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ASH来日インタビュー “Vol. 2”

2010-11-26
こんばんは~。お待たせしました!
今日は先日来日したアッシュの独占インタビュー“Vol. 2”をお届けします。
Interview "Vol. 1"はこちら

インタビュー後半はデジタル化が進む音楽シーンについて、自分たちのレーベルについて、
今後のアッシュについてなど、たっぷり語っていただきました。
来日ツアーの初日、11/22の東京公演からのライブ写真もあわせてお楽しみください!


左から=マーク、ティム、リック

***
―今回の“The A-Z Series”はご自分たちのレーベルから発表しているわけですが、サブスクリプション・サービスをはじめ、ネットを駆使していますよね。以前よりもフィルターを通さずに直接的にファンの声が聞こえてくるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか?

ティム
: 最高であると同時に、混乱もしている(笑)

リック: 曲をリリースするたびにいろんな意見が届くからね。一部の人がすごく気に入ってくれても、必ず1人か2人は反対意見があったりして。

マーク: それに、みんながバンドの様々な側面に魅了されていることもわかった。へヴィーな曲が好きなファンがいれば、メロディアスな曲が好きなファンもいて、実験的な曲が好きなファンもいる。難しいよね。

ティム: みんなが違った理由で自分たちのことを好きでいてくれるんだって気づいた。興味深かったよ。

―自分たちでレーベルをやってみて新たに学んだことは?

マーク: ファンが多様性を求めているっていうことかな。そして、みんながこのプロジェクトの規模を楽しんでいるということ。たとえ死ぬほど僕らのファンだとしても、必ずしも全ての曲が好きとは限らないということは理解していたけど、彼らは次に何が来るかわからず、多彩な曲が発表されることを楽しんでいるんだ。

ティム: うん、とても面白いよね。それに、ほぼ全員が曲を気に入ってくれたときはすぐにわかるよ。奇妙なもんだな(笑)

―アッシュのデビュー当時と比較すると、かなり時代が変わりましたよね。当時のアイルランドではレコード契約を得るのが大変だったそうですが、今はどこにいてもmyspaceやFacebookを通じて世界に向けて発表できます。様々なSNSがありますが、ファンとインターネットで直接交流することはありますか?

ティム: Facebookはけっこう便利だよね。

マーク: FacebookとかTwitterとかね。ああいったSNSを使って、ファンは常にバンドの動向をのぞいているみたいだ。

ティム: 何か伝えたいことがあるときはいいよね。メディアに頼る必要がなくて。

リック: 昔は何か伝えようとすると記者に頼るしかなくて、実際に記事が印刷されるまで内容がわからなかったからね。

ティム
: 相手がどう受け止めているかわからないしね。時々、全く違った角度からとらえられることもある。でも今は直接伝えられるんだ。

―その反面で、ネット上の言葉って難しいですよね。読んでいる人によって受け止め方も違うし、言葉には時に予期せぬ破壊力があると思うんです。

ティム: うん、確かに。

マーク: SNSの問題のひとつは、ごく短いコメントをFacebookにアップしただけで、真剣にとられたり、誤解されたりすることがあるということ。本当はただの冗談だったとしてもね。時に人は深読みしすぎてしまうんだ。

―「Binary」のビデオはネットを通じて知り合ったファンが作ったそうですね。

ティム: 彼は僕らのファンで、趣味でアッシュのビデオを作っていたんだ。とても美しいビデオをね。彼にはいろいろ手掛けてもらっているよ。ジャケットとかね。

―そういう意味では、ネットは便利ですよね。

ティム: うん。マークが彼にメールで連絡して、最終的にいろんな仕事をお願いすることになった。ビジュアル面で重要な存在となったよ。

マーク: いろんなものを作ってもらっても、いまだにライブになるとモッシュにいるんだから笑えるよね。「あ、いたいた」ってさ(笑)

ティム: 彼は長年に渡るハードコアなファンなんだ。知り合った後でもそうやって夢中でいてくれるって嬉しいよね。何年も活動を続けていて良いことは、ファンが大人になって、その中から才能あふれる人が出てきたりすること。(サポート・ギタリストのブロック・パーティの)ラッセル(・リサック)なんか、まさにそうだよ。僕たちの音楽を聴いて育ったんだよ。

―デジタル配信が主流となり、CDが売れない現状を悲観するアーティストが多い中で、アッシュは今回のプロジェクトでこの状況を見事に活用してみせたように思います。

ティム: 僕たちはポジティブに受け止めて、そこから発展する方法を考えるようにしている。だって、今の時代でも誰もが音楽を必要としていることに間違いはないんだから。

―その一方で、『Vol. 2』に収録された「Physical World」では、「デジタルな世界からフィジカルな世界に戻ってこい」と歌っていますよね。

ティム: そうだね、時には昔が懐かしいのさ(笑) 僕は今でも時々レコード屋に行って、アナログ盤を買うんだ。そういう時代が終わってしまったと考えると悲しくなるよ。子供の頃は本当に聴きたい曲を苦労して探していたからね。見つかるとすごくエキサイティングでさ。苦労した分だけ、余計に気に入るんだ。

リック: 時間やお金を費やしたしね。特にレアなものだと何週間もかけて探したもんだ。でも今の時代は、何か欲しければクリックすれば手に入ってしまう。

マーク: ワンクリックで全てが手に入るから、結局全部は聴かなかったりするんだ。情報が多すぎるんだよ。

ティム: そういう意味では昔が懐かしいね。

リック: Spotify(音楽ストリーミング・サービス)みたいに便利な側面もあるけどね。ネットでは人間関係だけではなく、音楽的にも複雑だ。1曲聴いただけでアーティストを判断してしまいかねないし。最近では10秒とか15秒とか聴いただけで「あんまり好きじゃないな」って決めちゃったりするだろ。もしかしたら頭の10秒はクソでも、30秒後には世界一素晴らしいコーラスが待っているかもしれないのに!みんなもっと音楽に時間を費やすべきだと思う。音楽は使い捨てるものではなく、人生の重要な一部分なんだから。

―デジタル配信を始めて、新たなファンはできましたか?

ティム: できたと思うよ。最近では昔のファンが大人になって、彼らの子供たちが僕たちの音楽にはまっていたりするんだ。ファンはみんな素晴らしいよ。感謝してる。

マーク: YouTubeとかでみんなのコメントを読むと面白いよね。新曲をアップしたら、5年くらい僕らを忘れていた人が「最高だね。彼らは解散したと思っていた」と書いていたりするんだ。

―『The A-Z Series』がようやく終わった今、何をやりたいですか?

ティム
: しばらくはリラックスしたいかな。

―次のプロジェクトについて考えていることはありますか?

ティム: いいや、まだだよ。何が起こるか様子見だね。これまでノンストップで音楽活動をしてきたから、しばらくはまったりして、みんなにはこれまでの作品を楽しんでもらいたいよ。

―ティムとマークはニューヨーク、リックはスコットランド在住ですが、今後もそれは変わらず?

ティム: ああ、そう思うよ。

―遠距離でも大丈夫?

ティム: うん。

リック
: 僕から言わせればばっちり(笑)

―ティムとマークはニューヨークでの生活はどう?ミュージシャンとして、良い環境ですか?

ティム: 最高。素晴らしいよ。クリエイティブな出会いがたくさんあるし、みんな心が広いしね。自分たちのスタジオも最高なんだよ。素晴らしいエナジーが感じられるよ。

マーク: ニューヨークでは、毎日全く違うことができるんだ。ロンドンにはあそこまで幅広いものはないと思う。いや、あったのかもしれない、僕が参加していなかったというだけで(笑)

ティム
: ニューヨークは良いよ。なぜか過ごしやすい場所なんだよね。大都市だけど、大き過ぎはしないし。すごい人種のるつぼだよね。パワフルでフレンドリーな町だよ。

―他に住んでみたい町はありますか?

ティム: 東京に住んでみるのも楽しいかもね。村上春樹の本を読むと住みたくなるよ(笑)

―10代からずっと活動を続けているアッシュですが、ここまで続くと考えていましたか?その原動力は?

ティム
: 常にワクワクできるものを見つけてきたから続けられているんじゃないかな。今回のプロジェクトは、まるで再スタートのようなものだった。全てを自分たちでまかなっていた、デビュー当時に戻ったようだったよ。

―1度でもバンドを辞めようと思ったことはある?

ティム: ないよ。一緒に演奏するのがすごく楽しいからね。楽だし。

マーク
: 年齢と共に変わってきているよね。デビュー当時は突然シーンに放り込まれてわけがわからなかったけど。かなり激しいジェットコースターのような旅だったな。

ティム: うん。

マーク: 自分たちでレーベルをやることは、怖いことでもあったよね。でも、怖いと感じることは良いことなんだ。

リック
: だから人はホラー映画を観るってわけだ。

ティム
: 過去2年間はホラー映画だったってことだな(笑)■

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Photo: Teppei

interview + text: nao




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