MTV BLOG

夏フェスシーズン到来

2011-07-14
Sense of Wonder 2011 -ゆめからこぼれだした音のしずく-

今年もFesシーズンに突入してきた今日この頃、みなさんイイ音楽聴いてますか? イベントに行ったら、ひたすら楽しむのみですよね。じっくり音に聞き入るもよし、無心に踊り続けるもよし、飲むもよし、食うもよし、泣くもよし、笑うもよし、愛を育むもよしです。音楽の楽しみ方は人それぞれ、好みも違えば、気持ちいいツボも違う、それでも年齢や性別、ジャンルや国境を越えて、イイもんは良い! とか唸りながら、お邪魔してきましたSense of Wonder 2011。


Dachambo
 小雨の降る中Nature Flow Hillに登場したトップバッターは、日本が宇宙に誇るサイケデリック・ジャムバンドDachambo! 朝一のパフォーマンスという事でどんなセットでくるかと楽しみにしていたが、一曲目から「Stoned Monkey」でアクセル全開! ツインドラムからなる重厚なビートにファンキーなギター・ベースをトランシーかつサイケデリックなシンセ・ディジュリドゥが包み込む。Jimi HendrixやSantanaなどのブルージーなリフを要所でおきつつ、長いスパンの盛り上がりの波を作っていくDachambo節が炸裂。気がつけばオーディエンスは踊り狂い、45分という短いパフォーマンスだったが、最終曲「Bonga La Gotta」が終わった頃には汗だくに。毎回の事だが、やはりDachamboは2、3時間のロングセットで楽しみたくなってしまう。毎年フジロックやサマーソニック、ライジングサンなど、国内の様々なビッグフェスに登場し、その中毒性のあるファンキーでダンサブルなサウンドは多くのフォロワーを生んでいる。

【info】 今年は結成10周年を記念したツアー“DACHAMBO 10th anniversary Project A 10TION Tour 2011”を敢行。 また、毎年行なっているDachambo主催のフェス「HERBESTA FESTIVAL」も今年は2泊3日に拡大し「Project A 10TION "HERBESTA FESTIVAL '11"」として開催予定! 今年も彼らの動向に目が離せない。


OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
 朝一番のSUN SHOWER STAGEにお目見えしたのはOAU。現場では雨がSUN SHOWERよろしく皆のフードの上にパツパツと降りしきり、曇り空も相まって周囲はちょっとおセンチムード。でもそこは百戦錬磨のOAU先輩。緩やかなチューンから午前中の気だるい空気に斬り込みあっという間にその場と観客の心を支配。しかもその曲ってば「The rain」。憎いぜOAU。新曲の披露の他にさりげなく印象的だったのは、2曲目の途中で雨が止んだこと。そして、観客がその演奏が終わるまで、その雨が止んだっていう事に全く気付いてなかったこと、ですね。音が止んだときにみんな「…あっ」っていう感じでフードをあげたり傘を畳んだり。 早い話、演奏に引き込まれて雨の事なんか本当に誰も気にしてなかったんですよ。それだけ素晴らしいステージングだったという事ですな。後半に向け6人から放たれる鮮やかな音の色彩はどんどん広がりを増していき、必殺アンセム「Thank you」が飛び出す頃には観客は熱狂の渦に。彼らがステージを去ると、小雨が熱気と混じって心地良い爽快感だけが残った。泣けたぜOAU。


eastern youth
 まっすぐに、ただまっすぐに、魂ふりしぼる旋律。 吉野寿(G,Voice)、二宮友和(B)、田森篤哉(Dr)がつむぎ出す音。トータル的に、すばらしいバランスの3ピース。 サウンドの足腰の強さ、堅牢さ、このあたりはキャリアのなせる業か。音数限られたソリッドなサウンド、哀愁にじみだす歌声と歌詞の強さにもさることながら、ドラムスとベース、リズムセクションの胆力と安定性。 音の震源から3人の放つエネルギーが、波動に乗って胸の奥にズシズシ届いてくる。快感の鳥肌という生理反応をもたらしてくれる。 途中、吉野寿から「我々に雨を止めるチカラはありません。春に降る雨はいいもんだね。」とMCを挟みつつ、 「雨曝しなら濡れるがいいさ」や「青すぎる空」 など凛としたステージを見せてくれた。


Open Reel Ensemble
 古き良き、貴重な機材、オープンリールを6台も雨のSence of wonderに持ち込んだという時点で賛辞を贈りたい。雨や湿気は機材の天敵。 合計6台のオープンリール(PIONEER製)から、それぞれ流れる音響ソース、ループトラック、その場で録音した声やピヤニカ、オーディエンスの歓声までもトラックに乗せ即興的に演奏してゆく。同時にリズムセクションが強力にバンドの基礎を支えている。カホンとベースが繰り出すビートに乗せ、オープンリールのテープでスクラッチ、リバースやスピン、再生ヘッドをゆさぶってビブラート、いまや生産されてない機材をおしげもなく酷使したハードプレイ。ストラップで肩にかけたオープンリール(TEAC製)から、しまいにはテープを引っ張り出すという荒業も。テープが引っ張りだされる際に発生するキュルキュル音もトラックの上モノになっているという凄さ 。 彼らが独自にライブ用に開発したものだと思われるのだが、フィジカルコントロラーやテンキーの操作の他、 最後にiphoneをコントロラーにして同時に複数のオープンリール操作するという離れ業も披露。彼らのライブは驚きの連続、近々に海外公演が行われるとの事で、海外にもマニアなファンが増えそうだ。


sleepy.ab
 雨も止み、青々とした芝生が広がるSun Shower Fieldに登場したsleepy.ab。今や北海道を代表するバンドとなっている彼らは、バンド名の"ab"が示す通りabstract=抽象的で、浮遊感のある曖昧な世界観を表現するバンドで、Ba.田中とDr.津波のグルーヴの上にVo.成山の透明感のある歌声とGt.山内のエフェクティヴで空間的なギターが絡み合う。一曲目「メリーゴーランド」が始まると会場は一気にsleepy.abの世界観に包まれていき、「四季ウタカタ」や「メロディー」など比較的しっとりとした名曲が続く。成山の歌声は正に唯一無二のもので、辺りを見回すと目に涙を浮かべているオーディエンスも多かった。 最後は「ねむろ」で締めくくり、50分あっという間のパフォーマンスを終えた。


カヒミ・カリィ
 比較的ラウドなサウンドが続いたNature Flow Hillステージは、カヒミ・カリィの登場でガラッと色を変える。大友良英、ジム・オルーク、石橋英子、山本達久の豪華メンバーによるその演奏は空き缶や楽器を引掻くノイズ、ヴォリュームペダルを駆使した浮遊感のあるギター等によるアバンギャルドなサウンドで、シンプル且つ時には優しく、時にはコミカルに、そして徐々にうねるように絡みつく。それでありながら決して主張しすぎることなく、その中にカヒミの儚げなウィスパーが幻想的に浮かび上がる。会場は相変わらずの雨が続いていたが、その透き通るようなサウンドと相俟ってじわりと心に染み入るようだ。朝からスタンディングではしゃぎすぎたオーディエンス達は皆座り込み、優しい音の波に身も心も委ね聴き入っていた。


DEEP COVER
 正体不明の覆面デュオ、その超絶技巧が巷で噂になっているDEEP COVERがLakeside Chillout Villageのステージに登場。今回のフェスの中でも水辺の比較的落ち着いた雰囲気の中に佇むステージだが、そのまったりした空気が演奏開始と共に一変する。プログラミングのオケに生ドラムとキーボード(エレピやシンセ)をのせるというシンプルなフォーマットなのだが、そのテクニックとセンスには驚嘆させられるばかりで筆舌に尽くしがたい。この手のフォーマットでエレクトロやハウス等のプログラミングに生ドラムが絡むとなると、四つ打ちがメインのサウンドで、生ドラムは「生っぽさ」を付加するだけの存在になりがちなのだが、このドラムはそんなオマケではない。一糸乱れぬ正確無比なビートと縦横無尽に繰り出されるフィルインは鳥肌モノで、機械に合わせて演奏しているとはとても思えない。逆にプログラムを自身のリズムに従わせているようだ。そしてそこに絡む歪んだエレピも素晴らしい。ひたすら繰り出されるファンキーなリフレインに煽られ高揚感が頂点に達すると、ここぞとばかりに超絶なインプロヴィゼーションが展開される。これにはもう踊らずには、叫ばずにはいられない!そしてそこにいた誰もがその演奏に熱狂し、とてもChillout(=落ち着く)出来る状態ではなくなっていた(笑)


salyu×salyu
 この日Nature Flow Hillステージのトリを飾ったのは、salyuのヴォーカル多重録音をコンセプトにしたプロジェクトsalyu×salyuだ。日も落ちかけた会場は未だリハーサル最中にも拘らず、早々に集まったオーディエンスで埋め尽くされる。オープニングは一人無言のままステージ現れたsalyuのアカペラで始まり、その後メトロノームのクリック音に合わせ次々とメンバーが登場。これまでのツアーメンバーに加え、小山田圭吾、Buffalo Daughterの大野由美子等かなり贅沢な面々だ。そしてその演奏は言うまでも無く秀逸なのだが、やはり特筆すべきはコーラス隊「salyu×salyuシスターズ」のパフォーマンスだろう。salyu×salyuはそのプロジェクトコンセプト自体、本来はスタジオエンジニアリングを前提に成立するわけだが、これをライブで再現する為に結成したのがこのコーラス隊。彼女らが紡ぎ出す巧みなコーラスワークはまさに圧巻だ。複雑なラインが幾重にも絡み合った音の塊が会場に降り注ぎ、誰もが受け止めるのに精一杯で棒立ちのままステージに釘付けにされる。数あるフェスの中でもインスタレーションやパフォーマンス等、アート色が濃いこのSense of Wonderであるが、それにふさわしい非常にアーティスティックな内容のステージで締めくくられた。

 各ステージでの演目も終わり、Sun Shower Fieldの最後にタイムテーブルで組まれていたLOVE FOR NIPONでは Candle JUNE氏と主催者の小林宏明氏トークセッションもあった。 震災を受けて今回開催にあたっての葛藤が語られ、震度6を記録した焼き物の町、地元笠間の人々の熱い気持ちと協力と、 培ってきた人間同士の繋がり、関係性の上で実現できたという。 原発の影響など日々ネガティブな情報あふれる毎日だからこそ、震災から立ち上がり復興に向けて 前向きに音楽を届けたかったという熱意が主催者自身の言葉で伝えられ、 オーディエンス、スタッフ、演者、居合わせた全ての人達の暖かい拍手で終演を迎えた。



取材:MTV  [編成 三浦(KENT)/制作 松沢(nori)/Web編集部:山本(Tommy)/志村(SIM)]
写真:Sense of Wonder 2011

◆◇関連INFO◆◇
Sense of Wonder 2011 オフィシャルページ

MTV ZUSHI FES 11 supported by RIVIERA
MTVの夏フェスといえばこれ! 水着で遊べるリゾート型夏フェス、ハンパなく楽しいよ。
3 Daysで開催。 2011年8月12日(金)・13日(土) ・14日(日)

12:00

BLOG SEARCH

PROFILE

  • ブログの説明
    取材の裏話や最新の音楽・映画情報のほか、ここでしか読めない独自の企画も展開☆ほぼ毎日更新です
  • ライタープロフィール
    音楽はもちろん、楽しいことや面白いことが大好きなスタッフから構成されるMTVブロガーです。

ENTRIES

CATEGORIES

ARCHIVES

FEEDS