツアーが2010年の10月か11月にここ日本で終了した。ツアー中に書いたリリックがあったから、そこから曲をまとめていった。曲作りは春までに終わって、それからデモを作り、夏にレコーディングをしたよ。時間をかけたことが良い結果を生み出したと思う。少しずつ進めていって、望んでいたような簡潔で主題的な作品を完成することができた。完成した楽曲を急いでアレンジして、ライヴ形式のレコーディングはロンドンで、5日ほどで終わらせたんだ。ライヴ形式以外の手段を自分たちに与えたくなかった。振り返ると「あのアレンジはこうするべきだった」とか思う部分もあるけど、その分、ライヴ感たっぷりで、ギターの存在感が強い10曲ができあがったよ。

ジェームズ: ああいう風に5日間でレコーディングする場合には、常にリスクがあるよ。あとから聴き返すと、どこもかしこも変更したいと思うからね。でも、自分たちに変更する選択肢を与えないことこそが大切だった。もし6ヶ月もあったら、最終的にカットしたり薄めたりしてしまいかねない何かをとらえたかったんだ。

マーティン: 俺たちは編集しない方が良いんだ。でも人というのは自分のことを批判したり、編集したりするものだよね。俺たちのマネージャーはバンドのそういう部分をよく理解していて、5、6日以上の時間を与えてくれないんだよ。じゃないと余計なことを考え始めてしまうから。次の作品も同じようなやり方で作ろうと思っているよ。既に曲作りは始めていて、クリスマスの直後にでもレコーディングしたいと思っている。

—また冬ですね。

全員: (笑)

マーティン: そういうこと。俺たちは暗いんだ(笑)

—なぜレコーディングはミネアポリスではなくイングランドで?

マーティン: 前2作を手がけたプロデューサーのイアン(・ダヴェンポート)とダンが向こうに居たから。地元から近いリンカンシャーでレコーディングしたんだ。経済的でもあったし、実際に良い感じだったよ。



—再びイアン・ダヴェンポートをプロデューサーに迎えた理由は?

ジェームズ: 予算の問題かな。

全員: (笑)

マーティン: それは冗談で、イアンとはこれまでの作品も一緒に作ってきて、とても良い関係を築いてきたから。俺たちをバンドとしても、人としてもよく理解してくれているし、俺たちも彼のことをよく知っている。だから一緒にやることはとても自然な決断だった。

グレン: イアンは俺たちと同じような初期のソウルなんかが大好きなんだ。子どもが2人居て、朝は6時に起きるから、1時間くらいレコードを聴いているらしい。酒を飲みながら聴いているわけではないから、本当の情熱なんだよね。素晴らしい男だよ。

ジェームズ: イアンのことは本当に信頼しているから、レコーディング中も「このテイクが良い」とか、「今のはこういうところが足りなかった」とかいう意見を信用できるんだ。彼が良いと言えば、俺たちみんなが賛成できる。

—ダンは今作が完成してからバンドを脱退したのですか?

マーティン: ああ、曲作りが終わって、ダンはミネアポリスからイングランドに帰ったんだ。その時点でこの3人はミネアポリスに引っ越していた。しばらくは何とか一緒にやろうと思っていたのだけど、自然の流れでね。1年のうち9ヶ月、メンバーが1人だけ遠くに居るとなると難しい。遠距離恋愛みたいなものだよ。

ジェームズ: ダンは素晴らしいミュージシャンなんだけどね。

—ダンが脱退して再び3ピースになったわけですが、新作をライヴで演奏するのはいかがですか?

マーティン: 最高だよ。ここ数年は4ピースバンドとして活動してきたから、3ピースで演奏するために調整は必要だったけど。

ジェームズ: ああ、人数が少ないといろんなサウンドを重ねることができないから、音を厳選する必要があるんだ。

マーティン: よりダイレクトな演奏になるよね。10年前の演奏に近い感じかな。日本のオーディエンスはものすごく集中してライヴを観てくれて、曲の合間は静かだから少し緊張するよ(笑)

グレン: でもフジロックの観客は違ったよね。盛り上がっていて、あれも楽しかった。

ジェームズ: 日本では音楽へのリスペクトが感じられるよ。



—10代からバンド活動をされていますが、今後22-20sはどのように成長していきたいですか?

グレン: もっとラウドになりたいね。

マーティン: ああ、もっと童心に帰りたいよ。マジな話、自分たちが何をしたいか、長い時間を費やして考えてきたように思う。20代で既に中年の危機さ(笑)

—日本のファンにメッセージをお願いします。

マーティン: いつも応援どうもありがとう。毎回温かい歓迎をしてくれるから、来日するのが大好きなんだ。本当にありがとう!

Photos: Tetsuro Sato
Interview + Test: Nao Machida


22-20s
2001年バンド結成。デルタ・ブルーズの巨匠スキップ・ジェイムスの代表作がバンド名の由来。弱冠18、19歳の時にレーベルと契約を結び、2003年にシングル「Such a Fool」でデビュー。彼等が鳴らしたブルース・ロックは大きな話題となり、翌年リリースのファースト・アルバム『22-20s』は、ここ日本も含め大ヒットを記録するも、2006年1月に僅かアルバム1枚を残してバンドは突如解散。そして2008年9月に復活し、2010年3月から北米を皮切りにツアーも正式に再開。そして2010年5月(海外は6月)には、オリジナル・メンバーの3人にダン・ヘアを加え、イアン・ダヴェンポートをプロデューサーに迎えて制作された、6年ぶりとなるセカンド・アルバム『Shake/Shiver/Moan』をリリースした。同年7月にはフジロックフェスティバル'10で来日を果たし、動員率150%を記録。秋には東名阪のジャパンツアーを開催した。

日本オフィシャルサイト>>

00:00

BLOG SEARCH

PROFILE

  • ブログの説明
    MTV NEWSのニュースプレゼンター&スタッフが、現場から最新ニュースや取材の裏話をレポート!
  • ライタープロフィール
    最新の音楽や映画情報を毎日お届けするMTV NEWSの制作スタッフです。

ENTRIES

CATEGORIES

ARCHIVES

FEEDS