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ザ・ホラーズ 来日独占インタビュー&ライヴ写真

2012-03-14
2月に開催された「Hostess Club Weekender」の初日の夜にヘッドライナーを務めた、UK出身の5人組、ザ・ホラーズ。そのサウンドはもちろん独自のファッションにも注目が集まり、デビュー当時から超大型ニューカマーとしてロック・シーンを騒がせていた彼らも、昨夏には3枚目のアルバムをリリース。この夜は彼らの来日を心待ちにしていた大勢の日本のファンの前で圧巻のライヴ・パフォーマンスを展開した。

ステージからオーウェン・パレットの歌声が聴こえる楽屋にて、ライヴ直前に敢行した今回のインタビューに応じてくれたのは、ベースのスパイダーことリース・ウェッブ。バンドのスポークスマンかのごとく、全ての質問にたっぷりと丁寧に答えてくれた。来日の度にどんどん良くなる彼らのライヴの模様を収めた写真と一緒にどうぞ!


左から=ジョセフ(Dr)、リース(B)、ファリス(Vo)

—今日はライヴ前にお時間ありがとうございます。昨年8月の「SUMMER SONIC 2011」以来の来日ですが、元気にしていましたか?

リース・ウェッブ(以下、RW): 前回サマソニで来日してから、クリスマスまではほとんどノンストップでライヴをしていたんだ。それから2週間ほど休んで、1月にまたライヴを再開した。ライヴ、ライヴでかなり忙しい日々だったよ。でもエキサイティングで良い時間を過ごしているけれどね。

—前回はニュー・アルバム『Skying』を発表した直後の来日でしたが、新作へのファンの反応はいかがでしたか?

RW: 最高だったよ。前回はサマソニの東京公演しかやらなかったから、もっと長く日本に滞在したかったな。でもアメリカのフェスで演奏したり、ヨーロッパをツアーしたり、昨日は台湾で演奏したし、インドネシアにも行ったんだ。新作を世界中で披露できて最高だよ。みんな楽しんでくれているしね。

—前作『Primary Colours』が素晴らしい評価を得ていた後の『Skying』でしたが、制作中はプレッシャーを感じましたか?

RW: 今作は自分たちのスタジオで、自分たちでプロデュースしたから、制作を始める段階ではメンバーの誰もが素晴らしい作品にしなければというプレッシャーを感じていたと思う。でも奇妙なことに、レコーディングを始めたら自分たちだけの空間にどっぷり浸って無我夢中になった。アルバムのことだけに集中していたから、外界で起こっている他のことは何も考えなくなったんだ。それに素晴らしい曲が書けた途端に、もう大丈夫だってわかったしね。楽曲に満足できてからは自分たちの作業だけに集中して、他のことは全部忘れちゃったよ。

—初めて自分たちでプロデュースしてみて、いかがでしたか?

RW: 僕らはかねてからプロデュースに興味があって、最初の2枚のアルバムでも制作面に大きく関わっていたんだ。『Primary Colour』ではプロデューサーを務めたジェフ(・バーロウ/ポーティスヘッド)と密に作業を進めていたしね。今作は自分たちでプロデュースするのに良いタイミングだと思ったし、モチベーションもあった。それでスタジオを設立して、機材を揃えて、自分たちでレコーディングしてやりたいことをやろうと決めたんだ。最も重要なことは自分たちのアイデアを実現することだった。現時点の僕たちには他の人からのインプットは不要で、自分たち自身のゴールやアイデアを達成することが何よりも大切なんだ。ハードワークだったけど、長い目で見たらやってみて良かったよ。僕らにとって思い入れの強い、とても私的な作品が完成したからね。やりがいが感じられたよ。

—制作するにあたって、最初に全員で話し合うのですか?それともスタジオに入って自然発生的に作っていくのですか?

RW: 僕らは制作が始まるまで話し合いはしないんだ。通常はとにかく一緒に演奏してみる。自分たちのスタジオができたから、そこでとりあえずみんなで演奏してみて、アイデアを出すところがスタート地点さ。そこから膨らませていって、いろいろ実験してみて、それを後からみんなで聴いて、どのような方向性にしようとか話し合うんだ。だから最初のアイデアは一緒に演奏するところから自然発生する。そこからいろんなアイデアを追加していくんだよ。わりと変わったやり方だと思うけどね。多くのバンドはソングライターが決まっているけど、僕らの場合は常に形が変わっていくんだ。曲作りが速いメンバーもいて、1日の終わりには曲が完成していることもある。その一方で、レコーディングの最初から最後までかかる曲もある。前に進んだかと思えば後退したり、新しいアイデアをどんどん試していったりしてね。だからこそ、自分たちのスタジオを持つことが重要なんだ。そういうスタイルで作業できる場所が必要だからね。



—第3者のプロデューサーがいない状態でレコーディングして、もめたりすることはありませんでしたか?

RW: たぶんケンカもあったよ(笑)逆になかったらおかしいよね、メンバーはみんな強い意見を持っているし。常に全員が同意見というわけにはいかないんだ。でもいつも最終的には、善かれ悪しかれ、なるべきようになるものだ。だからもちろん、レコーディング中は張りつめた空気になったり、口論したりもするけれど、それって健康的な仕事の進め方だと思う。そこからアイデアが生まれる場合もあるし、何が正しい選択肢なのか集中して考えることもできるからね。

—「Still Life」をリード・シングルに選んだ理由は?

RW: 実はあれがアルバムのために最初に書いた曲だったんだ。そして素早く完成した曲でもある。アルバムの世界観をうまく表現している曲だと思ったし、アルバムとアルバムの間には常に2年くらい空くから、バンドの現状をオーディエンスに紹介する上でも良い曲だと思った。『Primary Colours』のときは「Sea Within a Sea」を最初にリリースしたんだけど、あの曲はあのアルバムをうまく表現していたと思う。「Still Life」はとてもユニークな曲だけど、単純にみんなにあの曲を聴いてほしかったんだ。今作をスタートする上ではあの曲から始めるのが良いと感じた。

—今夜は「Hostess Club Weekender」のヘッドライナーですね。

RW: 『Primary Colours』と『Skying』から、自分たちのお気に入りの楽曲を演奏する予定だよ。みんなにも楽しんでもらえると思う!

—今回のイベントのラインアップで観たいバンドは?

RW: 本当はオーウェン・パレットを観たかったんだけど、取材が続いたからほとんど観られなかった。僕らは明朝ロンドンに出発するから、明日のライヴは観られないんだよね…

—そう言えば、以前にビヨンセの「Best Thing I Never Had」をカヴァーしていましたね。

RW: BBCのRadio 1で、バンドがカヴァー・ソングを演奏するという企画だったんだ。ラジオ局の編成リストのヘヴィ・ローテーションの中から選曲しないとならなかった。あの曲が特に好きというわけではなかったんだけどね。

—すごく意外で驚きました。

RW: だよね(笑)ただ単に、あの曲は何かできそうな曲だと感じたんだ。リリック的にもね。ビヨンセの曲の大半は、ダンスであろうがポップであろうが基本はソウル・ミュージックだから、手を加えやすいんだよね。ラジオで流れている多くの曲はダンスとかヒップホップとかいじりにくいものが多いから、僕らは何かしら冒険できる楽曲を選ぼうと思ったんだ。だからあの曲を選んだんだよ。今夜のライヴではカヴァーはやらないけどね。僕らのカヴァー曲は全くもってビヨンセのオリジナル・ヴァージョンと違うものにできたから良かったよ。彼女は僕らのヴァージョンを聴いてくれたのかな?聴いてくれているといいな。



—最近はザ・ホラーズのようなロック・バンドが減ってきているような気がします。昨今の音楽シーンについてはどう思いますか?

RW: 常にエキサイティングなムーヴメントがどこかしらで起こっていると思うんだ。ただ、時によく探さないとならないだけさ。求めているものが常にテレビやラジオで流れているわけではないからね。最近は、ニュージーランド出身でイースト・ロンドン在住のコナン・モカシンというアーティストがすごく気に入っている。去年『Forever Dolphin Love』というアルバムをリリースして、とても良いんだよ。それに数年前に出てきたサンフランシスコ出身のザ・ウッデン・シップスというバンドもよく聴いている。ロンドンの新人バンド、トイも。最近シングルをリリースしたんだ。僕らも一緒によくライヴをやっているんだけど、気に入っているバンドだよ。

とても良い新しい音楽はたくさん存在するんだけど、残念なことに、多くのバンドがアンダーグラウンドからブレイクする機会を与えられていないように思う。だから聴く方がよく探さないとね。そういった意味では僕らはラッキーだと思う。自分たちが音楽的にやりたいことをやりたいようにやりながら、ある一定のラインを超えることができて、ラジオで流してもらったり、ティーン向けの雑誌で取り上げてもらったりできているんだから。それでいて、自分たちが聴いてほしいようなサウンドはキープしているんだからね。

—新作の制作は始めていますか?

RW: まだ新作に取りかかる時間がないんだけど、みんな何かしらのアイデアは浮かんでいると思う。ある特定の曲のアイデアというよりも、どのように新作を形作りたいか、という意味でね。全員が何かしらのムードやフィーリングを考えているんじゃないかな。どんな新作になるかは全く分からないけどね。でも僕自身はフィーリングが浮かんでいるし、他のみんなもそうだと思うよ。あと2ヶ月以内には制作にとりかかる時間もできると思う。スタジオが僕らを待っているからね!

—自分のスタジオがあるっていいですね。

RW:
うん、すごく良いんだけど、残念なことにスタジオで過ごす時間が全然ないんだ。毎日いろんな音楽を聴きながら、もし毎日曲作りができたらどんなに素晴らしいだろうと思うんだけどね。残念ながら常に移動していて、そんな贅沢は許されないんだ。でも曲作りに集中できるのは、とてもエキサイティングなことだよ。いつかもっとスタジオで時間が過ごせるようになったら嬉しいね。

—ツアー中に曲を書くことはありますか?

RW: 個人的にはないよ。僕は他の人と一緒に曲を作る方が好きなんだ。でもトム(・カウァン/シンセサイザー)はほとんどエレクトロニック・ミュージックを作っているから、常に曲を書いているよ。ザ・ホラーズの曲じゃないとしても、誰かのリミックスを手掛けたり、個人的な曲を作ったりしているからね。僕もやることもあるけど、ライヴ演奏で仲間と一緒に作る方がエキサイティングに感じるんだ。

—日本のファンはザ・ホラーズの音楽と同じくらい、あなたたちのファッションにも興味があるようです。あなたから見て日本のファンのファッションはどう思いますか?

RW: 日本のファンのファッションは素晴らしいと思う!来日すると必ず行く原宿の古着屋があるんだ。何か良いものはないかとチェックすることにしている。僕らが行くのは古着屋がメインだよ。日本のファッションでクールだと思うのは、常にファッションが音楽と深く関わっていること。自分の好きな音楽をファッションで表現しているんだと思う。僕にとっては音楽の方がファッションより大切だけど、でも音楽はライフスタイルの一部だからね。ロカビリーからパンクまで、日本の人は音楽とファッションを強く結びつけてきたんだと思うんだ。ユースのアイデンティティという感じかな。そういう点がいいなと思っている。僕も初めて音楽にはまった時はそうだったしね。

—日本のファンはファッションもザ・ホラーズ風ですよね。ガールフレンドまでマッチしていたりして。

RW: それは嬉しいよね!最近はそういうバンドって少ないんじゃないかな。音楽史をさかのぼると、確かにファッションの面でも影響を及ぼしたバンドは多い。ジーザス&メリー・チェインやセックス・ピストルズとかね。最近そういうバンドは少ないと思うけど、僕らはかなり初期からそれを実現してきたように思うよ。

—単独ツアーや夏フェスで再来日する予定はありますか?

RW:
まだ日本ではちゃんとしたツアーをしたことがないんだ。単独ライヴは数回やったけど、大阪と東京とサマソニだけだし、ぜひもっと大規模なツアーを実現してみたいと思うよ。特に日本でね。以前は無理だったかもしれないけど、今はもっと実現できるチャンスがあるんじゃないかな。

—日本のファンにメッセージをお願いします。

RW: ザ・ホラーズ全員から、こんにちは!僕らの音楽を聴いてくれてありがとう。今夜のライヴを観てくれる人もいると思うけれど、来られなかった人は次回に会おうね!









ザ・ホラーズ:

2006年、デビュー前にも関わらずNME誌の表紙を飾るなど超ド級の注目新人UKバンドとしてシーンに登場。07年のデビューアルバム『Strange House』はUKチャート37位を獲得。ポーティスヘッドのジェフ・バーロウと映像監督のクリス・カニンガムをプロデューサーに迎えた2ndアルバム『Primary Colours』はUKチャート25位を獲得。2010年の東京での単独公演はソールドアウトし、大喝采を巻き起こした。そして2011年7月にはサード・アルバム『Skying』をリリース。NME(8/10点)、UNCUT(4/5点)、MOJO(4/5点)、Q(4/5点)と軒並み高評価を得、話題となっている。

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Photos: KNTR
Live Photos: Kazumichi Kokei
Interview + Text: Nao Machida

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