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セイント・ヴィンセントのライヴ写真です

2012-01-31
先日こちらのブログで紹介したUSインディ界の歌姫セイント・ヴィンセントから、東京・渋谷duo music exchangeにて1月10日に行われたライヴの模様を収めた写真が到着しました。普段のアニーさんとはまた違った表情がステキです。












Photos: 久保憲司

セイント・ヴィンセントのインタビューはこちら>>

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USインディ界の歌姫、セイント・ヴィンセント来日インタビュー

2012-01-26
2012年の幕開けと共にアメリカ・ニューヨークからセイント・ヴィンセントことアニー・クラークがやって来た。あのベックやアーケイド・ファイア、グリズリー・ベアなど、音楽シーンからの支持率も高い注目の女性アーティストだ。かつてはギタリストとしてポリフォニック・スプリーやスフィアン・スティーヴンスのツアーに参加していたという彼女は、1月10日に都内で初の来日公演を実現。ミュージックビデオや写真で見るクールな美女のイメージとは裏腹に、超絶なギタープレイで日本のファンを圧倒し、しまいにはギターを弾きながらフロアにダイヴして「犬神家の一族」状態に! ライヴの翌日、一体どんな人なんだろう…と楽しみ半分、不安半分でアニーに会ってきました。



—昨夜のライヴ、素晴らしかったです。音源ももちろん素晴らしいのですが、ライヴ・パフォーマンスは想像を超えていて驚きました。

セイント・ヴィンセント(以下、SV): ありがとう!楽しんでくれて嬉しいわ。

—ステージでは今回が3度目の来日とおっしゃっていましたね。

SV: うん。初来日は15、6歳の頃。タック&パティというジャズ・デュオをやっている叔父と叔母がいて、彼らのローディとして来日したの。

—15歳の時に?

SV: そう(笑)楽屋に花が飾ってあるか、機材がそろっているかとかチェックしたり、サウンドチェックの時間を確認したりね。そのときは3週間も滞在して、日本が大好きになったわ。福岡と大阪と東京でライヴをして、素晴らしい思い出よ。初来日で京都のお寺に行ったことは強烈に覚えているの。それまでに見たことのないような場所だったし、今でもああいう場所は他では見たことがないわ。すごくゴージャスよね。残念ながら、今回の来日では自由時間がないけど。

—2度目の来日はポリフォニック・スプリーですか?

SV: 2度目はスフィアン・スティーヴンスの来日公演よ。ポリフォニック・スプリーがSUMMER SONICで来日したときは、私はまだ加入していなかったの。スフィアンと2008年に来日したのが2度目…もう4年も経ったなんて信じられないわ!

—そして今回はセイント・ヴィンセントとしての初来日ですね。

SV:
ライヴは最高に楽しかったわ。本当に素晴らしい時間を過ごすことができた。オーディエンスのみんなも楽しんでくれていたらいいんだけど。日本のオーディエンスは最高だったわ。

—もちろん楽しんだと思いますよ。あなたのバックバンドには日本人のメンバーがいらっしゃいますね。

SV: トーコ・ヤスダね、彼女は最高!

—ステージではあなたの通訳も務めていましたね(笑)

SV: そうなの! すごく嬉しかった。ライヴ前に「MCの通訳をしてくれる?」って訊いたら、彼女は「何を話すつもりなの?」って心配していたんだけど、「即興でやろうよ、即興で」って言ったの(笑)素晴らしい通訳だったよね。トーコはとても優秀なミュージシャンで、イーナンというバンドで長年にわたってベースを弾いているの。ブロンド・レッド・ヘッドでも活動していたわ。とにかく最高にクールな人。

—今回一緒に来日したバンドで常にツアーをまわっているのですか?

SV:
今回のバンドは、実は比較的新しいバンドなの。ソロ・アーティストの良い点は、プロジェクトごとに違うミュージシャンと一緒に仕事ができること。今回のバンドではヘヴィに叩けるドラマーが不可欠で、キーボードは2人必要だった。ドラマーのマット・ジョンソンはジェフ・バックリーのアルバム『Grace』でもドラムを演奏していた人なの。あのアルバムを初めて聴いたときのことは忘れないわ…17年前に! そんなに時が経ったなんて信じられないわね。あれは本当に素晴らしいアルバムよね。とにかく、このバンドはまだ新しいの。去年の8月からリハーサルを始めたのよ。みんな素晴らしいプレーヤーだわ。



—ライヴではギターを弾きながらフロアにダイヴしていて驚きました。

SV: きっとお客さんは、まさか自分たちがモッシュピットに居るとは思っていなかったよね。ライヴをやっていると時にあまりに没頭してしまって、お客さんと触れ合いたくなってしまうの(笑) オーディエンスは一体何が起こっているのかわかっていなかったと思う。私はヒールを履いていたんだけど、ステージから柵まで1メートルくらい離れていたのよ。もし正気だったら「やめておこう」って思っていたはず。ヒールで幅の細い手すりからお客さんの中にダイヴするなんてクレイジーよね。でもやっちゃった。

—後ろから観ていたら、あなたの両足が宙に浮いているのが見えました(笑)

SV: すごく楽しかった、やって良かったわ(笑)ヨガをやっているからケガもしなかったしね。

—ステージではギターだけではなく、テルミンもかき鳴らしていましたね。

SV: たぶん壊したと思う(笑)

—ご自身の楽曲以外にも、ポップ・グループの「She Is Beyond Good and Evil」をカヴァーしていましたが、あの曲にまつわる思い出をお聞かせください。

SV: あの曲にまつわる1番の思い出は、ロンドンで実際にポップ・グループのマーク・スチュワートと一緒に演奏したこと。ずっとレコードで聴いていた彼の声が急に自分の耳に入ってきて、すごかったわ。信じられなかった。本当にクレイジーだった。あれはクールな思い出よ。

—ライヴではギターの演奏スタイルがとてもユニークでしたが、何歳の頃から弾いているのですか?

SV: 12歳よ。

—他に演奏できる楽器は?まずはテルミンですよね。

SV: もちろんテルミンね、 実は「ハッピー・バースデー」しか弾けないんだけど(笑) 昔はメタルのカヴァーバンドでベースを演奏していたの。

—メタルのカヴァーバンド!?

SV: うん、アイアン・メイデンとかスレイヤーとかメタリカとかが好きな時期があったんだ。13歳〜15歳くらいかな。他にはピアノも弾けるの。

—メディアはあなたの音楽スタイルを「チャンバー・ロック」とか「インディー・ロック」とかいろいろな言葉で表現していますが、あなたはご自分の音楽をどう表現しますか?

SV: 難しいな〜。「牙の生えたポップ・ソング」かな(笑)

—先ほどもおっしゃっていたように、ポリフォニック・スプリーやスフィアン・スティーヴンスで演奏してきたとのことですが、なぜセイント・ヴィンセントとしての活動を始めたのですか?

SV: 実はポリフォニック・スプリーに居たときには、すでにファースト・アルバム『Marry Me』を制作していたの。私は常に自分の音楽を作っていて、ソロ・アーティストになりたいと思っていたわ。ラッキーなことに、ソロになる前に他のバンドで見習い体験ができたというだけ。ポリフォニック・スプリーではローブを着て汗だくになっていたわ(笑)あのローブ、すごく暑いのよ! 私はギブソンSGを弾いていたの。

—セイント・ヴィンセントという名前の由来を教えてください。

SV: ニック・ケイヴの大ファンなの。アルバム『Abattoir Blues/The Lyre of Orpheus』に「There She Goes, My Beautiful World」っていう曲が収録されているんだけど、その中に「Dylan Thomas died drunk in St. Vincent's hospital(ディラン・トーマスは酔っぱらってセイント・ヴィンセント病院で死んだ)」という歌詞が出てくるのよ。私はディラン・トーマスも大好きで、そこから名前を取ったの。



—日本でも昨年11月にリリースされた最新アルバム『Strange Mercy』は、シアトルで曲作りを行ったそうですね?

SV: ええ、曲は全てシアトルで書いたの。レコーディングはジョン・コングルトンと一緒に行ったんだけど、シアトルにはたった独りで、「孤独実験」として行ったのよ。テクノロジーのデトックスをするためにね。

—実験は成功しましたか?

SV: うん、かなりうまくいったんじゃないかな。滞在中に良いアイデアが浮かんだし。ちょっと悲痛な体験だったけれど、世の中には炭鉱で働いている人だっているんだもの、曲作りなんてたいしたことではないわ。

—なぜシアトルを選んだのですか?

SV: 友人でデス・キャブ・フォー・キューティーのメンバー、ジェイソン・マックガーが、シアトルに所有していたスタジオを売る直前で、ちょうど1ヶ月だけ空いていたから使わせてもらったの。でも寂しかったわ! 友だちはいないし、ほとんど誰とも話していなくて…3週目に入る頃には、お金を払ってでも誰かに一緒に食事をしてほしかったくらい。ホテルの受付の人に話しかけてしまうくらい寂しかったの。「ワインを飲みに行くんだけど、どう?」とか、「何をしているの?」とかね(笑) 1ヶ月くらい滞在して、アルバムの大半の曲を書き上げることができた。寂しかったけど生産性の高い日々だったわ。

—今作のリリックは、とても私的なものが多いですよね。

SV: 私はあらゆるところからインスピレーションを受けるの。たとえば「Surgeon」では、マリリン・モンローの日記の一節を引用したわ。彼女が演技のコーチだったリー・ストラスバーグのことを書いた文章よ。メソッド演技法のパイオニアと言われている人ね。常に父親的存在を求めていたマリリン・モンローにとって、リー・ストラスバーグがそういった存在だった時期があるようなの。日記には「Best finest surgeon, Lee Strasberg, come cut me open(最も有能な執刀医、リー・ストラスバーグよ、私を切り開いて)」と書かれていた。そのフレーズはすごく私に響いたの。歌ったときにうまくいかないから、リリックでは「リー・ストラスバーグ」っていう部分は消したわ。バックコーラスだったらできたのかもね。ラッパーに「リー・ストラスバーグ!」ってラップしてもらえばよかった(笑)



—ラッパーといえば、キッド・カディとコラボレートした曲(「MANIAC」)がありましたよね。

SV: うん、でもコラボレーションというよりも、彼の曲に私の曲がサンプリングされたという感じね。もちろん、私が許可した上でのことよ(笑)

—「Cruel」のミュージックビデオはダークなユーモアに溢れていて最高でした。スーパーマーケットで誘拐されて、父子家庭の母親にされたあげく、裏庭に埋められてしまうというストーリーは、本当に“Cruel(残酷)”ですね。

SV: 本当よね(笑)あのミュージックビデオはテリー・タイムリーっていうディレクター・デュオと一緒に制作したの。ビデオのアイデアは彼らが考えたのよ。「Actor Out of Work」と「Marrow」も彼らの作品なの。

—撮影はいかがでしたか?

SV: 3日間にわたって1日20時間くらい撮影したわ。あのビデオはかなり複雑だから、けっこう大変だった。ビデオで私が放り込まれる裏庭の巨大な穴は、ほとんど9歳の子役の女の子が掘ったのよ(笑) 彼女は素晴らしかったわ。キャシディっていう子で、アメリカですごく人気が上昇している「Toddler in Tiaras」っていう番組にも出演しているの。すごい子役なんだけど、あの穴を掘ってくれたわ(笑)

—あの子はビデオでの演技も良かったですよね、恐いほど無表情で。

SV: すごく上手よね。良い意味で恐ろしかったわ。ダークなちびっ子ね。あの穴に落とされた瞬間、彼女がほくそ笑んだの! ワクワクしていたみたい。面白かったわ(笑)

—アルバムがここ日本でもリリースされて、昨夜のような反応を得られたことについてはどう思いますか?

SV: すごく嬉しかったわ。オーディエンスの世代も幅広いみたいだし、自分の音楽にさまざまな人が共感してくれることは、とても嬉しいことよ。日本のファンはみんな礼儀正しくて、うるさく絡んでくるような人もいないし(笑)ライヴの後に何人かのファンと話すことができたんだけど、プレゼントを持ってきてくれたの! 日本の人は本当に温かくもてなしてくれるわね。タック&パティのファンもそうだったわ。お花とかクッキーとかハンカチやスカーフまで持って来てくれて、すごく嬉しかった。

—今後の予定は? フェスなどで再来日する予定はありますか?

SV: かもね。いつかは必ず再来日するわ。また来日できる日をとっても楽しみにしているの。アメリカに帰国したら、ニューヨークでデヴィッド・バーンと制作中のコラボレーション・アルバムを仕上げる予定よ。9月にはリリースできると思う。そのアルバムが完成したら、その後は永遠にツアーが続くから忙しくなるわ。

—日本のファンにメッセージをお願いします。

SV: コンニチハ、またはコンバンハ。あなたがこれを読んでいる時間によるわね。今回は来日させてくれてありがとう。素晴らしい旅だったわ!


Photos: Kenta Terunuma
Interview + Text: Nao Machida



セイント・ヴィンセント

ニューヨーク在住のアニー・クラークことセイント・ヴィンセントはポリフォニック・スプリーやスフィアン・スティーヴンスのツアー・メンバーとして活動を開始。2006年ベガーズ・バンケットと契約を結びソロ・アーティストとしてアーケイド・ファイアの前座をつとめる。4ADからリリースされた2nd アルバム『Actor』はピッチフォークでベスト・ニュー・ミュージックに選ばれる等、世界中で高い評価を得た。2011年11月待望のニューアルバム『Strange Mercy』をリリース。

オフィシャルサイト(英語)>>
日本オフィシャルサイト>>

1/10の東京・渋谷duo music exchange公演のライヴ写真はこちら>>

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日本で世界最速公開決定!『アメイジング・スパイダーマン』来日会見

2012-01-19
世界中で大ヒットした『スパイダーマン』が、キャスト・スタッフを一新して装いも新たに3D作品として帰ってくる! 新作『アメイジング・スパイダーマン』を引っさげて、ピーター・パーカー/スパイダーマン役のアンドリュー・ガーフィールド(『ソーシャル・ネットワーク』、『わたしを離さないで』)、ガールフレンドのグウェン・ステイシー役のエマ・ストーン(『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』)、プロデューサーのアヴィ・アラドとマット・トルマックが早くも来日。1月18日に都内で記者会見を行った。ここでは世界最速記者会見の一問一答を余すところなくどうぞ!



—まずは一言ずつご挨拶をお願いします。

アヴィ・アラド(以下、AA): コンニチハ。再び東京に来ることができて嬉しいです。今回は『アメイジング・スパイダーマン』のフッテージ映像を携えての来日となりました。日本は今回のプレス・ツアーで訪れる最初の国です。会見前にお見せした映像で、美しいエマ、素晴らしいアンドリューをご覧いただけたと思います。私たちは『アメイジング・スパイダーマン』を大変誇りに思っています。ぜひ楽しみにしていてください。

アンドリュー・ガーフィールド(以下、AG):
コンニチハ。東京に来ることができて嬉しいです。こんなにたくさんの方々に来ていただいて、圧倒されています。この作品で喜んでいただき、絆を感じて、応援してもらいたいと思っています。日本の皆さんに映画を観てもらうことに、とても興奮しています。昨日は取材を受けましたが、たくさんの知的な質問をしていただきましたので、今日も期待しています。僕らは自分たちの作品を誇りに思っているので、皆さんにもぜひ楽しんでいただきたいです。アリガトウゴザイマス。

エマ・ストーン(以下、ES): コンニチハ! 今回が初めての東京ですが、私がこれまでに訪れた中でも断トツで1番クールな街だと思います。高層ビルからの眺めも素晴らしいわ! 初来日ができて、ものすごくワクワクしています。皆さんが『アメイジング・スパイダーマン』を楽しんでくれたら嬉しいです。今日は今作について、皆さんにお話しできることを嬉しく思っています。お越しくださいましてありがとうございます。

マット・トルマック(以下、MT): コンニチハ。来日できて光栄に思い、全員恐縮しています。東京がプレス・ツアーの最初のストップです。そして、『アメイジング・スパイダーマン』は日本で世界最速公開することになりました。日本の皆さんはずっとスパイダーマンを愛してくれましたから、言うまでもなく、日本は私たちの中でもとても大切な場所なのです。私事ですが、以前はソニーで仕事をしていましたので、再びホームグラウンドに戻ってきたような気分です。アンドリューが言ったとおり、皆さんに映画を見せることをスリリングに感じて、楽しみにしています。今日は『アメイジング・スパイダーマン』を6月30日に日本で世界最速公開するということを、正式に伝えたいと思って来ました。『アメイジング・スパイダーマン』の物語は、ここ日本から始まるのです。

—スパイダーマンはスーパーヒーローの中でも普通の少年で、だからこそ多くに共感されるのだと思いますが、このキャラクターを再び生まれ変わらせるほど特別な存在だと感じたのはどんな部分ですか?

AA: 『スパイダーマン』では両親を失った少年が、労働者階級で叔父と叔母に唯一の子どもとして育てられ、自分自身を見出そうとする。彼は難しい状況に生まれて、自分の人生を自分で切り開いていかなければならないんだ。誰もが親友やイトコ、隣人にしたいような普通の男の子で、とても共感しやすい人物だ。また彼は他のヒーローと違って身近な人たちを救い、世界を救うわけではない。地に足が着いたーヒーローなんだ。

これまでの3作では語り尽くせなかったストーリーがたくさんある。今作ではピーターがどのようにこの旅を始めたかに焦点を当てた。グウェンとは真実の愛が生まれるのだが、彼女は恋の対象であり、知的な友だちで、ピーターと平等の立場の強い女性。今日の女性を象徴していると思う。

今作はピーターの視点で描かれ、答えを探していくんだ。スタン・リーが原作に込めた気持ちが分かるキャラクター設定になっているよ。それからエモーショナルなストーリー。アクションはストーリーのためにあるんだ。ただ壊す、爆発するものではなく、マーク・ウェブ監督は現実に根付いたアクションを創り上げた。悪役はDr.コナーズだが、彼はピーターにもグウェンにも関連した人物。恩師であり、父親を知っている敵で、戦う相手として心情的に厳しい人物なんだ。そしてピーターは、クモに噛まれたり、ミューテーションする前から、英雄の心を持っている人なんだよ。


新生スパイダーマンは『ソーシャル・ネットワーク』で主人公の親友を演じたアンドリュー・ガーフィールド。

—マーク・ウェブ監督を起用した理由は?

MT:
アヴィが言ったとおり、スパイダーマンやピーター・パーカーがなぜこんなに人気があるかというと、彼は何よりも私たちのような人間だからだ。富豪でもなければ、大人の男でもない、これから成長しようとしている微妙な年代。無責任でも許される存在のままでありたい気持ちと、大人にもならなければならないという責任の狭間にいて、まさに人生の岐路に立っている。だからこそのジレンマがあり、共感してもらえると思う。物語をつくるにあたっては、ドラマが大事だと考えた。もちろん最高のSFXをお届けするよ。でも骨子にあるのはドラマ。それが「スパイダーマン」を「スパイダーマン」たらしめている核なんだ。

監督について話し始めたとき、エモーショナルな物語を伝えられる人にしようということになった。特効や派手な視覚効果は必ずしも得意ではなくていいから、人の心を動かすような物語を伝えられる人がよかった。それに、感動的なラブストーリーを伝えられる人がね。そんなとき現代の人間関係をリアルに描いた『(500)日のサマー』を観て興味を持ち、すぐにマーク・ウェブ監督と打ち合わせをした。彼が話したのはシリーズやキャラクターへの愛で、それはこれまでの作品をリスペクトしつつも何か新しいものを感じさせてくれるものだった。100本以上のミュージッククリップを手掛けた監督でもあるので、とてもモダンな感性の持ち主なんだ。

『ソーシャル・ネットワーク』を観れば分かるように、今はオタクが世界を席巻している時代。ピーターもそんな現代の感受性を持った一人だが、彼や、彼を取り巻く現代世界を今の感覚で描ける、マーク・ウェブのそんな部分が起用した大きな理由だ。彼のことが大好きになったよ。最終的には、監督を雇うときには保障はないし、莫大なリスクがつきもの。その人のビジョンがスクリーンに描かれるわけだからね。私たちはそれを承知でマークを起用した。その決断は正しかったと思っている。



—過去3作の『スパイダーマン』は大ヒットしましたが、今回の『アメイジング・スパイダーマン』に出演するにあたって、プレッシャーや役を演じる難しさはありましたか?

AG: イエス、ハイ(笑) かなりね。トビー(・マグワイア)とサム(・ライミ監督)、(キルスティン・)ダンストさんは、スタン・リーの原作を忠実に映像化していたと思う。でも、プレッシャーはそれだけが理由ではなく、登場人物に深い歴史があるからなんだ。ピーター・パーカーがいかにして誕生し、これまでの進化を遂げてきたか、という部分にね。僕は3歳のときからスパイダーマンの大ファンで、何よりも第一に“ファン”なんだ。最初の三部作には、原作のコミックと同じくらいインスパイアされた。前作のフィルムメーカーや役者から今作を引き継ぐことを光栄に思う。もちろん、ものすごいプレッシャーは感じるけれど、もしプレッシャーを全く感じていなかったら、ちゃんと仕事をしていないということなんじゃないかな。世界中の何百万人、何億人ものファンのために、登場人物を忠実に描く責任を感じるよ。とても重要で神話的な人物だからね。個人的にも、僕にとって非常に重要な人物なんだ。健全なプレッシャーはポジティヴなものだと思う。それを思い出させてくれてありがとう(笑)

ES: 私はすごくラッキーだったと思うの。私が演じたグウェン・ステイシーは、前シリーズの3作目でブライス・ダラス・ハワードが見事に演じていたけれど、今作では、全く違ったグウェンが登場するわ。前作のグウェンは高校生でもなければ、ピーターの初恋の相手でもなかったし、MJとピーターの間に登場する存在だった。でも今作では、ピーターはまだMJに出会ってすらいないの。だから、スパイダーマンを演じるほどのプレッシャーは感じなかったわ。プロデューサーでもなかったし、とにかく自分の役をできる限りの力で演じるのみだった。今作で唯一プレッシャーを感じているのは、今よ。ここまで国際的な注目を集める作品に参加するのは初めてだし、映画の話をするために東京に来るのも初めてなんだもの。ちゃんと質問に答えて、できる限り素直に話さなきゃ、ってね。撮影中はブルースクリーンやワイヤーアクションがあっても、他の作品の撮影と何ら変わらなかったの。とにかくストーリーを忠実に伝えるのみだったから。ベッドルームの床に座って、2人が恋に落ちるシーンを撮影していても、他の映画とさほど変わらなかったわ。だから…プレッシャーを感じるのは今この瞬間ね(笑) それを除けば、私はとってもラッキーだったわ。


グウェン役は主演作『ヘルプ 〜心をつなぐストーリー〜』が世界中で2億ドルを超えるヒットとなったエマ・ストーン。

—本格的なアクションは初挑戦だと思いますが、感想をお聞かせください。

AG: すごく楽しかったよ。全ての瞬間…全てではないけど、ほとんどの瞬間を楽しむことができた(笑) アクション・シーンは僕にとって大きな挑戦だった。先ほどの映像でも分かるとおり、多くのシーンを自分でこなしたんだ。それが監督からの依頼だった。スタントはアンディ・アームストロング率いる素晴らしいチームがサポートしてくれたよ。『インディ・ジョーンズ』シリーズやボンド映画などを手掛けてきた、伝説的なチームなんだ。だから、最高のチームと一緒に仕事をすることができた。彼らと一緒に現場入りすることが恐縮だったよ。クランクインする前に彼らと4ヶ月にわたってトレーニングをした。毎日クタクタになってね。素晴らしい経験で、常に挑戦的だった。3人のスタント・ダブルがついてくれて、それぞれが特定の分野を極めているんだ。彼らのおかげで僕がかっこよく見えるんだよ。大きなアクション・シーンだけではなく、ピーターがクモに噛まれるとどうなるのか、クモのDNAを持つことで彼の動きにどのような影響が及ぶのか、といった色々なことを、クリエイティブな人々と一緒に考えることができたのは素晴らしい機会となった。スタントは本当に大変だったけれど、彼らプロのチームがいたから可能になったんだと思う。でも本当に楽しかったし、皆さんにもそれが伝わることを願っているよ。

—前回のシリーズではピーターとMJの逆さ吊りのキスシーンが話題になりましたが、今作ではどんなキスシーンが期待できますか?

ES: 先に知らない方がいいわよ!(笑) 映画を観て、発見した方がいいでしょ? すごいシーンかどうかは、観てから決めていただければ嬉しいわ。でも、すてきなファースト・キスを期待していてね。逆さ吊りではないけれど、楽しんだわよね?

AG: (まあまあ、のジェスチャー)

ES: (笑)

MT: 今2人で再現して見せてあげれば?

ES: セットが準備されてないからダメよ。


会見中も仲良くおしゃべり。

—来日中に行ってみたい場所は? 何かおいしいものは食べましたか?

AG:
もっと時間があればと思うよ。東京の街を目にした途端に、すぐに飛び込んで探検したくなった。すでに2度ほどおいしい食事をいただいたよ。発音がちょっと自信ないんだけど…

ES: しゃぶしゃぶ?

AG: そう、昨夜はしゃぶしゃぶを食べて、とてもおいしかった。昨日到着したばかりなんだけど、昨日は一日中、記者の質問に答えていたんだ。彼らの質問がとても知的で繊細なことに驚いたよ。とても礼儀正しくて、取材でこんなにすてきな気分になったのは初めてだった。映画をよく書いてもらうために言っているわけじゃないよ、本心だからね(笑) 本当はもっと日本のカルチャーを体験したいけど、残念なことに明日には出発しなければならないんだ。でも次回はもっと長く滞在したいと思う。6月に再来日するから、どこへ行くべきかアドバイスしてね。今回は呼んでくれてありがとう。

ES: 『アメイジング・スパイダーマン』のような作品に出演する上でエキサイティングであると同時にものすごくもどかしいのは、世界中のいろんな国に行けるのに、数日しか滞在できないこと。だから、ほとんどホテルから出られないの。東京の街を歩いてみたいわ。今回の滞在では難しそうだから、私はここで皆さんと約束します。必ず観光のために再来日するわ! 『アメイジング・スパイダーマン』とは関係なくね(笑) とにかく街を歩いて、できる限りたくさんのものを食べたいの。東京は深い歴史と豊かな文化のある、本当に奇跡的な素晴らしい街のようだもの。ぜひ再来日して良い時間を過ごしたいと思う。そのときはよろしくね!



***



『アメイジング・スパイダーマン』

ピーター・パーカーは幼い頃に両親に捨てられ、今は叔父のベンと叔母のメイと一緒に暮らしている。ごく普通の青年と同じように、ピーターもまた、自分のアイデンティティと葛藤する、そんなティーンエイジャーだった。だが、自分の「過去」というパズルのピースをひとつひとつはめていくうちに、思いもよらなかった父親の秘密を知ってしまう。そしてそれこそが、彼に過酷な運命を——スパイダーマンとして生きる運命を決意させるのだった。

監督:マーク・ウェブ
キャスト:アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、ほか
6月30日より、TOHOシネマズ日劇ほか世界最速3D公開
オフィシャルサイト:http://www.amazing-spiderman.jp/


Text: Nao Machida

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