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『マリリン 7日間の恋』ミシェル・ウィリアムズ来日インタビュー

2012-03-23
魅惑的なセックスシンボルとして世界を虜にした世紀のスター、マリリン・モンローが、36歳という若さでこの世を去ってから今年で50年。彼女の知られざる素顔を描いた映画『マリリン 7日間の恋』がついに公開される。タイトルどおり、マリリンと名もなき青年の一週間のはかない恋を描いた今作で、マリリン役を美しく繊細に演じたミシェル・ウィリアムズが待望の初来日を果たした。

スクリーンで観るよりも小柄でブロンドのベリーショートがチャーミングな彼女は、いまやハリウッドを代表する女優の一人であるにもかかわらず、とても気さくで地に足の着いた聡明な女性だ。元恋人の故ヒース・レジャーとの間に誕生した6歳になる愛娘マティルダちゃんの話題になると、ふと優しい母親の顔を見せたのが印象的だった。マリリン・モンローについて、役作りについて、人生について—— 初めての日本に瞳を輝かせ、すっかり気に入ったという緑茶を手に、一つ一つの質問に言葉を選びながら丁寧に答えてくれた。



—まずは初来日してくださってありがとうございます。

ミシェル・ウィリアムズ(以下、MW): こちらこそ、ありがとう。

—マリリン・モンローというと「セクシーなブロンドの美女」という表面的なイメージしかなかったのですが、今作では感情豊かで繊細な一人の女性としての一面を見ることができて、彼女にもこんな7日間があったのだな、と微笑ましく思いました。同じ女優をお仕事にされている女性として、彼女のどんなところに最も共感されましたか?

MW:
今作では思いがけない偶然がいくつかあったの。私は30歳で今作を撮影したのだけれど、マリリンは30歳のときに『王子と踊り子』を撮影したのよ。私たちが撮影を行った場所の多くが、実際にマリリンが撮影を行った場所だったし、スタジオで私が使用した楽屋は、当時マリリンが使っていた楽屋だったの。だから私たちの間には、どこか魔法のような重要な共通点がいくつかあったわ。

女優としてマリリンに共感する部分は…演技の勉強不足なところかな(笑)それに彼女ほど深いものではないにしても、不安な気持ちや恐怖心、周りの助けを必要としているところとか…うん、そういったことには少し共感したけれど、私はマリリンほど極端ではないわね。

—この映画では、マリリン・モンローがスターとしての顔と素顔のギャップに苦しむことが1つのテーマだと感じたのですが、ミシェルさん自身がそう感じるときはありますか?もしあるとすれば、どのようにして乗り越えていらっしゃいますか?

MW: マリリンが女優として生きていた時代は、今の私が生きる恵まれた時代とは大きく違っていたと思うの。当時は制限の多いスタジオのシステムの下で、素顔の自分と演者としての自分の間にギャップを作り、スター的人格を育てるように仕向けられていた時代だったわ。私はそういったギャップが小さい時代に生きているの。今の私たちは人間らしくいることを許されているどころか、できる限りそうするように勧められているのよ。道化師のように振る舞ったり、極限までギラギラに飾り立てたりする必要はないの。

つまり、今あなたの目の前に座っている私と、友人たちと一緒にいる私は、さほど変わらないというわけ。もちろん、友だちと過ごす時よりは遠慮がちだし、インタビューでは言わないこともあるかもしれないけれどね(笑)でも、一人の人としての私の目標は、自分自身をよく理解して、自分らしく表現することなの。それはこうしてあなたの前に座っている、女優としての私の目標でもあるわ。だから私の場合は、自分の中に明確な境界線を感じていないの。

そこにもっと大きなギャップがあればいいのに、って思うこともあるわ。素顔の一部を伏せておけば、たとえ人が私のことを噂していても、本当の自分は知られずに済むものね。でもそれは私の生き方ではないし、私はそうするつもりはないの。とはいえ時々、芸名があったらいいのにな、って思う。そうすればプライベートから距離を感じられるもの。特に私のことを好きではない人から意地悪を言われたときにね(笑)でも、とにかく私はマリリンとは全然違うわ。



—劇中でマリリンと7日間を過ごすコリン・クラークについて、ミシェルさんはマリリンがなぜ彼にひかれたのだとお考えですか?また、ミシェルさん自身は彼のような人をどう思いますか?

MW: その質問は何度も自問したわ。「この男の子のどこかそんなに特別だったのかしら?彼のどんなところがマリリンの心を動かしたのかしら?」ってね。私がたどり着いた答えはこうよ。もしマリリンが女王様だとしたら、敵側にスパイが必要なはず。あの状況に置かれた彼女は、自分の支持者として彼を見つけたんだと思う。

それから、私は『王子と踊り子』を観ていた時に気づいたの。劇中でマリリンが演じたキャラクターは若い王様と恋に落ちるでしょ?マリリンは女優として真実味を探求する人だったのよね。もしかしたら、彼女は年下の男性と恋愛をした経験がなかったのではないかしら。年下の男性との恋愛がどのようなものなのかを、役のために知る必要があったのかもしれないわね。

もう1つ考えたのは、目の前に居る、天真爛漫でオープンで目がキラキラしたコリンとの駆け引きを純粋に楽しんでいたのかもしれないっていうこと。マリリンは本質的に好奇心が強くて子どものような一面を持っていた女性だから、コリンほど無邪気な人を前にして、もて遊んでいたのかもしれない。彼ほど高潔で親切で優しくて寛大な人と一緒にいると、とっても良い気分になるものだしね。当時のマリリンは夫や演技コーチ、ビジネス・パートナーやローレンス・オリヴィエに見放されたと信じ込んでいて、わらにもすがりたい気分だったはず。それにコリンは特別な青年だったんだと思うの。人当たりが良くて、賢くて、騎士道精神あふれた紳士だから、彼女の寂しさを紛らわしてくれたのかもしれないわ。

でも、全ては彼というよりもマリリンの問題だったんじゃないかな。私は今作をラブストーリーとして考えたことはないの。マリリンは彼との時間を恋愛として楽しんでいたわけではないと思うわ…ちょっと答えが長かったかな(笑)



—今作でゴールデン・グローブ主演女優賞を受賞されましたが、受賞スピーチで娘のマティルダちゃんに、「6ヶ月間、ベッドタイムストーリーのお姫様をマリリンの声で読んだのに耐えてくれてありがとう」と言っていたのが印象的でした。マティルダちゃんはどのような反応をしましたか?他にも私生活でマリリンを引きずってしまうことはありましたか?

MW: 娘はマリリンの声に気づいたのよ(笑)今作に限らず映画の撮影中は、絵本の読み聞かせをする時に役の影響が出てしまうの。イギリス人の役を演じているときは、娘のベッドタイムストーリーに登場するキャラクターがみんなイギリス英語に、南部出身の役を演じている場合は南部なまりに…といった具合にね。私はどんな作品を撮影している時でも、自然に感じられるように役を自分の日常に取り入れようとするの。ベッドタイムストーリーにはいろんなキャラクターが登場して、いろんな声を出す必要があるから、最適なチャンスなのよね。だから娘のための読み聞かせの時間は、私にとって楽しい実験の時間なの。娘も今ではいろんなアクセントを上手に話せるのよ(笑)

たとえそれがどんな役であれ、撮影中は自分が演じている役のカラーが私生活にもにじみ出てくるもの。境界線が曖昧になってくるのだけれど、そのことで怖じ気づいたり心配したりすることはなくなったわ。そこから抜け出られないなんていうことはないって、今はもう分かっているから。それは仕事をする上で必然的かつ有益でもある、一時的な状況に過ぎないのよ。

—今作や『ブルーバレンタイン』など、女性の共感度が高い役が多い印象ですが、出演作はどのように選んでいるのですか?

MW: 私はかねてから身近に居そうな人物を演じることに興味があるの。地下鉄で隣に座っているような人や、高校の同級生のような人、時には自分自身のような人をね。グラマラスであったり、人より成功していたりといった、完璧に洗練された役にはもともとあまり興味がないの。観客との間に隔たりを持ちたくないのかもしれないわ。上手に説明できないけれど、観客と映画の間にガラスがあるのは嫌なの。それは条件というよりも、私のテイストの問題かもしれない。観に行く映画や読む詩集を選ぶときもそうだけれど、私は完璧に磨かれた作品ではない方が好きなの。

役選びでは自分の本来のテイストというものが自然に出てくるの。それ以外で特に条件はないわ。役選びをする上でのルールを記したリストがあるわけではなく、その瞬間に自分が魅力を感じた役、心に響くものがあった役を選ぶの。その作品を踏み台にして将来的に自分がどこへたどり着けるか、というようなことは、あまり考えないわ。ブロックを積み重ねるようには考えず、一日一日、その時に自分が感じたことを大切にしているの。

—ということは、監督や脚本ではなくキャラクター次第ということですか?

MW:
原則的には作品自体で選んでいるわ。自分自身と脚本の間に生じる反応が決め手よ。とても私的で孤独な枠の中で選んでいるの。他の要素が悪い場合もあるだろうし、それが最善の方法なのかはわからないけれどね。どのような人が参加しているかということにも、以前よりは注目するようにしているけど…でもやっぱり、そうでもないな(笑)ぜひ一緒に仕事をしてみたい監督もいるけれど、その役や作品に自分が反応しなければ引き受けられないの。少なくとも私にとっては、興味のあるものや挑戦してみたい作品に自分が本当に正直であり続ければ、ちょうど良いタイミングでしっくりくる役がいただけると信じているの。そういった作品は女優として向上させてくれると同時に、最終的に人としても私を成長させてくれる。そうね、どんな役かということは、もしかしたら私にとって最も重要な部分かもしれないわ。



—マリリン・モンローは「太く短く」生きたというイメージですが、ミシェルさんは人として、女優として、どのような生き方を目指していますか?

MW: こう言うとシンプルに聞こえるけれど、これが本音よ—— 私は幸せになりたいの。他の何よりも、自分自身のため、そして娘のために幸せな人生を歩むことに興味があるの。常にそれが頭のどこかにあるんだと思う。仕事も友情も自分自身のことも、「いかに私たちの人生を長く幸せなものにするか」という指針に基づいて決めているわ。平凡で退屈な答えに聞こえるかもしれないけれど、いつもそう考えて生きているの。本当につまらない答えよね(笑)でも本当に、私が欲しいのは普通の家庭と安全で幸せな人生だけなの!

—つまらなくないですよ!

MW: そうね、つまらなくはないわよね(笑)女優を始めてからしばらくの間は、何とかやって行けるようになることがゴールだった。そして何とかやって行けるようになると、今度は「幸せになりたい」って思うのよね。実際には複雑なことだと思うわ。「幸せ」という言葉には多くの要素が含まれるもの。でも、それが私の最大のゴールなのよ。

Photos: Tetsuro Sato
Interview + Text: Nao Machida


3月13日に開催されたジャパン・プレミアにはマリリン風の白いドレスで登場。


プレミアの翌日の記者会見は、赤いヴァレンチノのドレスにジュゼッペ・ザノッティのハイヒール。


会見の後は東京・代官山蔦屋書店で「“マリリン” ポスター回顧展」オープニングイベントに参加

『マリリン 7日間の恋』

1956年、ローレンス・オリヴィエ監督・主演の映画『王子と踊り子』の撮影のために、ハリウッドの大スター、マリリン・モンローがイギリスに降り立った。初のプロデュース作品に意気込むマリリンだったが、彼女の演技法を受け入れないオリヴィエと対立。慣れない環境でのプレッシャーから精神的に不安定になり、夫にも見放されてしまう。孤独を抱えたモンローは、いつしか映画の第3助監督コリン・クラークに心を許すようになっていく…。



監督: サイモン・カーティス
脚本: エイドリアン・ホッジス
原作: コリン・クラーク「マリリン・モンロー 7日間の恋」
キャスト: ミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナー、エディ・レッドメイン、ほか
3月24日(土)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
© 2011 The Weinstein Company LLC. All Rights Reserved.

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14:30

ザ・ホラーズ 来日独占インタビュー&ライヴ写真

2012-03-14
2月に開催された「Hostess Club Weekender」の初日の夜にヘッドライナーを務めた、UK出身の5人組、ザ・ホラーズ。そのサウンドはもちろん独自のファッションにも注目が集まり、デビュー当時から超大型ニューカマーとしてロック・シーンを騒がせていた彼らも、昨夏には3枚目のアルバムをリリース。この夜は彼らの来日を心待ちにしていた大勢の日本のファンの前で圧巻のライヴ・パフォーマンスを展開した。

ステージからオーウェン・パレットの歌声が聴こえる楽屋にて、ライヴ直前に敢行した今回のインタビューに応じてくれたのは、ベースのスパイダーことリース・ウェッブ。バンドのスポークスマンかのごとく、全ての質問にたっぷりと丁寧に答えてくれた。来日の度にどんどん良くなる彼らのライヴの模様を収めた写真と一緒にどうぞ!


左から=ジョセフ(Dr)、リース(B)、ファリス(Vo)

—今日はライヴ前にお時間ありがとうございます。昨年8月の「SUMMER SONIC 2011」以来の来日ですが、元気にしていましたか?

リース・ウェッブ(以下、RW): 前回サマソニで来日してから、クリスマスまではほとんどノンストップでライヴをしていたんだ。それから2週間ほど休んで、1月にまたライヴを再開した。ライヴ、ライヴでかなり忙しい日々だったよ。でもエキサイティングで良い時間を過ごしているけれどね。

—前回はニュー・アルバム『Skying』を発表した直後の来日でしたが、新作へのファンの反応はいかがでしたか?

RW: 最高だったよ。前回はサマソニの東京公演しかやらなかったから、もっと長く日本に滞在したかったな。でもアメリカのフェスで演奏したり、ヨーロッパをツアーしたり、昨日は台湾で演奏したし、インドネシアにも行ったんだ。新作を世界中で披露できて最高だよ。みんな楽しんでくれているしね。

—前作『Primary Colours』が素晴らしい評価を得ていた後の『Skying』でしたが、制作中はプレッシャーを感じましたか?

RW: 今作は自分たちのスタジオで、自分たちでプロデュースしたから、制作を始める段階ではメンバーの誰もが素晴らしい作品にしなければというプレッシャーを感じていたと思う。でも奇妙なことに、レコーディングを始めたら自分たちだけの空間にどっぷり浸って無我夢中になった。アルバムのことだけに集中していたから、外界で起こっている他のことは何も考えなくなったんだ。それに素晴らしい曲が書けた途端に、もう大丈夫だってわかったしね。楽曲に満足できてからは自分たちの作業だけに集中して、他のことは全部忘れちゃったよ。

—初めて自分たちでプロデュースしてみて、いかがでしたか?

RW: 僕らはかねてからプロデュースに興味があって、最初の2枚のアルバムでも制作面に大きく関わっていたんだ。『Primary Colour』ではプロデューサーを務めたジェフ(・バーロウ/ポーティスヘッド)と密に作業を進めていたしね。今作は自分たちでプロデュースするのに良いタイミングだと思ったし、モチベーションもあった。それでスタジオを設立して、機材を揃えて、自分たちでレコーディングしてやりたいことをやろうと決めたんだ。最も重要なことは自分たちのアイデアを実現することだった。現時点の僕たちには他の人からのインプットは不要で、自分たち自身のゴールやアイデアを達成することが何よりも大切なんだ。ハードワークだったけど、長い目で見たらやってみて良かったよ。僕らにとって思い入れの強い、とても私的な作品が完成したからね。やりがいが感じられたよ。

—制作するにあたって、最初に全員で話し合うのですか?それともスタジオに入って自然発生的に作っていくのですか?

RW: 僕らは制作が始まるまで話し合いはしないんだ。通常はとにかく一緒に演奏してみる。自分たちのスタジオができたから、そこでとりあえずみんなで演奏してみて、アイデアを出すところがスタート地点さ。そこから膨らませていって、いろいろ実験してみて、それを後からみんなで聴いて、どのような方向性にしようとか話し合うんだ。だから最初のアイデアは一緒に演奏するところから自然発生する。そこからいろんなアイデアを追加していくんだよ。わりと変わったやり方だと思うけどね。多くのバンドはソングライターが決まっているけど、僕らの場合は常に形が変わっていくんだ。曲作りが速いメンバーもいて、1日の終わりには曲が完成していることもある。その一方で、レコーディングの最初から最後までかかる曲もある。前に進んだかと思えば後退したり、新しいアイデアをどんどん試していったりしてね。だからこそ、自分たちのスタジオを持つことが重要なんだ。そういうスタイルで作業できる場所が必要だからね。



—第3者のプロデューサーがいない状態でレコーディングして、もめたりすることはありませんでしたか?

RW: たぶんケンカもあったよ(笑)逆になかったらおかしいよね、メンバーはみんな強い意見を持っているし。常に全員が同意見というわけにはいかないんだ。でもいつも最終的には、善かれ悪しかれ、なるべきようになるものだ。だからもちろん、レコーディング中は張りつめた空気になったり、口論したりもするけれど、それって健康的な仕事の進め方だと思う。そこからアイデアが生まれる場合もあるし、何が正しい選択肢なのか集中して考えることもできるからね。

—「Still Life」をリード・シングルに選んだ理由は?

RW: 実はあれがアルバムのために最初に書いた曲だったんだ。そして素早く完成した曲でもある。アルバムの世界観をうまく表現している曲だと思ったし、アルバムとアルバムの間には常に2年くらい空くから、バンドの現状をオーディエンスに紹介する上でも良い曲だと思った。『Primary Colours』のときは「Sea Within a Sea」を最初にリリースしたんだけど、あの曲はあのアルバムをうまく表現していたと思う。「Still Life」はとてもユニークな曲だけど、単純にみんなにあの曲を聴いてほしかったんだ。今作をスタートする上ではあの曲から始めるのが良いと感じた。

—今夜は「Hostess Club Weekender」のヘッドライナーですね。

RW: 『Primary Colours』と『Skying』から、自分たちのお気に入りの楽曲を演奏する予定だよ。みんなにも楽しんでもらえると思う!

—今回のイベントのラインアップで観たいバンドは?

RW: 本当はオーウェン・パレットを観たかったんだけど、取材が続いたからほとんど観られなかった。僕らは明朝ロンドンに出発するから、明日のライヴは観られないんだよね…

—そう言えば、以前にビヨンセの「Best Thing I Never Had」をカヴァーしていましたね。

RW: BBCのRadio 1で、バンドがカヴァー・ソングを演奏するという企画だったんだ。ラジオ局の編成リストのヘヴィ・ローテーションの中から選曲しないとならなかった。あの曲が特に好きというわけではなかったんだけどね。

—すごく意外で驚きました。

RW: だよね(笑)ただ単に、あの曲は何かできそうな曲だと感じたんだ。リリック的にもね。ビヨンセの曲の大半は、ダンスであろうがポップであろうが基本はソウル・ミュージックだから、手を加えやすいんだよね。ラジオで流れている多くの曲はダンスとかヒップホップとかいじりにくいものが多いから、僕らは何かしら冒険できる楽曲を選ぼうと思ったんだ。だからあの曲を選んだんだよ。今夜のライヴではカヴァーはやらないけどね。僕らのカヴァー曲は全くもってビヨンセのオリジナル・ヴァージョンと違うものにできたから良かったよ。彼女は僕らのヴァージョンを聴いてくれたのかな?聴いてくれているといいな。



—最近はザ・ホラーズのようなロック・バンドが減ってきているような気がします。昨今の音楽シーンについてはどう思いますか?

RW: 常にエキサイティングなムーヴメントがどこかしらで起こっていると思うんだ。ただ、時によく探さないとならないだけさ。求めているものが常にテレビやラジオで流れているわけではないからね。最近は、ニュージーランド出身でイースト・ロンドン在住のコナン・モカシンというアーティストがすごく気に入っている。去年『Forever Dolphin Love』というアルバムをリリースして、とても良いんだよ。それに数年前に出てきたサンフランシスコ出身のザ・ウッデン・シップスというバンドもよく聴いている。ロンドンの新人バンド、トイも。最近シングルをリリースしたんだ。僕らも一緒によくライヴをやっているんだけど、気に入っているバンドだよ。

とても良い新しい音楽はたくさん存在するんだけど、残念なことに、多くのバンドがアンダーグラウンドからブレイクする機会を与えられていないように思う。だから聴く方がよく探さないとね。そういった意味では僕らはラッキーだと思う。自分たちが音楽的にやりたいことをやりたいようにやりながら、ある一定のラインを超えることができて、ラジオで流してもらったり、ティーン向けの雑誌で取り上げてもらったりできているんだから。それでいて、自分たちが聴いてほしいようなサウンドはキープしているんだからね。

—新作の制作は始めていますか?

RW: まだ新作に取りかかる時間がないんだけど、みんな何かしらのアイデアは浮かんでいると思う。ある特定の曲のアイデアというよりも、どのように新作を形作りたいか、という意味でね。全員が何かしらのムードやフィーリングを考えているんじゃないかな。どんな新作になるかは全く分からないけどね。でも僕自身はフィーリングが浮かんでいるし、他のみんなもそうだと思うよ。あと2ヶ月以内には制作にとりかかる時間もできると思う。スタジオが僕らを待っているからね!

—自分のスタジオがあるっていいですね。

RW:
うん、すごく良いんだけど、残念なことにスタジオで過ごす時間が全然ないんだ。毎日いろんな音楽を聴きながら、もし毎日曲作りができたらどんなに素晴らしいだろうと思うんだけどね。残念ながら常に移動していて、そんな贅沢は許されないんだ。でも曲作りに集中できるのは、とてもエキサイティングなことだよ。いつかもっとスタジオで時間が過ごせるようになったら嬉しいね。

—ツアー中に曲を書くことはありますか?

RW: 個人的にはないよ。僕は他の人と一緒に曲を作る方が好きなんだ。でもトム(・カウァン/シンセサイザー)はほとんどエレクトロニック・ミュージックを作っているから、常に曲を書いているよ。ザ・ホラーズの曲じゃないとしても、誰かのリミックスを手掛けたり、個人的な曲を作ったりしているからね。僕もやることもあるけど、ライヴ演奏で仲間と一緒に作る方がエキサイティングに感じるんだ。

—日本のファンはザ・ホラーズの音楽と同じくらい、あなたたちのファッションにも興味があるようです。あなたから見て日本のファンのファッションはどう思いますか?

RW: 日本のファンのファッションは素晴らしいと思う!来日すると必ず行く原宿の古着屋があるんだ。何か良いものはないかとチェックすることにしている。僕らが行くのは古着屋がメインだよ。日本のファッションでクールだと思うのは、常にファッションが音楽と深く関わっていること。自分の好きな音楽をファッションで表現しているんだと思う。僕にとっては音楽の方がファッションより大切だけど、でも音楽はライフスタイルの一部だからね。ロカビリーからパンクまで、日本の人は音楽とファッションを強く結びつけてきたんだと思うんだ。ユースのアイデンティティという感じかな。そういう点がいいなと思っている。僕も初めて音楽にはまった時はそうだったしね。

—日本のファンはファッションもザ・ホラーズ風ですよね。ガールフレンドまでマッチしていたりして。

RW: それは嬉しいよね!最近はそういうバンドって少ないんじゃないかな。音楽史をさかのぼると、確かにファッションの面でも影響を及ぼしたバンドは多い。ジーザス&メリー・チェインやセックス・ピストルズとかね。最近そういうバンドは少ないと思うけど、僕らはかなり初期からそれを実現してきたように思うよ。

—単独ツアーや夏フェスで再来日する予定はありますか?

RW:
まだ日本ではちゃんとしたツアーをしたことがないんだ。単独ライヴは数回やったけど、大阪と東京とサマソニだけだし、ぜひもっと大規模なツアーを実現してみたいと思うよ。特に日本でね。以前は無理だったかもしれないけど、今はもっと実現できるチャンスがあるんじゃないかな。

—日本のファンにメッセージをお願いします。

RW: ザ・ホラーズ全員から、こんにちは!僕らの音楽を聴いてくれてありがとう。今夜のライヴを観てくれる人もいると思うけれど、来られなかった人は次回に会おうね!









ザ・ホラーズ:

2006年、デビュー前にも関わらずNME誌の表紙を飾るなど超ド級の注目新人UKバンドとしてシーンに登場。07年のデビューアルバム『Strange House』はUKチャート37位を獲得。ポーティスヘッドのジェフ・バーロウと映像監督のクリス・カニンガムをプロデューサーに迎えた2ndアルバム『Primary Colours』はUKチャート25位を獲得。2010年の東京での単独公演はソールドアウトし、大喝采を巻き起こした。そして2011年7月にはサード・アルバム『Skying』をリリース。NME(8/10点)、UNCUT(4/5点)、MOJO(4/5点)、Q(4/5点)と軒並み高評価を得、話題となっている。

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Photos: KNTR
Live Photos: Kazumichi Kokei
Interview + Text: Nao Machida

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バイオリンの貴公子、オーウェン・パレット来日独占インタビュー

2012-03-02
2月18日・19日、東京・恵比寿ガーデンホールにて、ライヴ・イベント「Hostess Club Weekender」が開催された。今回紹介するのは初日に出演したカナダ・トロント出身のアーティスト、オーウェン・パレット。バイオリンを奏で、ヴォーカルもエレクトロニクスも一人でこなすマルチプレーヤーだ。自身のソロ作品だけではなく、アーケイド・ファイアやベイルート、グリズリー・ベアからR.E.M.まで、多数のアーティストの作品でストリング・アレンジメントを手掛けたり、映画音楽を作曲したりと、幅広く活動している。

作品のサウンドやリリックから繊細で口数の少ない人をイメージしていたが、実際の彼は予想外にオープンな人柄だった。そしてとにかくよく喋る!ライヴ前日に行った今回のインタビューでは、制作中の新作からツイッターからR.E.M.からマライア・キャリーまで、ありとあらゆるトピックについて大いに語ってくれた。



—また来日してくださってありがとうございます。

オーウェン・パレット(以下、OP): こちらこそ。日本に来られてすごーーーく嬉しいよ! アメリカでは飛行機を降りると、「はぁ…」って感じなんだけど、日本に到着するとワクワクするしリラックスできる。今朝は最高に奇妙な朝ご飯を食べたよ。でも美味しかった。

—ツイッターでつぶやいていましたね。

OP: そうそう、ネバネバしたペースト状の山芋。あれって何て言うの?

—とろろですか?

OP:
いつもは納豆が一緒に出てくるんだけど、今朝はなかった。僕は納豆も食べられるし好きなんだ。でも今回の山芋は味が薄くて冷たかったな。そばがあったら良かった。ざるそばが大好きでね。

—日本食に詳しいんですね。

OP: うん!前回の来日の際は4週間も滞在したんだ。コリアン・タウンのある大久保に滞在した。オタク系のショップがいっぱいある中野にも近いし、新宿もすぐそこだし便利だったよ。それに白馬までスキーをしに行って、そばをいっぱい食べたんだ。白馬も雪質が良くて最高だったな。日本人がスキーをする姿はとてもおかしかったけど(笑)なんかワイルドなんだよね。カナダではスキーをする人って、いかにもアスリートって感じなんだけど、日本人は開放感あふれる感じ。でも最高に楽しい思い出だよ。正直言って日本に住みたいくらい…(延々と日本について語り始める)

—前回の来日からはいかがお過ごしでしたか?

OP: 元気だったよ。前回は精神的に落ち込んでいたんだ。ライヴもまるでキャット・パワーみたいで、「あ゛〜!」って感じだった(笑)でもライヴ後も日本に滞在して、美味しいご飯を食べてリラックスしたおかげで、ここ1年はとても幸せに過ごしているよ。

—日本が癒しになったわけですか。良かったですね。

OP: なったよ!トロントに帰ってからも引越しをしたり、バンドを結成したり、アクティブに過ごしているんだ。

—なるほど。今日はまずバックグラウンドについて少しお聞きしたいのですが、幼い頃に音楽を始めたんですよね?どのような経緯を経てソロ・プロジェクトを始めるまでに至ったのですか?

OP: 子どもの頃はオーケストラのバイオリニストになるような教育を受けていたんだ。よくネットの動画サイトに、コンテストでバイオリンを弾いているガキの動画とかアップされているだろう?まさにあんな子どもだった。でも10代の頃に作曲の方が好きになって、バイオリンは辞めた。それから20代前半はトロントで新しい音楽シーンに没頭して。当時はインディーズ・ミュージックとか、いろんなことが起こっていたんだ。それで僕も曲を書き始めて、友だちとレーベルを立ち上げて自分たちの楽曲を発表していた。ヒドゥン・カメラズを主軸に、他にも今では解散してしまったカナダのバンドがたくさん居たよ。コンスタンティンズとかロイヤル・シティとかね。それにもっと有名になって人気が出たブロークン・ソーシャル・シーンとかファイストがいたシーンもあった。僕らはみんな友だちで、何かしらでつながっていたんだ。音楽があふれていたよ。僕はそうやってアーティスト活動を始めたんだ。



—子どもの頃はクラシックだけ?それともポップ・ミュージックを聴いたりMTVを観たりしていたのですか?

OP:
そんなには聴いていなかったかな。9歳の時に初めてMTVを観たのを覚えているよ。兄が常にMTVを観ていたからね。でも僕はよく理解できなかったな。子どもの頃はよくラップを聴いていたんだ。

—意外ですね!?

OP: よく言われる(笑)初めてカセットで買ったアルバムはデジタル・アンダーグラウンドだった。実は今日そのことを考えていたんだよね。なぜか日本でデジタル・アンダーグラウンドについて考えていた(笑)

—意外と言えば、インターネットであなたがマライア・キャリーの曲を歌っている動画を観ました。

OP: マライア・キャリーは大好きなんだ。そういえば前にホイットニー・ヒューストンの曲をカヴァーしたこともあるんだけど、死んじゃったからもうできないな。「My Name Is Not Susan」っていう曲をカヴァーしたんだ。たぶんネットに出回っているよ。アップリフティングな曲ではないし、今歌ったらすごく悲しい曲になってしまうよね。でも良い曲だよ。ホイットニー・ヒューストンの曲の中で1番好きなんだ。明日のライヴではカリブーの曲をカヴァーするかも。

—最近1番好きなアーティストは?

OP: 最近は自分のアルバムの曲作りをしているから、他のアーティストの音楽をあまり積極的に聴いていないんだ。クラスターはよく聴いているけど新しいアーティストではないしね。新しいバンドはわからないな。ヘッスル・オーディオはよく聴いているし、最近オブジェクトの新しい12インチは聴いたよ。オブジェクトが1番のお気に入りかな。

—ソロ活動を始めた当初はファイナル・ファンタジーという名義で活動されていたんですよね。

OP: 子どもの頃は田舎で育って運転もできなかったし、街で遊ぶこともできなかったから、いつも家でゲームをやっていた。他に何もないからさ。それで何時間も「ファイナル・ファンタジー」をやっていたんだ。確か「ファイナル・ファンタジー6」だったと思う。80時間くらいやっていたよ。全てのキャラがマックスに達していて、僕らはただ荒野を冒険していた。ある意味、気が滅入るよね。でも楽しかったんだ。

それでループ・バイオリンの音楽を作り始めたとき、ゲームで遊んでいた頃と同じ状況にいる自分に気づいたんだ。ただ今回は24歳の大人になっていて、地下室にこもって黙々とバイオリンを弾いてループしていた。ものすごくたくさん練習が必要だから、まるで“グラインディング”みたいだと思った。“グラインディング”っていうのは、ロールプレイングゲームをする時にキャラを強くするために何度も戦わせること。当時の僕はまるでキャラを“グラインディング”しているような気分だった。だからソロの名義を「ファイナル・ファンタジー」にしたってわけ。あの名前がすごく恋しいけど、僕のものではないからね。

—バイオリンをループするというアイデアはどこから?

OP: 友だちが同じことをギターでやっているのを見て、バイオリンでやったらいいんじゃないかと思いついた。それでやってみたっていうわけさ。

—前回は初の来日公演でしたが、日本でのライヴはいかがでしたか?

OP: 楽しかったよ。日本の観客の前で演奏するのは最高だった。さっきも言ったように個人的にちょっと辛い時期だったから、自分の中でのベスト・ライヴだったとは言えないけれど、でも楽しかった。今回は最高のライヴになるよ!バンドと一緒にいればアンハッピーなんてことはありえないからね。メンバーは親友だし、バンドと一緒の方がずっと楽しい。

—楽しみですね。彼らと一緒にツアーをまわっているんですか?

OP: ちょっとだけね。最近は映画のスコアや、他のアーティストのアレンジメントの仕事で忙しかったから。今年はアレンジメントの仕事が多くて、スノウ・パトロールやR.E.M.の最後の曲等を手掛けた。さらにバイオリン協奏曲も書いていたから、そういった感じでバタバタしている中で、ゆっくりと自分の新作に取りかかっている感じだよ。

—とても生産性が高いですね。

OP: 言われてみればそうだね。実感はないんだけど。アルバムを作るのに3年もかかるからさ。頭の中でよく考えて、曲を書いて、それをレコーディングして。だから、自分にとってはすごくスローに感じる。

—確かに前作『Heartland』の時は、みんなが首を長くしてリリースを待っていました。

OP: そうなんだよ、3年くらいかかっちゃった。EPとか他の作品はいっぱい発表していたけれどね。アルバムの制作を通じていろんな事をする上で、学ぶことがたくさんあるんだ。僕はカントリー・ミュージックやダンス・ミュージックのように既に固定観念がある作品を作っているわけではないから、少しだけ余計に時間がかかるんだ。

—前作『Heartland』はリリックがとても難解なコンセプト・アルバムでしたが、新作もコンセプト・アルバムになるのですか?

OP: いや、新作では逆行する予定。もっと自由で自叙伝的なものを考えているんだ…ある意味ね。基本的には世界を破壊した男についての作品で、でも自叙伝的なんだよ(笑)

—その男性キャラクターに自己投影するということですか?

OP: その通り。ここ2年ほどフェミニスト文学をたくさん読んでいて、自分自身の男らしさに嫌気が差し、腹を立てているんだ。他の人の男らしさにもね。そういったことについて曲を書いている。

—最初にストーリーを決めて、そこからリリックに落としていくのですか?

OP: 最近のやり方は、自分の人生で起こった出来事の中から曲にしたら面白そうなものを選んで、それをリリックにしている。リリックを書いてから作曲しているんだ。



—ツイッターでは「新曲はとても気が滅入る」とつぶやいていましたね。

OP: オーマイガッド、すごく気が滅入るよ。最高に悲しい曲なんだ、説明もできないくらいだよ。地獄に堕ちることについての曲とかさ。本当に気が滅入るんだよね。それに新曲の多くはとてもバイオレントなんだ。最近は人生の出来事の中でも、よりダークな経験を選んで書いているからかもね。よりバイオレントで男性的な性質を反映したような出来事だ。本当に気が滅入るから、あまりこの話題を掘り下げない方がいいかも(笑)

—ところでツイッターを多用されていますが、ツイッターというメディアは気に入っていますか?

OP: 僕がツイートするときは、酔っぱらっているときか二日酔いのとき。ときどき何日もツイートがないときがあるだろう?そういう時期は実はとても健康的に過ごしていて、酒を飲んでいないんだよ。友だちと飲みに行って冗談とか言い合っているときに、「それウケる!」とか言ってツイートしたり、朝目が覚めて「起きたくない!」と思ったときにつぶやいたりする。だから僕のツイートがない時は健康に暮らしているということ。もしツイートが大量に続いたら飲み過ぎだと思ってくれていいよ(笑)

—先ほどもおっしゃっていたように、他のアーティストの作品のストリング・アレンジメントも多く手掛けていますが、そういった仕事はご自身のソロ作品にどのような影響を与えていますか?

OP:
影響を与えているとすれば、ただソロ作品に費やす時間が減るということだけ。僕はストリング・アレンジメントの仕事をアルバイトとして考えているんだ。でも他のアーティストの作品を手掛けるのは大好きだよ。自分の曲を書くよりも簡単に感じる。

—R.E.M.の最後の楽曲(解散後にリリースされたベスト盤『Part Lies, Part Heart, Part Truth, Part Garbage 1982–2011』に収録された「We Go Back to Where We Belong」)のアレンジメントも手掛けたそうですが、彼らとの仕事はいかがでしたか?

OP: 彼らとは実際には一緒に作業していないんだ。メンバーには会わなかったよ。あの曲のプロデューサー、ジャックナイフ(・リー)と一緒に仕事をしたのさ。でもバンドも完成した楽曲に満足してくれたと聞いている。マイケル・スタイプたちには会えなかったけどね。

—子どもの頃からR.E.M.は聴いていたんですか?

OP: 聴いていたという自覚はなかったんだ。彼らの楽曲はわりと好きだったけど、自分がファンだとは思っていなかった。彼らが解散して初めて、自分がどれだけ多くのR.E.M.の曲の歌詞を覚えているかに気づいたよ。自分の人生において、彼らの存在はザ・ビートルズと同じくらい大きいんだなって思った。だって20曲くらいの全ての歌詞を覚えていたんだから。奇妙だったよ。だから彼らが解散したことは、すごく悲しかったよ。

—今後、ストリング・アレンジメントを手掛ける予定のバンドはいますか?

OP:
ロビー・ウィリアムスの作品を手掛けるかも。わかんないけど。

—えっ!? 本当ですか?

OP: まだわからないけどね。本当は日本滞在中に作業しないといけないんだけど、スコアの仕事が溜まっていた上に腱鞘炎気味でね。そんなにひどくはないんだけど、ソファとかでおかしな角度でタイプしていたから手首が炎症を起こしてしまった。だからできるだけパソコンは触らないようにしているんだ。まだ未定だな。でもお金も必要だしな(笑)

—ぜひ一緒に仕事してみたいと思うアーティストは?

OP:
いないよ。もらえる仕事を引き受けるっていう感じ。でも唯一、ディアンジェロとは一緒に仕事してみたいな。

—確かディアンジェロは新作を制作中ですよね?

OP:
うん、ニュー・アルバムが出るっていう噂。最近はライヴを再開しているんだよ。ネットで最近のライヴ映像を観たら素晴らしかった。まるでプリンスでも観ているみたいに、最高にかっこ良かった。

—あなたは映画のスコアも手掛けていますね。前にあなたが手掛けた音楽に合わせて14人の役者が演じる短編の動画集「14 Actors Acting」という企画をインターネットで拝見しました。

OP: あの作品はあまりにも速く進んだから、よく覚えていないんだ。全ての音楽を6日間で書き上げたんだよ。14本の短編のための音楽を6日間で!それからチェコ共和国に飛んでオーケストラのレコーディングの指揮をして、ツアーで訪れたトルコのホテルでミックス作業をしたんだ。それを彼らに送ったっていうわけ。でもあの作品でエミー賞を受賞することができた。僕はエミー賞もグラミー賞も完全に運良く受賞できたんだ。

—次は映画音楽でアカデミー賞を狙えるかもしれないですね。

OP: うん、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞が4大アワードだからね。そのうちの2つを既に受賞したんだから、悪くないよね!



—今回は「Hostess Club Weekender」での来日ですね。

OP:
すごーくワクワクしてるよ!素晴らしいバンドを連れてきたし、きっと日本のみんなにも気に入ってもらえると思う。前回の来日公演は一人でステージに立ったけど、今回は3ピース・バンドなんだ。僕らはすごくラウドなんだよ(笑)これまでどおり僕がバイオリンやシンセサイザーを担当して、もちろんループもやるけど、そこにベースとドラムが加わった。彼らはすごく優秀な素晴らしいミュージシャンさ。古い曲もやるし、新曲もたくさん披露する予定。『Heartland』には「Tryst with Mephistopheles」のような今まで1度も演奏できなかった曲があって、今回は演奏するつもりなんだ。バンドが大好きだから本当に興奮している。彼らは最高だよ。ステージでみんなを圧倒する予定だよ。

—イベント後もしばらく日本に滞在するとのことですが、行きたい場所はありますか?

OP:
滞在中に中国茶が買いたいんだ。今回はずっと東京にいるつもり。今日は中野に行って漫画とか買う予定。そうだ!高級な寿司を食べに行くんだった!すごくワクワクしているよ。「すきやばし次郎」って知ってる?予約が取れたから、すごーーーーーく楽しみなんだ!絶対に美味しいはず。でも超高いんだよね。テレビでシェフのドキュメンタリーや、アンソニー・ボーディン(註: アメリカのシェフで番組司会者。すきやばし次郎を世界一の寿司屋と称賛)の番組も観たんだ。店には10席しかないんだよ。すごーーーーーく楽しみ〜!食事にそんなにお金を出したことないけど、今回は奮発するつもり。前回の来日時は焼肉とかそばとかラーメンとかばかりだったし…(延々と日本食について語る)

—フェスティヴァル等で再来日する予定はありますか?

OP: 今年の夏には間に合わないけど、来年アルバムをリリースする予定だから、来年は日本の夏フェスに出演できたらいいなと思っている。2006年にアーケイド・ファイアとサマソニに出たことがあるけど、自分では出たことがないんだ。フジロックは行ったこともないしね。

—山の中であなたの音楽を聴けたら最高ですね。

OP: 実現したらいいね。それに全国ツアーもやってみたい。大阪が大好きだし、地方にも行ってみたい。それに横浜にすごく行ってみたいんだよね。

—日本のファンにメッセージをお願いします。

OP:
レコード・プレーヤーをゲットして、アナログ盤を買ってね(笑)







オーウェン・パレット:

カナダはトロント出身のオーウェン・パレットは幼いころからクラシック音楽とバイオリンを学び、13歳で作曲を始め、大学でも音楽を専攻、本格的に作曲を学ぶ。卒業後、地元トロントの様々なミュージシャン達とのコラボを重ねるようになり、クラシックに限らず様々なバンドに参加し、レコーディングを手伝うようになる。アーケイド・ファイアへの参加で一躍世に名前を広めたオーウェンは、ファイナル・ファンタジー名義のデビュー・アルバム『Has a Good Home』をカルト・ヒットさせる。その後ザ・ラスト・シャドウ・パペッツの『The Age of the Understatement』へのストリングス・アレンジャーとしての参加で評価を決定付けたオーウェンはペット・ショップ・ボーイズなどを手掛けるまでになる。09年英名門レーベルDOMINOと世界契約を結び2010年アルバム『Heartland』をリリース。

オフィシャルサイト>>

Photos (Owen Pallett): KNTR
Live Photos: Kazumichi Kokei
Interview + Text: Nao Machida





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