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『ダーク・シャドウ』ジョニー・デップ&ティム・バートン監督 来日会見レポート

2012-05-15
『シザーハンズ』(1990)にはじまり、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)、『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)など、数々の作品で奇想天外な世界を作り上げてきたティム・バートン監督とジョニー・デップが、通算8度目のコラボレーションを実現。デップがキャリア史上初めてヴァンパイアを演じた『ダーク・シャドウ』が5月19日に全国で公開される。今作でも他の誰にも真似できないマジカルな世界を完成した最強コンビが公開を前に来日を果たし、13日に都内で記者会見に応じた。彼らの相思相愛ぶりが伝わってくる質疑応答をノーカットでどうぞ。



—まずはご挨拶をお願いします。

ティム・バートン(以下、監督): こんにちは!再び呼んでくださってありがとう。東京に来るのは大好きなんだ。僕らは今作についてワクワクしているので、皆さんもぜひお楽しみください。

ジョニー・デップ(以下、ジョニー): また来日できて嬉しいね。ティムも言ったように僕らは来日するのが大好きで、皆さんの応援や温かい歓迎はいつも最高のサプライズであると同時に、本当にスイートだと思っているんだ。今回は昨年の震災で被害に遭われた方々に敬意を表するという意味でも、来日できて良かった。亡くなられた方々を追悼するとともに、被災者の方々をサポートしたいという気持ちだよ。

—今作が8回目のコラボレーションですが、作品毎に進化し続けているのが素晴らしいと思います。これまでに意見が衝突したことはありますか?

監督: 僕らは数えたりはしないんだが、実際に今回は8作目のようだね。僕が何回目かを考えない理由は、作品毎にジョニーが違った役を演じているから、別人と仕事をしているような気分になるからだよ。ジョニーとは『シザーハンズ』で初めて出会って意気投合した。お互いが物事に対して似たようなアプローチをするから、口論になったこともないんだ。たとえば、ジョニーが脚本に書き込みをして相談しに来ることがあるのだが、事前に話したわけではないのに僕のメモと同じ内容だったりするのさ。だから僕らは強い絆で結ばれている。ただ、作品毎に役が違うから、数えることはないよ。

ジョニー: 僕は初めてティム・バートンに会った時からつながりを感じていた。『シザーハンズ』の役はまさかもらえるとは思っていなかったのだけど、ティムが僕のためにスタジオと闘ってくれたんだ。本当に演じたかった役だし、恐らく自分のキャリアにおける最も重要な出来事は、ティムがあの役をくれたことだと思う。僕らは1度も作品について口論したり、意見が衝突したりしたことがないんだ。ティムはフィルムメーカーという枠を超えた希少な映像作家であり、ビジョナリーであり、映画界の数少ない真のアーティストだ。僕はティムが自身の限界を超え、独創的な世界観や登場人物をより深く掘り下げていく様子を目撃する機会に恵まれた。その様子をすぐ近くで見てこられて、とても幸せに思っている。


会見中も終始仲が良さそうだった2人。

—とても思い入れのある役だそうですが、200年ぶりによみがえったヴァンパイアを演じるにあたって、どういう想いを込めたのか教えてください。

ジョニー: 60年代にアメリカで放映されていた「Dark Shadows」というテレビシリーズがあって、僕もティムも子どもの頃に熱狂的なファンだったんだ。幼い僕は、特にバーナバスというキャラクターに夢中になった。僕らは映画化するにあたって、「ヴァンパイアになりたくないのにさせられてしまった、行き場のない男」という雰囲気を大切にした。まるで陸に上がった魚のようなね。

史上最もエレガントな18世紀後半という時代に生きた男がヴァンパイアにさせられて、200年後の1972年によみがえるわけだが、それは映画でも音楽でもアートでもファッションでも非常に変なものが流行していた時代だったんだ。ティムと僕は子どもの頃、当時は普通とされていたことを、非常にバカげていると感じていた。たとえばプラスティックのフルーツとか、なんか変だな、とね…前列の人がウトウトしているみたいだ。僕の答えは長過ぎるのかな(笑)

—1990年の『シザーハンズ』でエドワードに恋をした日本の女の子が、今では母になり、子どもたちとジョニーさんを応援しています。今日は母の日ですが、そんなファンたちにメッセージをお願いします。

ジョニー: 僕は長年にわたり、特にティムと一緒にいろんな奇妙なキャラクターを演じてきた。それを皆さんが受け入れてくれたことを本当に感謝している。ティムと僕がこの仕事を続けられているのは、スタジオでも他の誰でもなく、映画館に足を運んで作品を観てくれる方々のおかげなんだ。そのことは常に忘れないようにしているよ。僕の演じる奇妙なキャラクターを応援してくれる人が居て感謝しているし、皆さんの応援をありがたく思っているんだ。皆さんに大きなありがとう。そして、母の日おめでとう。皆さんをがっかりさせないように、これからもがんばりたいと思う。

—200年ぶりによみがえった主人公のバーナバスが時代の流れについて行けないシーンが良かったです。忙しい日々の中で、ついて行けない状況や出来事があったら教えてください。

監督: 何もかも(会場・笑) 僕は自分の電話番号も分からないんだ。テクノロジーが大の苦手で、うちの3歳の子どもの方がよっぽど詳しいよ。

ジョニー: ああ、ここのところ立て続けに映画を撮影しているから、ときどき朝起きて自分が何の役を演じているのか、どこに居るのかが分からなくなる。「ローン・レンジャー」の現場に行って、インディアンのトント役をマッドハッターの声で演じてしまいそうになったりしてね。

—今は大丈夫ですか?

ジョニー: ここはどこ?(会場・笑) いや、今は大丈夫だよ(笑)

—お忙しいスケジュールの中、撮影の合間をぬって、そこまでして来日くださった理由を教えてください。

ジョニー: ティムと同じように、僕は日本が大好きなんだ。まず何よりも温かい歓迎にとても感謝しているし、日本の人々や文化、寛大さや優しさが大好きだ。さまざまなレベルで納得の行く国だよ。歴史的にも文化的にも興味をそそられる。日本について書かれたいろんな文献があって、素晴らしいことをたくさん読んだんだ。京都をはじめ、日本には探検したい場所がたくさんある。田舎の方にも行ってみたいね。地球上で最も好きな場所の1つだから、いつも来日できてとても幸せだよ。


成田空港では20分以上もファンサービスをしたのだとか。

—200年後の世界によみがえったバーナバスですが、もしお二人が今の姿で未来によみがえるとしたら、何年後によみがえりたいですか?「今のままでいい」という答えはなしです。

監督: 僕は70年代が過ぎてほっとしているよ。あの時代が終わって良かった(笑)今はあまり満足していないから、「今のままでいい」とは言わないから心配しないで。うーん…分からないけど…石油を使わない車が発明される時代とか…分からないな。皆さんが時代を選んでくれれば、俺はいつでもよみがえるよ。準備万端さ。

ジョニー: 月面に愛の小屋でも建てたくないの?

監督: そうだね、冥王星に住めるようになったらよみがえるよ(笑)

ジョニー: 僕は本当は過去にさかのぼりたかったんだけど、未来限定ということなので、アニメ「宇宙家族ジェットソンズ」の舞台となった時代かな。それでジェットソンズの仲間入りをするよ。

—昨夜は都内でプレミアが開催されましたが、長時間ファンにサインをされていて感心しました。あそこまでファンを大切にしている理由は?

監督: みんなが長時間並んで、風速100マイルの強風の中でも会いに来てくれるんだ。さっきもジョニーが言ったように、僕たちは皆さんのためにこの仕事をしているんだよ。ファンは僕たちが仕事をする上で最も重要な人々なんだ。皆さんからいただいている素晴らしいエネルギーを少しでもお返ししたいと思っている。

ジョニー: ティムが言ったことに全く同感だよ。ファンのおかげでこの仕事が続けられるんだ。僕たちのために長い時間、列をなして待っていてくれるファンの温かさや寛大さは心に響くよ。僕らよりもずっと長く外で待っていてくれたんだから、自分たちができるせめてものお返しはしてあげたいと思う。


プレミアでも長時間のファンサービス。

—今作で初めてヴァンパイアを演じてみて、ご家族の反応はいかがでしたか?

ジョニー: ヴァンパイア役は10歳と13歳という素晴らしい年頃の子どもたちにとって、オレンジ色のカツラをかぶってスカートを履いた男の役(註: 『アリス・イン・ワンダーランド』のマッドハッター)よりもずっとかっこ良く見えたみたいだ。僕がバーナバスを演じることに、とても興奮してくれたよ。2人ともこの役が大好きで、面白いと言ってくれた。子どもたちは撮影中もほとんどずっと一緒に居たよ。

—最近はヴァンパイア映画が流行していますが、ヴァンパイア映画を作る上での魅力は?

監督: 物事には常にトレンドがあることは分かっているけど、僕たちはずっとヴァンパイア映画を観てきた。僕は5歳の頃から観てきたんだ。だから僕からしてみれば、ヴァンパイア映画はいつの時代もトレンディだった。クリストファー・リーだとか、ヴァンパイアは象徴的な存在だったし、さまざまな角度から楽しむことができると思う。ジョニーと僕は「ヴァンパイアになりたくないのにさせられてしまった」という今作の概念がユニークで気に入ったんだ。ヴァンパイアはクラシックなイメージだけど、たくさんの様々な視点から探求できると思う。



—バーナバスのメイクは白塗りでしたが、撮影中に苦労したことはありますか?

ジョニー: バーナバスのメイクアップはグリースペイント(ドーラン)というオールドスクールな手法を用いたんだ。『フランケンシュタイン』のボリス・カーロフに使用されたものだよ。現場では問題がたくさん起きた。エヴァ・グリーンとのラヴ・シーンではトラブルが発生したよ。キスをしたら、僕はまるでロナルド・マクドナルドのような顔になってしまったんだ。だからテイクの合間に時間をかけて拭き取っていた(笑)

白塗りのメイクは僕たちにとって、「完全に死んでいない」という状態の象徴なんだ。バーナバスは200年も棺に入っていたわけだしね。それにティムも言っていたように、クラシックで象徴的なモンスターのイメージにしたかったから、ああいうメイクになったんだ。

—今作は70年代へのオマージュだと思いますが、あえて3Dにしなかったのですか?それとも監督は3Dに興味がないのですか?

監督: 3Dに興味はあるよ。『アリス・イン・ワンダーランド』をはじめ、いくつかの作品を3Dで手掛けているしね。3Dへの賛否両論は問題ではなく、より多くの選択肢があるということが重要だと思う。3Dで観たい人もいれば2Dで観たい人もいるし、そういった選択ができるということは素晴らしいと思う。ただ今作の舞台は1970年代だから、当時のヴァイブスを再現したかったんだ。70年代初期のより鮮やかな色彩で描きたかった。今の3Dはぼんやりしたイメージになりがちで、特に今作のようなダークなものは味気なくなってしまいがちなんだ。だから俺たちはより70年代風のヴァイブスを求めて2Dに落ち着いた。3Dは今作には適していないと判断したんだよ。




『ダーク・シャドウ』
時は1972年。200年の眠りから目を覚まし、ヴァンパイアとして子孫の前に現れたバーナバス・コリンズ。かつては繁栄を誇った名家にもかかわらず、今は見る影もなく没落してしまった末裔と出会い、バーナバスは一家の復興を心に誓う。しかし、200年のあいだに世の中はすっかり様変わり。バーナバスは何をやってもズレまくり、何を言ってもスレ違う。そのおかしな言動のせいでコリンズ家に巻き起こる珍騒動。果たして家族思いのヴァンパイアは、魔女の手から家族を守り、没落した一族の繁栄を取り戻せるのか?

バーナバス・コリンズがフツーでない理由:
1. 愛人魔女をフッて、ヴァンパイアにされた
2. 200年ぶりによみがえったので、時代の流れについていけない
3. 髪型がちょっとおかしい
4. サングラスと日傘があれば、太陽光もへっちゃら
5. そして、家族思い



監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、エヴァ・グリーン、ミシェル・ファイファー、ヘレナ・ボナム=カーター、ジョニー・リー・ミラー、クロエ・モレッツほか
5月19日(土)丸の内ルーブル他全国ロードショー!
© 2012 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
ワーナー・ブラザース映画配給

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Text: Nao Machida

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